• 利用案内
  • サービス概要
  • 東京本館
  • 関西館
  • 国際子ども図書館
  • アクセス
  • 複写サービス
  • 登録利用者制度
  • オンラインサービス
  • オンラインサービス一覧
  • 国会関連情報
  • 蔵書検索
  • 電子図書館
  • 調べ方案内
  • 電子展示会

世界図書館情報会議―第78回IFLA大会(ヘルシンキ)報告

NDL書誌情報ニュースレター

NDL書誌情報ニュースレター2012年4号(通号23号)

 「世界図書館情報会議(WLIC)―第78回国際図書館連盟(IFLA)大会」が2012年8月11日から17日にかけて、フィンランドの首都ヘルシンキで開催され、国立国会図書館代表団8名の一人として参加しました。[1]

コンベンションセンター

コンベンションセンター

 IFLAにおける書誌関連の分科会は、図書館サービス部会(Division 3)のもとに、書誌分科会(Section 12)目録分科会(Section 13)および分類・索引分科会(Section 29)の三つがあります。筆者は、昨年[2]に引き続き、書誌分科会常任委員会へ常任委員として出席し、目録分科会および分類・索引分科会については、それぞれの常任委員会へオブザーバとして出席しました。また、書誌・目録関連のオープン・セッション、タリン(エストニア)で開催された分類・索引分科会のサテライト・ミーティングに参加しました。IFLA大会に合わせてヘルシンキにて開催されたVIAF評議会にも出席しました。以下に概要を報告します。なお、この報告に登場する書誌関連用語の略語について末尾にまとめました。

1. 書誌分科会常任委員会

(1) UBCに関する声明

 常任委員会でまず議論したのは、UBCに関する声明文についてです。1970年代からIFLAのプログラムとして書誌データの標準化を進めてきたUBCは、その後、UBCIM→ICABS→ICADSと変遷しました。そして、2011年のICADSの活動停止により、電子情報を扱うという形でかろうじて残っていたUBCはコア・プログラムではなくなりました。

 これに対して、書誌分科会ではIFLA上層部へUBCの重要性を訴える声明を出すこととし、事前に委員の間でメールにより検討を進めてきました。常任委員会では声明文をさらに検討し確定しました。確定した声明文は、カールステン・アンデルセン委員長(Carsten Andersen、デンマーク書誌センター)からIFLA Professional Committeeへ提出しました。

(2) 全国書誌に関するガイドライン

 書誌分科会の大きな課題は、2009年に刊行した全国書誌に係るガイドライン “National Bibliographies in the Digital Age: Guidance and New Directions” の改訂です。常任委員会では改訂版に盛り込むべき項目や今後の進め方を討議しました。なお、このガイドラインについて、当館収集書誌部は日本語訳『デジタル時代の全国書誌:指針および新しい方向性』を作成し、2012年4月にホームページに公開しています。

 書誌分科会では、大会に先立つ8月9日にワルシャワ(ポーランド)にて、目録分科会との共催により「デジタル時代の書誌」をテーマにサテライト・ミーティングを開催しました。[3](筆者は後述のVIAF評議会出席のため参加できませんでした。)常任委員会では、このミーティングの概要が報告されました。ニール・ウィルソン委員(Neil Wilson、英国図書館)がガイドラインの概要と今後の改訂について発表し、ポーランド、カナダ、ドイツ、デンマークから、ガイドラインを実践した、あるいはガイドライン改訂につながるような、全国書誌作成・提供についての発表がありました。ガイドラインは、日本語も含めた5か国語へ翻訳されてもおり、各国の全国書誌において少しずつ浸透しつつある、というのがサテライト・ミーティングの総括でした。

 今後は、ガイドラインに則した各国の全国書誌の事例をさらに蓄積・紹介し、また、全国書誌のLinked Open Dataとしての公開を推進する方向で、改訂を行います。2013年春頃に全国書誌作成機関等からフィードバックを求め、来年の常任委員会ではそれらをふまえてさらに改訂作業を進めていきます。改訂版は、ベスト・プラクティス(Best Practice)という形で、現行のような冊子体ではなく、書誌分科会のウェブサイトにページを設けてオンライン・リソースとして提供します。

 8月16日の書誌分科会のオープン・セッションは、9日のサテライト・ミーティングを継承する形でデジタル時代の全国書誌をテーマに開催しました。ポーランド、ドイツ、フランスの各国立図書館から発表があり、特に、ドイツとフランスからはLinked Open Dataとしての全国書誌提供の事例が紹介されました。最後に書誌分科会を代表してニール・ウィルソン委員が発表を行い、ガイドライン改訂の趣旨と方向性を提示し、今後のフィードバックへの協力を呼びかけて、セッションを締めくくりました。

 2013年のシンガポール大会におけるオープン・セッションは、ガイドラインのさらなる促進や全国書誌をよりオープンなものにするといった目標をふまえて、“Opening Up the National Bibliography”(「全国書誌の開放」)をテーマとする予定です。

(3) “National Bibliographic Register”

 書誌分科会では、各国の全国書誌の現況が簡便に把握できるように全国書誌作成機関からの情報をとりまとめ、分科会のウェブサイトに “National Bibliographic Register”(「全国書誌登録簿」)というページを設けて公開しています。今期は登録国数が36から44へ増加しました。今後も登録メンバーを増やし内容の更新を行い、特に、アフリカ地域各国へ登録を働きかけるためにアフリカ分科会へ協力を依頼していきます。

 なお、当館から、2012年1月に全国書誌の提供方法を変更したこと、これに伴い「全国書誌登録簿」の登録内容を更新したこと、また、全国書誌に係るガイドラインを日本語に翻訳し公開したこと等について報告しました。

2. 目録分科会常任委員会および分類・索引分科会常任委員会

 書誌分科会に深く関係するふたつの分科会の常任委員会へ陪席し、情報収集を行いました。

(1) 目録分科会常任委員会

 目録分科会では、多くの作業グループが活動しており、各グループからの報告が議事の中心でした。FRBRレヴュー・グループから、FRSADは3か国語に、FRADは9か国語、そしてFRBRは19か国語に翻訳されたとの報告がありました。また、同グループでは現在、別々に刊行されてきたFRBR、FRADおよびFRSADの三モデルの統合(Consolidation)作業を進めています。

 ISBDレヴュー・グループからは、ISBDに係る全国書誌作成機関アプリケーション・プロファイルの作成公開を検討している、との報告がありました。これについては、全国書誌に関係するということで書誌分科会常任委員会でも議論となりました。プロファイルの具体的な中身は不明ですが、書誌分科会常任委員会ではISBDの必要性にまで議論が至りました。

 目録分科会では、“international cataloguing code”(国際的な目録規則)を策定すべきかどうかについても議論されました。これについては、IFLAは国際的な目録規則自体を定めるのではなく、各国の目録規則が参照すべき国際的な原則や枠組みの策定を行うべきであるという見解で一致しました。

(2) 分類・索引分科会常任委員会

 分類・索引分科会では、分科会として深くかかわってきたFRSADを昨年に、“Guidelines for Subject Access in National Bibliographies”(『全国書誌における主題アクセスのためのガイドライン』)を今年に、それぞれ刊行したところです。今後は特に後者の普及促進がおもな課題です。

3. 書誌・目録関連オープン・セッション

 書誌・目録に関係したオープン・セッションでは、昨年に引き続き、セマンティック・ウェブやLinked Open Data としての書誌・典拠データ提供についての発表が目立ちました。

(1) 国立図書館分科会

 オープン・セッションの中でひときわ目を引いたのは、「国立図書館とオープン・データ」をテーマとした国立図書館分科会によるものでした。フランス、ニュージーランド、スコットランドおよびドイツの各国立図書館から発表がありました。

 蔵書目録とデジタル資料とを統合的にLinked Open Data として提供するプロジェクト “data.bnf.fr”(フランス)、国のデジタル資料を集積しオープンに公開していく国家的アプローチ(ニュージーランド)、デジタル資料をYouTubeなどのソーシャル・メディアを活用して提供する取組み(スコットランド)が紹介されました。

 ドイツ国立図書館からは、クリエイティブ・コモンズのCC0というライセンスのもと書誌データおよび典拠データについて商用も含めて自由に利用可能にしたことの報告があり、国立図書館における書誌データのオープン化の重要性が強く主張されました。

(2) UNIMARCコア活動

 UNIMARCコア活動のオープン・セッションは、「書誌データ・フォーマットの将来」というテーマで行われました。米国議会図書館(LC)から書誌フレームワークのイニシアチブについての報告があるということで注目していましたが、その内容はその時点で同館のホームページから把握できる情報以上のものではありませんでした。

 一方、UNIMARCを維持管理しているポルトガル国立図書館からの報告では、UNIMARCは今後、改訂(revision)よりもむしろ拡張(extension)が必要であり、その構造や質の改善よりも、外部に由来する別の性質のフォーマットへ移行すべきだとの見解が示されました。明示的には言及しなかったものの、Linked Open Data やLCの書誌フレームワーク・イニシアチブの動向を視野に入れたものと考えられます。

 これを補完するかのようにイギリスのポーツマス大学の研究者グループからは、Linked Open Dataおよびその基礎となるRDFベースのデータ・モデルの概要が紹介されました。

(3) 標準に関する委員会

 2012年1月に設置された標準に関する委員会(Committee on Standards)のオープン・セッションでは、パトリス・ランドリ委員長(Patrice Landry、スイス国立図書館)から設置の趣旨について説明があった後、40分ほどのオープン・ディスカッションとなりました。

 IFLAが公表している「標準」類は、「ガイドライン」があったり「ベスト・プラクティス」があったりと様々なので、標準に関する委員会ではIFLAが公表すべき「標準」について再整理し、標準化推進のための活動を行います。当面、特にIFLAにおける名前空間(Namespace)設定の取組みを推進していく予定です。具体的に示された訳ではありませんが、UBCとしてこれまで行われてきた活動の中核部分も、この標準に関する委員会が継承するのかもしれません。

4. 分類・索引分科会サテライト・ミーティング

 分類・索引分科会のサテライト・ミーティングは、IFLA大会閉会後の8月17日および18日、エストニアの首都タリンにおいて、エストニア国立図書館のサポートのもとで開催されました。[4]テーマは「図書館を越えて:デジタル環境とセマンティック・ウェブにおける主題メタデータ」です。分類や件名標目等の主題メタデータについて、Linked Open Dataとしての提供、フィクションやデジタル・コレクション等様々な資料群への適用事例等、二日間で13の発表がありました。

 セッションの最後に、「ラウンド・テーブル」として、参加者の質問や意見に分類・索引分科会のメンバーが応える形で討議が行われました。ジョアンヌ・ベレール委員長(Jo-Anne Bélair、カナダ、ラバル大学)からの、Linked Open Data は確かに重要であるが、そこにおいても統制主題語彙の重要性が失われるものではない、という締めくくりのことばに深くうなずいて、今年の大会参加の全日程を終えました。

5. VIAF評議会

 報告としては最後になりますが、VIAF評議会はIFLA大会に先立つ8月10日、同じヘルシンキにおいて開催されました。VIAF参加機関による会合はこれまでも行われてきましたが、2012年4月にVIAFがOCLCへ事業として移管され、初めて評議会という形での開催です。今年度の活動状況が報告され、今後の計画について討議しました。

 ISNIの品質管理を行っている英国図書館とフランス国立図書館から、VIAFとISNIとの連携について報告がありました。ISNI側でVIAFデータをベースにして権利関係団体等のほかリソース・データとマッチングし、ISNIをVIAFも含めた各データへ割当てます。この過程で判明したエラー(同定ミス、生没年のミス等)をVIAF側へレポートとして送り、その結果、VIAFデータの品質向上にもつながります。

 今後のおもな計画は、ウィキペディアとの連携強化(まずは英語版ウィキペディアへVIAF のIDを与える)、収録する典拠種類の拡充(地名典拠の拡大、ミッキーマウス等のフィクション・キャラクター名の収録)、典拠データに記録される個人の生年等プライバシー問題への取組み等です。また、VIAFへの参加基準を確立し、非ローマン言語典拠データの充実、特に、アジアからの参加を促進します。なお、次期議長にヴァンサン・ブレ氏(Vincent Boulet、フランス国立図書館)が選出されました。

 当館からは、VIAF参加へ向けて準備を進めており、年内には正式に参加できる見込みである、と報告しました。

 そして、その報告どおり、10月1日、当館はVIAFへ参加しました。

大柴 忠彦
(おおしば ただひこ 収集書誌部収集・書誌調整課)

略語一覧(アルファベット順)

FRAD:Functional Requirements for Authority Data 典拠データの機能要件
FRBR:Functional Requirements for Bibliographic Records 書誌レコードの機能要件
FRSAD:Functional Requirements for Subject Authority Data 主題典拠データの機能要件
ICABS:IFLA-CDNL Alliance for Bibliographic Standards 書誌標準のためのIFLA-CDNL(国立図書館長会議)同盟
ICADS:IFLA-CDNL Alliance for Digital Strategies デジタル戦略のためのIFLA-CDNL同盟
ISBD:International Standard Bibliographic Description 国際標準書誌記述
ISNI:International Standard Name Identifier 創作者等の名称に関する国際標準識別子
RDF:Resource Description Framework メタデータを記述する標準的な枠組み
UBC:Universal Bibliographic Control 国際書誌調整
UBCIM:Universal Bibliographic Control and International MARC 国際書誌調整と国際MARCプログラム
VIAF:Virtual International Authority File バーチャル国際典拠ファイル

[1]今大会のプログラム、発表ペーパーの一部については、以下に掲載されています。
http://conference.ifla.org/past/ifla78/programme-and-proceedings.htm (参照2012-12-3)

[2]昨年のIFLA大会については、本誌2011年3号(通号18号)にて紹介しています。
http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/bib_newsletter/2011_3/article_03.html (参照2012-12-3)

[3]書誌分科会と目録分科会共催のサテライト・ミーティングのホームページは次のリンク先です。発表のビデオ映像も見ることができます。
http://bn.org.pl/ifla-2012/ifla-2012 (参照2012-12-3)

[4]分類・索引分科会のサテライト・ミーティングのホームページは次のリンク先です。
http://www.nlib.ee/tallinnsatellite (参照2012-12-3)


このページの先頭へ

NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2012年4号(通号23号) 2012年12月25日発行
編集・発行 国立国会図書館収集書誌部
〒100-8924 東京都千代田区永田町1-10-1
E-mail: (ニュースレター編集担当)