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コラム:書誌データ探検 和古書・漢籍編

NDL書誌情報ニュースレター

NDL書誌情報ニュースレター2012年3号(通号22号)

 人文課古典籍係では、江戸時代以前(-1868)の和古書、清代以前(-1911)の漢籍などの目録を作成しています。現在書店に並んでいる新刊本と比較すると、新しいものでも100年、古いものでは1000年以上の隔たりがある資料群です。そのため、目録作成にも種々の工夫が必要となります。ここでは、ほんの一部ではありますが、いくつか特徴的な工夫をご紹介しましょう。

○ 全ては一点もの-和古書・漢籍の目録作成

 和古書・漢籍の目録作成でまず独特な点は、同じ版であっても複本として扱わず、一点ごとに書誌データを作成するということです。写本(筆写された本)ならばそれぞれ異なっている本だというのは納得しやすいですが、刊本(印刷された本)でも同じことが言えるのでしょうか?
 和古書・漢籍の刊本は、一見同じ版のように見えても、版木を部分的に入れ替えたり、序文や奥付・広告などを後から付け加えたり、微妙に異なることが多いのです。また、出版された後も、その本を持っていた人によって製本し直されたり、書き込みが入ったり、元の書名が失われて別の書名が付けられたり、長い年月の間に何らかの手が加わることがほとんどです。このような本の変化をできるだけすくい取るために、一点ごとの目録作成が求められます。

○ こんなことまで記録?-貴重書・準貴重書の詳細な注記 

 国立国会図書館では、基準を定めて貴重書・準貴重書を指定しています。指定に至るまでには相応の調査が必要となりますが、その成果を目録にも反映させるため、貴重書・準貴重書の目録、特に注記部分は詳細なものになることが多いのです。

【例1】

四周双辺, 郭内22.2×17.0cm, 無界, 毎半葉12行, 毎行21-26字, 漢字片仮名交じり, 版心「平家巻一 (-十二) (丁数) 」, 上下花魚尾, 黒口.

 初めて見る人には呪文に思えるかもしれないこの注記は、刊本の版式、つまり本文がどのようにレイアウトされているかなどを表しています。

国立国会図書館デジタル化資料に収録されている「平家物語 12巻. [1]」の画像

【例2】

紺地花唐草模様金襴表紙, 見返し: 金布目紙, 本文料紙: 斐紙(表金泥草花模様下絵, 裏金切箔散らし)

 こちらは表紙や本文に描かれた模様などを記録した注記。字面から贅を尽くした雰囲気が伝わってきます。実際の資料は金色も鮮やかな、豪華な仕立ての絵巻物です。

国立国会図書館デジタル化資料に収録されている「十二月遊ひ. 下」の画像

○ 押されたハンコからも検索できる-印記・旧蔵者等に関する注記 

 和古書・漢籍の特徴的な注記の一つが「印記・旧蔵者等に関する注記」です。「印記」は、資料に押されたハンコ、蔵書印のことで、「印記:宝玲文庫」のように印文を読みとって記録します。これとは別に、以前持っていた人が判明する場合は「松平家旧蔵」などと直接旧蔵者名を記録することもあります。

【例3】

印記: 尚古斎, 畊雨珍蔵, 子孫保之, 東西書屋関場氏所蔵之印, 忠孝吾家之宝関場氏所蔵経史吾家之田, 名忠武字士挙號楳屋, 家在鴨邨暗香蹊景中, 金合文庫, 小林蔵書, 吾唯知足, 月明荘.

 資料の画像を見ると、十一種の蔵書印のうち、巻頭に八種、巻末に四種が押されていました。

国立国会図書館デジタル化資料に収録されている「保暦間記 2巻」の画像

国立国会図書館デジタル化資料に収録されている「保暦間記 2巻」の画像

【例4】

印記: だるま形の蔵書印あり.

 蔵書印の中には文字がない絵印もあり、上記のように形を記録しています。

国立国会図書館デジタル化資料に収録されている「かるかや」の画像

 篆書で刻まれている印文を読みとるのはひと苦労ですが、印記や旧蔵者を記録すると、どの時代のどのような人が持っていたかが分かります。これは、その本の成立年代やどのように読まれてきたかなどを知る重要な手がかりになります。また、印記や旧蔵者を検索語とすることによって、ある人が持っていたコレクションをグルーピングすることなども可能になるのです。

○ デジタル化時代の目録

 近年、和古書・漢籍のデジタル化が進み、資料の画像を直接インターネットで見られる機会が増えてきました。国立国会図書館でも、古典籍資料室所蔵資料約30万点のうち、約7万点の画像を「国立国会図書館デジタル化資料 古典籍資料(貴重書等)」で公開しています。

 今まで目録の記述でしか様子をうかがい知ることができなかった資料も、画像が公開されれば、その資料の具体的な姿が一目瞭然で分かります。一方、画像を見ただけではわからない事柄についても目録へ記録しておけば、画像と目録を両方確認することによって、原資料を見ることなしに、さらに多くの情報を得ることができます。
 和古書・漢籍は長い年月を経て伝わってきた文化財でもあります。今後も永く、そして広く伝えてゆくため、デジタル化とともに、的確な目録を作成していくことが求められていると感じています。 

(利用者サービス部 人文課 古典籍係)


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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2012年3号(通号22号) 2012年9月28日発行
編集・発行 国立国会図書館収集書誌部
〒100-8924 東京都千代田区永田町1-10-1
E-mail: (ニュースレター編集担当)