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講演会「書誌コントロールをめぐる論点 -新しい枠組みに向けての課題整理」開催報告

NDL書誌情報ニュースレター

NDL書誌情報ニュースレター2012年3号(通号22号)

 国立国会図書館は、2012年6月14日に講演会「書誌コントロールをめぐる論点 -新しい枠組みに向けての課題整理」を開催しました。
 英米目録規則第2版(AACR2)の後継であるRDA(Resource Description and Access)が2010年に刊行されて以来、米国議会図書館(LC)を中心として、書誌コントロールの枠組みの変革に向けた取り組みが本格化しつつあります。
 国立国会図書館では、平成23年度の書誌調整連絡会議においてRDAをテーマとしてとりあげ、その動向を把握するとともに、課題整理に着手しました。

 

 講演会では、大阪学院大学の和中幹雄教授を講師としてお迎えし、RDAを中心に書誌コントロールの世界的な流れや当館に望むことなどをお話しいただきました。おもに当館職員を対象とした講演会でしたが、館外の方にもご参加いただきました。以下、講演内容の概要を紹介します。

【RDAをめぐる状況】 

 RDAは、AACR2の後継でありながら、従来のような目録作成(Cataloguing)のツールではなく、情報資源発見に資するためのデータ作成(formulating data to support resource discovery)のガイドラインを提示するものであり、冊子体ではなくウェブ上での使用を前提としたツールキットの形式で刊行された。内容面でも、

  • AACR2は全体構成として記述と標目にわかれているが、RDAは、メタデータ・レジストリへのデータ・エレメントやデータ値の登録に合致したFRBR[1]モデルに従っており、記述と標目の枠がなくなっている点
  • 対象資料が幅広いため、関連機関も増加しており、文書館等他のコミュニティで用いられているメタデータ標準へ配慮するなどの調整が図られている点

 といった違いがある。
 一方で、RDAはAACRおよびAACRの基盤となっている目録法の伝統によって確立された基礎の上に構築されている。AACR2のデータとの共存が図られていることで、歴史的継続性は担保されている。

 RDAはこれまでに

  • (1)目録規則の枠組み決定
  • (2)On the Recordの勧告とRDAテスト実施方針策定
  • (3)RDAツールキットの刊行とRDAテストの実施
  • (4)採用勧告

 のような過程をたどってきた。大まかな経緯は次のとおり。

(1)目録規則の枠組み決定
1997年 FRBRの策定(刊行は翌1998年)
2005年4月 AACR3からRDAに方針変更
2007年10月 RDA全体構成の確定
(2)On the Recordの勧告とRDAテスト実施方針策定
2008年1月 書誌コントロールの将来に関するLCワーキンググループが報告書「On the Record」を提出し、RDAに関する作業の中断を勧告
2008年5月 米国の3国立図書館(米国議会図書館、米国農学図書館、米国医学図書館)が、RDAの採用可能性に関するテストを実施する旨の共同声明を発表
(3)RDAツールキットの刊行とRDAテストの実施
2010年6月 RDA Toolkitとして刊行
2010年7月~ RDAテストの実施(~2011年3月)
(4)採用勧告
2011年5月 LCが書誌コントロールの枠組みを見直す声明を発表
2011年6月 米国RDAテスト調整委員会「米国の3国立図書館は2013年1月以降にRDAを採用すべきである」という条件付き採用勧告
条件:18か月以内に「明瞭で、曖昧でなく平易な英語」によるRDAの条文の書き直し等、かなり多くの作業・活動を完了させること

 RDAの採用は、コスト面で直接的な利益があるものではなく、習熟にも時間がかかるが、長期的に見れば、メタデータへの拡張可能性が導入コストを上回ると予想される。
 現在は、RDA導入に向けた準備として、

  • 各図書館での導入時期の設定
  • 各種研修プログラムの強化
  • RDAをわかりやすく書き直す作業

 が行われている。

 また、LCは2011年10月に「デジタル時代の書誌フレームワーク」と題して、MARCフォーマットからの離脱に向けた「基本計画」(General Plan)を公表した。
 この計画では、

  • コンテンツ規則とデータモデルについて幅広く適応する(異なるコミュニティ、異なる規則、異なる時代に作成された記述の混在を前提とする)こと
  • 所蔵事項、典拠、分類、保存、技術、権利、およびアーカイブのメタデータのような、書誌的記述を伴うまたはサポートするさまざまな種類のデータを提供すること
  • テキストデータ、テキストデータに代わるURIをもつLinked Data、およびその両者を用意すること
  • あらゆる規模と種類の図書館のニーズを考慮すること
  • 不要になるまでのMARCのメンテナンスを継続すること
  • MARCベースの書誌レコードとの互換性を確保すること
  • MARC 21から新しい書誌的環境への変換を行うこと

 などを示した。

【NDLの課題】

 NDLの書誌コントロールの歴史的経緯を振り返ると、

  • NDLの書誌コントロール活動は、1948年の「ダウンズ報告」(ダウンズGHQ特別顧問による国立国会図書館における図書整理、文献参考サービスならびに全般的組織に関する報告)で示された課題を実現する方向で開始されるが、館種を越えた印刷カードの全国的な普及ができなかったこと
  • 1964年に「全日本出版物総目録」昭和35年版をもって未納本出版物の採録を中止したことにより、日本全国書誌が実質的にNDLの蔵書目録となったこと
  • 印刷カードを引き継いだJAPAN/MARCにおいても、CIP(Cataloguing in Publication)が実現せず、標準化とネットワーク化を十分に進めることができなかったこと

 などが課題であった。

 一方、21世紀以降、特に2010年と2011年には、資料の大規模デジタル化とともに、国立国会図書館サーチ(NDLサーチ)やWeb NDL Authoritiesを公開するなど、国際的な観点から見ても画期的な取り組みがあった。とはいえ、NDLサーチで同一著作のグループ化表示において、同定すべき著作の一部が同定されないなど、機械処理の限界も見えている。
 システム先行で進んでいるわが国の図書館コミュニティは、システムに載せるべきデータとそのデータが担っている「意味」の検討(FRBRの有効性の検討等)にも力を入れるべきである。

 「On the Record」の勧告に対応させてNDLの課題を挙げる。
 「On the Record」では、情報サプライチェーンを利用した書誌レコード作成・維持における効率性と、体現形識別子の設定と共有が求められているが、日本では全国書誌番号が活かされず、出版情報と図書館書誌情報、公共図書館と大学図書館等が分離している。また、情報の流れが一部例外(NACSIS-CAT)を除き一方向である。その結果、ISBNやISSNを除いて、共有できる体現形識別子は大学図書館ネットワーク内を除いて存在しない。全国書誌番号が永続的な体現形識別子としての役割を果たすようになることが期待される。

 また、日本全国書誌収録対象資料以外の書誌の標準化や典拠コントロールの拡充、DC-NDLの国内外での宣伝普及活動なども推し進めるべきである。FRBR研究会の成果をWeb NDL Authoritiesに取り込むなど、NDLのシステムでもユーザの成果を取り入れる試みも行ってもらいたい。
 NDLは、日本目録規則の改訂も含めて、国内関係諸機関による協働体制を確立するための旗振り役になってほしい。

(収集書誌部)

[1]FRBRの日本語訳は以下に掲載されています。
http://archive.ifla.org/VII/s13/frbr/frbr-jp.pdf(参照2012-8-13)


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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2012年3号(通号22号) 2012年9月28日発行
編集・発行 国立国会図書館収集書誌部
〒100-8924 東京都千代田区永田町1-10-1
E-mail: (ニュースレター編集担当)