講演会「MARC21フォーマットについて―Alephシステム導入の経験から」開催報告

NDL書誌情報ニュースレター2011年3号(通号18号)
国立国会図書館は、2011年7月28日に講演会「MARC21フォーマットについて―Alephシステム導入の経験から」を開催しました。慶應義塾大学メディアセンター本部課長の入江伸氏を講師としてお迎えし、当館が2012年1月から予定しているMARC21フォーマットでの書誌データ作成・維持管理や、今後の目録の在り方、当館に望むことなどをお話しいただきました。おもに当館職員を対象とした講演会でしたが、館外の方にもご参加いただきました。以下、講演内容の概要を紹介します。
目録の在り方について
慶應義塾大学では、1998年に導入した図書館システムのKOSMOSIIからUSMARCを採用しており、Aleph(図書館用パッケージ・システム)を用いた現在のKOSMOSIIIでも、USMARCの後継であるMARC21を用いている。
目録は、検索媒体やコンピュータ性能など時代によって変化するものである。インターネット時代にはその時代に合った目録(メタデータ)の考え方とシステムがあると思っている。今のOPACは、カード目録を元とした、資料の所蔵場所や請求記号を調べるためのシステムであって、インターネット時代には別のシステムが必要になる。今後のシステムは全文データへのリンク情報が極めて重要になっていくと考えている。目録は請求記号で本の所在場所を示すが、メタデータはURIでインターネット上の全文を示す。メタデータは実体と電子データのリンクデータであるとした場合、物理単位のメタデータの方が処理しやすいと思っている。日本では、流通MARCの関係があり物理単位に近い単位で書誌データを作成しているため、一括記入の書誌よりも全文データへリンクするメタデータに適応しやすい。また、一括記入の目録データは、個々の資料に対する出版年、言語、媒体区分などのコード化情報が欠落してしまう問題がある。記述だけではなく、図書館では軽視されがちだったこのようなコード化情報を記録することは、インターネットでの検索には重要な部分である。
今後の目録作成
これからは、出版社、図書館、研究者やその他の機関が作成したメタデータを共有して使おうというモデルになる。それぞれが連携し、相互理解を進めながらデータを作成し検索を充実したものにしなくてはならない。協働していくためにも、メタデータのワークフローこそが最も大事になり、リアル世界とインターネット世界・メタデータと実体を同定する識別番号が必要となる。特にISBNが付与される以前の和図書に対する国際的な識別番号が課題となる。国内においては、JAPAN/MARCの番号が望ましいが、他の商用MARCを利用している図書館の目録には反映されていない。インターネットで多くの人たちがメタデータを作成し流通させている時代においては、そこに対応するメタデータと共有するキーとなるIDの仕組みが重要である。
大学図書館にとっては、運用コストの面からも、紙資料の作業を省力化して電子資料にシフトしていくのが大きな仕事である。インターネットへの貢献としては、著作権レジストリに発展する可能性もある典拠データベースは重要である。
当館に望むこと
「国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス開発版」(「Web NDL Authorities開発版」)は素晴らしいシステムであるが、どのように他機関との共同事業にしていくかを検討していってほしい。図書館のメタデータを図書館だけにとどまらず、多様なコミュニティと共有し、充実させていくことが、今後は重要となってくる。
国立国会図書館作成書誌のOCLCへの提供は評価されることである。フォーマットをMARC21として、国際化対応をするのであるから、ローマ字や著者名典拠のヨミなど、国際標準と異なっている部分についても、機能拡張で対応してもらえるように積極的にアピールし、国際的に日本の書誌情報のプレゼンスを高めていってほしい。
(収集書誌部)
NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)
ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2011年3号(通号18号) 2011年9月30日発行
編集・発行 国立国会図書館収集書誌部
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