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コラム:書誌データ探検 分類(2)
分類表の解釈:「日本十進分類法新訂9版分類基準」

NDL書誌情報ニュースレター

NDL書誌情報ニュースレター2011年2号(通号17号)

 前回のコラムでは、分類が主題検索に有効なツールとなることをお話ししました。分類表は、あらゆる知識を収めた壮大な知識体系です。「知識を分類表の適切な場所に位置づけ他の知識との関係性を示す」という機能は、ウェブ上に情報が満ちている現代においても決して色あせることはありません。しかしその機能を有効に活用するためには、日々進歩して行く知識に伴って出現する新しい主題への対応が必要となります。また、一度は定まった分類表も、それを使って分類作業を行っていく中で、解釈について「ゆれ」が生じることもあります。

 たとえば、今では日常生活になくてはならない存在となったインターネット。日本図書館協会が発行し日本で広く使われている「日本十進分類法」(NDC)には、しかしながら、「インターネット」という言葉は存在しません。これは1995年の新訂9版刊行以来、新しい版が出ていないためです。いわば、NDCの表自体は1995年時点で時が止まってしまっているのです。(その後、「補遺」という形での若干の分類項目追加はありましたが。)
 それではNDCという分類体系の中に「インターネット」を収めることはできないのでしょうか。いえいえ、そんなことはありません。もともとNDCには、その適用方法に決まりが設けられていて(これを「分類規程」といいます)、たとえばNDC内に項目名として挙がっていない新しい主題の本については、「その主題と最も密接な関係があると思われる主題を考察し、その分類項目に収める」こととなっています。

 とはいえ、新しい主題について、分類作業担当者がそれぞれに分類表を解釈し、独自の判断で「密接に関係がある」と思う分類項目へ収めてしまっては困ります。そこで当館では、NDCに定められた分類規程を更に補足するための独自の分類規程である 「日本十進分類法新訂9版分類基準」を設けています。
 この「日本十進分類法新訂9版分類基準」は、2000年に初版を公開、2003年に若干の改訂を行い、さらにその後に作成した新規基準および従来の基準の見直し等を反映して、2010年12月に、2010年版としてNDLホームページで公開されました。では、早速見てみましょう。

日本十進分類法新訂9版分類基準

『日本十進分類法新訂9版分類基準』より

 547.483に「インターネット<工学>は、ここに収める」とNDC自体にはない注記がされています。こうして、当館の「日本十進分類法新訂9版分類基準」によって、NDCの中にインターネットの居場所が決められました。NDC本表の該当箇所と比べてみると、「日本十進分類法新訂9版分類基準」によって、分類項目の意味がはっきりしたことがよく分かります。

日本十進分類法新訂9版

『日本十進分類法新訂9版』より

 「日本十進分類法新訂9版分類基準」の役割は新主題の収め方を決めることだけではありません。資料のなかには、複数のトピックや観点が絡まり合っているために、分類表のどこに収めていいのか迷うものがあります。このような場合への対処方法についてはNDC本体の分類規程にありますが、当館は「日本十進分類法新訂9版分類基準」によってこれをさらに補足しています。
 たとえば、『魚介類を使った、インドの家庭料理』という本があるとします。NDCでは、様式によって分ける場合(596.22「インド料理」)、材料によって分ける場合(596.35「魚介料理」)、料理のシチュエーションで分ける場合(596.4「家庭料理」)が並列的に記載されていますが、どれを優先させるかは明記されていません。

日本十進分類法新訂9版

『日本十進分類法新訂9版』より

 この本は、インド料理を扱っているから596.22でしょうか、いやいや魚を使った料理ととらえて596.35でしょうか、そもそも家庭料理なのだから596.4でしょうか。これはどこか一つに決めなければなりません。当館は「日本十進分類法新訂9版分類基準」によって次のように定めています。

日本十進分類法新訂9版分類基準

『日本十進分類法新訂9版分類基準』より

 まず596.4の注記で、家庭料理はそれぞれの料理法に収めるように指示されています。これで選択肢は596.22「インド料理」または596.35「魚介料理」のどちらかに絞られました。更に596.2の注記で、材料(魚介料理)よりも様式(インド料理)が優先するように指示されています。つまり、

様式別(インド料理) > 材料別(魚介料理) > 家庭料理

となるわけです。こうして当館では『魚介類を使った、インドの家庭料理』は596.22「インド料理」に収めることが分かります。

 「日本十進分類法新訂9版分類基準」は、他に分類項目の新設・廃止や使用する分類記号のケタ数の制限なども含み、当館におけるNDCによる分類作業の基本方針と表の解釈の基準を示しているのです。

高橋 良平
(たかはし りょうへい 収集書誌部国内資料課)

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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2011年2号(通号17号) 2011年7月7日発行
編集・発行 国立国会図書館収集書誌部
〒100-8924 東京都千代田区永田町1-10-1
E-mail: bib-news@ndl.go.jp (ニュースレター編集担当)