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新時代の目録規則へ向けて―
平成22年度第96回全国図書館大会第13分科会参加報告

NDL書誌情報ニュースレター

NDL書誌情報ニュースレター2010年4号(通号15号)

 第96回全国図書館大会が2010年9月16〜17日、遷都1300年記念式典などのイベントの熱気に沸く奈良県で開催されました。奈良県における開催は1921年の第16回大会以来2回目とのことです。大会テーマは「温故創新−平城遷都千三百年からの発信」でした。奈良は最古の公開図書館「芸亭院」設立の地です。そのような歴史を持つ奈良に、遷都1300年という節目の年に図書館大会を招致し、新たな情報発信を行っていこうという大会実行委員会の意気込みが感じられるテーマでした。筆者は日本図書館協会(JLA)目録委員会が主催する第13分科会に運営係員として参加したので、その概要についてご紹介します。

 ウェブでの情報発信の浸透、出版形態の多様化、国際目録原則覚書(ICP)の策定、英米目録規則第2版(AACR2)の後継規則であるRDA(Resource Description and Access)の刊行など、目録を取り巻く状況は大きく変化しています。日本目録規則(NCR)は1987年版の刊行以来、マイナーチェンジを繰り返しつつ、20年以上にわたって日本における標準的目録規則として機能してきました。しかしNCRの維持管理を行っている目録委員会では、先に述べた情勢を考慮し、今後は部分的改訂で対処するのではなく、いよいよ新しいNCRを策定する方向です。目録委員会はこの大事業を控え、目録を取りまく状況を改めて確認した上で、新しい目録規則策定の方針を示し、広く意見を求めるために分科会を開催しました。

 大会二日目、17日に奈良県立大学キャンパスにて開催された分科会には、事前登録者数を上回る53名の参加者を迎えました。ほぼ満席となった会場で、まずは目録委員会委員による4本の発表が行われました。

開会挨拶をする原井委員長の写真を表示しています
開会挨拶をする原井委員長

【発表の概要】
1.「目録規則をめぐる今日的状況」
 1つ目の発表は帝塚山学院大学准教授の渡邊隆弘氏によるものでした。様々な表現形式を包含して生成されうる電子資料の出現、インターネットの普及による"目録の危機"などに対応するため、書誌コントロール活動の見直しが国内外でなされています。目録規則の視点からは、OPACの高度化への対応、メタデータの開放性の向上、図書館が作成するメタデータの付加価値の再考が必要とされているといった状況が、ポイントを押さえて紹介されました。

2.「新しい国際目録原則」
 2つ目の発表は当館職員の横山幸雄によるものでした。オンライン目録などの情報環境に対応した新しい基準として、2009年2月に公開された「国際目録原則覚書」(ICP)の特色について、以下の3点が挙げられました。
 (1)各大陸を回り、計5回の会議を経て内容が確定した、その策定プロセス
 (2)FRBR(書誌レコードの機能要件)[1]概念モデルの導入
 (3)適用範囲を拡大し、あらゆる種類の資料の、書誌データおよび典拠データのあらゆる面を対象としていること
 今後に策定または改訂される目録や書誌に関する標準の基盤として、ICPは重要な意味を持っている、とのことでした。[2]

3.「RDA:『英米目録規則』の抜本的改訂」
 3つ目の発表は近畿大学の古川肇氏によるものでした。NCR1987年版のモデルとされたAACR2の後継規則であるRDAの目標や特徴を把握しておくことは、NCRを改訂する上で重要です。古川氏はRDAの主な特徴として、下記の点を紹介していました。

  •  <全体的な特徴>
    • データ要素間の順序や区切り記号など、構文の側面は規則の範囲外とする一方、典拠レコードを範囲内とした
    • FRBRに忠実に構成した
    • コア・エレメントを規定し、記述の詳細度を現行の3階層から2階層に変更した
    • "item"はFRBRに従い個別資料を指すこととした
  •  <個別の事項>
    • 資料種別による章立てをやめ、資料種別を構成し直した
    • 注記をエレメント化し、機械可読性の向上を図った
    • 著者標目に家族を加えた
    • タイトル標目の統一標目化を図った
    • 従来の相互参照や一部の注記の拡張版として、実体間の関連を体系化し、関連の種類を関連指示子により示した

4.「JLA目録委員会の活動と新しいNCR」
 最後の発表は、目録委員会委員長であり当館職員の原井直子によるものでした。新NCRの策定にあたっては、
 ・ICPを始めとする国際標準との整合性を図ること
 ・RDAを参考にしつつも日本の固有の事象に対処するため、今年度実施した「目録の作成と提供に関する調査」[3]などから判明する、現行NCRの評価を反映すること
 ・実務的な規則とすること
に留意し、また規則自体の提供方法も紙媒体にとどまらず、より利便性の高い方法を模索するとのことでした。
 引き続き、改訂の主な内容として、以下の点が列挙されました。
 ・規定対象をエレメント(データ要素)の定義に限定すること
 ・注記をエレメント化すること
 ・FRBRモデルに対応すること
 ・典拠コントロールに関する規定を重視すること
 ・RDAに定める関連を参考に、関連の扱いを検討すること
 ・書誌階層を関連の一種として維持しつつ、基礎レベルの設定の仕方を改善し、さらにFRBRでいうところの著作を扱うことができる規則とすること
 ・排列については規定外とすること
 ・付録を充実すること
 目録委員会では、改訂方針に対するパブリックコメントを2010年末まで募集し、その後は寄せられたコメントを参考に方針を固め、本作業に着手する予定であるとのことです。[4]

【質疑】
 以上の4つの発表に対し、会場では熱心にメモを取る姿が見られました。引き続き行われた質疑応答は制限時間一杯の1時間に及び、多数の質問・意見が寄せられました。その中からいくつか下記にご紹介します。

質疑応答の様子の写真を表示しています
質疑応答の様子

目録規則の対象とする範囲について:
 コンテンツの電子化が進み、目録は資料と利用者をつなぐという時代から、資料と目録が一体化する時代になりつつあると考えると、目録規則は従来どおりの世界に閉ざされていてはいけないのではないか。

他のメタデータ作成規則との連携・すみわけ:
 NCRの改訂は利用者の観点を重視している印象だが、むしろメタデータの共有という観点が必要である。そういった観点から見ると、SIST(科学技術情報流通技術基準)のような、これまで図書館界と接点がなかった標準との連携・すみわけが必要であろう。では、誰がメタデータを作成するかというと、著者、編集者、出版者、図書館、利用者みんなで作り上げていくものと考える。新しいNCRが、SISTにおける学術文献の引用の仕方といったものを参考にしつつ、目録規則としてメタデータの共有・作成をしていく上での指針となることを期待したい。
 既存の基準、例えば雑誌記事索引での基準やSISTなどに目配りする必要があるかもしれないが、困難な作業であると思われる。そのことを踏まえつつ、それらを渡り歩くための、ある程度のレベルのマッピングを付録に取り込んで欲しい。

 この他、図書館では扱わないが、関連のある情報へのリンクがあることが望ましく、そういったリンクへの基盤となる規則となることを願うとの期待や、大学・公共図書館双方で使用できる規則とするだけではなく、学校図書館も念頭に置いてほしいとの要望などが示されました。

【所感】
 ウェブを通じた一次情報への直接アクセスが可能となり、目録の存在意義が問われる中、新しい目録規則の策定といったテーマに多数の参加者が集まったことに安堵しました。目録委員会の一員として、その期待に応えられるよう、新しいNCRの策定作業に尽力していきたいと思います。

東 弘子
(あずま ひろこ 収集書誌部収集・書誌調整課)

[1] IFLA.『書誌レコードの機能要件 : IFLA 書誌レコード機能要件研究グループ最終報告』. 日本図書館協会, 2004.
http://www.jla.or.jp/mokuroku/link.html , (参照 2010-12-10)

[2]「国際目録原則覚書」の策定については、本誌2009年2号(通号9号)にて紹介しています。
http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/bib_newsletter/2009_2/index.html#04 (参照2010-12-10)

[3]目録委員会が、国内の図書館における目録業務の実態を総合的に把握するために、2010年6月〜7月にかけて行った調査。
http://www.jla.or.jp/mokuroku/sheet.pdf  (参照2010-12-10)

[4]NCR改訂に向けた目録委員会の方針は以下に掲載されています。
http://www.jla.or.jp/mokuroku/20100917.pdf  (参照2010-12-10)

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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2010年4号(通号15号) 2010年12月24日発行
編集・発行 国立国会図書館収集書誌部収集・書誌調整課
〒100-8924 東京都千代田区永田町1-10-1
E-mail: bib-news@ndl.go.jp (ニュースレター編集担当)