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トップ > 国会図書館について > 書誌データの作成および提供 > NDL書誌情報ニュースレター > 2010年4号(通号15号) > メタデータの更なる機能向上に向けて―2010年ダブリンコアとメタデータの応用に関する国際会議(DC2010)参加報告

メタデータの更なる機能向上に向けて―
2010年ダブリンコアとメタデータの応用に関する国際会議(DC2010)参加報告

NDL書誌情報ニュースレター

NDL書誌情報ニュースレター2010年4号(通号15号)

 2010年10月20日〜22日の3日間、米国ペンシルベニア州ピッツバーグのヒルトンホテルで「2010年ダブリンコアとメタデータの応用に関する国際会議(DC2010)」が開催されました。この会議は、ダブリンコア(Dublin Core)などのメタデータに関する研究発表や意見交換の場として毎年開かれており、今回は米国情報科学技術協会(ASIS&T)年次大会と日程・場所を併せて開催されました。23か国から約150名の参加者があり、日本からは筆者を含め5名が参加しました。

DC2010の会議風景の写真を表示しています
DC2010の会議風景

 20日にはチュートリアル、21〜22日には基調講演、ペーパーセッション、プロジェクトリポートが行われ、これらと並行して各種コミュニティによるセッションやワークショップが開かれました。

1.チュートリアル

 チュートリアルでは、ダブリンコアの基本的な概念やこれまでの経緯についての講義と、セマンティック・ウェブの基礎と実践についての講義が開かれました。データをセマンティック・ウェブに適合した形で提供するための方法として、次のような「SAFARI」の六つのステップがあることなどが紹介されました。

 S:Start Simple(まずはダブリンコアの基本15要素から始める)
 A:Add to the Core(独自要素とダブリンコアの15以外の要素を追加する)
 F:Facets(値の記述に分類やシソーラスを使用する)
 A:Adopt Standard Vocabularies(標準化された語彙を適用する)
 R:RDF and Web Identifiers(RDF(Resource Description Framework)により表現し、値の記述や要素の定義にURLを使用する)
 I :Integrate(既存のLinked Data[1]の集合への関連付けを行う)

2.基調講演、ペーパーセッション、プロジェクトリポート

 21日の基調講演では、ダブリンコア開発時のメンバーの一人であるウェイベル(Stuart Weibel)氏から、これまでのダブリンコアの歩みとこれからの展望についての講演があり、ダブリンコアの維持管理団体であるDCMI(Dublin Core Metadata Initiative)の活動に対する評価や、コミュニティ間の連携を強めていくことの必要性などが述べられました。

 22日の基調講演では、バーグマン(Michael K. Bergman)氏から、現在のLinked Dataは、記述に用いる語彙の誤用、各語彙間の関連付けの欠如などの問題があり、セマンティック・ウェブの志向する機械的な意味解釈という目標との間に「ギャップ」が存在することが指摘され、DCMIがこれまでの経験と権威を活かし、その「ギャップ」を埋める役割を担っていくことへの期待が述べられました。

 ペーパーセッション、プロジェクトリポートでは、FRBR(書誌レコードの機能要件)[2]モデルに対応したアプリケーションプロファイルの開発など、FRBRに関する3本の発表があったほか、図書館や政府機関から、ダブリンコアメタデータの適用事例が数多く報告されました。

3.図書館関係コミュニティによるワークショップ、特別セッション

 図書館アプリケーションプロファイルのタスクグループでは、DCMIの下で整備が進められた、相互運用性を担保するための基礎的なモデルであるAbstract ModelSingapore Frameworkを反映し、また近年のLinked Dataを巡る動きとも歩調をそろえることを目的として、図書館アプリケーションプロファイル(DC-Lib)の改訂を検討しています。このタスクグループのワークショップでは、改訂版の草案をもとに、スコープと機能要件、概念モデル、語彙の使用法について議論が行われました。

 まずは、DC-Libのスコープをどこに設定すべきか、目録対象資料のうち単行資料や継続資料といったテキスト形式の資料に限定するのか、博物館や公文書館の資料についても範疇に含めるのかについて議論されました。その結果、適用対象に境界を定めるのは難しいため、従来の図書館のメタデータが主たる記述対象としてきたテキスト形式の資料に焦点を置くが、適用対象の限定はしないということに落ち着きました。

 DC-Libの概念モデルについては、図書館コミュニティ以外とのデータ交換を考慮し、シンプルな概念モデルとすること、ひいてはFRBRモデルを採用しないことが、昨年度の会議で決定されました。しかし、体現形(manifestation)と個別資料(item)の関連については、記述に対するニーズが高いこともあり、今回のワークショップでの議論を踏まえて、体現形にはDC-Libで独自定義する「bibliographicTextResource」のクラス、個別資料にはFRBRの「Item」のクラスをそれぞれ使用することになりました。

 DC-Lib改訂の最終草案は2010年内にまとめられ、2011年初めには確定される予定です。

 DC-Libタスクグループとは別に、動向が注目されるのがDCMI/RDA タスクグループです。DC-Libは、FRBRのように複雑な概念モデルを解さない他のコミュニティとのデータ交換を考え、シンプルな概念モデルをとることにしていますが、DCMI/RDAタスクグループでは、FRBRモデルを取り入れた目録規則であるRDA(Resource Description and Access)に基づいて作成された書誌データを、FRBRモデルを生かした上で、セマンティック・ウェブに適合した形式で提供するための検討を行っています。今後の課題としては、RDA本体との関連付けや効率的な語彙の活用をどのように行うかを考える必要があるとのことでした。

 会議全体を通じてLinked Dataに対する強い関心が寄せられており、特にLinked Dataに関する特別セッションでは、Linked Dataとして書誌データを提供する際の概念モデルや語彙の使用法について、活発な議論がありました。Linked Dataとしての書誌データの表現方法については、米国図書館協会(ALA)国際図書館連盟(IFLA)の年次大会で引き続き議論を行うこととなり、今後の動向が注目されます。

4.まとめ

 ダブリンコアの開発から15周年、会議開始から10周年の節目にあたる年ということもあり、ダブリンコアとその維持管理団体であるDCMIの今後のあり方を含めた自らの存在意義に対する問題意識が会議全体を通底していたという印象を受けました。また、Linked Dataに対する図書館コミュニティの期待と関心の高さも、まざまざと実感しました。様々な図書館関係機関でLinked Dataとしての書誌・典拠データの提供が開始されていますが、データの表現形式については、それぞれの機関がそれぞれに考えているという状況で、ベストプラクティスといえる共通のモデルはまだ構築されていません。相互運用性の向上のためにも、今後、図書館コミュニティ内での連携の強化が望まれます。Web NDLSHに続き、書誌データ・名称典拠データのLinked Dataの提供について検討を進めている当館も、こうした連携に参加していく必要性を感じました。

佐藤 良
(さとう りょう 収集書誌部収集・書誌調整課)

 チュートリアルの資料はTrainingのページ 、講演の資料はDCMI Conference Paper Repositoryのウェブサイトでご覧いただけます。

[1]Linked Dataとは、セマンティック・ウェブを基盤として、個々のデータや概念に対してURIを与えて公開することで、様々なサイトの多様なデータを関連づけて利用できるようにするもの。

[2] IFLA.『書誌レコードの機能要件 : IFLA 書誌レコード機能要件研究グループ最終報告』. 日本図書館協会, 2004.
http://www.jla.or.jp/mokuroku/link.html, (参照 2010-12-10)

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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2010年4号(通号15号) 2010年12月24日発行
編集・発行 国立国会図書館収集書誌部収集・書誌調整課
〒100-8924 東京都千代田区永田町1-10-1
E-mail: bib-news@ndl.go.jp (ニュースレター編集担当)