もっとアジアからの声を−ISO/TC46会議 済州島大会報告

NDL書誌情報ニュースレター2010年3号(通号14号)
2010年5月11日から14日まで、韓国の済州島で開かれたISO/TC46(情報とドキュメンテーション専門委員会)の大会に参加しました(ISOやTC46については、本誌2009年第3号(通号10号) をご覧ください)。

ISO/TC会議 済州島大会 会場風景
本年は、TC46の総会、およびその分科会(SC)である「技術的な相互運用性(SC4)」「識別と記述(SC9)」「文書・記録管理(SC11)」それぞれの総会やワーキンググループ(WG)等が開催され、日本から3名、全体では100名ほどの参加がありました。
近年SC9の中心となっているテーマは「情報の連携」です。昨年に引き続き、ISNI(International Standard Name Identifier:創作者等の名称に関する識別子)の策定を担当しているWGの会議が開催され、規格案への投票の際に各国から寄せられたコメントを元に、たとえば「ISNIという文字と数字の間は、スペースかコロンか」といった、規格案の細かい文言や定義などについて改訂作業が行われました。策定された規格は世界中で使われるということで、誤読されない文言を選んでいくなど、規格が作られていく実際の現場を見ることができました。
同じく2009年に続いて開催されたIIG(Identifier Interoperability Group:識別子間の相互運用性検討グループ)の会議では、各識別子間の相互リンクを想定してそれぞれのデータベースに含まれる要素(著作者・演奏者・出版者等)について話し合われました。それぞれの識別子は、規格の中でメタデータの項目について定められていますが、識別子ごとに共通の項目が少ないため、そのままでは正確なリンクに使えません。これを整備できないかといったことについて、可能性が検討されました。また、情報の連携を検討する上で参考になる試みとしてVMF(Vocabulary Mapping Framework)[1] の紹介がありました。
筆者はTC46総会およびSC9の各会議に参加しましたが、今回印象付けられたのは、アジアからの参加者の存在感でした。これまで、TC46は欧米が中心であり、アジアの存在意義はそれほど高いものとは言えませんでしたが、今大会では、主催者の韓国はもちろん、中国から新規格の提案があったりと、会議でアジア各国の参加者が発言する姿が目立ちました。TC46で扱う規格は、乗り遅れると、将来的に国際的な情報のやり取りに不都合が生じる可能性があります。日本も会議に積極的に参加しなくてはならないと感じました。
次回は2011年5月にオーストラリアのシドニーで開催される予定です。
河合将彦
(かわい まさひこ 収集書誌部収集・書誌調整課)
[1]VMFのアルファ版のリリースについては、カレントアウェアネス-Eでも紹介しています。
メタデータ語彙のオントロジー,VMFのアルファ版がリリース
カレントアウェアネス-E1011.2010,No.164.
http://current.ndl.go.jp/e1011 (参照2010-9-30)
NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)
ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2010年3号(通号14号) 2010年10月29日発行
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