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国立国会図書館の書誌サービスの新展開

NDL書誌情報ニュースレター

NDL書誌情報ニュースレター2010年2号(通号13号)

 本誌2008年2号(通号5号)でご紹介したように、国立国会図書館(以下、NDLといいます)では、2008年3月に「国立国会図書館の書誌データの作成・提供の方針(2008)」を公開しました。この方針はウェブの時代に対応するため、書誌データを誰もが自在に利用できるようにすること、目録の役割をその機能と収録範囲の両面から拡大することに重点を置くもので、平成20年度からの5年間の展望を描いていました。

 同年12月に、NDLは全館の将来構想として「創造力を生み出す新しい知識・情報基盤の構築を目指して―国立国会図書館の取組―」を取りまとめました。この構想に基づき、情報システムの更新時期(2012年初め)を目安として、多様な利用者のための新しい図書館サービスを提供しようとしています。

 新しい図書館サービスの礎となるべく、刻々と変わる技術環境のもとで今日の時代にふさわしい書誌サービスを提供するため、新方針で定めた目標をどのように展開し、具体化していこうと考えているかについてご報告したいと思います。

目次

1. NDLの利用者像と書誌サービス

 図1のとおり、インターネットの普及によりNDLの利用者は従来と比較にならないくらい広がり、ニーズも多様化してきました。

(図1)NDLの利用者像
当館の利用者には、国会議員、行政・図書館関係コミュニティ、サービス・プロダクト等の提供者、調査・研究に従事する人、ウェブからいつの間にかアクセスした人、特定の資料・情報を求める人、未来の利用者がいることを図で表示しています

 新しいサービスの拠点となるインターネットには、次のような利用者が存在しています。

  • a NDLの所蔵資料を利用しようとする利用者
  • b 検索エンジンなどからいつの間にかNDLのサービスにアクセスしている利用者
  • c NDLのデータを活用し、第三者にサービスを提供する利用者

 外部のサービス提供者によってナビゲートされた利用者がNDLにアクセスし、さらにNDLの様々なサービスによって外部のサービスに再びナビゲートされることで、NDLの多様で、かつ組織化された資源(それは資料に限らず、書誌データやレファレンス情報などを含みます)が有効に利用されるサイクルが形成されるのです。

 その際、NDLが提供する資源と利用者をつなぐ情報探索のためのサービスが、使いやすいものであり、提供する情報が確かで有効なものであることがたいへん重要となってきます。それを支えるものが、信頼性の高い書誌データであると言えます。

 情報探索のためのサービスは、現在の書誌サービスの役割を拡張するものです。また、書誌データ自体も、利用者のニーズに合わせて新たな形式や方法によって提供していく必要があります。

 今後の書誌サービスは、国立国会図書館蔵書検索・申込システム(NDL-OPAC)、総合目録といったNDLでこそ可能なサービスを統合的に組み合わせ、さらに他のサービスに連携を広げていくことによって、情報の探索機能を向上させることを目指します。同時に、NDLが作成した書誌データ自体をこのようなサービスから容易に入手できるように、書誌データ提供の機能を改善していきます。

2. 書誌サービスの機能領域

 書誌サービスは、図2のとおり、(1)探索機能と(2)書誌データ提供機能を、(3)書誌データ作成プロセスという基盤が支え、(4)書誌調整機能がこれらを束ねるという関係にあります。本章では、これらの四つの領域について、今後の方向性を示したいと思います。

(図2)「書誌サービスの四つの領域とその方向性」
書誌サービスの四つの領域として、探索機能の向上、書誌データ提供機能の改善、書誌データ作成プロセスの見直し、書誌調整機能を挙げ、それらの相互関係を図示した画像を表示しています

(1)探索機能の向上

 利用者が情報を探索し、適切な資源へアクセスするためには、次の点が重要となります。

a 総合性・統合性

 日本全国書誌、NDL-OPAC、雑誌記事索引、総合目録など、それぞれ別サービスとなっている各目録を統合・連携させ、一つの入口から統合的な検索ができると同時に、各サービスへのナビゲートができるようにします。

b 対象の多様性

 検索の対象に電子情報を含む「資料収集の指針」、「資料収集方針書」に基づき収集したNDLの資料のみならず、他機関の情報資源にも広げます。従来の書誌データだけでなく、さまざまなメタデータ、付加的な情報(目次情報など)、フルテキスト(本文)、主題情報なども、構造的な形で探索できるようにします。

c 典拠データの活用

 利用者が資源を発見、識別、選択することを支援するために、コントロールされた典拠データを有効に活用できる補助システムを開発します。

d 補完機能の充実

 検索がヒットしない場合でも利用者が結果を得られるナビゲート機能や、利用者による設定が保存可能な機能を備えるなど、補完機能を充実させます。

(2)書誌データ提供機能の改善

 全国書誌を作成する機関として、書誌データを確実に作成し提供することは、NDLの重要な使命の一つです。多様な利用者へのサービスを目指して、従来の書誌データファイル製品を頒布する方式から、インターネット経由で書誌データを入手できる方式に、提供方法の重点を移します。あわせてNDLの書誌データの普及、認知度の向上を図ります。

a 有用でよりどころとなるデータ

 納本制度により広範に収集したNDL所蔵資料に基づき作成した、標準的で体系化された書誌データ、典拠データを提供します。

 また、これらのデータをOCLC(Online Computer Library Center)バーチャル国際典拠(VIAF)などの国際機関を通じて海外へも提供し、我が国を代表する標準的データとして扱われるようにします。このためにも、文字コードをUnicode化して多言語対応ができるようにしていきます。

 同時に、データ内容の包括性、完全性を期して、未入力資料をさらに遡及入力し、既存のデータ内容の見直しも進めます。

b 自由に使えるデータの提供

 プロトコル連携(Z39.50、SRW等)、API(Application Program Interface)の公開などにより、NDLの書誌データ、典拠データをより自由に利用できるようにします。同様に、外部のサービス提供者(検索エンジンなど)が、NDLの書誌サービスを組み込んだサービスを展開できるようにします。

c 柔軟な形式のデータの提供

 書誌データ、典拠データの国際的な提供や交換をより円滑にするため、原則として、提供フォーマットを事実上の国際標準であるMARC21フォーマットとします。さらに汎用的な活用を促進するため、RDF形式で各種データを公開します。

(3)書誌データ作成プロセスの見直し

 利用する人にとって、使いやすく、かつ適時のデータ提供が行われるようにするため、書誌データの作成プロセスを改善します。2010年3月に開催した「日本全国書誌の在り方に関する検討会議」において、公共的な書誌情報としての全国書誌に関する重要性と課題を確認しましたが、今後関係機関と協力・調整し、作成の迅速化に向けた新しい枠組みを検討します。

a 書誌データ作成の迅速化

 2009年1月に、外部民間MARCを部分的に導入し、従来の多段階にわたったチェックポイントを最小限の段階に減じただけでなく、収集・受入プロセスとの可能な限りの統合も図り効率化を進めています。

b 外部資源の活用

 MARC以外の内容細目、目次情報、記事情報などの外部資源について調査し、活用可能性を検討します。

c インプロセスデータの公開

 より早い時点におけるデータの入手について出版・流通分野の協力を得て実現し、入手したデータをインプロセスデータとして、納本後間もない時点で公開することを検討します。ただし、資料が利用可能となる前のデータ公開となるため、利用者の混乱を招かないことには十分注意します。

d 関係機関との協力

 国立情報学研究所のNACSIS-CATをはじめ、関係機関の書誌データ作成システムとの将来的な連携の可能性を探っていきます。

(4)書誌調整機能

 次世代の目録規則として、「書誌レコードの機能要件(FRBR)」基本モデルとした各種基準が形成されようとしています。NDLは、日本の中心的な書誌データ作成機関として、積極的に書誌調整の役割を果たし、標準化の観点から日本の書誌データおよび目録の在り方そのものを考えていきます。

a 国際的な書誌調整

 従来、書誌データの基本方針として扱われてきた通称パリ原則(1961年に国際目録原則会議で採択)に代わるものとして、FRBRに基づく「国際目録原則覚書」が2009年2月に確定しました。国際的な代表的目録規則である「英米目録規則(AACR2)」も時代に合わせたものに脱皮してRDA(Resource Description and Access)に変わろうとしています。これらの動向を注視しながら、主要文献の国内への紹介、国際図書館連盟(IFLA)参加、ISSN日本センター業務等を通じて、国際的な検討にも参画します。

b 国内における書誌調整

 国内においては、書誌調整連絡会議の開催を通じて日本図書館協会(JLA)を始めとする国内主要機関との連携を強化し、常に課題に対処していきます。

 当面の課題としては、JLA目録委員会による「日本目録規則(NCR)」の国際的動向に依拠した改訂、JLA分類委員会による「日本十進分類法(NDC)」の改訂への協力、JLA件名標目委員会との協同による「国立国会図書館件名標目表(NDLSH)」と「基本件名標目表(BSH)」の連携などがあります。

c 電子情報資源の書誌調整−DC‐NDL

 電子化資料、デジタルアーカイブ、外部の電子情報などの電子情報資源をスムーズに検索できるようにするためには、アクセス可能な書誌データ(メタデータ)が必要です。日本の標準的メタデータを構築するために、NDLは、情報資源のメタデータ記述のスキーマとして、DC-NDLを維持・管理していきます。

3. 新しい書誌サービスの具体的な展開

(1)実現できたこと−2008〜2009

 「国立国会図書館の書誌データの作成・提供の方針(2008)」と同じ方向性の取組として、NDLでは、NDL-OPACの改修を行い、書誌詳細画面への固有URLの表示ダウンロード機能の追加雑誌記事索引のRSS配信機能の提供、また、NDL-OPACから外部データベースへのリンクなどを開始しました。これらは、NDLの書誌データをより利用しやすくするためのものです。

(2)進展中のことがら−2010〜

a 新システムの構築

 冒頭でも述べたように、NDLでは、2012年初めに情報システムのリニューアルを行う予定です。次期システムは、大きく二つのシステムに分かれます。

 一つは、OPACです。これは、現在のNDL-OPACとアジア言語OPACを統合したものとなります。このシステムは、書誌データ作成から提供までを行う既存のパッケージシステムを導入して構築します。これに伴って、JAPAN/MARC等のプロダクトの提供形式は、前号の記事「書誌データのプロダクト提供サービスが変わります」でお知らせしたように、2012年1月からMARC21となります。また、Unicode採用による多言語対応やプロダクト類の収録範囲拡大(アジア言語資料等)を行います。

 もう一つは、NDLや他機関の持つ情報を統合的に検索して、最適な入手手段にナビゲートするという情報探索サービスのシステムです。このシステムは、2012年の本格稼働に先立ち、本年夏にプロトタイプを公開します。

 2つのシステムは連携して、利用者が、NDLの蔵書目録、総合目録(ゆにかねっと、新聞総合目録、児童書総合目録、点字図書・録音図書全国総合目録)を検索し、NDLも含めて日本の図書館の有する資源を確認でき、電子化資料や外部のOPAC、アーカイブ等に遷移することも可能なツールとなることを目指しています。

b ウェブ版の国立国会図書館件名標目表(Web NDLSH)の提供

 2010年6月から、典拠データのセマンティック・ウェブ対応として、ウェブ版の国立国会図書館件名標目表(Web NDLSH)を提供しています。Web NDLSHの詳細については、今号の記事「ウェブ版の国立国会図書館件名標目表(Web NDLSH)を公開しました」をご参照ください。

c DC-NDL改訂版の公開

 Dublin Coreの最新動向と、当館の新しいウェブサービスにも対応するため、2007年5月に公表した「国立国会図書館ダブリンコアメタデータ記述要素」を改訂し、「国立国会図書館ダブリンコアメタデータ記述(DC-NDL)」としてまとめ、6月に公開しました。

d OCLCを通じた国際的提供

 NDLが作成した書誌データの国際的な流通の促進のため、JAPAN/MARCを国際的書誌ユーティリティOCLCが維持管理するオンライン総合目録WorldCatを通じて提供するための覚書を取り交わしました。

 JAPAN/MARC(M)(A)の全データをUNIMARC形式で提供し、本年夏には、OCLCの参加館が日本語資料の整理を行う際に、当館の書誌データをダウンロードすることができるようになります。一般の利用者も、WorldCat上で当館書誌データの検索が可能になります。

4. おわりに

 納本制度に基づき、多種多様な出版物の網羅的な収集を行うNDLが作成する「日本全国書誌」は、日本を代表する書誌として、その文化的資産の財産目録としての意義を有し、また、データベースとしての利用価値も有しています。NDLは長年にわたり、その情報(目録)を紙からオンラインへと、情報技術の発展ととともに進展させてきました。

 今、NDLは、国民にあまねく図書館サービスを提供するために、社会生活の情報インフラとして浸透しつつある「インターネットの世界」に存在する利用者に向けて、新しいサービスを展開していこうとしています。

 当館の書誌サービスは、「1. NDLの利用者像と書誌サービス」で掲げたような多様な利用者が、いつでもどこでも求める情報に迅速で的確なアクセスや案内ができるよう努めてまいります。NDLや他機関の情報を媒体が紙・電子にかかわらず統合的に検索でき、最適な入手手段にナビゲートできるために必要となる、NDLの豊富な資料を背景とした信頼性のある書誌データを多様な形で提供できるよう進めていく所存です。

 図書館、出版流通、情報サービス提供など関係機関のみなさまには、今後もご指導ご協力をいただけますよう、よろしくお願いいたします。

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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2010年2号(通号13号) 2010年6月30日発行
編集・発行 国立国会図書館収集書誌部収集・書誌調整課
〒100-8924 東京都千代田区永田町1-10-1
E-mail: bib-news@ndl.go.jp (ニュースレター編集担当)