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トップ > 国会図書館について > 書誌データの作成および提供 > NDL書誌情報ニュースレター > 2010年1号(通号12号) > コラム: 書誌データ探検 件名(4) 件名標目はウェブの中へ―セマンティック・ウェブ、トピックマップ…  (収集・書誌調整課 白石啓)

コラム: 書誌データ探検 件名(4)
 件名標目はウェブの中へ―セマンティック・ウェブ、トピックマップ…

NDL書誌情報ニュースレター

NDL書誌情報ニュースレター2010年1号(通号12号)

 件名コラムの最終回となる今回は、件名標目の「利用」や「提供」のこれからに関するお話です。件名標目がウェブとつながることによる、多言語シソーラスの構築やWikipediaと件名標目との連携といった可能性についてご紹介します。

 まず、前回までのコラムを簡単に振り返ってみましょう。1回目のコラムでは、件名標目の概要に触れ、検索エンジン顔負けの件名標目の機能をご紹介しました。2回目のコラムでは、先生と助手のやりとりを通じて、件名標目が生まれるまでの流れを追いました。3回目のコラムでは、少し踏み込んで、細目をつなげる統語論(シンタックス)レベルの統制について取り上げました。

 以上のコラムの内容から「件名標目は、うまく使えば非常に便利なツールだ。テーマから資料を的確に検索できそうだ」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 しかし、件名標目は、図書館外の方々にはあまり利用されていないのが現状です。なぜでしょうか。理由としては以下が考えられます。

どんな件名標目があるのかを知っていなければうまく使えない
 図書館員のように「このテーマに関する本には確かこの件名標目が付与されているはず」とわかるユーザにとっては、件名は強力な検索の武器になります。しかし、知らないユーザにとっては、とりあえずフリーキーワードでタイトルを検索するしかありません。「こんな件名もあるよ」とそっと教えてくれるような機能など、検索のインタフェースがより使いやすいものになれば、件名標目を用いて資料の検索をより効率的に行えるかもしれません。

図書館システム以外では機能できていない
 当館の件名標目であるNDLSHは、残念ながら国立国会図書館蔵書検索・申込システム(NDL-OPAC)というシステム内でしかその実力を発揮できないのが現状です。シソーラスの整った主題語彙集で、ウェブ上で自由に使えるものはほとんどありません。NDLSHをNDL-OPACというシステムの枠内に閉じ込めるのではなく、データとして扱いやすい形式でウェブ上に公開すれば、NDLSHの機能が図書館以外のさまざまなシステムやサービスに活用されるかもしれません。

 上記を解決する手法として、このコラムでは以下二つのアプローチについてご紹介します。

1. セマンティック・ウェブ化

 「セマンティック・ウェブ」とは、次世代ウェブの構想で、情報リソースにメタデータを付与し、関連情報をURI(Uniform Resource Identifier)という識別子を用いて情報リソース同士を結びつけ、それらをコンピュータが自動的に処理することで、より高度な情報探索を行おうという構想です。すでに英国政府関連データに無料でアクセスできるウェブサイト“data.gov.uk”や、論文情報を検索することのできるCiNiiでは、セマンティック・ウェブ上で扱える形式でメタデータを記述する枠組みであるRDF(Resource Description Framework)を用いたサービスが始まっており、今後普及していくと思われます。

 「セマンティック・ウェブの技術を用いて、図書館の持つリソースをウェブ上で提供しよう」という動きは世界各地で起きており、中でも注目されているのがSKOS(Simple Knowledge Organization System)です。SKOSとは、シソーラスや分類表等、図書館的な情報リソースをセマンティック・ウェブ上で扱える形式で記述する枠組みで、W3C勧告となっています。LC(米国議会図書館)は、すでにLCSH(米国議会図書館件名標目表)をSKOS形式で提供するサービス“Authorities & Vocabularies”を始めており、日本でも、PORTAによる試験提供や、HANAVINamespace for RDF representation of NDLSH等、NDLSHをSKOS形式で提供する実験が行われています。

2. トピックマップ化

 トピックマップとは、記号化された知識を、関連する情報リソースに結びつけるための技術で、情報リソースから独立した形で概念間の関係を定義するものです。知識全体をTopic(トピック。問題領域でのキーとなる主題群を表現するもの)、Association(関連。主題間(トピック同士)の関係を表現するもの)、Occurrence(出現。主題に関連する情報リソースへのリンク)という三つの構成要素によってマップ化して表現する技術で、主題同士の関係を視覚的に把握することができます。

 セマンティック・ウェブが「コンピュータによる自動的な処理」を志向しているのに対し、トピックマップが「あくまで人が概念間の関係を理解しやすくすること」を志向している点で、両者は異なります。しかし、トピックマップとRDFを相互に変換するツールも出てきており、トピックマップとセマンティック・ウェブの連携が進んでいくかもしれません。

 日本では、「知のコンシェルジェ」というサービスでトピックマップが用いられています。また、2009年7月に、トピックマップの開発・運用環境であるontopiaがオープンソースとなり、トピックマップを取り巻く動きが活発になりつつあります。2010年1月22日には「TMJP2010 トピックマップ適用事例発表会」が東京で開催されました。内藤求氏によるNDLSH・BSH・LCSHのトピックマップ化に関する発表や、研谷紀夫氏による人名典拠情報のトピックマップ化に関する発表など、図書館リソースをトピックマップで表現する実験について報告が行われました。

 コラムの最後に、NDLSHを、上記のようなウェブ上で活用しやすい形式で公開するとこんなことが実現できるかも?という内容をご紹介します。

  • LCSH、RAMEAUといった他の主題語彙集と連携した、多言語シソーラスの構築
  • NDLSHデータを用いて、さまざまなウェブ・サービスとのマッシュアップ
  • Wikipedia等他の辞書的リソースとの連携、NDLSHのシソーラス構造を用いて、辞書的リソースの階層化・構造化
  • ソーシャル・タギングと連携し、ユーザが自由に付けたタグとNDLSHの結び付け

 ウェブの世界は、「他人のフンドシを使って相撲をとる世界」とたとえることができます。自前ですべてをまかなうのではなく、他者のサービスやデータをうまくミックスして、新たな価値を創造する世界であるということです。図書館は信頼性の高いリソースをたくさん持っています。図書館リソースが、ウェブ上でよく使われる「フンドシ」となれるよう、当館もデータやサービスの提供の仕方を工夫していきます。

白石 啓
(しらいし けい 収集・書誌調整課)

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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2010年1号(通号12号) 2010年3月31日発行
編集・発行 国立国会図書館収集書誌部収集・書誌調整課
〒100-8924 東京都千代田区永田町1-10-1
E-mail: bib-news@ndl.go.jp (ニュースレター編集担当)