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NDL書誌情報ニュースレター

ISSN 1882-0468

2009年2号(通号9号) 2009年6月30日掲載 [PDF版 1.10MB]

目次

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本号の紹介

 2009年2号では、前号の「掲載情報紹介」でお知らせしました「国際目録原則覚書」の概要を紹介します。

 「セマンティックウェブ」という語を見かけるようになって数年になりますが、図書館がセマンティックウェブへ対応していく手法を探るための一助として、第36回ディジタル図書館ワークショップのパネル・ディスカッションについて報告します。当館職員も参加し、当館の件名標目表(NDLSH)のSKOS化について意見交換が行われました。あわせて、コラム「書誌データ探検」は、本号より件名編に突入します。

 また、インターネット版NDL-OPACで新たに検索が可能となった資料群について、まとめてお知らせします。

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おしらせ
日本占領関係資料、プランゲ文庫がインターネット版NDL-OPACで検索可能に

 2009年4月1日から、これまで館内でのみ提供していた日本占領関係資料約24万件とプランゲ文庫約3万件の書誌データが、インターネット版の国立国会図書館蔵書検索・申込システム(NDL-OPAC)で検索できるようになりました。書誌データのダウンロードや、プランゲ文庫の郵送複写申込みも可能です。検索方法やダウンロードできる項目については「利用の手引き」内の以下の部分をご覧ください。


国立国会図書館蔵書検索・申込システム(NDL-OPAC)

 日本占領期関係資料とプランゲ文庫はともに、第二次世界大戦直後の日本に関する貴重な史料のコレクションです。所蔵機関との協力によりマイクロフィルムに撮影して収集しました。

 「日本占領関係資料の検索」では、連合国最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)文書等の資料を検索できます。インターネット版NDL-OPACでは、個人情報保護の見地から一部検索対象外となっている資料があります。

 「プランゲ文庫の検索/申込み」では、GHQ/SCAP民間検閲部隊が検閲のため1945年から1949年に収集した日本国内刊行資料のうち、雑誌と新聞・通信を検索できます。ただし、プランゲ文庫の児童書は国際子ども図書館で所蔵しており、国際子ども図書館ホームページ内「プランゲ文庫児童書コレクション」のページにある「所蔵タイトルリスト」で確認できます。

 資料の概要や調べ方については、「日本占領関係資料」の検索ガイドプランゲ文庫の検索でご案内しています。

 日本占領関係資料およびプランゲ文庫(児童書を除く)は東京本館憲政資料室で閲覧できますが、閲覧するには「閲覧許可申請書」が必要となります。詳細は東京本館憲政資料室へお問い合わせください。

(収集・書誌調整課)

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おしらせ
書誌データの遡及入力進む―新たに検索できるようになった資料群をご紹介します

 国立国会図書館では、所蔵資料の書誌データをデータベースで提供するため、遡及入力事業を継続して行っています[1]。平成18年度より3年間にわたって「平成18年以降のデータ遡及計画について」(以下「遡及計画2005」)を基に、書誌データの遡及入力を実施してきました。その結果、新たに200万件以上の書誌データがNDL-OPACおよびアジア言語OPACで検索できるようになりました。

 2009年3月末をもって「遡及計画2005」は終了しましたが、期間内に入力が終了しなかった資料や入力作業が未着手の資料もあります。各資料群について個別に調整を行い、今後も遡及入力を進めていきます。

 遡及入力およびデータ整備の実施によって、検索可能となった主な資料群は以下のとおりです。

表:新たに検索可能となった主な資料群等
資料群等 サービスポイント 件 数 備 考
学習参考書(小・中学用) 東京本館 図書カウンター 約2,600件 昭和23〜39年受入資料
原子炉設置(変更)許可申請書 科学技術・経済情報室 約500件  
加藤まこと展覧会図録コレクション 人文総合情報室 約2,000件 特別コレクション
地図(日本の都市地図・観光地図等) 地図室 約68,000件  
日系移民関係資料(和図書) 憲政資料室 約1,600件 特別コレクション
録音カセット 音楽・映像資料室 約1,000件  
ソノシート 約500件  
映像資料(VHS・レーザーディスク等) 約25,000件  
音楽資料・映像資料(音楽映像データベースからのデータ移行分) 約41万件 アナログレコード約24万件、音楽CD約16万件、映像資料約1万件
電磁的資料(フロッピーディスク・CD-ROM等) 電子資料室 約1,200件  
国内博士論文 関西館 約11万件 昭和42〜昭和57年整理分
テクニカル・リポート 約42万件  
アジア諸言語図書 関西館アジア情報室 約3,000件 ペルシア語、アラビア語、ヒンディー語、サンスクリット語、タイ語の資料
中国語図書 約1万件  
学習参考書(小・中学用) 国際子ども図書館 約3,200件 昭和44〜61年受入資料
紙芝居・静止画 約400件  
雑誌記事索引   約103万件 『雑誌記事索引 科学技術編』(1〜25巻)を平成16年度から入力開始[2]。左は平成18〜20年度中にNDL-OPACに投入したデータ件数。

(収集・書誌調整課)

[1] 「遡及計画2005」以前の遡及入力の歩みについては、以下のページでご覧いただけます。
国立国会図書館. “書誌データ遡及入力の現況−「遡及計画2002」の終了について−”.
http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/data_plan2002.html, (参照2009-6-10).

[2] 雑誌記事索引の遡及入力は、平成20年度に全て終了しました。関連記事を以下でご覧いただけます。
国立国会図書館. おしらせ 雑誌記事索引の遡及入力が終了しました. NDL書誌情報ニュースレター. 2009, 2009.3.
http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/bib_newsletter/2009_1/index.html#04, (参照2009-6-10).

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動向
「国際目録原則覚書」―FRBRモデルに基づく利用者志向の目録へ

 IFLA(国際図書館連盟)目録分科会は、2009年2月に「国際目録原則覚書」(Statement of International Cataloguing Principles. 以下「覚書」)の完成版を公開しました[1]。ここでは、覚書の概要を示す[2]とともに、全国書誌作成機関としての国立国会図書館と覚書の内容とのかかわりについて述べることにいたします。

【はじめに】

 目録担当者にとって、これまで目録に関する国際的な原則覚書(Statement of Principles)といえば1961年に策定された通称「パリ原則」[3]であり、そこで示された標目に関する規定は、目録作成の根本原則として認識されてきました。約半世紀の時を経て新たに策定された新原則は、この間の目録を取り巻く環境の激変に対応したものであるとともに、今後の目録の発展を期待させるものであるといえます。

【覚書の概要】

 覚書の構成は次のとおりです。

  • 序論
  • 1.適用範囲
  • 2.一般原則
  • 3.実体、属性および関連
  • 4.目録の目的および機能
  • 5.書誌記述
  • 6.アクセスポイント
  • 7.探索能力の基盤
  • 用語集
  • 国際目録規則に関するIFLA専門家会議2008年決議

 1.では、書誌データ、典拠データおよび図書館目録が対象とされていますが、図書館以外のコミュニティで作成されるデータとの連携も視野に入れられています。

 2.では、最上位の原則として「利用者の利便性」が示され、「用語法の一般性」「正確性」「経済性」「一貫性」等、八つの原則が順不同で示されています。

 3.では、FRBR (Functional Requirements for Bibliographic Records: 書誌レコードの機能要件).、FRAD (Functional Requirements for Authority Data: 典拠データの機能要件)という概念モデルに基づいた実体、属性、関連と目録規則の関係が示されています[4]

 4.では、パリ原則で示された目録の機能が、FRBR等によって「発見」「識別」「選択」「取得またはアクセスの確保(入手)」「誘導(navigate)」へと拡大されています。

 5.では、書誌記述の基盤としてFRBRモデルの「体現形」を想定していることが示されています[5]

 6.では、アクセスポイントが統制形と非統制形に分けられること、統制形アクセスポイントには典拠形、名称の異なる形があること、名称の形に関することなどが規定されています。

 7.では、書誌レコードおよび典拠レコードの検索、探索結果の限定のためのアクセスポイントとして、中核的アクセスポイントと付加的アクセスポイントがあることが示されています。

 国際目録規則に関するIFLA専門家会議2008年決議では、覚書は完結したものでなく、必要に応じて改訂が行われるべきものであることや、ウェブ上で自由に入手可能となるべきことなどが示されています。

【覚書と国立国会図書館】

 覚書の内容は、直接的には国際標準、国内標準としての各種目録規則の策定・改訂・維持管理に影響を及ぼすものですが、その目録規則に基づいて書誌データ、典拠データを作成・提供している図書館、書誌ユーティリティ等にも間接的に関係しています。また、覚書の理論的な支えとなっているFRBRは、その第7章で「全国書誌レコードの基本要件」を提示しており、全国書誌作成機関としての国立国会図書館にとって無関心ではいられないものです。

 たとえば、覚書で明示された「利用者の利便性」は、目録の最大の利用者が目録担当者から図書館利用者へ、さらには情報資源を発見、識別、選択、入手しようとするすべての人になる時代において、情報ナビゲータとしての目録や、それを作成・提供する図書館の役割の再考を促すものとなっています。

 全国書誌作成機関として国内外に向けて日本語資料の標準的な書誌データ、典拠データを作成・提供する当館は、覚書の趣旨に則り、新たな方向に進んでいくことが求められているといえるでしょう[6]

横山 幸雄
(よこやま ゆきお 収集書誌部収集・書誌調整課)

[1]国際目録原則の原文(英語)および19言語(日本語を含む)の訳文がIFLA目録分科会のウェブサイトに掲載されています。
IFLA Meetings of Experts on an International Cataloguing Code. “Statement of International Cataloguing Principles”.
http://www.ifla.org/en/publications/statement-of-international-cataloguing-principles, (accessed 2009-6-10)

日本語訳は当館ホームページにも掲載しています。
国立国会図書館. “書誌データの基本方針と書誌調整:目録に関する国際的な動向”.
http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/kokusai.html, (参照 2009-6-10)

[2]「覚書」策定の経緯および内容については、次の文献で詳しく紹介されています。
渡邊隆弘. “IFLA「国際目録原則」をめぐって” 情報組織化研究グループ月例研究会報告(2009.4).
http://www.tezuka-gu.ac.jp/public/seiken/meeting/2009/watanabe20090418.pdf, (参照 2009-6-10)

[3]International Conference on Cataloguing Principles (1961 : Paris, France). “Statement of Principles”.
http://www.d-nb.de/standardisierung/pdf/paris_principles_1961.pdf, (accessed 2009-6-10)

[4]FRBRの日本語訳『書誌レコードの機能要件』は、日本図書館協会のウェブサイト内「目録関係情報」にも掲載されています。
日本図書館協会目録委員会. “目録関係情報”.
http://www.jla.or.jp/mokuroku/link.html, (参照 2009-6-10)

[5]次の文献では、この「体現形」中心主義への懸念とともに、FRBRの再検討の必要性が示されています。
谷口祥一. FRBRのその後:FRBR目録規則?FRBR OPAC?. TP&Dフォーラムシリーズ:整理技術・情報管理等研究論集. 2008, No.17, p.3-23.
http://www.slis.tsukuba.ac.jp/~taniguch/TP&Dforum2007.pdf, (参照 2009-6-10)

[6]当館では、既に「国立国会図書館の書誌データの作成・提供の方針(2008)」を策定して新たな業務・サービスの方向性を定め、各種方策を実現させつつあります。
国立国会図書館収集書誌部. “国立国会図書館の書誌データの作成・提供の方針(2008)”.
http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/housin2008.pdf, (参照 2009-6-10)

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動向
図書館のセマンティックウェブ化―第36回ディジタル図書館ワークショップ参加報告

 国立国会図書館件名標目表(NDLSH)の件名にURI(Uniform Resource Identifier)[1]を付与してウェブ上に公開し、件名をハブにしてウェブ上のさまざまな情報をリンクする…そんな未来について話し合うパネル・ディスカッションが開かれました。

 2009年3月10日(火)、筑波大学東京キャンパスにて、第36回ディジタル図書館ワークショップ(DLワークショップ)が開催されました。電子図書館に関わる発表や意見交換とともに、「図書館のセマンティックウェブ」と題したパネル・ディスカッションが行われました。

【パネル・ディスカッション「図書館のセマンティックウェブ」】

 パネル・ディスカッションのテーマは、「図書館の持つ辞書的なリソースを、セマンティックウェブ技術を用いてどう活用することができるか」です。コーディネータは杉本重雄氏(筑波大学図書館情報メディア研究科)、パネリストは神崎正英氏(株式会社ゼノン・リミテッド・パートナーズ代表)、内藤求氏(株式会社ナレッジ・シナジー代表)、永森光晴氏(筑波大学図書館情報メディア研究科)のほか、国立国会図書館(NDL)から中井万知子収集書誌部司書監(当時。現関西館長)が参加しました。NDLでは、現在NDLSHをSKOS(Simple Knowledge Organization System)形式で提供することを検討しており、検討の際に上記の先生方と意見交換させていただいたことがきっかけで、このようなディスカッションが開催される運びとなりました。

0. SKOSとは?

 セマンティックウェブにおけるメタデータの表現の枠組みであるRDF(Resource Description Framework)を用いたモデルで、件名標目表や分類表等を表現することに適しています。SKOS形式でNDLSHを提供すれば、コンピュータがNDLSHの構造や意味を自動的に解析、処理できるようになります。NDLSHをさまざまなアプリケーションやウェブ・サービスへ活用することが可能となり、ウェブ上の有効な主題ツールとして機能する可能性があります。

1. パネリストによる講演

 ディスカッションに先立ち、各パネリストからテーマに沿って発表がありました。「NDLSHをハブにしてウェブ上の関連ある情報をリンクする」「ソーシャル・タグとNDLSHを結びつけ、ユーザが自由に付けたタグを統制する」等、NDLSHをSKOS形式で提供することで実現可能な事例が紹介されました。

 また、現在のウェブの問題として「情報が大量過ぎて目的の情報が得られにくいこと」が挙げられ、NDLSHを用いて、URIに基づく正確な主題の識別やウェブ情報の構造化を行うことで、問題を解決できるという期待も述べられました。

2. ディスカッション

 ディスカッションでは、図書館の持つさまざまなリソースをセマンティックウェブ形式で早急に公開してほしいという意見が多く挙がりました。以下、出た意見を紹介します。

  • 各件名標目のURIを識別できる形で、SKOS形式のNDLSHを早く公開してほしい。日本語で自由に使えるシソーラスの類は決して多くないため、期待している。
  • 著者名典拠データもセマンティックウェブ形式で公開してほしい。情報検索において重要な情報であり、活用の可能性も大きい。
  • NDLSHにはコーパスが存在しない。NDLSHだけでなく、それに紐づいている書誌データも含めてセマンティックウェブ化してほしい。
  • 書誌データの付与にのみ使用している細目付き件名もSKOS形式で提供すれば、書誌データとの共同利用が期待できる。
  • 書誌データもRDF形式で公開してほしいが、RDFで書誌データを表現する枠組みがまだ無い。オーソリティであるNDLやNII(国立情報学研究所)で枠組みを定義し、取り組んでいくべき。

 長年蓄積してきた図書館の持つリソースは、「人の手が入った、確かな情報」として、ウェブ上での活用の可能性が模索されています。パネル・ディスカッションの内容を踏まえ、NDLのリソースをウェブ上で活用いただけるよう、引き続き検討していきます。

 第36回DLワークショップの資料は、以下のウェブサイトに掲載される予定です。
 「ディジタル図書館ワークショップ」情報
 http://www.dl.slis.tsukuba.ac.jp/DLworkshop/

白石 啓
(しらいし けい 収集書誌部収集・書誌調整課)

[1]URIとは、情報リソースの識別子。ウェブ上で広く利用されているURLは、URIの一種であると捉えられることが多い。

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コラム
LCにおける書誌作成の現在―分業から業務統合へ

 2009年3月9日・10日の二日間、米国議会図書館(LC)収集書誌アクセス部を訪問しました。LCの業務の現状および書誌作成業務の今後の方向性について感じたことをご報告します。

写真左:トーマス・ジェファーソン館/写真右:ジェームス・マディソン館
写真左:トーマス・ジェファーソン館/写真右:ジェームス・マディソン館

 収集書誌アクセス部は2008年10月、大幅な組織再編を行いました。再編前は資料の収集と書誌作成は別々の課(Division)が担当していました。再編後はこの二大機能を統合し、対象資料の言語別に構成した九つの課と一つの事務室(office)を置き、課の数も14から9に減りました。再編にあたっては、主に以下の2点を重視したそうです。

1. ベテラン職員の退職と、予算の制約に起因した職員の新規採用の抑制による人員減の中で、高度な言語スキルを有する職員の能力を有効活用する。
2. 原則として職員が収集から書誌作成までの作業を一貫して行うことで、職員間の資料のやり取りにかかる時間を削減し、作業効率を上げる。

 ご存知の通りLCは世界最大の図書館です。その所蔵点数は約1億4,200万点(そのうち図書は約3,200万点)、書架の総延長は約650マイル(約1,040キロメートル)にもわたります。当館の所蔵点数が平成19年度末時点で約3,474万点、書架の総延長が東京本館、新館を合わせて約412キロメートルですので、LCの規模の大きさがおわかりいただけると思います。LCでは、著作権登録プロセス、CIP(Cataloguing in Publication)プログラム、購入、寄贈等多彩な手段によって資料を収集し、毎日約1万点の資料がその蔵書に加わり、大量の書誌を作成しています。業務規模が大きければ、業務ユニットはある程度細分化する必要があると考えられますが、そのようなセオリーに反し収集と書誌作成という図書館の基盤業務の二大柱を統合したのですから、そこに至るまでの経緯は大変なものだったと推測されます。

 各職員のスキルアップなしには、円滑な業務統合は成しえません。LCでは業務統合前に入念な研修を行ったそうです。収集側と書誌側双方の職員でペアを組んで行ったクロストレーニングには、2年程度を要したと話がありました。書誌作成の研修においては、典拠コントロールに重きを置いたとのことですが、業務の効率化に資するため、標目の選定・確認に関するチェックポイントは従来よりも省略化しているそうです。

 書誌作成業務はさらに記述作業と主題作業に細分できますが、LCでは既に1990年代に両業務を統合しています。資料の媒体も従来の紙媒体中心から、各種電子媒体等多様化していますが、媒体によって担当を細分化せず同一の流れで作業を行っています。出版形態の多様化とともに一人の職員がこなすべき業務は広範になり、それに伴い常時スキルアップしていく必要があることを痛感しました。

 日本の国立図書館としての当館への要望について伺ったところ、書誌作成に関して求められているのは典拠の公開でした。NDL-OPACでは当館作成の著者標目、件名標目は検索の有効なキーとはなっているものの、典拠自体の公開は行ってきませんでした。このようなニーズを踏まえ、今後はより広範なデータ提供を目指していく必要があります。

 今回の訪問では、業務上頻繁に参照しているLCの書誌や典拠がどのように作成されているのか、間近に見ることができました。LCは大規模な組織でありながらも、これまでの既定の枠組みを次々と変更して、記述作業と主題作業の統合、収集業務と書誌作成業務の統合を行ってきました。当館でも、2008年4月に収集部と書誌部を統合し、LCと同様に業務の効率化を図っています。LCの先進的な取り組みを参考に、今後も引き続き業務の見直しを図っていきます。

東 弘子
(あずま ひろこ 収集書誌部収集・書誌調整課)

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コラム 書誌データ探検 件名(1)
図書館版キーワード検索―件名標目とは?

 あるテーマについてGoogleやYahoo!で調べたいとき、調べたいテーマをキーワードにして検索します。キーワード入力時、あるいはキーワード入力後、そのことばに関連したことばが自動的に表示される仕組みがあります。より的確なことばや自分では思いつかなかったキーワードへとナビゲートしてくれるので便利ですね。

 ところで、これと似たような、あるいはひょっとしたらこれよりも優れているかもしれない仕組みが、実は、当館の目録NDL-OPACにも存在するのです。NDL-OPAC検索画面の右上、目立たずひっそりと「件名検索」という所があります。「件名検索」をクリックし、「件名検索」の画面でたとえば「アフガニスタン」とキーワードを入力して検索をしてみましょう。

 するとどうでしょう、次のようにアフガニスタンに関連したことばが次々と表示されます。「アフガニスタン--政治」、「アフガニスタン料理」などなど、より絞り込んだキーワードで検索ができます。

件名検索

 「アフガニスタン--遺跡・遺物」ということばもありますね。「遺跡・遺物」というキーワードは、検索時にはなかなか思いつかないかもしれません。けれども、とりあえず「アフガニスタン」と入力してみれば、事前には思いつかなかったキーワードへもナビゲートしてくれます。ここで「アフガニスタン--遺跡・遺物」をクリックすれば、アフガニスタンの遺跡や発掘品について書かれた和図書を網羅的に検索することができます。

 次は「家族」というキーワードで検索してみましょう。

件名検索

 「家族」というキーワードに結びついたさまざまなことばが表示されました。「家族--アジア(東部)」、「家族--アメリカ合衆国--歴史」など、各地域における家族を示すキーワードが表示されます。それだけでなく、「夫婦」、「嫁と姑」といった家族内におけるさまざまな関係を表すキーワードや、「家族制度」や「家族心理学」といった関連することばへもナビゲートしてくれます。

 今度は「レコードジャケット」というキーワードで検索してみましょう。

件名検索

 ご覧のように、入力した「レコードジャケット」のほか、「CDジャケット」、「レコードスリーブ」などのことばが矢印で「ジャケット(ディスク)」へ向かっています。これは、「レコードジャケット」、「CDジャケット」といったほとんど同じ意味のことばを、「ジャケット(ディスク)」というキーワードへ統一して検索するようにナビゲートしてくれているのです。さらに、「グラフィックアート」、「コンパクトディスク」など相互に関連するキーワードへもナビゲートしてくれています。

 この「ジャケット(ディスク)」をクリックすると、以下のようにレコードジャケットやCDジャケットに関する和図書を検索することができます。

件名検索

 さて、これまで例をあげて見てきた、

  1. さらに絞り込んだより詳しいことばへと、
  2. 相互に関連することばへと、
  3. 似たような意味のことばを一つのことばへと、

 ナビゲートしてくれる仕組みをもつキーワードを「件名標目」といいます。「件名標目」は、図書館目録において資料をテーマから検索する手段の一つとして、長く培われてきたものです。「件名標目」にはいくつかの種類がありますが、NDL-OPACで使われる「件名標目」を「NDLSH」(国立国会図書館件名標目表、National Diet Library Subject Headingsの略)と言います。

 上の「ジャケット(ディスク)」による検索結果をもう一度ご覧ください。「ジャケット(ディスク)」ということばが、検索の結果得られたタイトル中に、必ずしも出現していないのがわかります。

 図書のタイトルにはそのテーマを示すことばが現れることが多いですが、その現れ方はさまざまですし、時には明確な形で現れない場合もあります。そのような場合でも、NDLSHの仕組みを利用すれば、図書のテーマからの検索を簡単かつ効率よく行うことができるのです。

 次回のコラムでは、このような効果的な仕組みを作りだすためのNDLSH作成の現場を紹介する予定です。

大柴忠彦
(おおしば ただひこ 収集書誌部国内資料課)

※件名については、当館ホームページ内「What’s 書誌調整?」でも取り上げています。あわせてご参照ください。

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掲載情報紹介

 2009年 4月1日〜2009年6月30日に国立国会図書館ホームページに掲載した、書誌情報に関するコンテンツをご紹介します。

・書誌調整 平成20年度書誌調整連絡会議の記録集を掲載
 2008年11月28日(金)に当館で行った「平成20年度書誌調整連絡会議」の記録集を掲載しました。会議内容の概要については、当館ホームページ内「平成20年度書誌調整連絡会議報告」と「国立国会図書館月報(2009年3月号)」[PDF File 3.61MB]でもご覧いただけます。

(掲載日:4月20日)

・総合目録 第16回総合目録ネットワーク参加館フォーラムの配布資料と記録集を掲載
 2009年3月19日(木)に開催された第16回総合目録ネットワーク参加館フォーラムの配布資料と記録集を、総合目録ネットワークのページに掲載しています。記録集には根本彰東京大学大学院教育学研究科教授の講演「書誌コントロールの地域性と地域資料サービスの課題」、和中幹雄関西館長(当時)の講演「デジタル時代における総合目録ネットワークの可能性」が収録されています。

(掲載日:5月25日)

・NCR適用細則 日本目録規則適用細則を改訂
  日本目録規則適用細則を改訂しました。地図資料適用細則と録音・映像資料適用細則は変更、その他は「日本目録規則1987年版改訂3版」へ対応したものへと全面改訂しました。
 ・「日本目録規則1987年版改訂3版 第4章 地図資料」適用細則
 ・「日本目録規則1987年版改訂3版 第13章 継続資料」逐次刊行物適用細則

(掲載日:4月20日)

 ・「日本目録規則1987年版改訂3版」録音・映像資料適用細則
 ・「日本目録規則1987年版改訂3版 第9章 電子資料」適用細則
 ・「日本目録規則1987年版改訂3版」非図書資料適用細則

(掲載日:5月28日)

・JAPAN/MARC 『JAPAN/MARCマニュアル単行・逐次刊行資料編 第3版』(2009フォーマット)

 2009年4月にJAPAN/MARCフォーマットを改訂し、2009フォーマットとして提供を始めています。改訂内容を反映した第3版のマニュアルを掲載しました。

(掲載日:6月9日)

・海外への広報 NDL-OPACの書誌データダウンロード機能を紹介(英文)
 National Diet Library Newsletter No.166(April 2009)で、2009年2月より開始したNDL-OPACの書誌データのダウンロードサービスを紹介しています。このニュースレターでも、前号の「おしらせ:NDL-OPACの書誌データをダウンロードできるようになりました」で紹介しています。あわせてご覧ください。

(掲載日:5月27日)

・分類・件名 国立国会図書館件名標目表(NDLSH)2008年度版
 NDLSH2008年度版(2009年3月31日現在)のPDFファイルを掲載しました。また、非営利目的の利用に限り2008年度版のテキストデータファイルを自由にダウンロードできるようになりました。どうぞご利用ください。

(掲載日:6月12日)

・分類・件名 国立国会図書館件名標目表(NDLSH)2008年度版追録(2009年4-5月)
 2009年4〜5月に更新した件名標目のリストです。新設した件名には以下のものがあります。

 2009年4〜5月:「クラウドコンピューティング」、「グリーティングカード」、「崇高」など

(掲載日:6月12日)

・分類・件名 更新:国立国会図書館分類表(NDLC)
 G表(歴史・地理)とK表(芸術・言語・文学)の一部を改正しました。

(掲載日:4月24日)

・雑誌記事索引 更新:雑誌記事索引採録誌一覧(5月更新分)
 当館が作成している雑誌記事索引に、現在記事を採録中もしくは過去に採録したことのある雑誌の一覧です。2009年5月19日現在の採録誌総数は19,104誌で、その内、現在採録中のものは10,152誌、廃刊・採録中止となったものは8,952誌です。

(掲載日:5月25日)

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編集後記

 「利用者の利便性」を最上位の原則としておくという「国際目録原則覚書」の基本精神に共感します。しかし、口にするのは簡単でも実現するのは容易ではありません。どのように書誌データ、典拠データを公開していくのがベストなのか、そのためには作成するデータはどのようにあるべきか、さまざまなレベルで悩みはつきません。結局、初心を忘れず、一歩ずつ地道な努力を積み重ねていくしかないのでしょう。これから、迎える暑い夏に負けずに、共に考え、共に働いていきたいものです。

(腹鼓)

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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

2009年2号(通号9号)2009年6月30日発行
編集・発行 国立国会図書館収集書誌部収集・書誌調整課
〒100-8924 東京都千代田区永田町1-10-1
E-mail: bib-news@ndl.go.jp (ニュースレター編集担当)