NDL書誌情報ニュースレター
ISSN 1882-0468
2008年3号(通号6号) 2008年9月30日掲載 [PDF版 628KB]
目次
- 本号の紹介
- 動向 国内刊行図書の整理業務の再編と書誌データの作成方法の変更
- 動向 2008年IFLA大会(カナダ・ケベック)――書誌データ関連のセッションに参加して:書誌データは境界を越えるか?
- 動向 電子時代の全国書誌のためのガイドライン(草案)について
- コラム 産地直送!雑誌記事索引活用法 特集記事について
- 掲載情報紹介
- 書誌データ 読み、分かち書きの基準変更について
- メタデータ 国立国会図書館ダブリンコアメタデータ記述要素(DC-NDL)のスキーマを掲載
- PORTA CDNLAO Newsletter No.62(July 2008)
- 統計 統計からみた書誌データ
- 遡及入力 「平成19年度の書誌データ遡及入力の実施状況」
「図書館雑誌」連載記事 「クローズアップNDL」 - 分類・件名 国立国会図書館件名標目表(NDLSH)2007年度版追録(2008年6月,7月,8月)
- 雑誌記事索引 更新:雑誌記事索引採録誌一覧(9月更新分)
- 編集後記
本号の紹介
暑い夏もようやく過ぎましたが、本号にはホットな動向記事を3本掲載します。1本は、2009年1月から本格化する、国内刊行図書に関する業務体制および書誌データ作成方法の変更について紹介するものです。その他の2本は国際的な動向として、8月に開催された国際図書館連盟(IFLA)大会の模様、また、大会の場でも論議された「電子時代の全国書誌のためのガイドライン」草案の概要をお伝えします。なお、コラム「産地直送!雑誌記事索引活用法」は、今回で3回目ですが、一旦これで終了となります。次号からはコラム「書誌データ探検」をお届けする予定です。
動向
国内刊行図書の整理業務の再編と書誌データの作成方法の変更
前号でお知らせしましたとおり、国立国会図書館では、2008年4月1日に資料の収集を担当していた収集部と書誌データの作成・提供を担当していた書誌部を統合する組織再編を行いました。統合によって発足した収集書誌部では、業務の一層の効率化を図るため、(1)収集業務および書誌業務の業務フローの見直し、(2)一部作業への民間MARC書誌データの活用、(3)業務の外注範囲の拡大、の三つを柱とする業務再編の準備を進めています。2009年1月から、新しい業務体制で書誌データを作成することを予定しています。
この業務再編により、国内刊行図書の書誌データの作成方法が大きく変わります。現在、当館が提供している国内刊行図書の書誌データはすべてオリジナルに作成していますが、業務再編後、一部の書誌データは民間MARCのデータに修正を加える方法で作成します。したがって、書誌データの作成基準は、オリジナルに作成したものと民間MARCのデータを修正して作成した書誌データの両者を包含することになり、記述、タイトルの読み等については、従来よりもゆるやかな基準の適用を行うことになります。
民間MARCのデータを活用した書誌データであっても、著者標目、件名標目は、当館の典拠ファイルおよび国立国会図書館件名標目表(NDLSH)に従って付与し、分類は、国立国会図書館分類表(NDLC)および日本十進分類法(NDC)による分類記号を従来の適用基準に従って付与することとしますので、オリジナルに作成したものと同様です。一元的な典拠コントロールが行われた標目から検索できることは、現在と変わりありません。
書誌データの作成方法の変更に伴い、JAPAN/MARCフォーマットおよび書誌データ作成基準を改訂し、以下の基準を順次公開いたします。
| 書誌データ作成基準 | 公開時期 | 適用開始時期 |
|---|---|---|
| ・JAPAN/MARCフォーマット(2009フォーマット) *従来の2006フォーマットに他MARC番号を収めるフィールド等を追加。 |
2008年4月 | 2009年4月 (予定) |
| ・タイトル・著者標目・件名標目・出版者の読みの付与基準(2008年4月以降) ・読みのカナ表記実例集(2008年4月以降) ・読みにおける記号・アラビア数字・アルファベットの扱い(2008年4月以降) ・分かち書き基準(2008年4月以降) ・JAPAN/MARCのアクセス・ポイントのカナ形サブフィールドにおけるカナ表記要領(2008年4月以降) *タイトル等の読み、分かち書きの基準を、従来よりも緩和。2008年4月から先行して適用。 |
2008年9月 |
2008年4月 (適用済み) |
| ・「『日本目録規則 1987年版 改訂3版』第2章 図書」適用細則 *2009年1月以降受入分の書誌データの作成において適用を予定。 |
2009年4月 (予定) |
2009年1月 (予定) |
すでに一部先行して改訂した基準の適用を開始していますが、2009年1月以降には、全面的に上記の基準を適用した書誌データを順次提供、頒布する予定です。(注1)
(収集書誌部)
動向
2008年IFLA大会(カナダ・ケベック)――書誌データ関連のセッションに参加して:書誌データは境界を越えるか?
第74回国際図書館連盟(IFLA)大会として、世界図書館情報会議(WLIC)が、2008年8月10日から14日までカナダのケベックで開催された。国立国会図書館の代表団(長尾館長以下7名)の一人として会議に出席したので、主に書誌データ関係のセッションの模様について報告する。

2008年IFLA大会(カナダ・ケベック)看板
<RDAに関するサテライトミーティング>
大会に先立ち、8月8日にIFLA目録分科会主催のRDA(Resource Description and Access)に関するサテライトミーティングが、ケベックで開催された。RDAは、「英米目録規則第2版(AACR2)」に替わる目録規則として、2004年から改訂作業が行われてきたものである。IFLAが1998年に制定した書誌レコードの機能要件(FRBR)に基づき、AACR2とはまったく異なる構造を形成していったRDAに対しては、検討過程でさまざまな論議があり、2008年1月に公表された米国議会図書館(LC)の「書誌コントロールの将来に関するワーキンググループ」の最終報告(注1)の中で、改訂作業の休止が勧告されることにまでなった。これに対して、5月にLC、米国農学図書館、米国医学図書館の3国立図書館が共同声明(注2)を発表、RDAを完成させ、2009年に適用可能性のテストを行うとの態度を明らかにした。2008年7月段階で、同年10月に最終草案の公開、2009年に完成というタイムスケジュールが敷かれている。今回のミーティングには、20か国から約110名が出席した。
ミーティングでは、RDAの検討の経緯、概念、構造、内容等の概説、ダブリンコアおよび出版流通用のメタデータであるONIX(Online Information Exchange)との協調関係、開発中のRDAのオンラインツールの紹介、IFLA目録分科会のスウェーデンおよびドイツの常任委員からのコメント等、7名から発表があった。21世紀の目録規則であるRDAは、従来の冊子体のツールではなく、オンライン化された目録作業支援ツールとして、カタロガーに使われ、業務フローと連動することが前提となる。質疑では、参加者から、オンラインツールを有料と想定していることへの疑問、RDAの翻訳の可能性、トレーニングに対する不安等が示された。
<書誌データ関係セッション>
今大会の総合テーマである「国境なき図書館:国際理解への航海」を受けて、14日に行われた目録分科会の公開セッションは「標準の共有:他者との協力」、同じく14日の書誌分科会の公開セッションは「境界のない全国書誌作成機関―書誌データの他の作成者との協働の経験」をテーマとし、それぞれ4本のペーパー発表があった。目録分科会のセッションは、図書館と博物館の情報に共通の枠組みを確保するためのFRBRのオブジェクト指向モデルであるFRBRooの概要等、図書館と他の領域のデータの扱いについての発表が中心となった。書誌分科会のセッションでは、フランスおよびイタリアの全国書誌の状況と機関間の協力について発表があった。また、2007年に法定納本によってオンライン電子出版物の収集を開始した、カナダ国立図書館文書館の資源記述のポリシーが興味深かった。
また、13日に行われた、今年新しく設置された「図書館とWeb2.0ディスカッショングループ」のセッションをのぞいてみたところ、昨年の南アフリカ・ダーバン大会で印象に残った、ユニークな髪型のベルリン州立図書館のダノウスキー(Patrick Danowski)氏が司会し、LC、OCLC、ソフトウェアベンダーのSirsiDynix社等から出席したパネラーが、書誌データの再活用のためのオープン化、フリーライセンス化をテーマに討論を行っていた。ユーザ経験を知る必要性、持続可能性をいかに確保するか、ユーザタギングを取り込んだシステムの可能性等について会場からの質疑もまじえて議論があった。OCLCから出席したカルホーン(Karen Calhoun)氏は、オープン化は進めていくが、ビジネスモデルが重要と述べていた。
<検討中の草案の状況>
2003年からIFLA専門家会議(IME ICC)で検討を重ねてきた国際目録原則については、2008年4月版の「国際目録原則覚書」の世界的レビューと投票が6月末に終了した。28か国から56票の投票があり、賛成16票、コメント付き賛成35票、反対5票であった。IFLA大会期間中にLCのティレット(Barbara B. Tillett)氏ら関係者が会合をもち、寄せられたコメントを議論した。9月中に修正を反映した最終案を公表することが、目録分科会公開セッションで報告された。
2002年から書誌分科会のワーキンググループで検討されてきた「電子時代の全国書誌のためのガイドライン」の草案(注3)も2008年6月に公開され、世界的レビューの締め切りを7月15日に設定していた。書誌分科会の公開セッションでは、寄せられたコメントの内容が紹介されたが、コメントが少なかったこともあり、9月末までレビュー期間を延長して、2009年の完成を目指すことになった。全国書誌の発展段階や形態がますます多様になる中で、明確な一つの指針を提示することが難しいとの認識が、今回の草案にも書誌分科会での議論にも現れていたと言える。
他に、ISBD(国際標準書誌記述)については、昨年度出版された統合版の修正版、例示集、GMD(一般資料表示)に関する検討を行っている。UNIMARCフォーマットは第3版が出版された。典拠データの機能要件(FRAD)および件名典拠レコードの機能要件(FRSAR)については、特に動きがなかった。

写真右:2008年IFLA大会(カナダ・ケベック)会場
(ケベックシティ・コンベンションセンター)

会場前のオブジェ
<IFLAの組織の変更>
昨年の大会で、2009年にIFLAの組織再編を行い、専門部会や分科会の数を減らす計画が発表された。今回、これまでの8部会を5部会に再編するとの結論が示された。現在、第4部会である書誌コントロール部会には、書誌、目録等四つの分科会が所属しているが、再編によって書誌コントロール部会はなくなり、四つの分科会は、新しく編成される第3部会の図書館サービス部会に所属することになっている。これにより、図書館サービス部会は11もの分科会が所属する大きな部会となり、レファレンス情報サービス、情報リテラシー、児童・ヤングアダルトサービスといった観点が異なるサービスの分科会が含まれることになる。
さらに、コアプログラムであった「国際書誌コントロールと国際MARC(UBCIM)」を引き継ぐ形で2003年にコア活動になった、「書誌標準化のためのIFLA/CDNL(国立図書館長会議)同盟 (ICABS :IFLA-CDNL Alliance for Bibliographic Standards)」も、2009年に名称と活動内容を変更することになった。名称は、「デジタル戦略のためのIFLA/CDNL同盟 (ICADS :IFLA-CDNL Alliance for Digital Strategy)」に改め、デジタル化、電子情報保存、ウェブアーカイビングなど電子情報全般を扱うことを意図している。
こうして、書誌コントロール、書誌標準化といったキーワードは、IFLAの組織の名称の上では姿を消そうとしている。もちろん、書誌標準化自体は各分科会で実質的に進められており、分科会の活動は従来と同様とは予想されるものの、書誌データに関する活動が、それのみで求心力を主張し続けられる時代ではないということの現われなのだろうか。むしろ、情報資源全体に関連する、領域を越えた、境界のない活動を求められているということかもしれない。
大会のプログラム、発表ペーパーの一部は以下に掲載されている。
http://www.ifla.org/IV/ifla74/Programme2008.htm
中井 万知子
(なかい まちこ 収集書誌部)
(注1) On the Record: Report of the Library of Congress Working Group on the Future of Bibliographic Control. [PDF file 441KB] 2008.
(注2) 米国の3国立図書館、RDAの導入に関する共同宣言を発表(カレントアウェアネス-R)
Joint Statement of the Library of Congress, the National Library of Medicine, and the National Agricultural Library on Resource Description and Access.[PDF file 52KB] 2008.
(注3) 電子時代の全国書誌のためのガイドライン(草案)について(本号の動向記事)
Guidelines for National Bibliographies in the Electronic Age.:draft [PDF file 511KB] 2008.
動向
電子時代の全国書誌のためのガイドライン(草案)について
IFLA書誌分科会は、2008年6月に「電子時代の全国書誌のためのガイドライン」(Guidelines for National Bibliographies in the Electronic Age)草案を発表しました。ここでは、草案の概要を示すとともに、策定の経緯および当館の全国書誌サービスとの関係に触れることにいたします。
<経緯>
このガイドライン策定の端緒となったのは、1998年にコペンハーゲンで開催された第2回全国書誌国際会議の勧告です。全国書誌の新たなガイドラインが必要であるとの要請を受け、IFLA書誌分科会常任委員会は2001年までに幾つかの調査を行い、2002年にガイドライン(注1)策定のためのワーキンググループを設置しました。その当初の任務は次のとおりです。
- 全国書誌に電子情報資源を掲載するための選択基準の開発
- 電子的全国書誌のデータモデル、アクセスポイントの特定
- 電子的全国書誌の機能の特定
2007年には、ワーキングループの任務が次のように変わりました。
- 全国書誌に電子情報資源を掲載することについて
- 電子的全国書誌について
- 全国書誌の作成に関する一般基準について
IT環境の変化が著しい中、時間をかけて技術的な指針を策定することの困難さが推察されます。
草案は、2008年4月にまとまり、書誌分科会常任委員会のメーリングリスト上で最終確認が行われたのち、6月13日にインターネットに公開され、世界的レビューにかけられました。当初期限の7月15日までに寄せられた意見が少なかったこともあり、レビュー期間は9月末まで延長され、2009年の完成が予定されています。
<草案の概要>
草案の本文は9章からなり、各章の構成および内容は次のとおりです。
第1章 歴史および背景
第1章では、全国書誌の定義を示し、全国書誌を支える重要な機能である「納本制度」の概略を示したのち、全国書誌に関するこれまでの重要な勧告(1950年、1977年および1998年)を紹介しています。1998年の第2回全国書誌国際会議勧告では、全国書誌作成機関の責任、納本制度の重要性が強調されたほか、新しい形および将来出てくるであろう形の出版物すべてに関する規定の制定が必要である、とされました。
第2章 全国書誌の価値:使用法・利用者
第2章では、全国書誌の使命と目的が示され、各種の利用者(エンドユーザー、図書館員、出版業界、著作権管理機関など)とそれぞれのニーズ(目録作業、蔵書構築、選書発注、出版市場の分析、著作権管理、情報検索など)ごとに要件が示されています。
第3章 選択基準
第3章では、全国書誌に掲載すべき資料群とは何かについて、一般的な選択基準と電子情報資源における選択基準を分けて示しています。また、選択に関するその他の問題として、法定納本制度、著作権/知的所有権、地理的境界、資料の入手可能性、インターネット情報資源のロボットによる収集などの論点整理が行われています。
第4章 目録作業
第4章では、全国書誌のための目録作業の範囲、全国書誌と国立図書館蔵書目録の関係、内容・記述・主題などに関する各種標準、典拠コントロール、CIP(Cataloging-in-Publication)プログラムなど、書誌調整関係の問題が示されています。また、章末付録では、全国書誌番号(National Bibliography Number)の構造が示され、全国書誌番号のためのURN名前空間識別子(NID)は”nbn”であること、名前空間特定文字列(NSS)は(1)接頭辞(ISO国名コードなど)、(2)区切り記号(ハイフンまたはコロン)、(3)全国書誌番号本体の3要素で構成されるべきこととされています。
第5章 機能およびインターフェース
第5章では、全国書誌システム構築の技術的要件が、次の順で示されています。
- 一般的な勧告(クエリーの形成、検索結果の確認、検索結果の保存または抽出、オンラインヘルプ)
- 共通要件(アクセスポイント、主題アクセス、検索結果の表示方法、機能性)
- 相互運用性(目録規則の互換性、ISBD(国際標準書誌記述)、FRBR(書誌レコードの機能要件)、FRAD(典拠データの機能要件)、調和・統合版ISBD、国際目録原則覚書、RDA(Resource Description and Access)、書誌フォーマットの互換性、文字符号化の互換性、プロトコルの互換性、永続的識別子)
第6章 全国書誌の組織および運営
第6章では、経営的観点から全国書誌サービスを捉えることの重要性が、次の順で述べられています。
- 全国書誌コントロールの責任
- 全国書誌コントロールの運営形態(国立図書館、その他の組織、協同・分散型、独立・特化型、書誌標準のための組織)
- 法定納本制度/契約による納本
- ビジネスモデル(全国書誌の目的・範囲、費用、知的所有権等、市場開拓)
- 全国書誌データの組織化
- 全国書誌の提供形態(速報性、提供媒体)
- 全国書誌の効用の測定(網羅性、速報性、全国書誌の利用法)
以上の論点は全国書誌作成機関ごとに異なるため画一的マニュアルは示せないとされつつ、章末では他の機関の事例に学ぶべきことが強調されています。
第7章 出版者との協力:著者から利用者への電子情報資源の流れの1シナリオ
第7章では、ONIX(Online Information Exchange)を適用したモデルによる、出版者との協力の可能性について考察されています。
<当館の今後の全国書誌サービスとの関係>
以上に概観したとおり、今回の草案は、ガイドラインという名称から期待されるような「指針」ではなく、今後の全国書誌サービスを検討する上で参考となる「論文集」または「報告書」の性格が強いように思われます。そのことは、各章の担当者名が序文等に一括して記載されず各章冒頭に執筆者名として置かれているという形式的なことに留まらず、序文で「各章は独立した、個別の論述である」とされていることからも明らかです。
しかし、各章の執筆者(ワーキンググループ委員)はいずれも各国の全国書誌作成機関の上級職員または全国書誌サービスに関するベテラン研究者であり、序文で「このガイドラインの想定読者は、第一に全国書誌サービスの運営に従事している人々」とされているとおり、我々『日本全国書誌』関係者にとって、示唆に富む内容であることは間違いありません。
国立国会図書館は、「国立国会図書館の書誌データの作成・提供の方針(2008)」で挙げた、蔵書目録/閲覧目録であるNDL-OPACと『日本全国書誌』との関係、『日本全国書誌』(およびNDL-OPAC)にインターネット情報資源を含めることの可能性などの課題について、このガイドライン(およびこれまでの全国書誌に関する勧告)の内容を素材としつつ、引き続き検討を進めていく予定です。
横山 幸雄
(よこやま ゆきお 収集書誌部収集・書誌調整課)
(注1)当初は”Guidelines for Electronic National Bibliographies”という名称が想定されていました。なお、”Electronic National Bibliographies”の意味合いおよび2006年時点でのガイドライン構成案については、那須雅煕「電子的全国書誌(Electronic National Bibliographies)」『全国書誌通信』No.127,2007.5.31,p1〜2をご参照ください。
コラム 産地直送!雑誌記事索引活用法
特集記事について
雑誌では、各号ごとに特集記事が組まれることが、よくあります。多くの場合、ある固有の統一テーマのもとに複数の記事がおさめられています。この夏話題となった北京オリンピックに関する記事を例に、特集記事の特徴をご紹介しましょう。
(1)ロングインタビュー 北京オリンピックスペシャル
(2)朝原宣治 陸上競技選手
(3)上山容弘 トランポリン選手
以上 日経ビジネスassocie.7(17)(通号161)[2008.8.5] に掲載
上の三つの記事は、(1)をひとつのテーマとし、その下に(2)、(3)がおさめられている、特集形式になっています。(2)、(3)の論題を見ただけでは、選手の何を扱った記事なのかがあまりはっきりしません。しかし、(1)と合わせるとどうでしょうか。どのような記事なのかが、はっきりわかります。国立国会図書館では、雑誌記事索引のデータ作成(以下「採録」といいます。)の際、(1)を親記事、(2)、(3)を子記事として、記事の階層付けを行っています。
階層付けを行った記事をNDL-OPACで検索してみましょう。論題名“北京オリンピック”で検索すると、(1)の親記事だけでなく、(2)、(3)の子記事もヒットします(図1)。
実は、子記事そのものの論題には“北京オリンピック”という言葉は入力されていません。親記事の方で論題名として採録しているためにヒットし、検索結果の一覧にも表示が出るのです。
次に、個々の記事を、詳細画面で見てみましょう(図2)。NDL-OPACでは、子記事のデータに、親記事の論題を添えて表示するようになっています。
図2:雑誌記事索引詳細画面(2008年9月1日現在)
<親記事の詳細画面>

このように、記事を階層付けすることで、NDL-OPACでは、あたかも子記事に親記事の論題も採録されているかのように、検索や結果の表示が行われるのです。
ところで、記事の階層付けは、親記事、子記事、孫記事の3階層までを採録しています。雑誌記事索引ではひ孫の階層まである時は、論題の固有性を見ながら、孫とひ孫、あるいは子と孫をつなげてひとつにしたり、子や孫を省いたりして3階層にしています。以下はその例です。


以上 週刊ダイヤモンド.96(18)(通号4227)[2008.5.3・10] に掲載
例1、2の頭の部分の「世界を買いまくる中国」が孫記事の論題ですが、ひ孫記事の論題「例1:Interview…」、「例2:ひと目で…」もつなげています。また、親記事(特集 中国&ロシア 最新報告)→子記事(北京 新しい中国のオリンピック)の順で論題が続いています。
このように、階層付けをすることで、論題の表示からひとつの記事がどんな切り口で書かれたかが推測できるようになります。また、図1のように、ひとつのキーワードから、さまざまな分野の雑誌がさまざまな切り口でとり上げた記事を検索することができます。さながら“キーワードの異業種交流”のような検索結果に…とは、言い過ぎでしょうか。
(逐次刊行物・特別資料課索引係)
掲載情報紹介
2008年7月4日〜2008年9月30日に国立国会図書館ホームページおよびその他の媒体に掲載した、書誌情報に関するコンテンツをご紹介します。
- 書誌データ 読み、分かち書きの基準変更について
2009年1月からの業務再編に向けて、以下の書誌データ作成基準を改定しました。
- 今号の記事「動向 国内刊行図書の整理業務の再編と書誌データ作成方法の変更」もご覧ください。
(掲載日:9月30日)
- メタデータ 国立国会図書館ダブリンコアメタデータ記述要素(DC-NDL)のスキーマを掲載
DC-NDLで定めた各要素を定義した、スキーマファイル(dcndl.xsd)を掲載しました。
(掲載日:7月11日)
- PORTA CDNLAO Newsletter No.62(July 2008)
アジア・オセアニア地域国立図書館長会議(CDNLAO)のニュースレターCDNLAO Newsletter No.62に、PORTAと国内の他機関との連携に関する記事“Collaboration among institutions through the NDL Digital Archive Portal (PORTA)”(英文)を掲載しました。
(掲載日:8月6日)
- 統計 統計からみた書誌データ
平成19年度の書誌データ作成統計、典拠データ提供統計を追加しました。
(掲載日:8月1日)
- 遡及入力 「平成19年度の書誌データ遡及入力の実施状況」
「図書館へのお知らせ」のページに「平成19年度の書誌データ遡及入力の実施状況」を掲載しました。入力した資料群の種類とデータ件数をお知らせしています。
(掲載日:7月4日)
- 「図書館雑誌」連載記事 「クローズアップNDL」
当館の書誌データ作成に関する記事が掲載されました。(8・9月号)- 8月号(第3回):「NDLの書誌作成―和図書―」 (発行日:8月20日)
- 9月号(第4回):「国立国会図書館『雑誌記事索引』」 (発行日:9月20日)
- 分類・件名 国立国会図書館件名標目表(NDLSH)2007年度版追録(2008年6月,7月,8月)
2008年6月,7月,8月に更新した件名標目のリストです。各月に新設した件名には以下のものがあります。
- 2008年6月:「異業種交流」、「抗老化」、「ナノコンポジット」など
(掲載日:7月15日)
- 2008年7月:「総合学科」、「談話分析」、「特定健康診査」など
(掲載日:8月19日)
- 2008年8月:「環境考古学」、「国際共同治験」、「認定こども園」など
(掲載日:9月5日)
- 雑誌記事索引 更新:雑誌記事索引採録誌一覧(9月更新分)
当館が作成している雑誌記事索引に、現在記事を採録中もしくは過去に採録したことのある雑誌の一覧です。
2008年9月8日現在の採録誌総数は18,265誌で、その内、現在採録中のものは10,089 誌、廃刊・採録中止となったものは8,176誌です。
(掲載日:9月11日)
編集後記
収集書誌部が発足してから半年が経ちました。「収集書誌部 収集・書誌調整課 書誌調整係(シュウシュウショシブ シュウシュウ・ショシチョウセイカ ショシチョウセイガカリ)」という、早口言葉のような係名にも慣れてきたところです。
12月末にお届けする次号では、現在検討を行っている、雑誌記事索引の新着情報のRSS配信についてご紹介します。年内に『雑誌記事索引採録誌一覧』のページからの登録を可能とし、配信サービスを開始する予定です。ご期待ください。
(金木犀)
NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)
2008年3号(通号6号)2008年9月30日発行
編集・発行 国立国会図書館収集書誌部収集・書誌調整課
〒100-8924 東京都千代田区永田町1-10-1
E-mail: bib-news@ndl.go.jp (ニュースレター編集担当)



