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書誌データの基本方針と書誌調整:書誌調整連絡会議

第5回書誌調整連絡会議報告

 平成16年9月8日、国立国会図書館(東京本館)において、「第5回書誌調整連絡会議」を開催しました。この会議は、書誌データの作成および提供に関する諸事項について関係機関と協議を行い、国内の書誌調整および書誌データの標準化を図ることを目的とするものです。
 今回はテーマを「件名標目の現状と将来―ネットワーク環境における主題アクセス」とし、関連諸機関における件名標目使用状況、ならびにその問題点を明らかにするとともに、インターネット時代の件名標目の可能性について検討を行いました。さらに、当館書誌部国内図書課における国立国会図書館件名標目表(以下NDLSH)の改訂作業について報告し、関連諸機関から意見を聴取しました。
 以下に、主な内容をご紹介します。

<会議参加者>
関連諸機関の担当者・研究者(7名)
上田 修一 (慶應義塾大学文学部教授)
大場 高志 (国立情報学研究所)
神門 典子 (国立情報学研究所ソフトウェア研究系ソフトウェア工学研究部門教授)
柴田 正美 (帝塚山大学心理福祉学部教授、日本図書館協会件名標目委員長)
白石英理子 (東京都立中央図書館)
松木 暢子 (株式会社図書館流通センター)
百足山昌子 (株式会社日販図書館サービス)
(敬称略、五十音順)

当館職員(7名)
村上 正志 (書誌部長)
西田 元子 (書誌部主任司書)
坂本  博 (書誌部書誌調整課長)
牛越 弘美 (書誌部国内図書課長)
大柴 忠彦 (書誌部国内図書課課長補佐)
白石 郁子 (書誌部国内図書課主題係長)
川鍋 道子 (総務部企画・協力課電子報企画室主査)

*参加者の所属および肩書きは、すべて会議開催当時のものです。

<基調講演> 件名標目表の可能性―目録とウェブの主題アクセスツールとなりうるか

上田修一(慶應義塾大学教授)

 件名標目表は、国立国会図書館(以下NDL)しか取り上げることができない問題である。件名標目の改訂については、停滞した時期もあったと思うが、今年度作業を開始したということなので喜ばしい。

(1)件名標目の現状
 大学、都道府県立および市町村立図書館のオンライン目録において、件名検索の項目があるのは約90%である。独自に件名標目の付与作業をしているのは、NDL、一部の公共・大学図書館、民間の専門業者である。独自の付与作業を行っていない図書館では、どの件名標目表を使用しているのか、あまり意識されていない。国立情報学研究所のNACSIS-CAT参加館における書誌レコードの件名標目は、NDLSH・基本件名標目表(以下BSH)・米国議会図書館(以下LC)件名標目表(以下LCSH)からの標目が混在している。

(2)件名標目表の概況
 件名標目表は辞書体目録(カード目録)を前提とし生まれたが、日本の場合、書名目録が件名目録の代わりをするという説があり、件名目録はほとんど作成されてこなかった。

(3)目録の変化と件名標目表
 オンライン目録の普及がもたらした変化は、目録利用者と主題探索の増加であるが、利用者は主題探索に失敗することが多いのが実情である。その背景には、件名標目表が非力であることがあげられる。件名による探索改善の試みとして、FAST(注1)やベイツの提言(注2)、三次元あるいは視覚に訴える語彙表示等がある。
注1 Faceted Application of Subject Terminologyの略。ウェブ上の資源を、件名から検索できるようにするために開発された索引語の体系。OCLCのプロジェクト であり、LCSHをベースに開発されている。
注2 LCからの委託を受け、カリフォルニア大学のMarcia J.Batesが報告したレポート「図書館目録とポータル情報における利用者アクセスの向上」(最終報告は2003年6月)。主題検索の困難解消に、利用者語彙の構築や関連する書誌レコードのグループ化等を提言。


(4)件名標目表の論点
 件名標目表はどこが作成維持すべきか。学校図書館向けなどの簡易版は必要か。国内でLCSHの翻訳を用いるべきか。細目は必要か。階層構造は必要か。ウェブに応用できるか。フィクションにも件名を付与すべきか。

(5)今後
 NDLSHの課題としては、語彙の増加(10万語程度)、新語の迅速な追加、類義語のコントロール、件名標目の配布システムの検討等があると思う。NDLは、主題に対する関心と取り組みを明示し、最新の状況に対応していくという姿勢を見せて欲しい。

<報告(1)当館からの報告>

[1]国立国会図書館件名標目表の問題点と将来

大柴忠彦(書誌部国内図書課課長補佐)

 当館は、NDLSH第1版を昭和39年に刊行し、平成3年の第5版まで版を重ねてきた。その後は改訂版を刊行してこなかったが、今年(平成16年)、改訂版の公開へ向けて作業に着手した。
  NDLSHが目指す目標は、二つある。

  • 汎用化・標準化―当館における適用対象資料の拡大の検討、さらに将来的には、共同作成の方向性を探る必要がある。
  • ネットワーク情報資源への適用―主題アクセスツールの一つとして、適用を考える必要がある。

 今回の改訂は、様々な主題アクセスの仕組みを実現するための、基礎となるツールを構築することにほかならない。

[2]国立国会図書館件名標目表の改訂について

白石郁子(書誌部国内図書課主題係長)

 NDLSHの改訂作業には、四つの大きな方針を掲げた。

  • NDLSHのシソーラス化―従来行っていなかった「をも見よ」参照を導入。
  • 語彙の増大―積極的な件名新設、参照語の充実、細目の見直し。
  • 汎用性の確保―より適切な用語の採用、BSHとの調整、対応するLCSHの入力。
  • ルールの明示―スコープノート(限定注記)の充実、序説の改訂。将来的には当館内部で使用している件名作業マニュアルの公開も予定。

 当館ホームページ上から意見を寄せていただくようにするため、2004年度版(暫定版)を今年10月に公開することにした。これは、よみの五十音順に排列した表と、日本十進分類法(NDC)新訂9版の代表分類順に排列した表からなる。

<報告(2)関連諸機関の担当者、研究者の報告>
 件名標目に関わっている諸機関の担当者および研究者が、それぞれの機関の現状や研究内容について報告した。

[1]基本件名標目表のこれから
柴田正美(帝塚山大学教授、日本図書館協会件名標目委員長)
[2]Facets on theWEB―検索GUIにおける統制語彙の新たな役割と国立情報学研究所メタデータ語彙集におけるマルチファセット統制語彙の試み
神門典子(国立情報学研究所教授)
[3]TRCにおける件名標目
松木暢子(株式会社図書館流通センター)

<討議>

 討議は大柴国内図書課課長補佐の進行により各機関の実情、NDLSH改訂に対する要望及び意見を求める形で進められた。主な論点は次のとおりである。
(1)NDLSH改訂について
 語彙の増加、新主題に対する迅速な件名新設等は望ましい。図書館等に対しては、改訂にともなう変更履歴情報の提供も必要である。
(2)国内の件名標目表の関連付け
 国内の図書館が利用している目録のなかでは、BSH、NDLSH等の件名標目表が混在し、複雑になっている。国立国会図書館が、積極的にそれらの関連付けを行うことを期待する。
(3)ナビゲート機能
 Googleなどの検索エンジンになじんでいる利用者を誘導するため、件名を意識させないインターフェースの開発が課題である。またウェブ上ではビジュアル面も重要な要素である。
(4)国立国会図書館電子図書館中期計画2004
 当館では、ネットワーク系政府情報資源の収集組織化において、主題分析を半自動的に行うことを検討している。メタデータ作成の技術支援を行うべく、NDLSHをネットワーク環境で公開することが必要である。

<会議を終えて>
 今回の会議を通して、ネットワーク環境に配慮した件名標目の将来展望を確認することができました。NDLSHの改訂版は、利用者の主題情報検索の支援となるだけでなく、ネットワーク情報資源のメタデータ付与を容易にし、ウェブ・アーカイブ構築に寄与すると考えます。
 NDLSHの改訂作業は継続中ですが、その内容を具体的にお知らせし、広くご意見をいただくため、平成16年10月に「国立国会図書館件名標目表2004年度版(暫定版)」を当館ホームページにて公開しました。なお、ご意見の募集は、平成16年12月末をもって終了させていただきました。
*当館ホームページのトップページ(http://www.ndl.go.jp/)から、下記の手順でアクセスできます。
トップページ→「図書館員のページ」→「書誌データの作成及び提供」

 会議内容の詳細については、別途記録集を作成し刊行する予定です。今後とも、当館の書誌サービスや国内の書誌調整のあり方について、ご意見、ご協力をお願い申し上げます。

(書誌調整課)

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