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トップ > 国会図書館について > 書誌データの作成および提供 > これまでの更新情報 > 国立国会図書館著者名典拠の最近の動向について

書誌データの作成および提供

国立国会図書館著者名典拠の最近の動向について

  当館では『NDL CD−ROM Line国立国会図書館著者名典拠録 2000年版』を平成13年1月に刊行しました。本稿では「典拠コントロールとは?」「『JAPAN/MARC著者名典拠』の拡張事項」、「著者名典拠CD−ROMのご紹介」等の著者名典拠に関する最近の動向をお知らせします。

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1 典拠コントロールとは?

 目録(書誌データ)には、「記述」と「標目」があります。例えば、作家「宮沢賢治」の著作の表記方法は「宮沢賢治」「宮澤賢治」「みやざわけんじ」など様々ですが、著者標目を「宮沢賢治」に統一することにより、どの記述形を持つ書誌であっても検索できる仕組みを持っています。

(書誌データ)
記  述 せろひきのご−しゅ みやざわけんじ//〔さく〕
著者標目 宮沢 賢治(ミヤザワ,ケンジ)

 この仕組みを保障する根拠になっているものが「典拠」です。典拠ファイルでは以下のようなデータを持っています。

(典拠データ)
レコード番号 00045685
標目 宮沢 賢治
標目ヨミ ミヤザワ,ケンジ
参照形 ←みやざわ けんじ(ミヤザワ,ケンジ)
参照形 ←宮澤 賢治(ミヤザワ,ケンジ)
生没年 1896−1933
一般注記 詩人,童話作家
出典 宮沢賢治童話集
    根拠:文化人名録

 典拠ファイルには、著者標目(漢字形とその読み)、当該著者を同定・識別するための各種データ(生没年、職業・専攻、当該著者の別名称等)、初出資料名、読みの根拠となった情報源が記録されています。
 目録には同姓同名の著者の識別や異名同人の著者の関連付けを示す機能がありますが、その統制は典拠ファイルを基に行なわれています。このことが典拠コントロールであり、典拠コントロールの最終的な目的は利用者の検索を保障することにあります。
 同姓同名の著者の識別では、例えば、J−BISC(1997.1〜2001.1)を「森洋子」で著者検索すると7件ヒットします。そのうちの2件は料理研究家の著作ですが、美術史関係、翻訳書は別人の著作です。この場合、著者標目には生年を記録して識別しています。

 異名同人の関連付けでは、評論家「中島梓」と作家「栗本薫」の標目は、典拠ファイルにおいて相互参照(「をも見よ参照」)とすることにより、同一人物であるということを示します。

 また、著者の読みが複数想定される場合、例えば、作家「水上勉」の当館の著者標目の読みは「ミナカミ,ツトム」ですが、典拠ファイルには、「ミズカミ,ツトム」を参照形として記録することにより、標目へ導いています。

 同姓同名の著者の識別は、書誌データの著者標目において明示されますが、異名同人の関連付けや参照形は書誌データ(JAPAN/MARC,J−BISC)においては表示できません。そこで、書誌データを補完するデータとして、典拠データを提供する必要性が生じてきます。

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2  『JAPAN/MARC著者名典拠』の拡張事項

(『JAPAN/MARC著者名典拠』の頒布)

 当館では1991年に『国立国会図書館著者名典拠録 明治以降日本人名 第二版』を冊子体で刊行しました。(収録典拠記入 205,524件)
 その後、機械可読形式での刊行について検討を行い、1997年にはUNIMARCフォーマット対応の磁気テープ版『JAPAN/MARC著者名典拠』を刊行しました。以後順次データ整備を行い、書誌データ遡及入力分の個人著者名、欧文形外国人著者名、団体著者名等、『JAPAN/MARC著者名典拠』の収録範囲の拡大を図ってきました。

(『JAPAN/MARC著者名典拠』のデータ拡張内容について)
 『JAPAN/MARC著者名典拠』の収録範囲の拡大に伴い、データ要素の拡張及び変更を行ないました。詳細につきましては、『JAPAN/MARC著者名典拠マニュアル』改訂版を刊行する予定ですが、大きな変更点は以下の通りです。

  1. 団体著者名典拠収録に関連するタグの新設

    団体著者名を収録するにあたり、タグ210、410、510を新設しました。

【タグ210(標目−団体名)のデータ要素】

インディケータ 内容
団体の種別(団体名を示すコード0を記録)
団体名の記入の方式
  (直接形を示すコード2を記録)
制御サブフィールド 内容 繰り返し
$0 中国・韓国朝鮮団体名の読み NR
$5 トレーシングコントロール NR
$6 フィールド間リンクデータ NR
$7 文字種 NR
データサブフィールド データ要素名 繰り返し
$a 団体名 NR
$h その他の付記事項 NR

(例) 210 02 $6a01$a読売新聞社
  210 02 $6a01$7dc$aヨミウリ シンブンシャ
  210 02 $6a01$7ba$aYomiuri sinbunsya
  1. タグ5XX(相互参照)の変更

      タグ5XXはサブフィールドに$3(典拠番号)のみ収録していましたが、相互参照先の標目データを全て収録することに変更しました。

  2. タグ911(標目区分)の新設

      新たに標目区分を追加し、サブフィールド$aに、フィールド200のあるデータには「p」(個人名)、210のあるデータには「g」(団体名)が収められています。
    またサブフィールド$b(著者標目使用コード)を追加、著者標目として使用されていることを示す「a」が収められています。

  3. タグ915(官庁コード)の新設

    当館で作成した官庁コード(平成13年1月の省庁再編以前のものはサブフィールド$a「旧官庁コード」、以降のものはサブフィールド$c「新官庁コード」)を収録します。

  4. 文字に関する注記をタグ981に変更

    タグ831(文字に関する注記)のタグを981に変更しました。

  5. 標目読みの変更

    標目読みを一部、複数付与することになりました。カナ形、ローマ字形を繰り返して収録しています。

  6. 姓・名の区切り記号に「,」を収録

    個人著者標目のフィールドは、姓($a)・名($b)にデータを分けて収録していますが、カナ形、ローマ字形または原綴形著者において、姓・名の区切り記号である「,」を収録しました。

  7. タグ300(名称に関する注記)のデータの名称の部分を4XXまたは5XXにも収録

    フィールド300(名称に関する注記)に記録していた事項のうち、当該著者の別の名称自体の部分については、フィールド4XXまたは5XXにも収録します。従って、フィールド300は表示形としての位置付けになり、検索キーはフィールド4XXまたは5XXのデータから作成することが可能です。

(例) 200 △1 $6a01$aなだ$bいなだ
  200 △1 $6a01$7dc$aナダ,$bイナダ
  300 0△ $a本名:堀内秀
  500 △1 $6a02$a堀内$b秀$300012887
  500 △1 $6a02$7dc$aホリウチ,$bシゲル
  500 △1 $6a02$7ba$aHoriuti,$bSigeru
       
(例) 200 △1 $6a01$a山口$a淑子
  200 △1 $6a01$7dc$aヤマグチ,$bヨシコ
  300 0△ $a中国名:李香蘭
  400 △1 $6a03$a李$b香蘭

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3  著者名典拠CD−ROMのご紹介

 『NDL CD−ROM Line国立国会図書館著者名典拠録 2000年版』は、『JAPAN/MARC著者名典拠』のCD−ROM版として平成13年1月に刊行しました。編集・製作・発行が国立国会図書館、発売は紀伊國屋書店(TEL:03−5469−5919)、単体利用契約価格は39,900円です。
   
 収録件数は593,728件で、その内訳は以下のとおりです。

明治以降日本人著者名 414,987件
江戸以前日本人著者名 5,914件
中国・韓国朝鮮人著者名 5,267件
欧文形外国人著者名 69,605件
団体著者名 97,955件

 検索についてはUNIMARC版汎用検索ソフトを使用していますので、『NDL CD−ROM Line 国立国会図書館所蔵 逐次刊行物目録』と共通のプラットフォームで利用できます。検索方法はコマンド検索方式とメニュー検索方式の2種類です。
 検索項目は名称、官庁コード、典拠IDで、検索項目間においては検索演算子を使用して掛け合わせ検索が可能です。また、個人著者名、団体著者名の絞り込み検索も可能です。
 検索結果のデータにつきましてはUNIMARC形式のテキストデータとしてダウンロードすることができます。

【詳細表示例:日本人名】

詳細表示例:日本人名

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4 おわりに

 当館の著者名典拠は、JAPAN/MARCの著者標目を決定する根拠であり、目録作成のためのツールやソースデータとして目録の統一性、安定性の重要な役割を担っております。また、著者名典拠自体は人名事典ではありませんが、納本制度によって収集された資料に基づいて作成された一種の人名録として、レファレンスツールとしてもご利用いただけるかと思います。
 平成14年度に予定しておりますJAPAN/MARC改訂においては、著者標目に新たに典拠番号を収録します。この典拠番号は『JAPAN/MARC著者名典拠』におけるレコード番号と同一のものです。『JAPAN/MARC著者名典拠』は、『JAPAN/MARC(M)』の著者標目とリンクして初めて強力なツールになりますので併せてご利用いただけましたら幸いです。
また、平成14年度中に提供を予定している新OPAC(仮称)においては、典拠データの全ての表示は行ないませんが、典拠ファイルを通してリンク先の書誌の確実な検索を可能とする予定です。

 今後の課題としては、件名典拠の収録等がありますが、当館の典拠データの提供を通して、国内の書誌データの標準化を推進することができればと考えております。今後ともご協力ご叱正をお願いする次第です。

(図書整理課典拠係)

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