国立国会図書館職員を目指す皆さんへ
収集書誌部資料保存課 三島 由美
- 平成13年4月
- 入館、総務部会計課
- 平成17年10月
- 書誌部国内図書課(現:収集書誌部国内資料課)
- 平成19年4月
- 国土交通省(出向)
- 平成21年4月
- 収集書誌部資料保存課
はじめに
小さいころから本が好きでした。図書館で働けたらいいなと思い受験しました。
平成13年4月~ 会計課
総務部会計課収入支出係に配属されました。会計法規上、書類の手続きに不足がないか、積算根拠がきちんとなされているかチェックしていくのですが、年末や年度末は特にたくさんの書類を確認する毎日でした。コピー用紙をはじめとした消耗品から、本や科学技術系のデータベースの購入の書類、職員の出張旅費や給与など、図書館が支出をする、ありとあらゆる書類に接しました(電卓をとても早く叩けるようになりました)。
平成17年10月~ 国内図書課(現:国内資料課)
国内図書課目録第二係で、みなさんが国立国会図書館の資料を検索する時に利用するOPAC(オンライン閲覧目録)のデータ作成を行いました。国立国会図書館には年間約100万点の資料が納入されますが、それらの資料のタイトルや著者などのデータを入力し、閲覧目録用のデータベースを作っています。国内図書課では、国内で出版された図書のデータを作成していました。作業は、目録規則に基づいてデータを作成していきます。目録規則だけでなく、参照するマニュアル類がとても多く、初めはどこに何が書いてあるか分かりませんでしたが、入力されたデータのチェック体制が整っていて、先輩からじっくりと指導していただきました。
平成19年4月~ 国土交通省(出向)
国土交通省に出向となり、総合政策局情報政策本部情報安全・調査課交通統計室に配属されました。「トラックがどこからどこまで、何を運んだか」を調査する自動車輸送統計の集計・公表作業に従事しました。調査票は全国の地方運輸局を通して本省に送られ、作成した統計は、経済・交通政策の基礎資料となります。統計の対象者となった方から問い合わせの電話をもらうことも多かったです。気持ちよく御協力いただけるよう、分かりやすい説明を心がけました。
平成21年4月~現在 資料保存課
資料保存課は、国立国会図書館が所蔵する資料を、国民の文化的財産として、できるだけ良い状態で長く保存するための仕事を担当しています。事務を担当する職員が6名、資料の製本・補修等に当たる資料保存専門の職員が12名、合計18名で構成されています。皆同じ部屋で仕事をしているため、資料の補修に使う材料や製本の機械に囲まれています。木槌やのこぎりの音が鳴る中で仕事をするという、他の課にはない雰囲気です。
わたしが資料保存課に来て驚いたことは、多くの業務を並行して行っていることでした。
今回は、それらの業務の中から私が関わっている、いくつかの業務をご紹介します。
まず当館が収集した資料の保存についての全館的な調整事務を担当しています。たとえば、資料を管理する課と相談して、製本・補修計画を策定し、その実施の管理を行っています。
また、資料を「治す」だけでなく、資料の保存に関する知識や情報を紹介することも大事な仕事です。資料保存課では、毎年国内の各種図書館員の方に向けて、講義と実技を行う資料保存研修を実施しています。また、毎年国内外から保存に関する専門家をお招きして、「保存フォーラム」というイベントや講演会を行い、資料の保存に関する情報提供・意見交換の場を提供しています。
以上に加えて、IFLA/PACアジア地域センターの事務を担当しています。IFLA/PACとは国際図書館連盟資料保存コア活動(International Federation of Library Associations Core Activity on Preservation and Conservation)の略称です。平成23年1月に、センターを紹介するパンフレットを改訂しました。夏から原稿の準備を始め、印刷会社を通してレイアウトの確認まで一通り行いました。印刷されたパンフレットが人々の手元に渡って行くところをみて、また一つ新しい経験ができたと思いました。
おわりに
館内で異動を経験するたびに、同じ図書館内でありながら新しい仕事に出会います。
今は、資料保存課と、会計課や資料を管理する課との間に立って調整する立場であり、課を超えた橋渡しの役割の重要性を感じています。それぞれの立場が違う中での調整が必要となりますが、時には難しさを感じることもあります。しかし、判断に迷い不安に思う時に適切なアドバイスをくれる上司がおり、勉強になります。わたしもそういう先輩になりたいと思います。また、良い同僚、仲間にも巡り合いました。年齢や出身も様々ですが、個人的にも食事や旅行に行くこともしばしばあり、楽しい時間を過ごしています。今後も仕事・生活両面で支えてくれる存在であると思っています。
国土交通省への出向は、他の機関も図書館と同様に、多様な業務の中で少しずつ関連し合いながら1つの組織として機能していることを再認識する良い機会になりました。また、人の輪も広がり、今でも折をみて集まり、親交を温め合う良い同僚に出会うことができました。
皆さんの中には、進学を含め、どの道を選んだらよいか悩んでいる人も多いかと思います。国立国会図書館は様々な経験ができる職場です。ぜひ一緒に働けることを楽しみにお待ちしています。
