国立国会図書館職員を目指す皆さんへ
収集書誌部国内資料課 髙橋 良平
- 平成17年4月
- 入館、資料提供部図書課(現 利用者サービス部図書館資料整備課)
- 平成20年10月
- 収集書誌部国内資料課
入館まで
司書の仕事に興味をもっていたため、学生時代に司書課程を受講したり、大学図書館でアルバイトをしたりしていました。修士課程修了後の進路を決めるにあたり、全国の図書館の最後の拠り所である国立国会図書館で司書業務に従事したいと考え、当館を受験しました。
資料提供の業務
最初に配属された図書課では、整理された図書資料を保存管理し、それらを利用に供することが主な業務でした。日々増えていく資料を効率よく収蔵するのは大変な作業ですが、まさに当館の心臓部である書庫に接することができたのは大変貴重な経験でした。また、総合案内で利用者からの質問を受けるなかで、利用者の多様なニーズに接することができました。他の部署に対する御意見・御批判を頂戴することもありましたので、当館全体の業務について目配りする重要性も痛感しました。
資料提供業務は当番制で、他の職員と交代しながらカウンターや総合案内に立ちました。常に職員間の連携が必要とされ、動き回ることの多い業務でした。
資料整理の業務
図書課で3年半勤務した後、収集書誌部国内資料課に異動しました。国内資料課は、納本等を担当する収集部門と目録作成を担当する整理部門があり、私は整理部門で業務にあたっています。
国内資料課整理部門は、「全国書誌」(日本国内で刊行されたあらゆる出版物の目録)の作成を担当する部署です。具体的には、タイトルや著者名、出版者といった資料の特徴を記録し、その資料に書かれているテーマ(主題)を、「件名」・「分類」という図書館独自の言葉や記号に置き換えて記録していきます。納本されてきた資料を1冊1冊記録していく作業は、地道で根気のいる仕事ですが、日本で出版された膨大な出版物の中から、利用者が求める1冊を探し出すためになくてはならないものです。また、私たちが作成した目録は国内のみならず海外でも利用されていますので、責任とやりがいを強く感じます。
図書課では常に動きまわっていましたが、国内資料課では1日中パソコンに向かって目録を作成する毎日です。同じ司書業務でも、資料提供業務と資料整理業務ではこれほど違いがあります。
外部の仕事について
国内資料課の仕事は完全なデスク業務ですので、利用者と接する機会は多くはありません。しかし個人的には、目録、特に分類に関連する仕事で、外部の図書館関係者と接する機会が多くなりました。そのひとつが(社)日本図書館協会分類委員会の仕事です。分類委員会は、当館を含む日本のほとんどの図書館で採用されている『日本十進分類法(以下NDC)』の維持管理にあたっており、私は当館の代表として委員会に参加しています。現在新訂10版の改訂作業に取り組んでおり、1日も早い刊行に向けて鋭意取り組んでいます。 NDCを使う側と造る側の双方を体験することができ、整理業務に対する視野が広がりました。
おわりに
資料提供業務と整理業務を経験して、利用者のニーズに応えることができるのも、国立国会図書館が60年以上にわたって蓄積してきた資料あってこそだということを実感しました。それは資料を収集・整理し、サービスを提供してきた先輩たちの努力の蓄積でもあります。
国立国会図書館の仕事ひとつひとつを見てみると、地味で目立たない作業が多いです。しかし、そうした毎日の業務の積み重ねによって、国立国会図書館のサービスは成り立っています。しかもそれらは決して一人だけでできるものではありません。皆さんと一緒に、よりよい図書館サービスを行える日を楽しみにしております。
