国立国会図書館職員を目指す皆さんへ
関西館総務課情報システム係長 田中 俊洋
- 平成16年4月
- 入館、主題情報部科学技術・経済課(現 利用者サービス部科学技術・経済課)
- 平成18年7月
- 関西館資料部文献提供課(現 関西館文献提供課)
- 平成21年4月
- 大阪府立中央図書館(実務研修)
- 平成23年4月
- 関西館総務課
はじめに
国立国会図書館の職員には、多彩なキャリア/キャラクターの持ち主が多く存在しており、平凡な職員を探すほうが難しいくらいかもしれません。といっても、前衛的な職員ばかりだという意味ではありません。淡々と事務をこなすのが非常に得意であるといった個性もあります。個々の職員の個性が抑圧されることなくちゃんと活かされている(あるいは許容されている)という点は、この職場の魅力のひとつだと思います。
幸か不幸か、私は平凡なほうですので、ここではそのような視点から、国立国会図書館という職場について簡単にご紹介したいと思います。
当館の組織
私の現在の所属は関西館総務課です。総務の仕事は、一言でいえば裏方です。縁の下で人事や会計などのインフラ的事務をこなすことで、他の部局の事業を支えています。その上で、資料を集めて整理する収集・整理・書誌の仕事が、更には整理された資料を土台にして、国会や行政司法の各機関、一般の利用者へのサービスが成り立っています。電子情報に関する部門では、当館のシステムに関わるあらゆる業務を司り、裏方から最前線までを串刺しにしたような仕事をしています。採用後は、概ねどの部門もまんべんなく経験することになるはずです。どんな仕事が与えられてもそこに面白味を見出して取り組む姿勢が大事だと思います。
利用者サービスの仕事
私は入館してから7年間、一般の利用者に対する窓口業務に従事しました。図書館の窓口業務は、基本的には「人から喜ばれる仕事」です。人から「ありがとう」と言ってもらえるという、単純明快なやりがいを覚えることができる部署といえます。ただし、国立国会図書館は情報の最後の拠り所としての責任を負っています。あるはずの資料をないと答えてしまったり、わかるはずの情報をわからないと答えてしまうのは、存在を自ら否定するようなものです。そのような失敗を(なるべく)しないよう、日々精進する向上心が求められる部署だと思います。
専攻との関係
私は理科系(分子生物学)の出身で、この職場ではマイナーな部類ですが、日常的にも人事的にも特別な扱いを受けることはあまりありません。文理問わず、大学での専攻分野の知識がそっくりそのまま業務に役に立つ場面は、あまりないと考えた方がよいと思います。一方で、学生生活や専攻分野の研究の中で培った経験は、あらゆる場面で有形無形に活きてくることでしょう。当館では採用の条件に司書資格を求めていませんが、これはさまざまな経験を積んできた幅広い人材を集めたいという観点も背景の一つにあるのだろうと思っています。
おわりに
図書館の業務は基本的には文化事業であって、それがなかったらただちに明日の暮らしが成り立たない、というものではありません。このため行政職に比べると、何をすべきか/どうあるべきかといった理想をじっくりと考えることができる仕事ではないかと思います。その反面、不要不急な業務と捉えられがちな面がありますので、関係各方面の理解と協力を得ながら進めていくことが大切です。
社会の情報化が進み、書籍のほかにインターネットやデータベースなど、さまざまな媒体に乗って膨大な情報が流れるようになりました。そのどれもが、この時代の人たちが生きた証であり、文化遺産です。そういったものを収集して永く後世に残し、未来の創造に寄与するという仕事に共感・共鳴していただける方と、一緒に仕事ができればよいなと思います。
