GHQ/FEC, Military Historical Section, The Reports of General MacArthur
資料群名(日本語仮訳) マッカーサー元帥レポート
資料形態 マイクロフィッシュ
数量 2,233枚
憲政資料室における分類名 ROM
旧蔵機関名 GHQ/FEC, Military Historical Section
歴史 米太平洋陸軍総司令部G-2歴史部(G2 Historical Section, GHQ/AFPAC)(1947年から極東軍総司令部(GHQ/FEC)に改編)は、1946年秋からマッカーサーのための南西太平洋地域の戦史の編纂をはじめた。マッカーサーのための戦史の編纂は、もともと1942年からG-3のニーダープルエム大佐(William J. Niederpruem)のグループが着手し、1945年末から1946年初頭にはすでに原稿を仕上げていたが、それを読んだマッカーサーも、参謀長サザーランドも気に入らず、1946年秋からG-2部長ウィロビーの直接指導の下にG-2で書き直すことになったものである。
同部では、戦史に日本軍側の対応の記述を加えるため、ウィロビーの指示で、1947年の早い時期から司令官の地位にあった日本軍人の尋問を開始し、さらに1947年夏には元東京帝国大学経済学部教授 荒木光太郎・光子夫妻、有末精三、河辺虎四郎、服部卓四郎、大前敏一らの元軍人を歴史部のスタッフに加えた。同局のスタッフの数は、最も多いときには、約80人にも上ったという。
同部は、1951年6月には極東軍総司令部戦史部(Military Historical Section)に改編された。
なお、メリーランド大学図書館のプランゲ文庫で知られるゴードン・W・プランゲ(Gordon W. Prange)は、文官の修史官(Historian)として1946年10月からG-2歴史部に勤務し、1949年6月〜1951年6月歴史部長、1951年6月から1951年8月に帰国するまで戦史部長代行をつとめた。プランゲは、後年、ウィロビーからの求めに応じて当時の同部の元同僚への電話による事実関係の確認と自身の記憶・記録に基づいた同部の活動について報告している(1965.12.1付けウィロビー宛書簡)(「マッカーサー記念館 チャールズ・ウィロビー文書」(憲政資料室所蔵 MMA-5 Reel No.19 所収)。ほかに、歴史部のスタッフであったJ.フォレストとC. カワカミへの取材に基づく歴史部の内情についての記事 "General MacArthur and his vanishing war history" (Reporter, October 14, 1952)、日本人スタッフの回想として、丸山一太郎(仮名)「マ元帥の『太平洋戦史』編纂の内実」(中央公論 1952.5)、有末精三、大井篤、児島襄「内側から見たG2 <戦後史座談会>」(朝日ジャーナル 18(18) 1976.5.7)などがある。
受入 当館では、米国国立公文書館(NARA)でマイクロフィルムに撮影し、作成したマイクロフィッシュを1993年度に受け入れた。
主な内容
(1) マッカーサー元帥レポート(Reports of General MacArthur)原稿・ゲラ等
上述のようにしてG-2歴史部が編纂作業を行った「マッカーサー元帥レポート」は完成を見たが、マッカーサーが内容に難色を示し、公表されることなく、お蔵入りしてしまった。マッカーサーの生前には公刊されることがなく、マッカーサーの死後の1966年に『マッカーサー元帥レポート』第1巻「太平洋におけるマッカーサーの戦闘 1941-45 」と第2巻「太平洋における日本の軍事行動」に第1巻附録として「日本におけるマッカーサー 占領 軍事的側面」を添えて米政府印刷庁(Government Printing Office, GPO)から刊行された。
この文書中には刊行された「マッカーサー元帥レポート」の原稿、ゲラ、引用文献の所在が含まれている。
「マッカーサー元帥レポート」は編集責任者であるウィロビーの考えでビジュアルを重視し、戦争画、写真、地図等をふんだんに使っていたが、それらはこのGPO版には取り入れられず、この文書中にも収められていない。それらの絵画、写真、地図等は、GHQ/SCAP文書の属するRG 331中の写真画像資料としてSpecial Media Archives Services Divisionに別置されている(NARAのサイトのArchival Research Catalogに文書情報が掲載("Willoughby"で、文書の種類を"Photographs and other Graphic Materials"にして検索)、当館未収集)。
(2) 日本軍戦史(Japanese Monographs) 日本語原資料
1945年10月2日一般命令第9号「日本の軍事諜報目標」で戦史史料と大本営の公式報告の活用を指示し、これを受けた1945年10月12日付けSCAPIN-126で日本政府に戦史史料編纂のための研究機関を置くことを指示し、1945年12月1日第一復員省大臣官房に史実部、第二復員省大臣官房に史実調査部が設置された。史実部(その後継の復員庁第一復員局史実調査部)及び史実調査部(その後継の復員庁第二復員局資料整理部)は、G-2からの指令により戦史を編纂刊行して、G-2の連合国翻訳通訳部(ATIS)に提出した。同部ではそのほとんどを英訳し、本国の陸軍省歴史部(Historical Division)に戦史編纂の資料として送付した。この文書がG-2歴史部に残されているのは、同部の歴史編纂の資料としたためである。しかし、このマイクロフィルム版はすべてがそろっていない。完全ではないがよりそろったものとして、当館では米国議会図書館所蔵版も所蔵。
(3) 日本陸海軍司令官尋問(Interrogations of Japanese Army and Navy Commanders)
上記のとおり、マッカーサーのための戦史に日本軍側の対応の記述を加えるために、ウィロビーの指示で開始された、司令官の地位にあった陸海軍の軍人への尋問記録。これは英文の記録のみが残されている。
(4) 旧日本軍人・官僚陳述書(Statements of Former Japanese Officials on World War II)
目的は(3)と同じ。日本人スタッフが歴史部に加わって後に、その人たちの力を借りて行われた1947年7月〜1950年10月に日本の元陸海軍の幹部・参謀と政府の幹部全264人に対して、戦闘の作戦指揮、戦争指導、終戦などについて尋問を行った際の陳述書のATISによる英訳と日本語原版。
これについては、米国議会図書館所蔵資料を基にして刊行された英訳版のマイクロフィルムがあり、当館では1977年度に購入している(憲政資料室所蔵 YD-128)。
主言語 英語・日本語
原資料の所在 原文書は、当館がマイクロフィルムに撮影した当時には、米国国立公文書館のRG331にあったがその後RG338、さらにRG496に移管された。
- 検索手段
- NDL-OPAC日本占領関係資料データベース
- 上記(3)の目録(PDFファイル 119KB)
- 上記(4)の目録(PDFファイル 290KB)
- 関連資料
- 日本軍戦史(憲政資料室所蔵 JAM-1)
- Drafts of General Douglas MacArthur's reports on the war in the Pacific, 1942-46(米国国立公文書館所蔵 「連合国南西太平洋地域文書」(RG496))
没になったG-3作成原稿と思われるが、現物未確認。 - Papers of Gordon W. Prange(メリーランド大学アーカイブス所蔵)
憲政資料室では同大学アーカイブスから提供を受けたこの文書のInventoryを所蔵
- 関連文献
- Reports of General MacArthur. Government Printing Office, 1966
この複製版 現代史料出版 1998年刊がある。全文が陸軍戦史センターのサイトで公開されている。 - 『GHQ歴史課陳述録―終戦史資料』佐藤元英・黒沢文貴編 原書房 2002
上掲の「旧日本軍人・官僚陳述書」の防衛研究所図書館所蔵の日本語版「GHQ歴史課 陳述録」9冊のうち同館で公開されている第6巻から第9巻までと大井篤旧蔵の陳述録のうちから、政治・外交・軍事上重要なものを翻刻したもの。
国立国会図書館-National Diet Library