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第42回ISSNセンター長会議報告―ISSN国際センターのサービス向上

NDL書誌情報ニュースレター

NDL書誌情報ニュースレター2018年1号(通号44号)

【はじめに】

第42回ISSNセンター長会議[1]が、2017年11月7日から10日まで、モロッコ王国の首都ラバトにあるモロッコ王国王立図書館(Bibliothèque nationale du Royaume du Maroc)で開催されました。29か国から46名が参加したほか、前回に続きウェブ会議での参加(3か国3名)もありました。なお、アフリカでの開催は、2008年にチュニジア共和国のチュニスで開催された第33回会議以来9年ぶりとなります。今年の議題からおもなものを報告します。


モロッコ王国王立図書館

1. ISSN規格改訂の動き

前回の会議[2]以降、ISSN規格(ISO 3297:2007)については、「ISSNを無料で付与する」という規定が削除された第5版が2017年10月に発行されました[3]

さらに、第6版に向けた定期的な見直し(Systematic Review)について、ISSN国際センター(以下、国際センターといいます)から現状報告がありました。これまでのおもな動きは、次の6点です。

  • (1)2016年から2017年にかけて、見直しの要否やコンビ―ナ(WGの責任者)の選定等について4回の投票を実施
  • (2)国際標準化機構第46専門委員会識別と記述分科会(ISO/TC46/SC9)による第5作業グループ(WG5)を設置
  • (3)さまざまな分野の専門家をWG5に採用
  • (4)規格の適用範囲に変更がない旨を確認
  • (5)改訂期間を第5版の発行から36か月以内とすることを確認
  • (6)国際センター長のガエル・ベケ氏(Gaëlle Béquet)がコンビ―ナに就任

これを受けて、現在、月次の遠隔会議開催、ISSN番号の使用者への需要調査、WG5の専門家からの意見の集約という三つの作業が行われています。そして、2018年5月に予定されているISO/TC46総会の後に、ISO/TC46/SC9による委員会原案をSC9のPメンバー(積極的参加メンバー)の投票にかけることになっています(全6段階ある改訂手続きのうち第3段階)。

規格の改訂内容の詳細には触れられませんでしたが、鍵となる項目として次の5点が挙げられました。

  • (1)ISSN付与の粒度(改題等の関係にある複数のタイトルを包括する「meta-ISSN」(仮称)や、逐次刊行物の号・記事の識別におけるISSNの活用の可能性)
  • (2)電子的な逐次刊行物および継続資料の定義の見直し
  • (3)ISSNメタデータ[4]の改訂・調整
  • (4)Linked Data環境下でのISSN番号の活用
  • (5)ISO中央事務局とISSN登録機関としての国際センターとの関係


会場の様子

2. 国際センターの新サービス

国際センターでは2018年1月から、新たなサービスを開始しました。2017年12月まで、ISSN付与済み書誌データのデータベースISSN International Registerに搭載されたデータの利用には、利用者IDの交付を受けるか、利用者としてのIPアドレスを登録することが必要で、すべてのサービスが有料でした。これに対して2018年1月からは、ISSN International Registerのウェブ上のインターフェースであるISSN Portalを通じて、書誌データの一部の項目が無料かつ利用登録不要の形で公開されました。

今回無料公開の対象となったのは、完成した書誌データのうち、書誌的事項と管理的メタデータの一部です。この中で検索キーとなる項目は、ISSN、ISSN-L[5]、キータイトル、参照タイトル、出版国、媒体等です。検索結果には、ISSN、ISSN-L、キータイトル、本タイトル、出版国、媒体、URL、管轄するセンター、最終更新日が表示されます[6]。ISSN Portalのトップページにある世界地図からは、出版国単位での検索も可能です。

一方、ISSN Portalの有料サービスでは、ISSN International Registerに収載されているすべての書誌データを検索・利用できます。その中には未完成の書誌データも含まれています。また、出版者や分類・言語等を含む、すべての書誌データ項目を検索・利用することができます。データダウンロードの面では、Linked Data[7]として、RDF形式でのデータをAPIによって検索・ダウンロードすることができます。さらに、2018年2月時点では未実装ですが、今後の改良により、地図からの出版地検索で、国単位ではなく都市単位で検索できるようになるほか、位置情報やインパクトファクターなど、ISSN International Register以外の情報源から取得した情報と統合されたデータも利用できるようになる見込みです。

また、ISSN Portalとは別の話題として、オープンアクセスのオンライン学術情報資源(学術雑誌、会議録、学術リポジトリ等)の書誌データを提供するROAD(Directory of Open Access scholarly Resources)[8]について、将来はISSN International Registerにデータが統合される予定だという情報がありました。

【おわりに】

次回の第43回ISSNセンター長会議は2018年9月に米国ワシントンD.C.で、第44回会議は2019年にインドのニューデリーで開催される予定です。次回会議までにはISSN Portalでのサービスも整備され、規格の改訂作業も本格化するものと思われます。改訂手続の進捗状況、さらにISBDをはじめとするISSNに影響する国際標準等の改訂についても、引き続き注視していきます。

柳澤 健太郎
(やなぎさわ けんたろう 逐次刊行物・特別資料課)

[1] ISSNネットワークの各国センター長が年に1度集まり、重要事項を検討する会議が「ISSNセンター長会議」です。ISSN日本センターについては、以下のページをご覧ください。
国立国会図書館. “ISSN日本センター”. http://www.ndl.go.jp/jp/data/issn/index.html#anchor07, (参照 2018-02-19).

[2] 前回の会議の参加報告は、本誌2017年1号(通号40号)をご覧ください。
柳澤健太郎. 第41回ISSNセンター長会議参加報告―ISSN規格改訂と逐次刊行物目録標準化の動向, http://www.ndl.go.jp/jp/data/bib_newsletter/2017_1/article_03.html, (参照 2018-02-19).

[3] ISSN規格の第5版は、国際標準化機構(ISO)が有償で頒布しています。
ISO/TC46/SC9. “ISO3297:2017”. https://www.iso.org/standard/73322.html, (参照 2018-02-19).

[4] 現在の規定は、JIS X 0306:2012の「付属書B メタデータ」で確認できます。ISSN、タイトル、出版者等が含まれます。

[5] 本誌2010年1号(通号12号)を参照。
逐次刊行物・特別資料課整理係. ISSN-Lをご利用ください!, http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_1166400_po_2010_1.pdf?contentNo=1#page=4, (参照 2018-02-19).

[6] たとえば“CDNLAO Newsletter”(ISSN:1344-722X)のデータは、次のURLのとおりです。https://portal.issn.org/resource/issn/1344-722X, (参照 2018-02-19).

[7] 以下の「Linked Data/Linked Open Data」の項に説明があります。
電子情報部電子情報流通課標準化推進係. “【参考】メタデータ関連用語集”. http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/standards/meta/glossary.html#Linked_Data, (参照 2018-02-19).

[8] ROADは、ユネスコの支援を受けて国際センターが提供しているもので、無料で公開されています。以下の「ROADについて」の項をご覧ください。
国立国会図書館. “ISSN日本センター”. http://www.ndl.go.jp/jp/data/issn/index.html#anchor16, (参照 2018-02-19).


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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2018年1号(通号44号) 2018年3月27日発行

編集 国立国会図書館収集書誌部
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