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米国議会図書館におけるBIBFRAMEの動向(出張報告)

NDL書誌情報ニュースレター

NDL書誌情報ニュースレター2017年3号(通号42号)

【はじめに】

本誌2016年2号では、ウェブ環境に適した新しい書誌フレームワークであるBIBFRAMEの最新動向や、米国議会図書館(LC)によるデータ試行プロジェクトについてご紹介しました。筆者は、2017年3月にLCを訪問し、BIBFRAMEに関する取組みについて、プロジェクトの担当者とデータの試作に参加した目録作業担当者からそれぞれお話を伺うことができました。本稿では、2016年4月以降のLCにおけるBIBFRAMEのおもな動向(2017年7月末現在)について、実際に伺った話とあわせてご紹介します。また、他機関の取組み状況もお知らせします。

【MARC 21からBIBFRAME 2.0への変換】

2017年3月に、BIBFRAME 2.0の語彙が更新されました[1]。あわせて、LCにおけるMARC 21からBIBFRAME 2.0への変換仕様も公開されました[2]。MARC 21のフィールドやサブフィールドについて、それぞれ対応するBIBFRAME 2.0の語彙とそれが属するクラス(「著作(Work)」「インスタンス(Instance)」「アイテム(Item)」)が定められています。この変換仕様は、LCの試行プロジェクトで使用するため、適切な変換先がなかったものについては、BIBFRAME 2.0の拡張語彙として、LC独自の語彙が作成されました[3]。今後も、試行プロジェクトを進めていく中で、随時更新される予定です。

また、MARC 21からBIBFRAME 2.0への変換ツールも公開されました[4]。このツールは、LCの書誌データを対象にしたものです。LCの書誌IDまたはコントロール番号(LCCN)を指定すると、MARC形式の書誌データと、BIBFRAME 2.0に変換された書誌データが並んで表示され、比較できます。

【LCのデータ試行プロジェクト】

1. 第1期(2015年10月~2016年3月)

第1期では、BIBFRAME 1.0に基づく既存データの変換や新規データの作成が行われ、2016年6月に総括報告書が公開されました[5]。BIBFRAMEの有効性を検証するという目的が達成されたこと、データの試作に参加した目録作業担当者達からのフィードバックにより、BIBFRAMEの開発が非常に進んだこと等が報告されています。

LCを訪問した際、データの試作に参加した日本語資料の担当者から、次のようなお話を伺いました。

(1)漢字表記のタイトルや責任表示の入力について

LCでは、現在のMARC 21による日本語資料の目録作成において、タイトルや責任表示(MARC 21のタグ「245」)には、ローマ字で表記したものを入力しています。その資料にもともと表示されている、漢字等の表記によるタイトルや責任表示の入力には、他の字形により表現されたものを記録する項目(タグ「880」)を使用しています。

たとえば、村上春樹著『職業としての小説家』の場合、タイトルと責任表示がそれぞれ図1のように記録されます。


図1 異なる表記のタイトル等の入力データ例(LCの場合)

一方、BIBFRAMEのデータの試作に用いられた、ツールの入力画面には、前述のタグ「880」に相当する情報を記録する項目がなく、漢字等で表記されているオリジナルのタイトル等を入力することができなかったそうです。この入力ツールはLCが独自に開発したもので、非ラテン文字の表記が使用される日本語資料等の目録作成の際の課題として、プロジェクトの担当者とも共有されました。

(2)試作の感想

全体として、入力ツールを使用してデータを作成する限りでは、BIBFRAMEという新しいフレームワークを適用することについてそれほど抵抗感はなかったようです。入力ツールの画面に表示される項目名は、BIBFRAMEの語彙ではなく、すでに適用しているRDAのエレメントの名称が使われていました。そのため、BIBFRAMEのデータモデルや語彙を強く意識することなくデータを作成できたそうです。強いていえば、MARC 21では一つの項目に入力している内容を、BIBFRAMEでは複数の項目に入力する必要があり、作業としてはやや煩雑だったそうです。

2. 第2期(2017年6月~)

2017年6月に、第1期に参加した40名を対象に研修が行われました。7月には、新規参加者27名を対象に行われ、8月までに、BIBFRAME 2.0による目録作成が開始される予定です[6][7]

第2期では、より現実的な目録作成環境の構築が目標とされています。以下について、MARC 21とBIBFRAME 2.0のそれぞれの形式によるデータの試作が行われる予定です。

  • BIBFRAME 2.0の語彙を用いた書誌データ
  • オリジナルの言語表記(非ラテン文字)による書誌データ
  • MODS(Metadata Object Description Schema)[8]の語彙を用いた名称典拠データ(目録規則はRDAを適用)

さまざまな機関においてBIBFRAME 2.0に関する実証試験を行ってもらえるように、LCが開発したBIBFRAME 2.0に関するツール類はすべて公開される予定です。

筆者が訪問した3月下旬は、入力ツールの開発等、ちょうど第2期の準備が進められているところでした。その進捗状況について、プロジェクトの担当者からお話を伺うこともできました。前述のオリジナルの言語表記の入力に関しては、第1期の結果をふまえ、漢字表記のタイトル等も記録できる項目をツールに追加することが、この面会直前に行われていた会議で決まったばかりとのことでした。BIBFRAMEの完成時期については、依然として未定のようですが、プロジェクトが日々進んでいることを実感しました。

【他機関の取組み状況】

LCでは、BIBFRAME 2.0に関する取組みを実施している機関のリストを公開しています。これによると、ドイツ国立図書館は、2018年に、BIBFRAME 2.0に対応したデータ出力機能(プロトタイプ)をOPACに実装する予定です[9]。また、ハンガリー国立博物館の図書館は、すべての目録データをBIBFRAME形式にLinked Open Data化し、データセットとして公開しました[10]。システムベンダーのEx Libris社は、図書館業務管理システム“Alma”におけるBIBFRAMEの実装機能を、2017年夏頃から段階的にリリースする予定です[11]。そのほか、スタンフォード大学やコロンビア大学等の6機関による連携プロジェクトLD4P(Linked Data for Production)では、従来の目録作成作業からLinked Dataの作成・提供作業をベースとした業務フローへの移行に関する検討に着手しました。このプロジェクトにはLCも参加しており、特定の分野や形態の資料に対応するために、BIBFRAMEの語彙等を検討することがテーマの一つになっています。

また、BIBFRAME関連のメーリングリストによると、スウェーデン国立図書館[12]やフィンランド国立図書館[13]等も取組みを進めているようです。以前よりも具体的な事例が見られるようになり、各機関におけるBIBFRAMEへの関心の高さがうかがわれます。

今回、実際にLCでBIBFRAMEに関わる方々とお会いすることで、まだ具体的な完成時期が定まっていなくとも、取組み自体は着実に進んでいることがわかりました。今後もLCにおけるBIBFRAMEの取組みの進展を期待したいと思います。

柴田 洋子
(しばた ようこ 収集・書誌調整課)

[1] 最新の語彙は、以下をご覧ください。
BIBFRAME 2.0 Vocabulary List View.
http://id.loc.gov/ontologies/bibframe.html, (参照 2017-08-16).

[2] 仕様の詳細は、以下をご覧ください。
MARC 21 to BIBFRAME 2.0 Conversion Specifications.
http://www.loc.gov/bibframe/mtbf/, (参照 2017-08-16).

[3] 語彙の詳細は、以下をご覧ください。これらは、試行プロジェクトの中で暫定的に使用され、BIBFRAMEの語彙として定義されるかは未定です。
LC BIBFRAME 2.0 Vocabulary Extension List View.
http://id.loc.gov/ontologies/bflc.html, (参照 2017-08-16).

[4] ツールは、以下のURLで公開されており、任意のLCのデータを変換できます。
BIBFRAME Comparison Tool.
http://id.loc.gov/tools/bibframe/compare-id/full-ttl, (参照 2017-08-16).
変換プログラムも公開されています。
Conversion Programs.
https://github.com/lcnetdev/marc2bibframe2, (参照 2017-08-16).

[5] 報告書は、以下をご覧ください。
Library of Congress. “BIBFRAME Pilot (Phase 1): Report and Assessment”.
http://www.loc.gov/bibframe/docs/pdf/bibframe-pilot-phase1-analysis.pdf, (参照 2017-08-16).
なお、資料により第1期の開始時期が異なりますが、ここでは、より多くの発表資料等に見られ、上記報告書の本文にも記載されている2015年10月としました。

[6] Beacher Wiggins, Sally McCallum. “Library of Congress Pilot Two: more complete, more participants, more interactive”. BIBFRAME Update Forum at ALA Annual Conference 2017.
http://www.loc.gov/bibframe/news/source/ala2017-june-bfupdate.pptx, (参照 2017-08-16).

[7] Dave Reser. “Library of Congress Report”. Committee on Cataloging: Description & Access 2017 Annual Conference.
http://alcts.ala.org/ccdablog/wp-content/uploads/2017/06/LC-2017-06.pdf, (参照 2017-08-16).

[8] LCが維持管理するメタデータスキーマの一つ。

[9] 現在は、BIBFRAME 1.0形式のデータ出力機能(プロトタイプ)が実装されています。

[10] データセットの詳細は、以下をご覧ください。
data-hnm-hu - Hungarian National Museum Datasets.
https://datahub.io/dataset/data-hnm-hu, (参照 2017-08-16).
SPARQLのエンドポイントも公開されています。
http://data.hnm.hu/sparql, (参照 2017-08-16).
例)タイトル“The Holy Crown of Hungary : kings and coronations”の書誌データ
BIBFRAME形式のデータ
http://data.hnm.hu/doc/colls/lib/bib/Instance/MNMKVT19563, (参照 2017-08-16).
MARC形式のデータ(OPACの表示形式の一つとして選択可能)
http://data.hnm.hu/doc/colls/lib/bib/Instance/MNMKVT19563.opac, (参照 2017-08-16).

[11] 詳細は、以下のプレスリリースをご覧ください。
Ex Libris. “Ex Libris Increases Library Connectivity with Implementation of BIBFRAME Roadmap”.
http://www.exlibrisgroup.com/default.asp?catid={916AFF5B-CA4A-48FD-AD54-9AD2ADADEB88}&details_type=1&itemid={2570AFE8-6796-4855-9397-CF1C3D56635D}, (参照 2017-08-16).

[12] スウェーデン国立図書館では、Linked Dataベースのシステム“Libris XL”のフォーマットにBIBFRAME 2.0を採用する方針が決定されました。現在、Linked Data提供サービス“id.kb.se”を開発中です。
National Library of Sweden. “BIBFRAME in Libris XL”.
https://librisbloggen.kb.se/2017/04/11/bibframe-in-libris-xl/, (参照 2017-08-16).
データモデル等の詳細は、以下のページをご覧ください。
“Data Model”.
https://id.kb.se/doc/model, (参照 2017-08-16).
“MARCFrame”(MARCからのマッピング仕様).
https://id.kb.se/marcframe/, (参照 2017-08-16).

[13] フィンランド国立図書館では、全国書誌データ“Fennica”をLinked Data化し、公開しています。著作とインスタンスの区別について、BIBFRAME 2.0のデータモデルに準拠しているそうです。
“Fennica Linked Data”.
http://linkeddata-kk.lib.helsinki.fi/, (参照 2017-08-16).
以下のスライドも参考になります。
Osma Suominen. “From MARC silos to Linked Data silos? Data models for bibliographic Linked Data”.
http://dublincore.org/resources/training/ASIST_Webinar_20170228/Suominen-Linked_Data_silos.pdf, (参照 2017-08-16).


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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2017年3号(通号42号) 2017年9月27日発行

編集 国立国会図書館収集書誌部
発行 国立国会図書館

〒100-8924 東京都千代田区永田町1-10-1

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