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コラム:一生ケンメイ!(2)世界とつながる件名標目表へ―LCSHとのリンク

NDL書誌情報ニュースレター

NDL書誌情報ニュースレター2017年1号(通号40号)

国立国会図書館で「一生懸命」作っている「件名」にまつわるトピックをご紹介するコラム、第2回は、国立国会図書館件名標目表(NDLSH)と米国議会図書館件名標目表(Library of Congress Subject Headings、以下「LCSH」といいます)とのリンクについて取り上げたいと思います。

当館では、NDLSHをよりさまざまな用途で使っていただけるように、NDLSHとLCSHのリンクを拡充しています。件名を新設する際に、対応するLCSHがあればリンクを行っているほか、既存件名についても、LCSHとのリンクを順次進めています[1]

LCSHは、その名のとおり、もともとは米国議会図書館(LC)のために作られた件名標目表です。現在では、非英語圏を含む多くの国立図書館が使用しており、事実上世界標準の件名標目表となっています[2]

以前は冊子体の件名標目表が発行されていましたが、2014年以降はPDF形式でのオンライン公開となりました[3]。最新のPDF版は2016年1月に公開された第38版です[4]

当館では、平成16年度のNDLSH改訂を機に、当館が作成した件名標目に対応するLCSHとのリンクを開始しました[5]

NDLSHとLCSHとのリンクは、Web NDL Authorities(国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス)で確認することができます。図1は、標目が「議会図書館」である件名の詳細表示画面です。


図1 Web NDL Authoritiesの件名「議会図書館」の詳細表示画面

「別名(を見よ参照)」の“Legislative libraries”がLCSHの標目形を表しています。「関連リンク」の“sh2004000780”はLibrary of Congress Authorities(LC典拠)におけるIDを表しており、このリンクをクリックすることで、LCのウェブサイトで“Legislative libraries”の件名典拠を閲覧することができます(図2参照)。


図2 LCの件名“Legislative libraries”の詳細表示画面

LCSHは、“French language”など一部の件名に対して、フランス国立図書館(BnF)のRAMEAUなどの他国の件名標目表とのリンクを行っています。これらのリンクは、各件名の詳細表示画面で確認することができます。また、NDLSHの「フランス語」からもLCSHの“French language”にリンクしているため、LCSHを介し、RAMEAUの“Français (langue)”までつながることができます(2017年3月22日現在)。このように、NDLSHとLCSHとのリンクは、単に日米の件名標目表を関連づけるだけではなく、LCSHを通じて世界のさまざまな件名とのつながりも広げているのです。

最近NDLSHがリンクを行ったLCSHの例として、“Sankin kōtai”、“Maneki neko (Talisman)”、“Sumo referees”などがあります。それぞれ「参勤交代」、「招き猫」、「行司」とリンクしており、このような日本固有の物や概念についてもLCSHがあることを意外に思われるかもしれません。われわれも、LCSHのカバーする分野の広さに日々驚かされるとともに、件名の新設やリンクの拡充を着実に行うことで、NDLSHをいっそう充実させるという使命を実感しています。

LCSHはNDLSHと同様に事前結合方式[6]をとっており、細目付きの件名が数多く存在します。中には、NDLSHでは主標目となっていても、LCSHでは細目付き件名となっているものもあります。たとえば、「家族心理学」はLCSHでは“Families--Psychological aspects”、「農業経済」はLCSHでは“Agriculture--Economic aspects”という形になっています[7]

Japan--History--Hōgen and Heiji Insurrections, 1156-1159”というLCSHに対応するNDLSHは、「保元の乱 (1156)」と「平治の乱 (1159)」の二つがあります。このように、LCSHとNDLSHは必ずしも一対一の関係で対応してはいません。

そしてもちろん、すべてのNDLSHに対して、必ずしも対応するLCSHが存在するわけではありません。

当館では、NDLSHを新設する際、対応するLCSHが確認できなかった場合には、その旨を注記しています。図3は「身体知」の例です。


図3 対応するLCSHが確認できなかったNDLSHの例(「身体知」)

このように、LCSHの有無を確認した日付(図3の「20160902」)を記入した上で注記しています。NDLSHの新設時点では存在していなかったLCSHがのちに新設されることもあり、そのような事例が発見された時は注記を削除した上でLCSHへのリンクを追加します。最近では、NDLSH「ナノバイオテクノロジー」とLCSH“Nanobiotechnology”との間でこのリンクの追加作業を行いました。

Web NDL Authoritiesを普段お使いであっても、LCSHへのリンクについては気に留めたことがなかったという方も多いかもしれません。前述のとおり、NDLSHとLCSHとのリンクは、日米のみならずさらに世界各国の件名標目表とつながる可能性を秘めています。そして、当館が作成する件名典拠を世界とつなげ、ひいては資料へのアクセスの可能性を広げるための鍵となる役割を担っています[8]

Web NDL AuthoritiesでNDLSHに対応する分類記号や上位語・下位語・関連語などを調べることがあったら、少し手を伸ばしてLCSHへのリンクをクリックしてみてはいかがでしょうか。

西川 久司
(にしかわ ひさし 国内資料課)

[1] 件名の新設については、本誌2016年1号(通号36号)のコラムでも紹介しています。
境野由美子. コラム:一生ケンメイ!(1)主題細目「復興」「被災者支援」.
http://www.ndl.go.jp/jp/data/bib_newsletter/2016_1/article_05.html, (参照2017-01-24).
また、件名新設の具体的な手順を、本誌2009年3号(通号10号)で詳しく紹介しています。
大柴忠彦. コラム:書誌データ探検 件名(2)NDLSH メイキング ―件名標目新設の現場.
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_3507136_po_2009_3.pdf?contentNo=1#page=19, (参照2017-01-24).

[2] 鹿島みづき. 主題アクセスとメタデータ記述のためのLCSH入門. 樹村房, 2013.2, p.3.

[3] “米国議会図書館(LC)、LCSH、LCCと関連マニュアルをPDFで公開”. カレントアウェアネス-R. Posted 2014年6月12日.
http://current.ndl.go.jp/node/26335, (参照2017-01-24).

[4] 2017年1月24日現在。なお、LCSHの新設・更新は随時行われており、LCのウェブサイト上で毎月リストとして公開されています。
Library of Congress. “Library of Congress Subject Headings (LCSH) Approved Lists”.
https://www.loc.gov/aba/cataloging/subject/weeklylists/, (参照2017-01-24).

[5] 国立国会図書館. “国立国会図書館件名標目表の改訂について”.
http://www.ndl.go.jp/jp/data/catstandards/classification_subject/ndlsh.html, (参照2017-01-24).

[6] 事前結合方式については、脚注[1]のコラムで紹介したほか、本誌2009年4号(通号11号)で詳しく解説しています。
大柴忠彦. コラム:書誌データ探検 件名(3)事前結合方式—件名標目の可能性の中心.
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_3507137_po_2009_4.pdf?contentNo=1#page=14, (参照2017-01-24).

[7] なお、「フランス--歴史--中世」(LCSH“France--History--Medieval period, 987-1515”とリンク)など一部の例外を除いて、NDLSHが細目付きの場合はLCSHとのリンクを行っていません。

[8] 当館が作成する典拠データおよびWeb NDL Authoritiesの役割の一つである「つなげる」については、以下の記事で紹介しています。
木下竜馬. What's 書誌調整ふたたび 第4回 典拠は大切―Web NDL Authorities を使ってみよう!―(後編). 国立国会図書館月報. 2016.1, (657), p.14-16.
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_9578225_po_geppo1601.pdf?contentNo=1#page=16, (参照2017-01-24).


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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2017年1号(通号40号) 2017年3月28日発行

編集 国立国会図書館収集書誌部
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