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世界のRDAの取組みのいま(10)―欧州各国の動向と連載まとめ

NDL書誌情報ニュースレター

NDL書誌情報ニュースレター2016年3号(通号38号)

【はじめに】

【欧州各国における取組み】

各国または各言語圏における取組みは、着実に進んでいます。たとえば、2016年5月にラトビアで開催された欧州RDAインタレスト・グループ(EURIG)の年次会議では、各国におけるRDAの取組みに関する状況が報告されました。その報告資料や議事録等を基に、今まで連載でとりあげていないバルト海沿岸や東欧の国々・言語圏の取組みを中心にご紹介します[3]

ドイツ語圏[4]

2012年から、ドイツ、オーストリアおよびスイスの国立図書館等の16機関が連携して、ドイツ語圏におけるRDA適用プロジェクトを進めてきました。2014年に、ドイツ国立図書館の統合典拠ファイルであるGemeinsame Normdatei(GND)にRDAが適用されました。そして、オーストリアの図書館ネットワークが2015年8月に、ドイツ国立図書館が2015年10月に、それぞれ書誌データへのRDAの適用を開始しました。2016年1月には、プロジェクトの第1段階が完了し、全参加機関が適用を開始しました。

研修は、全参加機関の協力により行われました。2017年以降は、ドイツ国立図書館が担当する予定です。また、プロジェクト参加機関以外を対象とした研修の実施を望む声も多く、2016年1月からドイツ国立図書館が実施しています。

今後も、RDAの更新に対するドイツ語訳の反映やドイツ語圏の適用ガイドラインの維持管理等が行われる予定です。

スイス(フランス語圏)[5]

スイスには、四つの公用語(ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語)があります。そのため、多言語環境における目録作成について考慮する必要があります。国内の学術図書館、公共図書館、学校図書館等290機関からなる西部スイス図書館ネットワーク(RERO)では、前述のドイツ語圏の適用ガイドラインおよびGNDをフランス語圏の図書館においても使用できるかを、2016年に調査しました。その結果、これらは、ドイツ語圏のカタロガーと利用者のためのものであり、多言語環境で使用するには十分でないことがわかりました。そこで、スイスのRDA適用ガイドラインには、ドイツ語圏の適用ガイドラインおよびGNDを基に多言語対応させたものが必要という結論が出されました。

ラトビア[6]

ラトビア国立図書館では、2013年からRDA適用戦略を実施しています。第1段階は2016年まで、第2段階は、2016年から2018年まで行われる予定です。

第1段階では、書誌レコードに、RDAが一部適用されました。電子書籍や電子雑誌等の電子情報については、RDAに対応したMARC 21のタグ(020$q、264、336、337、338、347)が追加されました。また、2016年4月から、個人の典拠レコードの新規作成において、RDAの適用が開始されました。RDAの用語集の翻訳や翻案も行われています。

第2段階では、2016年内に単行書(冊子体)のRDA適用マニュアルの完成と、国立図書館のカタロガーへの研修の開始が予定されています。2017年以降、雑誌やその他の資料群のマニュアルも作成される予定です。また、2017年初めに、団体の典拠レコードの新規作成において、RDAを段階的に適用する予定です。

ポーランド[7]

ポーランドでは、RDAの適用に関する意思決定がまだ行われていませんが、将来的に移行作業を円滑に行えるような取組みを進めています。

学術研究図書館の総合目録NUKATセンターでは、MARC 21のタグ(046、370~380番台等)を追加した典拠レコードの作成や、AACR2における一般資料表示(GMD)からMARC 21のタグ336、337、338への置換等に取り組んでいます。

フィンランド[8]

フィンランド国立図書館は、2015年12月にRDAのフィンランド語版を、そして2016年4月に適用方針を、それぞれRDA Toolkitで公開しました。2016年9月には、国の適用ガイドラインが公開される予定です。2015年には、概論、属性と関連、そしてMARC 21のデータ例に関する3日間の研修が実施され、2016年には「タイトルと名称の変化」、「音楽資料と録音映像資料の目録作成」といったテーマ別の研修が行われました。また、オンラインで開催された説明会では、「質問タイム」が6回設けられ、のべ約200名のカタロガーが参加しました。

2016年初めの時点で、RDAを適用している図書館は40館あります。なかでも、大学図書館は全館で適用を開始しました。

また、国内の総合目録Melindaに参加するためには、RDAを適用する必要があります。Melindaでは、今後数年間で、国内のほとんどの図書館を参加館とすることを目標としています。Melindaの場合、現行の図書館システムを使用している間は、RDAを適用しても、目録作成プロセスやデータモデル、作業画面は変わらない想定です。

デンマーク[9]

2016年5月、デンマーク書誌センター(DBC)により、RDAへの移行および典拠データの国家戦略に関する提言が、デンマーク文化庁に報告されました。RDAへの移行の背景としては、個々の機関ごとにではなく国としてどの目録規則を採用するかを決定することによって、国家的な目録作成基盤の強化が見込まれること、数多くの海外の書誌レコードを利用していること、既存の目録規則が古くなり、早急に更新する必要があることが挙げられています。また、提言では、基本的にRDAの規定は英語のまま使い、語彙と適用規則のみデンマーク語を用いるとされています。

RDAへの移行についての最終的な意思決定は、この報告後数か月以内に文化庁によって行われる予定です。順調に行けば、2016年の秋頃からRDA適用プロジェクトが開始され、2018年中に適用を完了する想定です。

アイスランド[10]

アイスランドでは、2016年5月から、RDAの本格的な適用が始まりました。

2014年4月にRDA適用計画が策定され、2015年2月に、正式に適用が決定されました。適用プロジェクトの意思決定や財政面の責任は、アイスランド国立・大学図書館が担いました。そして、州政府や地方公共団体によるアイスランド図書館コンソーシアムがプロジェクトを運営し、方針策定や進展状況の監視、規則やガイドラインの作成等は、目録評議会が行いました。

2015年1月にプロジェクトマネージャーが採用された後、RDAの翻訳や適用について、総勢20~30名のいくつかの作業チームが発足しました。アイスランドでは、国内共通の図書館システムとしてEx Libris社のAlephを使用しているため、同じくAlephを導入している英国図書館を訪問し、その適用プロセスやシステムの変更点等について調査したり、最近RDAを適用したアムステルダムの大学図書館等を訪問したりしました[11]

また、RDAを選択的に翻訳しようとしたところ、翻訳箇所の選定作業が最も時間を要するものとなりました。そして、FRBRの概念について言及されている序説や、内容種別、媒体種別、キャリア種別に関する用語、関連指示子(一部)等を翻訳しました。今後も、必要に応じて翻訳作業を継続する予定です。さまざまな館種のカタロガーを対象とした研修も行われ、適用プロジェクトは順調に進みました。

今後は、電子情報を目録作成対象とするかの検討や、収集、主題、閲覧等の目録作成部門以外のスタッフへの研修、RDA Toolkitの更新状況を継続的に確認する必要性等が課題とされています。また、RDAに則って作成された書誌レコードが、システムでどのように機能し、利用者にとってどのように見えるかを検討することも必要であると考えられています。

ノルウェー[12]

ノルウェーでは、RDAの翻訳作業が進められていますが、かなりの時間を要する見込みです。2016年末には、翻訳の進捗状況によらず、国としてRDAに移行する予定です。

スウェーデン[13]

スウェーデン国立図書館では、2014年4月から、RDA適用プロジェクトが開始されました。その後、プロジェクトは順調に進み、2016年6月に、国内の適用規則等が公開されました。同年10月からは、研修が開始される予定です。

スペイン[14]

スペインでは、カタルーニャ州の図書館のみがRDAを適用しています。すでにRDAのカタルーニャ語訳が期間限定で公開されており、期間終了後、2016年中にRDA Toolkitに掲載される予定です。その他の州の図書館は、他国の適用状況を注視しているところです。

スペイン国立図書館は、2014年から、RDAの適用に向けた作業グループを設置しています。2016年には、国立図書館における適用ガイドライン等が策定される予定です。

そのほか、チェコ(2015年適用開始)、スロバキア(2017年適用予定)、リトアニア(適用予定)、エストニア(検討中)、スロベニア(適用未定)等、適用・検討状況はさまざまです[15]

【おわりに】

一方、日本では、国立国会図書館が、日本図書館協会目録委員会と連携し、RDAに対応した新しい『日本目録規則』(新NCR)の策定作業を進めています[16]。新しい目録規則の適用に向けた取組みは、規則の完成がゴールではありません。その規則に基づくデータを広く提供し、利用者の資料へのアクセス可能性を向上させることが最終目的です。カタロガーは、新たな規則を十分に理解した上で、それに則ったデータの作成作業に習熟する必要があります。そのためには、十分な時間と充実した内容の研修が必要になります。また、新しい規則によって、利用者にどのような利点がもたらされるのか、その必要性や意義をアピールし、世の中に広く理解してもらうことも、図書館をはじめとするデータ作成・提供機関のミッションの一つです。さらに、新たな規則が適用されたデータを、より効果的に利用者へ提供するためのシステム的な対応も必須です。これらの課題に取り組む際、先行する各国の取組みが参考になるでしょう。

“Cataloging & Classification Quarterly”の特集号「世界のRDA」を基にした連載は、一区切りとなりますが、今後も、各国または各言語圏等におけるRDAに関する取組みについて、適宜ご紹介していく予定です。

(NDL書誌情報ニュースレター編集委員会; 文責: 柴田洋子)

[1] Cataloging & Classification Quarterly (Volume 52, Issue 6-7, 2014),
http://www.catalogingandclassificationquarterly.com/ccq52nr6-7.html, (参照 2016-07-13).
この特集号は、2015年に書籍として刊行されました。
Marie-France Plassard, Gordon Dunsire. RDA Around the World. London. New York. Routledge. 2015, xv, 234p.

[2] 各国のRDAの取組み状況については、本誌37号の「欧米国立図書館のRDA適用状況に関する調査報告」でも紹介されています。

[3] 以下の議事録を基にご紹介しています。各国の報告資料については、各脚注をご覧ください。
EURIG. “Minutes of the Members' Meeting, 2016”.
http://www.slainte.org.uk/eurig/docs/EURIG2016/2016_EURIG_Minutes.pdf, (参照 2016-07-13).

[4] Renate Behrens-Neumann. “RDA in D-A-CH: cooperative project in three countries”.
http://dom.lndb.lv/data/obj/file/304150.pdf, (参照 2016-07-13).
Aliverti C., R. Behrens, V. Schaffner. RDA in Germany, Austria, and German-speaking Switzerland – a new standard not only for libraries. JLIS.it. 2016, 7(2), p.253-278, http://dx.doi.org/10.4403/jlis.it-11702, (参照 2016-07-13).
なお、RDA関連のメーリングリストによると、RDAに基づいて作成された書誌データの第1号は、Jonathan Franzenの小説『Purity』のドイツ語訳『Unschuld』のデータだそうです。

[5] Thierry Clavel. “Adopting RDA D-A-CH and GND in the French speaking part of Switzerland: study carried out in April 2016”.
http://dom.lndb.lv/data/obj/file/304161.pdf, (参照 2016-07-13).

[6] Maira Kreislere. “Implementation of RDA: the case of Latvia”.
http://dom.lndb.lv/data/obj/file/304145.pdf, (参照 2016-07-13).

[7] Leszek Śnieżko. “RDA and NUKAT”.
http://dom.lndb.lv/data/obj/file/304147.pdf, (参照 2016-07-13).

[8] Marja-Liisa Seppälä. “RDA in Finland”.
http://dom.lndb.lv/data/obj/file/304137.pdf, (参照 2016-07-13).
なお、RDAのフィンランド語版がRDA Toolkit に公開された日付は、以下を参照しました。
American Library Association, Canadian Library Association, and CILIP: Chartered Institute of Library and Information Professionals. “Special Release to RDA Toolkit -- Finnish and Spanish RDA”.
http://www.rdatoolkit.org/development/December2015release, (参照 2016-07-13).

[9] Anders Cato. “Status report on RDA in Denmark”.
http://dom.lndb.lv/data/obj/file/304136.pdf, (参照 2016-07-13).
Anders Cato, Henriette Fog, Susanne Thorborg. RDA in Denmark. Scandinavian Library Quarterly. 2015, 48(1-2), http://slq.nu/?article=volume-48-no-1-2-2015-18, (参照 2016-07-13).

[10] Ragna Steinarsdóttir. “RDA in Iceland”.
http://dom.lndb.lv/data/obj/file/304663.pdf, (参照 2016-07-13).
Magnhildur Magnusdottir. Community of cataloguers in Iceland. Scandinavian Library Quarterly. 2016, 49(1-2), http://slq.nu/?article=volume-49-no-1-2-2016-22, (参照 2016-07-13).

[11] 英国図書館については、2014年のEURIG年次大会での報告があります。
Alan Danskin. “RDA: implementation and application, British Library perspectives”.
http://www.slainte.org.uk/eurig/docs/EURIG2014/2014_EURIG-AM_presentation_Implementing-RDA-in-BL_Danskin.pdf, (参照 2016-07-13).

[12] 脚注[3]と同じ。

[13] Katarina Synnermark. RDA in Sweden. Scandinavian Library Quarterly. 2014, 47(3),
http://slq.nu/?article=volume-47-no-3-2014-3, (参照 2016-07-13).
Miriam Säfström. “RDA-progression Sweden”.
http://dom.lndb.lv/data/obj/file/304163.pdf, (参照 2016-07-13).

[14] Roberto Gómez Prada. “RDA in Spain: an overview”.
http://dom.lndb.lv/data/obj/file/304162.pdf, (参照 2016-07-13).

[15] 脚注[3]と同じ。

[16] 新しい『日本目録規則』の状況については、以下のページをご覧ください。
国立国会図書館. 新しい『日本目録規則』(新NCR).
http://ndl.go.jp/jp/data/ncr/index.html, (参照 2016-07-13).


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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2016年3号(通号38号) 2016年9月28日発行

編集 国立国会図書館収集書誌部
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