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第18回日韓業務交流報告「書誌データの作成・提供に関する最新動向:オンライン資料の整理を中心に」

NDL書誌情報ニュースレター

NDL書誌情報ニュースレター2016年1号(通号36号)

当館は、1997年以来、韓国国立中央図書館との間で相互に職員を派遣し、業務交流を行っています。東アジアの同じ漢字文化圏に属する隣国の国立図書館として、それぞれの現状について理解を深め、共通の課題に対処していくことを目的に、双方によるテーマ別の報告や実務担当者間の意見交換等が行われます。第18回となる2015年は、9月にソウル(韓国)で開催されました。当館から筆者を含む3名の代表団が訪韓し、「遠隔利用サービスの在り方について」および「書誌データの作成・提供に関する最新動向」をテーマとした報告と質疑応答等が行われました。

本稿では、おもに、韓国側の報告「書誌データの作成・提供に関する最新動向:オンライン資料の整理を中心に」について、ご紹介します。報告者の趙宰鶴さんが所属(2015年9月時点)する資料管理部国家書誌課[1]では、2014年9月から、従来の紙媒体の図書や雑誌、CDやDVDのような音楽映像資料等だけでなく、それまで別の部署が行っていた電子ブックや電子ジャーナル等の電子情報の整理業務もあわせて担当することになりました(ウェブ資源は除く)[2]。その現状や課題は、当館だけでなく、日本の図書館関係機関にとっても広く参考になる内容であろうと考え、本誌でご紹介することにしました。以下に全文の日本語訳を掲載します。掲載をご快諾くださった趙さんに、この場を借りて改めて御礼申し上げます。

なお、日韓業務交流のこれまでのテーマや報告内容については、国立国会図書館ホームページの国際協力活動 > 各国図書館との交流 > 国立国会図書館と韓国国立中央図書館との業務交流概要一覧をご覧ください[3]

「書誌データの作成・提供に関する最新動向:オンライン資料の整理を中心に(서지 데이터의 작성·제공에 관한 최신 동향: 온라인자료 정리를 중심으로)」

1. はじめに

国立中央図書館は書誌データの高品質化及び標準化をリードするため、2014年から2015年の現在に至るまで、さまざまな変化を主導しています。この間、オンラインとオフラインで二元化されていた資料(単行本)の収集整理業務を統合し、書誌標準化の事業を拡大しました。2015年には、国内図書・外国図書の分類法と洋書の目録記述規則を変更して適用しています。また、多様な形態のオンライン資料を、他機関との業務協約を通して広範囲に収集し、関連して利用の極大化を図っています。

今回の報告では、国立中央図書館のオンライン資料メタデータ作成及び提供に関する最新の動向を中心にお話ししつつ、KORMARCの改訂とRDAの韓国語訳、洋書整理へのRDA適用、そしてバーチャル国際典拠ファイル(VIAF)参加の状況などについても簡単にお話しします。

2. 書誌作成業務の統合

国立中央図書館は、これまでの5年間余り、オンライン資料とオフライン資料の収集と整理を、それぞれの部署で進めてきました。オフライン資料のうち単行本の場合、資料収集課が収集を、国家書誌課が整理を専ら担当し、オンライン資料はデジタル企画課が収集と整理を専ら担当しました。これは、オンライン資料を「電子」及び「デジタル」の概念でとらえ、2009年5月の国立デジタル図書館開館当時に新設した組織であるデジタル資料管理部に、その収集と整理業務を担当させたとみることができます。しかし、書誌作成業務が二元化されていると、書誌標準化と、オン・オフラインの統合検索サービス提供などにおいて、効率的ではありません。そこで国立中央図書館は、オンライン・オフライン資料間の協議と共有を通して、国家文献をより効率的に収集し、全国書誌の作成及び標準化、検索サービス改善の効率を高め、国際目録動向に対応することなどを目的に、2014年8月、事務分掌規程を一部改訂し、オンライン・オフラインで二元化されていた業務を統合しました(ウェブ資源は除く)。これにより2014年9月から、デジタル企画課で担当していたオンライン資料の収集と整理業務のうち、収集は資料管理部の資料収集課に、整理は国家書誌課、電子ジャーナル購入は連続刊行物課に、統合分掌されました。

3. オンライン資料整理の現状

1)デジタル蔵書管理システム(DRMS:Digital Resource Management System)

デジタル蔵書管理システムは国立中央図書館のオンライン資料を総括管理(収集→整理→保存)するシステムです。2009年5月のデジタル図書館開館に合わせ、オンライン資料の収集と整理業務を支援し、蔵書を保存するためのシステムとして開発されました。

主な機能を見ると、寄贈や制作連携などのさまざまな方法でデジタル資源を収集し、ウェブサイト、ウェブページ、寄贈、購入、納本などの収集類型別に、DB構築システムと連携しています。構築されたデータは、検証と修正の段階を経て、国立中央図書館のホームページを通じてサービスされます。2009年の図書館法改正により、一部のデジタルファイルと保存価値の高い「オンライン資料」を国立中央図書館が収集・保存できるようになった2010年からは、電子ブック、電子ジャーナル、映像資料、イメージ資料、音楽資料などの多様なオンライン資料を、このシステムによって管理(収集・整理など)しています。

ただし、デジタル蔵書管理システムは、オンライン資料の管理のために特化されたシステムです。オフライン資料の管理は、C/S基盤の統合情報システム(KOLIS)が処理しており、オンライン・オフラインの資料管理における情報構造及び業務機能システムの二元化問題は、常に存在しています。

現在、2009年5月以前に構築された原文DB及び学術誌等の民間DB等のデータを、デジタル蔵書管理システムに移管し、デジタル情報資源全体を統合管理しています。2013年にはMODSに合わせて国際標準に則したシステムとなるよう機能の改善を行うなど、安定的なオンライン資料の収集、整理、保存、サービスのために努力を続けています。

また、オンラインとオフラインでシステムが二元化されていることに伴う問題を解決すべく、2015年から、オンライン・オフライン資料管理を統合するためのウェブ版統合資料管理システム(仮称)を構築中です。

2)メタデータ

国立中央図書館は2003年12月にオンラインデジタル資源収集専任チームを立ち上げ、2004年にはオンラインデジタル資源収集及び選定指針を整備しました。オンライン資料の収集は2004年3月から開始し、オンライン資料整理のためのメタデータとして、ダブリンコアを採択しました。この時は、司書職員や電算部門の職員などで構成された小規模の専任チームが、書誌データを構築していました。

ダブリンコアはオンライン資料の整理に適した標準的なメタデータですが、メタ要素が16で、多様なオンライン資源に対して充分な検索キーを付与できるような資料組織化を行うことが、容易ではありませんでした。そのため、2009年に「オンライン資料のメタデータ構築方法」に関する研究を行い、2010年からオンライン資料のメタデータとしてMODS3.0バージョンを適用しました。

MODS(Metadata Object Description Schema)は、ダブリンコアの単純さとMARCの複雑さを折衷したメタデータで、多様なタイプのオンライン資料を整理するのに適しています。図書館資料整理の基本フォーマットであるMARCとの互換性が高く、MARCデータに変換した際に失われるデータも少なく、米国議会図書館で継続的な管理と改訂作業を行っていて、国際的な標準を遵守することも容易であると判断したため、採用しました。現在は、2013年7月に発表されたMODS 3.5を、記述メタデータとしてシステムに反映して適用しています。以前にダブリンコアで構築した資料も、すべてMODSに変換しました。

MODSは資料のタイプごとに若干の差異はありますが、タイトル情報<titleInfo>、著者情報<name>、コンテンツタイプ<typeOfResource>、ジャンル<genre>、出自情報<originInfo>、言語<language>、形態記述情報<physicalDescription>、注記事項<note>、関連情報<relatedItem>など20の要素(element)及び64の下位要素(subelements)と属性(attributes)を使用して記述します。デジタルオンライン資料を直接見ながらメタデータを作成するだけでなく、オンライン資料の特性上、抽出ツールにより抽出したメタ項目、流通業者のホームページで提供される情報、外部情報源で検索した情報などを活用し、より充実したメタデータを構築しています。

現在、メタデータの標準として、オフライン資料にはKORMARCを、オンライン資料にはMODSを適用していますが、より便利な利用サービスのために、フォーマット間のマッピング変換を進めています。2015年の下半期にはMARCからMODSへの変換に続き、MODSからMARCへの自動変換も可能になる見通しです。

今年4月には、急速に増加するオンライン資料に対応した迅速な資料運営のために、より効率的なメタデータフォーマットの検討を行いました。利用者に多様なアクセスポイントを提供することとともに、構築コストを抑えることも重要であるという意見があるためです。コスト削減のため必須情報のみを入力するなど、いろいろな意見がある中で、ひとまずは、メタデータのフォーマットを変更するよりフォーマット間のマッピングができるようにして利便性を高める、ということで方向性を取りまとめたところです。しかし、幾何級数的に増加しているウェブサイトやウェブページのような資料を、さらに収集して保存しサービスを行うためには、メタデータフォーマット及び構築と関連して、どのような方法が望ましいのか、試行錯誤が続いています。

3)資料整理事業

オンライン資料の整理は、専門業者に外注して行っています。オンライン資料については、担当の部署別に1名(国家書誌課(単行オンライン資料)、デジタル企画課(ウェブ資源)各1名ずつ)が、資料整理作業に当たっています。全国書誌作成機関として、書誌データ構築を外注作業で行うことが、データの信頼性の面で相当なマイナスになることは事実です。しかし、現在の部署のマンパワーでは、選択の余地がありません。

オンライン資料整理事業を簡単に紹介します。毎年、入札過程を経て、専門業者との間で一定の物量に対する年間契約を締結しています(2015年度は282,597件)。資料収集課が購入及び寄贈によって収集したオンライン資料は、収集後すぐに国家書誌課に引き継がれます。国家書誌課の担当者は、デジタル蔵書管理システムで収集類型別にDB構築システムに資料をアップロードし、当該業者がDB構築システムでデータベースを構築します。構築されたデータベースは、再度デジタル蔵書管理システムで担当職員の検証を経て最終的にデジタル蔵書管理システムへアップロードされ、その後、国立中央図書館のホームページでサービスされます。

資料整理の流れは、次のとおりです。オンライン資料流通業者及び提供機関から、タイトル、著者名、発行元、発行年度、抄録、目次、URLなどが収録された基礎メタデータと原本ファイルを受け入れます。受け入れた基礎メタデータと原本ファイルはデジタル蔵書管理システムに登録され、登録された基礎メタデータはMODS 3.5を適用して修正・補完されます。韓国十進分類法(KDC)6版による分類記号の入力、国立中央図書館件名標目表による件名の入力、国立中央図書館典拠データを活用した典拠コントロールなどの作業を行います。

このように構築されたメタデータは、点検作業者による点検・修正(全数点検、プロファイリング)作業を経て、メタデータと原本ファイルの照合、URL、原本ファイル、統合ビューア点検などの連動点検が行われます。点検・修正及び連動点検などの作業が終わると、品質管理チームで納品物量の10%について品質点検を行います。品質点検の結果、0.01%以上の誤謬が発見されると業者に全量を戻して再修正を行い、異常がない場合にのみ国立中央図書館に納品されます。納品された資料は、デジタル情報利用課に引き継がれた後、国立中央図書館のホームページを通じてサービスされます。

国立中央図書館におけるオンライン資料メタデータ構築について、特に強調したいのは、オンライン・オフライン資料の統合検索のためにメタデータを連携する、ということです。このために、オンライン資料のメタデータ構築の際に、同一内容で他媒体の資料(オフライン資料、例:単行本、音盤など)が国立中央図書館の蔵書として存在した場合、媒体制御番号を入力し、ホームページで相互に連携検索ができるようにしています。

4)2014~2015年度に進められた主要資料の整理

4-1. (社)韓国音盤産業協会の音楽ファイルの収集及び整理

国立中央図書館は、音楽関連資料の体系的な収集・保存・利用のため、2014年8月に(社)韓国音盤産業協会と資料共有の業務協約を締結し、音楽資料の収集・整理に力を注いでいます。(社)韓国音盤産業協会は、音楽著作権信託業務を主な業務とする音盤製作者代表団体で、2014年11月に、約70万件の韓国大衆音楽をはじめとする音源ファイルと基礎メタデータを寄贈しました。このうち347,557件はmp3ファイル、残りの約35万件はwavファイルです。mp3ファイルは、国立中央図書館のホームページを通じてストリーミングサービスを行っています。

協会から提供されたメタデータはMODSにマッピングし、デジタル蔵書管理システムに登録しました。(社)韓国音盤産業協会のメタデータは音源名を元に作成されており、製作社、製作年度、著作者などMODSの基本的な要素の値が抜け落ちている場合が少なくなく、完全なデータとは言い難い点があります。しかし、大量の音源ファイルを迅速に同時サービスするためには、これが最良の整理方法でした。

2015年からは、納本代行事業を通じて音楽資料を収集・整理しています。音源名、製作社、音盤名、歌手名、発行日などの基礎メタデータと音楽ファイル、ジャケット画像など原本ファイルの納本を受け、前年度に寄贈された音源資料よりもはるかに充実したメタデータを構築して、デジタル蔵書管理システムに登録しサービスを行っています。特に、オンライン・オフライン統合検索サービスのため、音盤、楽譜資料などオフライン資料との連携に力を注いでいます。2015年7月現在、350,685件の音楽ファイルが整理され、国立中央図書館のホームページで提供されています。

4-2. SBS放送映像資料の収集及び整理

国立中央図書館は、放送局が制作した放送映像資料を収集して、国家文化遺産を長期保存し安定的なサービスを提供するため、2015年3月にSBS(Seoul Broadcasting System:地上波TV及びラジオを放送する民間商業放送)と覚書を締結して、放送映像資料を収集・保存する予定です。

収集する資料は、ビデオテープ形態の放送資料13万点、撮影原本17万点、デジタルファイルの放送資料12万点、撮影原本4~5万点で、それぞれ50TB、8.6PBです。新規に製作されるビデオテープ及びデジタルファイルは2年ごとに寄贈を受け、撮影原本の場合は、事前に廃棄資料及び未公表資料を選別してから寄贈を受ける予定です。

提供されるデジタルファイルのメタデータ項目は、プログラム名、サブタイトル、回次、放送日(撮影日)、長さ、録音方式、司会者、出演者、あらすじ、画面比などです。放送局が要請している自館の請求記号のような必須項目を維持したまま、提供されたメタデータとMODSをマッピングし、デジタル蔵書管理システムに原本ファイルとともに一括インポートして登録する予定です。

SBS放送映像資料については、今年の下半期以降に入手する予定です。まだ正確な数量の把握は難しいため、<2015年オンライン資料の整理目標量>には含まれていません。

4-3. 韓国研究財団の学術情報DBの収集及び整理

国立中央図書館は、学術情報の共同利用及び協力体制構築のために、韓国研究財団と2015年4月に業務協約を結び、韓国学術誌引用索引110万件、研究者人名情報DB、研究成果物など、韓国研究財団の学術DB 2,175,000件を活用することになりました。これにより寄贈された学術誌の原文は、重複調査を行い、既に購読中の電子ジャーナルとは別途MODSに変換しインポートしてサービスを行います。また、韓国研究財団の研究者人名情報DBの提供を受けて、国立中央図書館における著作者人名典拠の構築に活用します。

韓国研究財団の研究者情報は、研究者の学術及び研究開発活動を支援すべく管理されている情報です。7月29日に、まずは研究者が情報提供に同意した4万件余りの研究者人名情報DBが、Excelファイルで国立中央図書館に提供されました。KORMARC―典拠統制用への変換マッピング表を、研究者の氏名、研究分野などの項目別に作成しました。これを典拠レコードサーバーの臨時ディレクトリに保存した後、実際の典拠レコード構築への活用を進めています。

また、ホームページでの資料検索において「関連著者検索」サービスを提供し、韓国研究財団に研究者の新規著書・翻訳書情報を提供することによって、研究者の研究実績を迅速かつ正確に管理できるよう支援することにしました。また、国立中央図書館の記事索引DB92万件を韓国研究財団に提供し、両機関が相互協力的な学術情報交流をすることになりました。

4.オフライン資料の書誌標準化の現状

1)RDA韓国語翻訳

多様な媒体とタイプの情報資源が出版され、世界的に目録動向が変化している状況に、能動的に対処するための標準指針が必要である、ということが提起されています。そのため、ネットワーク環境におけるあらゆるタイプの資源を効率的にコントロールし相互運用できる目録規則RDA(Resource Description and Access)についての研究が、2014年に行われました。

研究課題の一つとして、RDA(2014年改訂版)全文をハングル版に翻訳し、今後のRDA標準内容の変化を継続的に反映して、国際的に共有できるようにしました。そして、RDAハングル版を、国内における適用の妥当性について検討するための基礎資料として活用することにし、研究結果を基に2015年から館内の洋書の目録記述指針を整備して活用しています。また、韓国図書館協会では、今後RDAを基盤とする新しい韓国目録規則の標準開発を計画しており、そのためにも活用する予定です。

2)韓国文献自動化目録フォーマット―統合書誌用の改訂

2014年、図書館界の多様な変化と目録関連分野の国際的な動きを反映して、韓国文献自動化目録フォーマット(KORMARC)―統合書誌用を改訂し2015年2月から国立中央図書館のホームページで頒布しています。

目録原則と規則の基礎となる新たな概念モデルFRBRに基づいてRDAが開発されたことにより、既存のMARCにこれを反映する必要が生じました。そこで、既存の韓国目録規則KCRのみならず、国際的な目録規則であるRDAを適用したKORMARC―統合書誌用の改訂版を刊行して、書誌データの世界的な相互運用の基盤を整備しました。

3)分類法及び目録規則の変更・適用

2015年から、全国書誌データの作成において新たな発展を図っています。国内外の動向を反映して、分類法と目録記述規則を変更しました。国内資料は韓国十進分類法(KDC)5版から6版へ、外国資料はデューイ十進分類法(DDC)21版から23版に変更し、洋書の目録記述規則を上述のとおりAACR2からRDAへ変更して適用しています。

4)バーチャル国際典拠ファイル(VIAF、Virtual International Authority File)への参加

国立中央図書館は、これまで構築してきた個人名典拠ファイルに基づいて、バーチャル国際典拠ファイル(VIAF)への参加を決定しました。参加申請の後、その資格要件が満たされてすぐにVIAF側の承認を得て、協議の末2015年4月に参加協約を締結しました。現在はデータ送付のため詳細を協議しており、まもなくVIAFのウェブページで国立中央図書館が提供した個人名を確認できる見込みです[4]

今回のVIAFへの参加を通じて、国立中央図書館で構築する個人名典拠ファイルを世界中の図書館及び関連機関と共有し、全国書誌作成機関として典拠フォーマットの国家的・言語的な多様性に対する世界的なニーズに応えていきます。

5. おわりに

国立中央図書館の本格的なオンライン資料整理事業は、6年目に入っています。

2009年のデジタル図書館開館によりオンライン資料サービスが拡大し、2009年の図書館法改正により資料収集の大きな進展がありました。このような流れから、2010年には多様な資料タイプを管理できるメタデータフォーマットとしてMODS 3.0を採択し、デジタル蔵書管理システムを運用してきました。2014年12月の時点で、36万件余りのオンライン資料を整理し、サービスしています。

2014年からオンライン・オフライン資料の収集と整理が統合され、整理担当部署が変わるという変化がありました。国立中央図書館で使用する記述標準メタデータMODSは、国内の図書館で使用しているところが少ないため、データの互換性に物足りない点があります。それでも、多くの図書館で使用されているMARCと自動変換できるようにしたり、ファイルと一緒に提供される基礎メタデータをMODSに自動的にマッピングし、多くの資料を一括して整理できるようにしたりするなど、立体的な運営に取り組んでいます。

国内に多様な形態であふれるオンライン資料を、機関間の業務協議はもちろん、さまざまな形式を通じて網羅的に収集し、経済的かつ効率的に整理して高品質のメタデータを提供します。また、オンライン資料だけでなく、伝統的な図書館資料であるオフライン資料についても変わることなく、高品質の全国書誌情報を構築して標準化された図書館目録を提供し、全国書誌作成機関として目録作成と書誌モデルに関する国際的な変化に対応するため、持続的に努力して参ります。

<参考資料>

<オンライン資料整理の現状>

(2014年12月31日現在/単位:件)
類型

期間(年)
電子ブック 音声音響 映像 イメージ 寄贈 電子ジャーナル 原文構築 ウェブサイト ウェブページ 合計
~2010年 30,410 604 618 43,480 - 617,168 402,060 21,055 246,627 1,362,022
2011 6,329 700 - 37,068 - 465,302 20,533 4,138 179,349 713,419
2012 30,778 - 458 - 134 339,561 10,861 15,220 65,284 462,296
2013 12,000 1,200 800 10,250 101,400 121,786 10,550 20,134 83,000 361,120
2014 9,004 348,181 519 - 23,338 86,967 12,112 38,271 191,491 709,883
合計 88,521 350,685 2,395 90,798 124,872 1,630,784 456,116 98,818 765,751 3,608,740

<2015年のオンライン資料の整理目標量>

(単位:件)
資料の類型 商業用オンライン資料 寄贈 公開されたオンライン資料 原文構築資料 合計
電子ブック オーディオブック 音楽 映像 イメージ 学位論文 政府刊行物 ウェブサイト ウェブページ
数量 55,611 600 21,000 3,500 30,000 18,200 3,686 50,000 100,000 40,000 322,597

조재학(趙 宰鶴)
(ちょ じぇはく 韓国国立中央図書館 資料管理部 国家書誌課)
(訳:国立国会図書館)

【業務交流を振り返って】

2015年は韓国国立中央図書館の開館70周年の節目の年でした。さらに同年5月には、韓国の図書館で初めて蔵書数が1,000万冊を突破しました。これは、国立図書館としては世界で15番目とのことです。筆者が訪問した際、図書館全体が活気に満ちており、職員の皆さんからは、新しい取組みを積極的に進めていこうという姿勢が感じられました。

当館も、「国立国会図書館の書誌データ作成・提供の新展開(2013)」(PDF: 594KB)に基づき「資料と電子情報の一元的取扱い」の実現に向けて取り組んでいるさなかであり、趙さんの報告の中で共有できる課題がいくつも見られました。特に、データの信頼性の担保とコスト削減のバランスよい実現方法を模索している点は、同じ全国書誌作成機関として、書誌データを正確かつ迅速に提供する役割を担う当館における課題と共通していると感じました。

日本側の報告「国立国会図書館の書誌データの作成・提供の現況と今後―『新展開2013』に基づく取組から」(PDF: 316KB)に対しても、韓国側から多くの質問が寄せられ、活発な意見交換の場となりました。典拠データの担当者からは「日常業務において、Web NDL Authoritiesのサービスをよく参考にしている」という声を聞くこともでき、当館の取組みに対し、日頃から強い関心を持ってくださっていることを実感しました。そして、当館のサービスを他の国立図書館が利用している様子を目の当りにし、日本の国立図書館として、世界中の利用者を常に意識した図書館サービスを提供していく責任の重さを改めて感じました。

韓国国立中央図書館では、当館と同様、書誌データや典拠データのLinked Open Dataも提供しています[5]。VIAFを通じた典拠データのリンク等、さまざまな形で双方のデータがリンクされることで、新しい国際的なサービスが生まれる可能性が広がります。今後も、データとデータのつながりだけでなく、今回の業務交流のような職員同士の人と人のつながりも大切にしながら、課題を共有し、ときに協力して解決することで、相互の書誌情報提供サービスを向上しあえる関係を築いていければと思います。

柴田 洋子
(しばた ようこ 収集・書誌調整課)

[1]「国家書誌」の原語「국가서지」は、日本語では「全国書誌」に当たりますが、組織名の表記は下記ページにあわせています。趙さんの報告の中に出てくるその他の組織名(「連続刊行物」は、日本語では「逐次刊行物」に相当等)も同様です。
韓国国立中央図書館. 組織図.
http://www.nl.go.kr/japanese/c1/page3.jsp, (参照 2015-12-25).

[2]趙さんの報告では、「オフライン資料」が従来の紙媒体の図書や雑誌、音楽映像資料等の資料に、「オンライン資料」が電子ブックや電子ジャーナル、ウェブサイト等の電子情報に当たります。

[3]近年とりあげられた書誌データに関するテーマは、第15回(2012年日本開催)の「書誌に関する国立図書館の活動と今後の展開」、第16回(2013年韓国開催)の「オンライン資料の収集・整理・保存」があります。そのうち、第15回の韓国側の報告については、本誌2012年4号(通号23号)でもご紹介しました。
収集・書誌調整課. 日韓業務交流報告「国立中央図書館の人名典拠コントロールの現況及び課題」.
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_4059584_po_2012_4.pdf?contentNo=1#page=2, (参照 2015-12-25).

[4]筆者注:2015年12月に公開されました。
VIAFの村上春樹の典拠レコード例。韓国国立中央図書館の典拠データ「무라카미 하루키 1949-」も含まれています。
http://viaf.org/viaf/108238901, (参照 2015-12-25).

[5]書誌データと典拠データの合計1,024万件(2015年8月現在)が、下記のページ(韓国語のみ)で公開されています。
국립중앙도서관. LINKED OPEN DATA.
http://lod.nl.go.kr/home/, (参照 2015-12-25).


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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2016年1号(通号36号) 2016年3月25日発行

編集・発行 国立国会図書館収集書誌部

〒100-8924 東京都千代田区永田町1-10-1

メールアドレス:bib-newsアットマークエヌディーエルピリオドジーオーピリオドジェーピー(ニュースレター編集担当)