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第39回ISSNセンター長会議参加報告―オープンアクセスの学術情報資源とISSN

NDL書誌情報ニュースレター

NDL書誌情報ニュースレター2015年1号(通号32号)

【はじめに】

世界中の逐次刊行物(雑誌・新聞等)を識別可能とするための番号ISSN(国際標準逐次刊行物番号)を割り当て維持・管理する国際的組織「ISSNネットワーク」[1] には、現在88か国が参加しています。そのISSNネットワークの各国センター長が集まるISSNセンター長会議は年1回開催され、2014年は9月17日から19日にかけて、トルコのイスタンブールで行われました。

今回は、トルコ共和国文化観光省の主催により、ISBN(国際標準図書番号)・ISMN(国際標準楽譜番号)・ISSNという三つの国際的な出版物の識別子に関する会議を、同じ週(9月15日から19日)、同じ会場(イスタンブール商業大学)で実施するという初めての試みがなされました。


ISSNセンター長会議の会場に飾られていた旗
(左上の「IS」の横にBN、SN、MNが並んでいます)

ISSNセンター長会議には、パリにある国際センターをはじめ、35か国から46名が参加し、ISSN日本センターである国立国会図書館からは筆者が参加しました。なお、16年間国際センター長を務めたフランソワーズ・ペレ氏(Françoise Pellé)に替わり、2014年3月にガエル・ベケ氏(Gaëlle Béquet)が就任してから初めてのセンター長会議となりました。


イスタンブール商業大学エミノニュ校舎

1. ROAD(Directory of Open Access Scholarly Resources)

ISSN国際センターは、世界中で無料で利用できる、さまざまなオンライン学術情報資源への単一のアクセスポイントを提供することを目指すROADプロジェクトを推進しています。今回の会議では、プロジェクト開始後の進捗状況について報告がありました。

ROADの対象とする学術情報資源の基準は、以下のとおりです。

  • すべてのコンテンツがオープンアクセスである
  • moving wall(最新号が利用できない一定期間)がない
  • おもに研究論文で構成された資料である
  • 読者はおもに研究者や学者である

前回会議では収録対象を、学術雑誌、学術リポジトリ、会議録の3パターンとしていましたが、さらにモノグラフ・シリーズが追加されました。また、学術的なブログも収録対象とすることを検討中との報告がありました[2]

ROADではISSNレジスター[3] から書誌データを抽出し、無償で公開しています。また、ScopusSJRといった複数の外部データベースと連携し、当該学術情報資源の収録されている索引抄録サービスやジャーナル評価指標などの情報を公開しています。ISSNはタイトルおよび媒体と一対一で結びついているため、複数のデータベースに登録されている出版物を同定識別するためのキーとなります。

ROADにアクセスすると、収録対象の学術情報資源をISSN、タイトル、テーマ等で検索できるだけでなく、世界地図上で国を指定するとその国の出版物の一覧が表示されます。また、Advanced searchでは、国名やテーマをメニューから選択したり、当該学術情報資源を収録している索引抄録サービスやジャーナル評価指標を指定して絞り込むことができます。

ROADへの登録件数は、2013年12月現在で7,078件。その後2014年8月現在では9,472件へと増加しています。

2013年12月にベータ版の公開を開始し、2014年末には本格的に稼働する予定との報告がありました[4]

2. ISSNマニュアルの改訂

前回の会議に引き続き、ISSNマニュアルの改訂についてレビューグループ[5] で検討した結果が報告されました。その中から、おもな内容をご紹介します。

本タイトルの重要な変化

前回の会議において、本タイトルの最初の5語に変化があった場合はタイトルの重要な変化(改題)とみなすという規定を、ISBD(国際標準書誌記述)の規則に合わせて変更することになりました。しかし、いくつかのセンターから、英語のように単語を単位とした分かち書きを行う言語と、日本語、中国語、韓国語、タイ語のように分かち書きをしない言語について、それぞれのルールを明確化した方がよいという意見があったため、分かち書きをしない言語において最初の5語を基準としないことを、例外規定として明記することになりました。

国際機関の出版物

国際機関が出版した資料については国際センターがISSNを付与しています。この度、編者が国際機関であっても出版者が国際機関以外である場合は、出版者の所在地を担当する各国のセンターがISSNを付与するという注記が追加されました。

なお、2012年以降の変更点等を反映させたISSNマニュアルの最新版の公開について報告がありました[6] 。さらに、各国センターの実務者に役立つようなFAQを作成し、提供することになりました。


ISSNセンター長会議の会議風景

3. ISSNネットワーク40周年記念プログラム

ISSNネットワークは1975年に正式に設立され、2015年が40周年に当たります。国際センターから40周年記念事業についての意見募集があり、さまざまな意見が交わされました。40周年記念の特設サイトもしくはブログを作成し、各国センターの写真や記事を掲載する案や、ISSNブラジルセンターからは、同センターが所属する科学技術情報研究所(IBICT)が発行する雑誌『Ciência da Informação』の特集号に、ISSNネットワーク関係の記事を掲載する案などが提案されました。

【おわりに】

今回の会議では、ISSNとISBNの両方の会議に出席していた人も多かったようです。同時期に同じ場所で会議を行うという今回の試みは、同じ組織がISBNのセンターも兼任している国にとっては参加しやすく、次回以降にもこの方式を取り入れることを希望する声も上がりました。しかし、2015年についてはISBNはアジア地域での開催が決定しており、すぐに調整することは難しいようです。次回のISSNセンター長会議は、2015年10月にセルビア共和国のベオグラードで開催される予定です。

網野 美美
(あみの よしみ 逐次刊行物・特別資料課)

[1] ISSNネットワークは、パリにある国際センターおよび各国のナショナルセンターで構成されています。ISSN日本センターについては、以下のページをご覧ください。
http://www.ndl.go.jp/jp/data/issn/index.html#anchor07,(参照 2015-02-09).

[2] 2014年11月から、学術的なブログも収録対象となりました。

[3] ISSNレジスターとは、ISSN国際センターが維持・管理しているデータベースです。各国センターは、ISSNを付与した資料の書誌データをISSNレジスターに送信します。

[4] ROADは2014年末から本格稼働を開始しました。

[5] ISSNネットワークには、ISSNマニュアルや、ISBDとRDA(Resource Description and Access)との調整事項等について検討するレビューグループがあります。

[6] 2015年2月9日現在、ISSN国際センターホームページに、ISSNマニュアル最新版がPDFで公開されています。
http://www.issn.org/wp-content/uploads/2013/09/ISSNManual_ENG2015_23-01-2015.pdf,(参照 2015-02-09).


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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2015年1号(通号32号) 2015年3月26日発行

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