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国際的なデータ提供 ―日本の書誌データと典拠データを世界に

NDL書誌情報ニュースレター

NDL書誌情報ニュースレター2014年4号(通号31号)

【はじめに】

国立国会図書館の重要な任務の一つに、海外の図書館や関係機関に対して協力を行うというものがあります。

たとえば、海外図書館からのレファレンスへの回答や当館刊行物の送付、そして国際図書館連盟(IFLA)への参加やアジア各国の図書館との業務交流など、さまざまな事業を行っています。また、2012年には、「世界の国立図書館、議会図書館、図書館関係その他の国際機関と密接に連携して、情報の共有・交換に努めるとともに、電子情報時代における海外との協力事業を推進します」という目標を設定し、国際協力事業をさらに推進しています。この目標に関連して、書誌データや典拠データを、日本だけでなく世界中の人々に活用してもらえるよう、私たちも世界の関係機関にデータを提供しています。

本誌前号の「ひろがる、つながる書誌情報 ―「NDL書誌情報ニュースレター」から見たこれまでとこれから」では、当館作成の書誌データ・典拠データが世界とつながる様子を、本誌広報犬CANE(カーネ)君が説明してくれました。

本稿では、「国際的なデータ提供」と題し、日本の書誌データと典拠データがどのように世界に提供されているかをご紹介します。

1. 書誌データ・典拠データの国際的な提供の変遷 

現在当館が書誌データ・典拠データを提供している海外の機関は、次のとおりです。

  • 国際連合教育科学文化機関(UNESCO)(以下、ユネスコといいます)
  • ISSN国際センター[1]
  • OCLC(OCLC Online Computer Library Center)

表1は、当館の書誌データや典拠データの国際的な提供の変遷をまとめたものです。

表1 書誌データ・典拠データの国際的な提供の変遷
1950年 ユネスコの「Index Translationum」(世界翻訳書目録)へ、外国語で書かれ日本語に翻訳された資料の書誌データを提供開始。
1976年 ISSN日本センター開設(当時の名称はISDS日本センター[2]。2002年に現在の名称に改称)。ISSNを登録した書誌データをISSN国際センター(当時の名称はISDS国際センター。1993年に現在の名称に改称)へ提供。
2010年 JAPAN/MARC(M)をOCLCに提供することを、OCLCと合意。OCLCが維持する書誌データベースWorldCatを通じて、世界中に公開開始。
2012年 VIAF(バーチャル国際典拠ファイル)への参加について、OCLCと協定を締結。JAPAN/MARC(A)をVIAFにて公開開始。
2013年 OCLCに提供する書誌データの範囲を拡大。JAPAN/MARC(M)に加えて、JAPAN/MARC(S)、雑誌記事索引データをWorldCatにて公開開始。
2014年 JAPAN/MARC(M)とJAPAN/MARC(S)をJAPAN/MARC(M/S)として一本化し、OCLCに提供。引き続きWorldCatにて公開。

当館では、1950年から、ユネスコが運営している「Index Translationum」(世界翻訳書目録)にデータを提供し、国際貢献に努めてきました。この「Index Translationum」は、1932年に始まった、国際連盟の図書普及事業の一つです。このデータベースは世界中の国立図書館が提供したデータによって構成され、世界各国の翻訳書を検索することができるものです[3]

1976年には当館にISSN日本センター(当時の名称はISDS日本センター)が開設されました。ISSNとは、逐次刊行物を識別するための国際的なコード番号です。ISSN日本センターでは、発行者からの申請に基づいて、日本国内で発行される出版物にISSNを付与します。そして、ISSNを付与した資料の書誌データをISSN国際センターに送信します。送信された書誌データは、ISSN国際センターのデータベース(ISSN Register)に登録されます[4]

また、世界各国の図書館が参加する組織として、OCLCがあります[5]。当館は2010年にOCLCと覚書を交わし、当館の書誌データと典拠データを世界に公開してきました[6]

2012年にJAPAN/MARC(A)の提供を開始しましたが、それに先立ち2008年に一度、参加申請とサンプルデータの送付を行っています。その時は、文字コードがVIAFのシステムに対応しておらず、参加できませんでした。2012年になって、MARC21フォーマット、Unicodeに対応した当館の典拠データをOCLCに改めて送付し、協定を締結して10月からVIAFに参加することとなりました。

2. 書誌データ・典拠データ提供の現状

表2は書誌データ・典拠データ提供の現状をまとめたものです。

表2 書誌データ・典拠データ提供の現状
提供先 提供データ 提供
開始年
総提供
件数
提供
頻度
提供データの種類・収録期間など
WorldCat JAPAN/MARC(M) 2010 約450万 週1回 【データの種類】
図書、視覚障害者用資料、電子出版物、地図および音楽録音・映像資料の書誌データ。
【収録期間】
明治~現在。
【備考】
2014年度からJAPAN/MARC(S)と一本化して、JAPAN/MARC(M/S)として提供。
JAPAN/MARC(S) 2013 約15万 週1回 【データの種類】
逐次刊行物(雑誌・新聞・通信、年鑑・年報など)の書誌データ。
【収録期間】
明治~現在。
【備考】
2014年度からJAPAN/MARC(M)と一本化して、JAPAN/MARC(M/S)として提供。
雑誌記事索引 2013 約1,100万 週1回 【データの種類】
国内刊行和文雑誌の記事索引。(一部外国刊行和文雑誌・国内刊行欧文雑誌を含む。)
VIAF JAPAN/MARC(A) 2012 約100万 週1回 【データの種類】
名称典拠(「個人名」「家族名」「団体名」「地名」「統一タイトル」)
ISSN国際センター ISSNの書誌データ 1976 約4万 月1回 【データの種類】
ISSN日本センターでISSNを付与した資料の書誌データ。
ユネスコ「Index Translationum」(世界翻訳書目録) 翻訳書の書誌データ 1950 約13万 年1回 【データの種類】
前年に発行された図書のうち、外国語で書かれ日本語に翻訳された資料の書誌データ。
【備考】
2014年は送付休止

WorldCatとVIAFは、ともにOCLCが運営しています。

WorldCatは世界各国の図書館の書誌データを取り込んだ、世界最大の書誌データベースです。

誰でもWorldCat上で当館書誌データを検索することができます。海外の図書館等で日本語資料を整理するときに、日本語に通じたカタロガーがいなくても、OCLCの参加館であれば、当館が作成した書誌データをコピーして自館のデータを作ること(コピーカタロギング)ができます[7]

VIAFは、各国の図書館が作成した典拠データをもとにした国際的な典拠ファイルです。VIAFでは、各言語による典拠がひとかたまりで表示され、世界各国の誰もが使いやすい形で、典拠レコードを共有することが可能になっています。

当館が参加することで、世界中の書誌作成機関において、日本人の著者や日本の団体著者の同定識別が容易になりました[8]

3. 書誌データ・典拠データ提供の実務

こうした国際的なデータ提供を、当館がどのように行っているのかをご紹介します。

OCLCに提供するJAPAN/MARC(M/S)とJAPAN/MARC(A)を例として実際の作業を見てみましょう。

OCLC、VIAFへは、毎週1回月曜日に、1週間分のデータを送っています。前々週の金曜日から前週の木曜日にかけて作成・更新したデータを前週金曜日夜に抽出します。

作成ルールに則っているか、項目の漏れがないか、正しい記号やコード値を使用しているか等、当館担当者がデータの品質を確認した後、OCLCおよびVIAFのFTPサーバにデータを置き、先方の担当者に、抽出期間、総件数、内訳件数を英文メールで連絡します。

先方の担当者はそのメールを見て、FTPサーバからデータを取得し、JAPAN/MARC(M/S)をWorldCatへ、JAPAN/MARC(A)をVIAFへ反映する仕組みとなっています。

OCLCへのデータ提供は、当初は年数回程度でしたが、徐々に回数を増やし、今では週1回行うようになりました。

先方の担当者とのやり取りは英語で行うので、英語の苦手な筆者は四苦八苦しながら作業していますが、提供したデータが先方のデータベースに反映されたのを確認すると、海外旅行に出たわが子が旅先に無事ついてくれた時のような安心した気持ちになります。

【おわりに】

インターネットの普及、電子出版のひろがり、あるいはクールジャパン戦略の推進と日本のコンテンツの海外紹介などにより、海外から日本の出版物の情報を知りたいというニーズは、一段と高まってきています。

当館で現在行っている国際的なデータ提供は、NDL-OPACや国立国会図書館サーチなどとともに、まさしく海外から日本の情報にアクセスしたいというニーズに応えるものです。

当館では、このほど全国書誌データをご紹介するパンフレットを作成し、ホームページに掲載しました。このパンフレット『全国書誌データをご利用ください』(PDF: 593KB)の表紙には、日本の書誌データ・典拠データ(六角形のデザインが各種データを示しています)が日本から世界へとつながっていく図を配しました(図1)。


図1 パンフレット『全国書誌データをご利用ください』に使用した図

この図が示すように、今後も、書誌データと典拠データが日本と世界のさらなる架け橋になるよう、努力していきたいと考えています。

吉村 風
(よしむら かぜ 収集・書誌調整課)

[1] ISSN(International Standard Serial Number: 国際標準逐次刊行物番号)

[2] ISDS(International Serials Data System: 国際逐次刊行物データシステム) は、ISSNを国際的に管理するISSNネットワークの旧称。

[3] ユネスコ「Index Translationum」(世界翻訳書目録)については、本誌2012年1号(通号20号)のコラムでもご紹介しています。
http://www.ndl.go.jp/jp/data/bib_newsletter/2012_1/article_06.html,(参照2014-11-7).

[4] 国内出版物のISSNは、オンラインジャーナルを除き、NDL-OPAC(国立国会図書館蔵書検索・申込システム)で確認することができます。
国内発行オンラインジャーナルについては、国立国会図書館サーチで確認できます。詳しくは、本誌今号のコラム「国内発行オンラインジャーナルのISSN書誌データが国立国会図書館サーチで検索できます」をご参照ください。

[5] 現在、170か国・地域の72,000以上の機関が参加しています。
https://oclc.org/news/media-kit/boilerplate.en.html,(参照2014-11-7).

[6] OCLCを通じた国立国会図書館作成書誌データ(JAPAN/MARC)の国際的提供について
http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/oclc_agreement.html,(参照2014-11-7).

[7] 日本語資料の書誌データをOCLCへ提供している機関は複数あります。そのため、WorldCatでヒットした日本語資料の書誌データでも、当館が作成したものではない場合があります。

[8] VIAFの概要、当館が参加した経緯、VIAFの使い方については、本誌2012年4号(通号23号)から2013年2号(通号25号)までの連載記事「典拠の国際流通―バーチャル国際典拠ファイル(VIAF)への参加」でご紹介しています。
http://www.ndl.go.jp/jp/data/bib_newsletter/2012_4/article_02.html,(参照2014-11-7).
http://www.ndl.go.jp/jp/data/bib_newsletter/2013_1/article_05.html,(参照2014-11-7).
http://www.ndl.go.jp/jp/data/bib_newsletter/2013_2/article_04.html,(参照2014-11-7).


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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2014年4号(通号31号) 2014年12月25日発行

編集・発行 国立国会図書館収集書誌部

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