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「平成26年度書誌データ利活用説明会」開催報告

NDL書誌情報ニュースレター

NDL書誌情報ニュースレター2014年3号(通号30号)

はじめに

平成25年度に引き続き[1]、平成26年度も「書誌データ利活用説明会」を開催しました。

本年度の説明会は、学校図書館、公共図書館等の職員の方々を対象とし、当館が提供している書誌データを実際に利用していただくための具体的な方法を説明することを目的として、東京本館(7月25日)および関西館(8月22日)の2か所で開催いたしました。

東京本館では33名、関西館では23名の参加があり、その多くの方にご満足いただくことができました。

以下、概要をご報告します[2]


説明会の様子1(関西館 開会挨拶)

1. 国立国会図書館が提供する全国書誌提供サービスの概要 田村浩一(国立国会図書館収集書誌部収集・書誌調整課)

書誌データ利活用説明会では、最初に国立国会図書館の全国書誌提供サービスの概要について解説しました。

全国書誌とは一般に「国の出版物について標準的な書誌情報を作成し、広く内外に提供するもの」で、日本においては1948年の国立国会図書館開館直後から、当館が刊行してきました。

当館の全国書誌データには、①豊富なデータ量、②納本制度に基づいた収集により、市場に流通していない資料の書誌データも収録、③公共図書館、学校図書館など非営利の機関であれば無償で利用可能、という特徴があります。

全国書誌データのおもな入手方法は、NDL-OPACからのダウンロード、国立国会図書館サーチ(NDLサーチ)のAPI機能による入手、の2種類があります。

また、2013年7月から制度収集を開始したオンライン資料についても、2014年3月から全国書誌データの提供を開始し、6月には全国書誌(電子書籍・電子雑誌編)TSVファイル一覧を公開しました。

当館では、全国書誌データのさらなる利活用促進のため、「当館の書誌データ対応システム一覧」の公開やパンフレット『全国書誌データをご利用ください』の公開・配布を行っています。

2. 全国書誌データの利活用:一覧リスト作成 吉村風(国立国会図書館収集書誌部収集・書誌調整課)

全国書誌データを発注・選書リストなどに活用する方法として、NDL-OPACのサブメニュー「全国書誌提供サービス」から全国書誌データをダウンロードし、Excelへ取り込む方法、ISBNにより全国書誌データを検索し、ダウンロードする方法を実演しました。

全国書誌提供サービス」では、日付を指定して全国書誌データを表示させ、必要な書誌を絞り込んでダウンロードすることができます。このとき記号区切り形式を選ぶと、ダウンロードしたファイルをExcelに取り込むことができます。

ISBNにより全国書誌データを検索し、ダウンロードする方法には、NDL-OPACでISBNを検索、ダウンロードしてExcelに取り込む方法と、NDLサーチのAPI機能を活用し、ISBNをキーにして全国書誌データをExcelに取り込むツールを使用する方法があります。

今回は、前者を実演するとともに、後者の例として、当館の非常勤調査員でもある同志社大学原田隆史教授の研究室のページで公開されているツールを紹介・実演しました。このツールは、ExcelのシートにISBNをまとめて入力した後、「取得」ボタンを押すと、一回で複数の書誌データを取得することができるというものです。

また、全国書誌(電子書籍・電子雑誌編)データをTSVファイル一覧のページからダウンロードする方法についても、実演を行いました[3]


説明会の様子2(東京本館 全国書誌データの利活用 説明・実演)

3. 全国書誌データの利活用事例紹介(東京本館)

東京本館では、宮崎健太郎氏(埼玉県立新座高等学校みはらし図書館)、桜田東樹氏(法政大学第二中・高等学校図書館)を講師に迎え、各館における全国書誌データの活用事例を紹介していただきました。

(1)宮崎健太郎氏(埼玉県立新座高等学校みはらし図書館)公立高校における全国書誌データ(NDLサーチデータ)の活用について

埼玉県立新座高等学校の図書検索・管理システムはNDLサーチのAPI機能に対応しており、ISBNや書名検索による取込みが可能となっています。自館のシステム画面で直接取り込めるため、たいへん手軽に全国書誌データを使用しています。

全国書誌データを使用している県内の学校司書からは「縁がないと思っていたMARCが使えて感謝!」、「内容細目や内容紹介もあるので助かる」、「県の発行物や遺跡調査報告書までヒットしたのはさすが」といった声や、「取り込まれるのが国立国会図書館のデータとは限らない[4]ため、全角/半角などの表記が違うデータが混在する」、「国立国会図書館のデータの中でもサブタイトルや巻数表記にばらつきがある」という問題も寄せられています。

国立国会図書館の全国書誌データを活用することで、限られたリソース(お金・時間)を本や生徒へ向けていくとともに、今後は、NDLサーチのAPIを活用して新しいサービスを行えないかと考えています。

(2)桜田東樹氏(法政大学第二中・高等学校)NDL-OPAC書誌データの利活用 法政大学第二中・高等学校の場合

法政大学第二中・高等学校には中学図書館、高校図書館があります。校舎の建替え計画を契機に、中高図書館の蔵書データを電子化し、中高共通のクラウド型の新図書館システムを導入しました。新図書館システムを導入することで、簡単に全国書誌データを取り込めるようになり、入荷から排架まで数日から1か月かかっていたのが1日ですむようになりました。

全国書誌データを使う理由としては、①無償である、②インターネット経由でダウンロードできる、③信頼に足るデータであることが挙げられます。

今後、全国書誌データには、スピーディで完成度の高い書誌データの作成、「件名標目(統制されたキーワード)」の一層の充実と平準化、シリーズものの取り扱いのゆれの減少、といった改善を希望するとともに、国立国会図書館には書誌データのデファクトスタンダードを目指してほしいです。

4. 全国書誌データの利活用事例紹介(関西館)

関西館では、小畑清貴氏(帝塚山学院泉ヶ丘中学校高等学校図書館)および石本容夫氏(平安女学院中学校・高等学校図書室)に事例紹介をお願いしました。

(1)小畑清貴氏(帝塚山学院泉ヶ丘中学校高等学校図書館)

帝塚山学院泉ヶ丘中学校高等学校図書館では、NDL-OPACから標準形式で全国書誌データをダウンロードした後、ダウンロードしたテキストファイルをコンバータで整形して、自校の図書館システムに取り込んでいます。

全国書誌データを活用することで書誌作成の作業が減り、その分独自の情報として、要旨や目次の追記を行っています。これにより、他館のOPACでは検索できない目次情報などの検索が可能になっています。また、学校図書館として、その資料の大学入試問題での出題状況なども書誌に追記し、生徒の受験勉強に役立てています。

書誌データを一から作らなくてよい分、自校のOPACの検索精度をあげるよう、今後も工夫していきたいと考えています。

(2)石本容夫氏(平安女学院中学校・高等学校)本校図書室における図書整理業務の変遷

平安女学院中学校・高等学校は、2012年度に民間MARCから全国書誌データの利用に切り替えました。全国的にみても早い段階での導入だったと思います。

全国書誌データを利用する際の問題点として、NDL-OPACではキーワードにISBNを入れても検索ができない(検索項目をISBNに変更してからでないと、ISBNによる検索ができない)、出版されてから書誌が完成するまでの期間が長いものがある、のような点がありますが、やはり全国書誌データは無償というのが導入の一番の理由であり、長く活用している理由ともなっています。

おわりに

東京本館では、次のような質疑応答がありました。

質問:
NDL-OPACの新着書誌情報(作成中のデータ)は、完成するまでにどのくらいかかるか。
回答:
新着書誌情報は納本後3、4日で作成します。完成書誌になるのは、資料にもよりますが平均して納本後30~40日程度です。
質問:
NDL-OPACからダウンロードされるデータの項目は、画面に表示されているものと同じか。
回答:
基本的には同じですが、児童書の件名などダウンロードされない項目もあります。
質問:
洋書は全国書誌データ提供サービスの対象外か。
回答:
外国で刊行された外国語出版物など全国書誌の収録対象外でも、当館所蔵資料の書誌データはダウンロード可能です。

このほか、「ISBNをNDL-OPACの検索項目のデフォルトにしてほしい」などのご要望が寄せられました。また、東京本館の個別質疑応答・相談の場では、2.でご紹介したNDLサーチのAPI機能を活用したツールの具体的な利用方法や、ツールの編集方法についての質問がありました。

関西館の質疑応答や個別質疑応答・相談の場では、「NDL-OPACからダウンロードした後のファイルの開き方がわからなかったが、今回の説明で開き方がわかった」という感想や、「NDL-OPACからのダウンロードは6種類の形式が選べるようになっているが、どのようなときにどの形式を使えばいいか知りたい」といった質問が寄せられました。後者の質問に対しては、本誌2013年4号(通号27号)の「コラム:書誌データ利活用(2) ―ダウンロードファイルのあれこれ」をご紹介しました。

説明会終了後の参加者へのアンケートでは、東京本館では参加者の97.0%、関西館では95.5%の方に「とてもわかりやすかった」「わかりやすかった」という回答をいただき、満足度も「とても満足」「やや満足」が東京本館では96.9%、関西館では90.9%と、たいへん好評な結果となりました。「利活用事例紹介は興味深かった」「システム未導入でも利用できることがありそうだとわかった」などの意見をいただくことができ、本説明会の目的を十分に果たすことができました。また、参加者同士でコミュニケーションをとっていらっしゃる様子が見られたことも、嬉しく思っています。

自館での全国書誌データの活用方法について、詳しく説明をしてくださった各事例紹介館の方に、改めて感謝いたします。また暑い中ご来場くださった参加者の皆様に、御礼申し上げます。当館では、これからも全国書誌データのさらなる利活用を促進するべく、説明会や広報などを行っていきたいと考えています。

今後ともどうぞ当館の活動にご注目ください。

また、2014年8月7日、第39回全国学校図書館研究大会(主催:全国学校図書館協議会ほか)において、『全国書誌データの利活用』と題して、本説明会における当館の説明・実演と同内容の発表を筆者が行いました[5]。こちらも司書教諭の方々を中心に50名以上の参加者があり、大変盛況のうちに終了いたしました。

吉村 風
(よしむら かぜ 収集・書誌調整課)

[1]平成25年度は、図書館システムを開発するベンダーを対象として、東京本館で開催しました。

[2]書誌データ利活用説明会の資料を、以下に掲載しています。
http://www.ndl.go.jp/jp/data/data_service/event.html, (2014‐8‐29参照)

[3]全国書誌(電子書籍・電子雑誌編)TSVファイルのダウンロードの仕方については、本誌2014年2号(通号29号)のコラムで詳しくご紹介しています。
コラム:書誌データ利活用(4) ―全国書誌(電子書籍・電子雑誌編)TSVファイルを利用しよう!.
http://www.ndl.go.jp/jp/data/bib_newsletter/2014_2/article_02.html, (2014-8-14参照)

[4]NDLサーチには、国立国会図書館の所蔵する資料の書誌データ以外にも、都道府県立図書館、政令指定都市の市立図書館の蔵書の書誌データ、国立国会図書館や他の機関が収録している各種のデジタル情報のメタデータ(書誌データ)が収録されており、検索結果にそれらも含まれます。

[5]発表資料を[2]に記載のページに掲載しています。


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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2014年3号(通号30号) 2014年9月26日発行

編集・発行 国立国会図書館収集書誌部

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