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コラム:調べ物のヒント ―過去のコラムから

NDL書誌情報ニュースレター2014年3号(通号30号)

A子さん:
ありの~ままを~♪
B先生:
うむ。「資料にあるがままに記録する」ことは、とても重要です。
A子さん:
えっ?記録するって、なにを・・・ですか?
B先生:
たとえば、本の標題紙、奥付、背表紙、表紙に記載されているタイトルや著者名などを記録するんです。新しい“Resource Description and Access”(RDA)という目録規則では、特に「資料にあるがままに記録する」ことが重視されているんですよ。
A子さん:
も、目録規則・・・ですか?
B先生:
そう、タイトルや著者名を「どのように記録するか」を定めたルールが目録規則です。規則に従って書誌データを作成するから、標準化され、その本が手元になくても書誌データを見るだけで、それがどんな本なのか誰にでも分かります。
A子さん:
そうなんですか~。まさに「ありのまま」ですね。目録規則で「あるがままに記録する」って決められているんだったら、表紙や奥付をどんどんスキャンで取り込んで、OCR(光学式文字読み取り装置)をかければいいってことですよね。書誌を作るのは簡単なんですね!
B先生:
いえいえ。ただ転記しただけのデータだと、利用するときにとっても不便ですよ。たとえば、同じ会社の名称でも、資料によって「東日本旅客鉄道株式会社」って書いてあったり「JR東日本」って書いてあったりします。また、同じ資料のなかでも表記が違うことがよくあるんです[1]
A子さん:
たしかに、呼び方が違っても実体は同じってこと、よくありますよね。
B先生:
ペンネームが複数あっても、実体は一人とかね[2]
A子さん:
同じ人や同じ会社は、一回で検索できたほうがいいなぁ。
B先生:
もちろんそうですよね。だから目録作成者は、文字列としては全く別物のように見えるけれども実体としては同じものを、同じものとして検索できるようにコントロールしているんですよ。
A子さん:
コントロールって、なんですか?
B先生:
ドイツの文豪ゲーテについては、資料に「ゲエテ」って書かれていても、「ギヨオテ」って書かれていても、常に「Goethe, Johann Wolfgang von, 1749-1832」という統一名称を用いるようにする、というのがコントロール(統制)だね。そのために、「ゲエテ」も「ギヨオテ」も同一人物の別表記だ、という情報を蓄積して持っています。
A子さん:
その蓄積したデータって、私も見られるんですか?
B先生:
Web NDL Authorities(国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス)というデータベースで見られますよ。すべて公刊資料から採られたデータなので、信頼性の高いデータベースです[3]
A子さん:
さっそく見てみますね。えーっと、「相模工業大学」は「湘南工科大学」に名前が変わったんですけど、ちゃんと相互リンクされていますね。あ、でも「首都大学東京」と「東京都立大学」はリンクされてない…。どうしてですか?
B先生:
湘南工科大学の場合は、組織が別組織になったわけではない、単なる名称変更です。でも首都大学東京のケースは、組織改編を伴っているから、扱いが違うんです[4]
A子さん:
すごく細かく調べてるんですね。
B先生:
首都大学東京について書かれた本なら、「首都大学東京」を件名標目にするし、東京都立大学が著者になっている本なら、「東京都立大学」を著者標目にするのですよ。
A子さん:
たとえば、元横綱の花田勝さんが、大相撲力士時代を振り返って書いた自伝であれば、著者標目は「花田, 勝, 1971-」、件名標目は「若乃花, 勝, 1971-」になるってことですか?[5]
B先生:
よく気づきましたね。単に資料から転記したデータだけではなく、「標目」というコントロールしたデータも含まれているというところが、書誌データの強みですね。件名標目は、1冊の本全体で何がテーマになっているかを目録作成者が把握して、それを統制した言葉で表したものです。
A子さん:
資料全体のテーマを把握するという作業がされているんですね。
B先生:
そうです。資料のテーマ、つまり主題で検索するための手がかりには、主題を言葉で表す件名標目と、『日本十進分類法』(NDC)や『国立国会図書館分類表』(NDLC)などの分類記号で表す分類標目がありますね。
A子さん:
主題を表す言葉なら思いつきやすいけど、分類記号は難しいなぁ。
B先生:
Web NDL Authoritiesでキーワード検索をすれば、その主題の代表的な分類記号もみつかりますよ。たとえば、「インド料理」だったら、NDC9版では、596.22、NDLCだったらEF27ですね。
A子さん:
あ、ほんとだ!分類表をいちいち参照しなくてもいいんですね。
B先生:
EF27で再検索すると、食物や料理に関する件名標目がもれなくヒットしますよ。596.22で検索すると、アジアの料理に関する件名標目がヒットするね。
A子さん:
うわー。いろんなキーワードを主題とした本があるんですね。
B先生:
思いついたキーワードだけを使う資料の検索には限界がありますから、Web NDL Authoritiesをぜひ活用してくださいね。
A子さん:
件名標目同士、著者標目同士とか、件名標目と分類標目とか、典拠データと書誌データとか、いろいろリンクされていて、便利ですね。
B先生:
標目同士を関連付けたり、まったく新しい主題の資料が手元に来たら件名標目を新設したり[6]、分類表のどこにその主題があてはまるかみんなで考えて決めたり[7]するのも、全部目録作業なんですよ。
A子さん:
こんなに手間暇かけた目録作業の成果が、図書館資料を検索するときだけしか活かされてなかったら、ちょっともったいないです・・・。
B先生:
そうですよね。だから、Web NDL Authoritiesではセマンティック・ウェブ[8]の技術に対応した形でデータを公開していますし、RDAもデータの開放性を強く意識した目録規則になっている[9]んですよ。
A子さん:
ということは、私がウェブ上のアプリケーションやシステムでWeb NDL Authoritiesのデータを使っちゃっていいんですか?
B先生:
もちろん[10]。実際に例がありますよ[11]
A子さん:
書誌データのリンク先がひろがれば、インターネット上の情報もまとめて検索したりもできて、ますます便利かもしれません。
B先生:
ええ。これからますます情報資源は増えるばかり。目的の資料を上手に探したいなら、まずは、書誌データや目録がどのように作成されているかを知るといいですよ。たとえば、この「NDL書誌情報ニュースレター」のコラムは調べ物のヒントが満載なので、おすすめです。実は、ここまでの話に出てきたこと([1][7])も全部「NDL書誌情報ニュースレター」のコラムからピックアップしたんですよ。
A子さん:
はい、わかりました。さっそくバックナンバーも読み返してみます。

髙野 佳代
(たかの かよ 収集・書誌調整課)

[1]コラム:書誌データ探検 団体名の標目―企業、大学、一筋縄ではいかない団体名標目の選び方. NDL書誌情報ニュースレター. 2010年2号(通号13号),
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_3050797_po_2010_2.pdf?contentNo=1#page=18 , (参照 2014-8-11).

[2]「小林信彦」氏が、「フラナガン, W. C」や「中原弓彦」のペンネームを使用していた事例を取り上げたコラム。
 コラム:書誌データ探検 人名の標目―「個人」vs.「人格」編. NDL書誌情報ニュースレター.2008年4号(通号7号),
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_3507133_po_2008_4.pdf?contentNo=1#page=19 , (参照 2014-8-11).

[3]コラム:書誌データ利活用(3) ―Web NDL Authorities(国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス). NDL書誌情報ニュースレター2014年1号(通号28号),
http://www.ndl.go.jp/jp/data/bib_newsletter/2014_1/article_07.html, (参照 2014-8-11).

[4]コラム:書誌データ探検隊 これまた一筋縄ではいかない、"団体名の変化"を追いかけよう!.
NDL書誌情報ニュースレター2010年3号(通号14号)
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_3050798_po_2010_3.pdf?contentNo=1#page=13 , (参照 2014-8-11)

[5]コラム:書誌データ探検 人名の標目―「著者標目」vs.「人名件名標目」編. NDL書誌情報ニュースレター2009年1号(通号8号),
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_3507134_po_2009_1.pdf?contentNo=1#page=16, (参照 2014-8-11).

[6]コラム: 書誌データ探検 件名(2)NDLSH メイキング―件名標目新設の現場. NDL書誌情報ニュースレター2009年3号(通号10号),
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_3507136_po_2009_3.pdf?contentNo=1#page=19 (参照 2014-8-11).

[7]コラム:書誌データ探検 分類(2) 分類表の解釈:「日本十進分類法新訂9版分類基準」. NDL書誌情報ニュースレター2011年2号(通号17号),
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_3192138_po_2011_2.pdf?contentNo=1#page=12 , (参照 2014-8-11)

[8]セマンティック・ウェブとは、ウェブサイトなどの情報資源に、コンピュータが自動処理を行える形のメタデータを付与することでより高度な情報探索を行う、次世代ウェブの考え方です。当館では、2010年 7月27日に講演会「セマンティック・ウェブと図書館:機械が情報を読む時代へ」を開催しました。概要は以下のページでご覧いただけます。
http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/h22_event_report.html , (参照 2014-8-11).

[9]CA1767 - 動向レビュー:『RDA』:図書館をセマンティック・ウェブに適したものに /
http://current.ndl.go.jp/ca1767, (参照 2014-8-11).

[10]Web NDL Authoritiesのデータのご利用にあたっては、事前に「利用条件」のページをご覧ください。

[11]有安香子. Web NDL Authoritiesの典拠データを用いた番組情報ネットワークアプリケーションの試作. NDL書誌情報ニュースレター2013年3号(通号26号),
http://www.ndl.go.jp/jp/data/bib_newsletter/2013_3/article_02.html,(参照 2014-8-11).


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NDL書誌情報ニュースレター(年4回刊)

ISSN 1882-0468/ISSN-L 1882-0468
2014年3号(通号30号) 2014年9月26日発行

編集・発行 国立国会図書館収集書誌部

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