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書誌データの基本方針と書誌調整:書誌調整連絡会議

平成25年度書誌調整連絡会議報告

2014年2月28日(金)、国立国会図書館東京本館において「平成25年度書誌調整連絡会議」を開催しました。この会議は、国内の書誌調整に関する情報の共有と意見交換により、書誌データの作成及び提供の充実と発展に資することを目的として、定期的に開催しているものです。
14回目となる今回は、「日本の目録規則と書誌情報の将来像」をテーマに、大きく二部構成の会議としました。第I部では、新しい『日本目録規則』(以下、NCR)策定作業の具体的な作業スケジュール等を当館から報告しました。この作業は、「国立国会図書館の書誌データ作成・提供の新展開(2013)」(PDF: 594KB)(インターネット資料収集保存事業(WARP))に基づき、日本図書館協会(以下、JLA)目録委員会と連携して行っているものです。また、第II部では、書誌情報の今後の方向性について4人の有識者からご報告いただきました。
以下に、会議の内容をご報告します。また、会議資料を掲載します。
なお、本報告中では、「新しいNCR」を「新NCR」と表記します。

平成25年度書誌調整連絡会議 出席者

粕谷 紳二
株式会社日販図書館サービス書誌部書誌課長
河野 江津子
慶應義塾大学メディアセンター本部課長補佐
越川 順規
株式会社トーハン図書館事業部マネジャー
小林 邦久
早稲田大学図書館資料管理課長
佐藤 義則
東北学院大学文学部教授
高山 由貴子
東京都立中央図書館サービス部資料管理課目録管理担当係長
谷口 祥一
慶應義塾大学文学部教授
鴇田 拓哉
東洋大学文学部日本文学文化学科助教、JLA目録委員
松井 純子
大阪芸術大学芸術学部准教授
松木 暢子
株式会社図書館流通センターデータ部部長
吉田 幸苗
国立情報学研究所学術基盤推進部学術コンテンツ課図書館連携チーム係長
渡邊 隆弘
帝塚山学院大学人間科学部情報メディア学科教授、JLA目録委員

(以上敬称略、五十音順)

(国立国会図書館)

原井 直子
収集書誌部司書監
遊佐 啓之
収集書誌部収集・書誌調整課長
津田 深雪
収集書誌部収集・書誌調整課書誌調整係長
田代 篤史
収集書誌部収集・書誌調整課副主査

その他、オブザーバー及び聴講者として収集書誌部職員が参加しました。

開催挨拶

遊佐啓之(収集書誌部収集・書誌調整課長)

当館は、昨年度の会議でご意見をいただき策定した「国立国会図書館の書誌データ作成・提供の新展開(2013)」(PDF: 594KB)(インターネット資料収集保存事業(WARP))の中で、「資料と電子情報のそれぞれの特性に適した書誌データの作成基準を定める」という方向性を掲げた。この方向性に沿って、新NCRを策定する作業をJLA目録委員会と連携して進めている。本日は、この作業状況を報告するとともに、「書誌情報の将来像」につき4人の先生方にご意見を発表していただく。
出席者各位には、忌憚のないご意見をいただきたい。

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第I部:国立国会図書館報告

NCR改訂の基本方針

原井直子(収集書誌部司書監)

2013年9月に公開した「NCR改訂の基本方針」を基に、改訂の方向性を確認する。

従来の目録規則は書誌データの入力(記録)と出力(表示)の両方を扱っていたが、扱う範囲を入力(記録)に限定する。この点が重要な変化である。また、別カテゴリーのデータは別エレメントとして扱うことによって、データの機械可読性を高め、データを自由に活用しやすくする。このように、NCR改訂はRDAと方向性を同じくしている。
FRBRモデルによって、目録の根底にある考え方が再整理された。RDAと同様に、NCRもFRBRモデルに対応していく。日本では典拠データを作成してこなかった「統一タイトル」は、FRBRでは「著作に対する典拠形アクセス・ポイント」という不可欠な要素に当たる。そのため、何らかの対処を迫られている。その他、従来のNCRに比較して新しい点は、「家族」を規定すること、典拠レコード内のエレメントを対象とすること、「関連」を重視することなどである。
従来のNCRにおける「資料種別」は、全く異なるものとなる。この後の報告で、現時点の案を紹介する。新NCRは、現在のものと異なり資料種別によって章を分ける構成にはしない。こちらも、この後の報告で現時点の全体構成案を示すが、確定したものではなく、今後の作業を進めながら引き続き検討していく。
また、用語集の全面的改訂を予定している。①FRBRやRDAの用語に対応すること、②MLA連携を視野に入れて図書館の目録作成者でなくても容易に理解できるようにすることを目指している。

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新NCR策定スケジュールと進捗状況、全体構成案について

津田深雪(収集書誌部収集・書誌調整課書誌調整係長)

資料「新しい『日本目録規則』策定スケジュールと進捗状況」に沿って、JLA目録委員会と国立国会図書館(以下、NDL)収集書誌部の間で2013年10月から開始した作業について報告する。

連携作業では、まずJLA目録委員会がNCR改訂作業の成果物をNDL収集書誌部に提示し、NDL収集書誌部がそれを取り込んで新NCR案を作成する。作成した新NCR案をJLA目録委員会が再検討し、修正等の提案を示す。NDL収集書誌部は、JLA目録委員会の提案を再度検討する。
このようなやりとりを繰り返し、2017年度までに新NCRの全体を公開できるように作業を進めていくが、RDAに未刊部分があるためスケジュールは不確定である。なお、案の段階で公開し、パブリックコメントの募集等を行う予定である。

次に、資料「新しい『日本目録規則』全体構成案について」及び参考資料を元に、現時点の全体構成案の詳細を示す。

大枠としてRDAの構成に倣うが、次の二つの観点で調整を行う。

  • エレメントの記録に関する条項と、アクセス・ポイントの構築に関する条項を峻別する。
  • 関連に関する章はFRBRの第一グループの実体が関係するか否かで大別し、第一グループの実体が関係する章の順番は、第一グループ内のものを近接させる。

用語は、継続性や目録作業者への伝わりやすさを考慮して取捨選択する。
付録に収録すべき資料は、今後条文案の検討と並行して検討を進める。

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新NCRにおける資料の種別について

田代篤史(収集書誌部収集・書誌調整課副主査)

新NCR策定作業の中で検討が先行している「資料の種別」について、現時点の案を説明する。

従来の「資料種別」(書写資料、地図資料、継続資料など)と区別するため、今回の報告では「資料の種別」という表現を用いている。
RDAに従って、「表現種別(content type)」、「機器種別(media type)」、「キャリア種別(carrier type)」を記録する。それぞれの表から、該当する用語を選択して記録するものとする。用語はRDAの用語と一対一対応させることにより、書誌データの国際流通に当たって齟齬が生じないようにする。各種別において複数の種類が該当する場合、すべて記録することを本則とするが、最も重要な種類のみを記録する旨の別法を規定する。
「資料の種別」は、記述対象の性質をより的確に表現するための要素である。そのために従来の目録規則により作成された書誌データと新NCRによる書誌データの間で、とくに差異が大きくなる部分である。このことを明示するため、配布資料にはMARC21形式で記録した場合のデータ(現時点のイメージ)の該当部分を掲載した。
条文案中の用語定義等について、的確で分かりやすいものとなるように、なお検討中である。

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第II部:書誌情報の将来像

日本目録規則(NCR)のRDA化を考える:実体間の関連の記録、コンテンツとキャリアの記述を中心に

松井純子(大阪芸術大学)

NCR改訂のベースとなるFRBRモデルとRDAについて、特に「関連」に注目して考えたい。

RDAでは大きく6種類の「関連」が規定されている(うち2種類は未刊)。「関連」を記録することの機能的目的が明確に示され、目的達成のためデータに主要な関連を反映すべきとされている。
また、特徴的なこととして「関連指示子」についての規定がある。資料と資料に結び付く個人・家族・団体との間の「関連」や、個人同士・家族同士・団体同士の「関連」の性質を記録するものである。RDAでは「関連指示子」のリストが用意されており、具体的かつ綿密に表現できる。

従来のNCRでは「関連」を重視してこなかったことが、例えば「ちびくろさんぼ」のリメイク版の書誌データにも表れている。数種類あるリメイク版の書誌データを見比べると、リメイク版であることが注記から読み取れる場合もあるが、まったく記録されていない場合もある。
このほか、要約、ダイジェスト、ドラマ化などの「関連」は、従来は記述対象とならなかったが、RDAでは「関連指示子」を使用して記録することができる。

このような「関連」の記録は、目録作成現場の負担を増加させる。質の高い目録データ作成との間でバランスをとる方策を、検討すべきである。

最後に、新NCRがRDA Toolkitのようにオンライン環境で提供されること、そして、司書課程などの教育現場で活用できるものであることを望む。

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書誌情報の将来像

谷口祥一(慶應義塾大学)

「書誌情報の将来像」というテーマで、RDAの採用を含め、今後5年程度の将来について述べる。

「コレクションズ・グリッド」という枠組みを用いて、図書館におけるコレクションを大まかにとらえることができる。コレクションを、管理責任性(stewardship)の高-低、唯一性(uniqueness)の高-低によって、四つのグリッドに分割する。
グリッドの形でとらえると、図書館が対象とする情報資源の多様性と、各区分における資源探索や資源管理の姿が見えてくる。区分ごとに状況の変化は様々であり、一つの方式ですべての区分をコントロールすることは不可能である。Webスケールディスカバリサービスの登場により、複数の区分をカバーして検索することも可能になった。とはいえ、個別のOPACが不要になることはない。
RDAは記述メタデータを作成するための基準であり、管理用のメタデータについては他のスキーマと組み合わせる必要がある。従って、RDAだけで複数区分からなるコレクションのすべてをコントロールできるわけではない。

以前示した「図書館目録の展開の方向性」(谷口祥一『メタデータの「現在」』勉誠出版、2010)に依拠しつつ、RDAに関わる検討課題を5点掲げる。①RDA採用 ②RDAメタデータ作成・提供スキーマ ③RDAメタデータ作成・提供体制 ④メタデータ検索システム ⑤デジタル資源のメタデータ作成・管理 である。

  • RDA採用:NCR改訂案の段階的かつ早期の公開を要望する。一回パブリックコメントを募集するだけで終わらせず、「オープンさ」をもってほしい。また、著作・表現形が重要な要素として加わるため、既存の書誌レコードとの同定も含めた効率的な同定支援(基準やシステム)が必要になる。FRBR研究会の試行が参考になろう。
  • RDAメタデータ作成・提供スキーマ:RDAでは構文的要素が規定されていない。作成スキーマは、RDAによる構造化を直接的に表現できるものを採用すべきである。BIBFRAMEについて詳細は渡邊先生に委ねるが、RDAを素直に表現できるスキーマなのかどうか注視していきたい。
  • RDAメタデータ作成・提供体制:新NCRをどの程度の範囲まで適用できるかが、充実したメタデータを作成・提供していくという図書館の役割に影響する。
  • メタデータ検索システム:Webスケールディスカバリサービスが使われていくと考える。ただし、多様なメタデータの集合体であり、FRBR化された表示や主題表現情報を十全に活用した検索などを実現することが難しい。そのため、個別のOPACは残っていくだろう。
  • デジタル資源のメタデータ作成・管理:佐藤先生の報告の中で触れられると思う。

[参考文献]
谷口祥一 「RDAでできることできないこと:RDAの理解に向けて」 『情報管理』 56(11), p.758-765, 2014.

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RDAと「書誌フレームワーク」

渡邊隆弘(帝塚山学院大学)

一昨年度の当会議RDAの特徴を整理し、その中で「機械可読性の向上」を強調した。機械可読すなわちコンピュータが理解できる目録が、図書館コミュニティの中で、あるいはコミュニティを超えた新しいサービスの可能性を開くうえで欠かせない。RDAにより目録の「意味的側面」では大きな前進を見たが、ここでは「構文的側面」すなわち実際にデータを表現する器についても考えてみたい。

現在は、MARC21フォーマットを最小限に改訂しながらRDAに対応しているという状況である。フィールド・サブフィールドを追加してエレメントを確実に弁別しているため分離・再構成すればFRBR化が可能だが、無理やり当てはめているという印象も強い。一方でRDA語彙のLOD(Linked Open Data)化により、RDAをセマンティックウェブで利用可能な資産にしていく動きもある。

ウェブ時代(LOD)の新しい書誌フレームワークとして、BIBFRAMEの開発が進められている。2012年に発表されたドキュメントでは、「Work」「Instance」「Authority」「Annotation」という四つの実体によるデータモデルが提示されている。
BIBFRAMEは、RDFによる表現などLODの標準に沿っており、実体関連モデルを採用していることなどRDA等への親和性も高い。また、“On the record”以来言われてきた図書館外で生成されるデータの取り込みについて、「Annotation」を設定することで一つの答えを示したといえる。
従って、BIBFRAMEにより、MARCを使い続ける不自然さから解放されるという意義がある。一方で、次のような疑問があるために釈然としていない。

  • このデータモデルと、概念モデルであるFRBRやRDAとの関係が明確でない。
  • 四つの実体をもって、FRBRの「表現形」にあたる情報をどのように表現するのかが明確でない。
  • そもそもこのフレームワークはどこまでの範囲を目的としているものなのかが明確でない。
  • 入れ子構造の表現など、「構文的側面」として他に必要なことがあるのではないか、という疑問もある。

AACR2とMARC21は、相互に依存していたために硬直化を招いたと言われることがある。RDA(≒新NCR)と書誌フレームワークを考える際には、意味的側面と構文的側面を切り離すことが重要である。しかし一方で、両者あいまって機械可読性が実効的に確保されていくだろう。これから策定される新NCRで意味的側面を扱いつつ、構文的側面、すなわちどのようにデータを作っていくか、どのようなスキーマを使うのかということについての目配りも必要である。

[参考文献]
渡邊隆弘「ウェブ時代の新しい書誌データモデル“BIBFRAME”」カレントアウェアネス-E.No.230 2013.01.24
On the Record : 書誌コントロールの将来に関する米国議会図書館ワーキンググループ報告書(日本語訳)ほか
データのウェブとしての書誌フレームワーク: リンクトデータ・モデルと支援サービス(原文:Library of Congress. Bibliographic Framework as a Web of Data: Linked Data Model and Supporting Services. LC, 2012.11、翻訳:佐藤義則、吉田幸苗)

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書誌情報の将来像:共同目録の観点から

佐藤義則(東北学院大学)

情報源の多様化と量的増大

Webが登場してから20年間で、大学図書館が扱う資料の範囲は拡大し、量的にも増大した。こうした範囲の拡大と量的増大に図書館が対応できず、ERDBやKnowledge baseのような目録という枠組みではないところで外部に頼らざるをえない状況になっている。一方で、電子化によって資料そのものが見えなくなったことによって、eBooksや書籍のオンライン流通においては、現物の代替としての書誌データの重要性が増してきている。

書誌データのオープン化(Linked Open Data)

たこつぼ(”silo”)のような個々のデータベースからデータのウェブへ、全体としてどう統合していくかが問われている。研究者や学生がどのような手段で学術情報を発見するか調査した結果、OPACより検索エンジンを使用する頻度が圧倒的に高くなっている。図書館のOPACがあまり利用されない状況に対する解の一つが、Linked Dataやオープン化である。書誌データのオープン化はそれ自体が目的なのではなく、書誌データ活用のための新しいシステムを作る手段である。

書誌情報の将来像を考えると、従来の目録作成単位である「レコード」の必然性が薄れている。書誌データを構成するエレメント間、あるいは目録と領域を異にする他の個々のデータとの間でリンクを形成することにより、発見・利用の可能性が向上する。
量的増大への対応のためには、外部作成情報を積極的に活用し、可能な限りの自動化を図られなければならない。また、「発見のためのデータ」を整備するためには国内諸機関がVIAF(バーチャル国際典拠ファイル)等とも連携して典拠コントロールを進める等、大きな枠組みへの転換も視野に入れる必要がある。

書誌データの流動性が高まる中で、データ記述(RDA)やデータモデル(BIBFRAME,Linked Data)の検討に加えて、サービスのフレームワークやワークフロー(誰がどのような枠組みで、書誌情報の作成と提供を担うのか)の再定義が必要となっており、この点に関して、関係者による議論の早期開始を提案したい。

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自由討議

(1)国内のRDA対応状況について
  • 洋書の目録作成に当たってはLCやOCLCのデータを活用している。LCやOCLCがRDAを適用することとしたため、自館でも対応せざるを得ない。ただし緊急性は高くないと考えている。日本語に関しても、NDLの目録規則が変われば合わせる。
  • 公共図書館では大半が整理部門を持っていないため、実質的に民間MARC作成会社の対応次第である。分かりやすい書誌データの作成及び提供をお願いしたい。
(2)NDLへの期待
  • 新NCR策定のある程度の段階で、その時点での案を公開していただきたい。
  • 新NCR公開後になるべく早く適用開始できるよう、NDL適用細則の早期検討と公開もお願いしたい。
    →【NDL】早期公開については、本日のNDLからの報告自体が、一つの回答であると考えている。また、本日の資料は当館HPに公開する。今後も、JLA目録委員会とも相談して、できる範囲で段階的に公開していきたい。
  • NDLに最も期待したいのは研修の実施である。
  • 新NCRに対応せざるを得ないが、カタロガーをどう教育するかが重要である。
    →【NDL】重要な問題と認識しているが、現段階では新NCR策定の作業で手一杯である。すぐには考えられないが、時機を見て相談させていただきたい。
(3)その他
  • 自館で典拠データベースを維持しているが、中国人典拠など他機関の典拠データベースでは未収録のものを独自に作成する機会も多い。将来的にこのように独立して運用されている典拠ツールを統合し、共通して利用できるような仕組みが作られるのが望ましい。
  • RDAでは排列や構文的側面は扱われないが、その部分がどうなるのか関心がある。
  • 書誌作成のコストが増大すると、民間MARCの価格にも影響する。出版社も巻き込んだ形で情報を集約し書誌データを作っていくことを、考えていかなくてはならないのではないか。

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