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第2回納本制度審議会議事録

日時:
平成11年7月19日(月)午後2時~午後3時
場所:
国立国会図書館 新館2階大会議室
出席者:
委員(敬称略)
衞藤会長、紋谷代償金部会長、合庭代償金部会長代理、池口、石川、内田、栗原、見城、上瀧、清水、高橋、渡邊隆男

議事録:
会長:  定刻となりましたので、第2回納本制度審議会を開会いたします。今日は、蒸し暑いところ、かつ、御多忙のところお集まりいただいて、ありがとうございます。5名の委員が御欠席とのことですが、定足数を満たしておりますので、お手元の会次第に従い、議事を進めることといたします。
 本日は、6月7日の第1回審議会で国立国会図書館長から諮問を受けた、パッケージ系電子出版物の納入に係る代償金の額について、代償金部会における審議結果を報告していただき、本審議会として答申案を審議、決定いたしたいと思います。その上で、審議会終了後に、この場で国立国会図書館長に答申を提出する予定です。
 まず、事務局から会次第1、第1回納本制度審議会議事録(稿)についての説明をお願いします。
事務局:  資料1は、前回の議事録を事務局でまとめたものです。訂正等お気づきの点がありましたら、事務局に御連絡をお願いいたします。なお、この議事録については、国立国会図書館ホームページ上で公開することを予定しております。
会長:  ありがとうございました。この議事録につきましては、前回決定した納本制度審議会議事運営規則第16条の規定に基づき、公開することにいたします。委員の皆様、何かありましたら、事務局に連絡してください。
 では、会次第の2、納本制度審議会代償金部会報告に入らせていただきます。
 前回の審議会で、国立国会図書館長からの諮問事項、パッケージ系電子出版物の納入に係る代償金の額については、その調査審議を代償金部会に付託いたしました。各委員にはすでに御案内のように、代償金部会長には紋谷委員が選任されております。では、紋谷部会長、審議結果の報告をお願いします。
部会長:  私から、代償金部会での審議結果について、御報告いたします。
 まず、資料2の報告の前に、資料3、「納本制度審議会代償金部会の調査審議経過」を御覧ください。我々部会としては、6月18日と7月13日の2回にわたって部会を開催いたしました。第1回部会では、代償金交付制度の現状を確認し、さらに、納本制度調査会で審議された代償金の法的位置づけについて確認しました。しかる後に、パッケージ系電子出版物の生産・流通実態を踏まえまして、パッケージ系電子出版物の納入に係る代償金額の在り方についての考えをまとめました。この考え方をもとに、国立国会図書館に対し、出版関係団体等へのヒアリングをお願いしました。その点については、後で事務局から補足していただくことにします。
 第2回部会では、出版関係団体等へのヒアリング結果も踏まえ、このような部会報告を全会一致で決定いたしました。
 それでは、資料2、13ページに移ります。記というところの下を御覧ください。「(1)パッケージ系電子出版物の出版に通常要すべき費用は、当該納入出版物1部当たりの生産に要する費用とする」。これは、従来の生産に要する費用であるとの確認でございます。(2)として、「(1)に相当する金額は、当該パッケージ系電子出版物又はその販売カタログ等に表示された小売価格の4割以上6割以下の金額の範囲内で国立国会図書館長が定める金額とする」。これは、従来の書籍と同じです。その後ろに、「ただし、スタンド・アローン使用価格及びネットワーク使用価格が表示されているものについては、スタンド・アローン使用価格を基準とする」という形にしました。これに当てはまらないようなものについては(3)のところに入ります。つまり、出版に通常要すべき費用が、(2)の最高の割合の金額を超えるもの、小売価格の表示がないもの、リース方式による頒布価格のみが表示されているもの、ネットワーク使用価格のみが表示され、スタンド・アローン使用価格の表示がないもの、その他(2)による取扱いとは別途の取扱いを要するもの、これには、例えば著しく高価なものなどが入ります。このように、(2)に含まれないものを(3)にすべて含めまして、このような場合には出版に通常要すべき金額について、その都度審議会に諮って定めるものとするという形にいたしました。
 納入に通常要すべき費用については、従来どおりの原則、すなわち、「(1)送付に要する金額として、郵送に要する最低の料金に相当する金額を、1の出版に通常要すべき費用に相当する金額に加算するものとする」というプリンシプルを踏まえまして、「(2)パッケージ系電子出版物の流通状況の多様性にかんがみ、その納入の実効性を確保するため発行者団体等と協議し、納入ルートの整備に努めることが重要である。そのため、納入の一括代行事務に要する金額について所要の検討を行うべきである」。従来どおり一括納入という手段を考えて、これから検討をやっていきましょうというようにまとめました。
 なお、上のほうに戻りまして、第1段落は今のような取扱いをすることが適当であるという形でまとめたのですが、なお書きとして、「なお、パッケージ系電子出版物の納入の実効性を確保するため、国立国会図書館は、その利用提供に当たっては、発行者、著作権者等と協議の上、妥当なガイドラインを策定するなど、納入義務者の十分な理解を得るよう努めるべきである」ということを付しております。この部分は、部会の審議事項ではございませんが、前回、会長から、答申案となるような形で部会報告をまとめるようにとの指示がありましたので、付記したものであります。納入されたパッケージ系電子出版物がどう利 用提供されるかということは、納本制度の実効性そのものに影響を及ぼしかねない問題でありますから、なお書きとして触れました。以上で代償金部会報告を終わります。
会長:  ありがとうございました。事務局から補足説明がございましたら、どうぞ。
事務局: 〔以下の3点について、配布資料を基に補足説明〕
(1) パッケージ系電子出版物の納入に係る代償金の算定根拠について
聞き取り調査及び文献調査を基に事務局が推計したパッケージ系電子出版物(CD-ROM)の価格構成内訳、特に、パッケージ系電子出版物(CD-ROM)1部当たりの生産に要する費用の割合について説明を行った。
(2) 別途の取扱いを要するものについて
その都度納本制度審議会に諮って代償金額を定める必要のあるパッケージ系電子出版物として想定される具体的事例について説明を行った。
(3) 出版関係団体等へのヒアリング結果について
第1回代償金部会における審議結果を踏まえ、事務局が出版関係団体等に対し、①パッケージ系電子出版物の納入に係る代償金額、②パッケージ系電子出版物の納入ルートの整備、③納入されたパッケージ系電子出版物の利用提供の3点について実施したヒアリングの結果について説明を行った。
会長:  どうもありがとうございました。では、代償金部会報告について、質疑に入ります。質問、コメント等ありましたら、どうぞ。
委員:  素朴な質問なのですが、代償金には消費税は全く関係ないのですか。
事務局:  図書の場合で言いますと、最近、定価は本体価格プラス税というように表示されております。代償金額としては、本体価格プラス税の50%ということで一律に取り扱っております。
委員:  分かりました。
会長:  ほかにございますでしょうか。
 御質問等がなければ、ここで、委員の皆様にお諮りいたします。代償金部会報告を了承し、これを国立国会図書館長からの諮問に対する答申としたいと思いますが、御異議ございませんでしょうか。
全出席委員: 異議なし。
会長:  ありがとうございました。御異議がないようですので、納本制度審議会規程第9条第2項の規定によりまして、本案を納本制度審議会答申とすることに決定いたします。審議終 了後、この場で国立国会図書館長に答申を提出することにいたします。
 次に、会次第の4、その他として、事務局から何かありますか。
事務局: 〔納本制度の改正に向けた法整備及び予算要求に関する想定スケジュールについて説明〕
会長:  ありがとうございました。今、事務局から報告があったとおり、納本制度調査会と本審議会の答申をもとに、いよいよ制度改正に取り組むようであります。
 委員の皆様、ほかに何かございますか。
 なければ、これで本日の審議会を終了いたします。ありがとうございました。
〔閉会〕
〔答申手交〕

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