平成24年度第2回 国立国会図書館活動実績評価に関する有識者会議 議事概要
1.開催日時
平成25年3月5日(火)14時00分~16時00分
2.開催場所
国立国会図書館 東京本館3階 総務課第一会議室
3.構成員
(座長)糸賀 雅児(慶應義塾大学文学部教授) 小野 達也(鳥取大学地域学部教授) 角川 歴彦(角川グループホールディングス取締役会長)(欠席) 只野 雅人(一橋大学大学院法学研究科教授) 田辺 国昭(東京大学大学院法学政治学研究科教授) 辻 由美(作家・翻訳家)
4. 国立国会図書館出席者
池本副館長、網野総務部長、ローラー総務部企画課長
5. 主な会議内容
国立国会図書館からの説明
・平成25年度活動実績評価の枠組み(案)について
議事概要:平成25年度活動実績評価の枠組み(案)について国立国会図書館から説明を行った後、有識者会議構成員による意見交換を行った。概要は以下のとおりである。
(有:有識者会議構成員、図:国立国会図書館)
有:「私たちの使命・目標2012-2016」がすでに立てられているので、その下に評価の枠組みを作ることは実際的である。なお、予算決定後、記載可能なレベルで事業費を記入することを希望する。
図:事業費については検討する。
有:評価の記述欄は空欄だが、その意味合いは何か。達成状況の整理の仕方をこれから決めていくのか、これはこのままとし、最後に評価を文言で書くのか。
図:評価の記入は最終的にどうするかは正式には詰めていない。指標に関する客観的総括、重点的に取り組む事業についての定性的な評価等を記述することを考えている。
有:目標値がなぜこの値なのか、わからないものが非常に多い。「年度活動計画による」という説明は親切ではない。「過去3年の実績に基づいて設定した」も、なぜこの数値なのかの説明としては弱い。
図:「年度活動計画による」とした目標値は、担当部局との調整を経て妥当と見なした数値を設定している。「過去3年間の実績に基づき」という記述は書きぶりを工夫したい。
有:前回のビジョンの下でどこまで改善したかを総括し、その結果を受けて今回の目標値を設定したのか。
図:前回のビジョンと「私たちの使命・目標2012-2016」は大きくは変わっておらず、指標はかなり引き継いでいる。一度総括して仕切り直したというよりは継続性を考えている。
有:目標値の設定はわかりにくいが、全体としては、今回の方が一般の人がぱっと見てわかるものとなっている。以前の評価と違う点は、評価結果を定量的に算出するのをやめたことだけで、非常に大きく変わったという印象はない。
有:全体の印象としては非常にシンプルでわかりやすいが、この数値にどういう意味があるのかがわかりにくい。またこの書きぶりだと、図書館が絶対担わなければならない基盤的な業務と、特に重点的に取り組む事業とのメリハリがつきにくいと思う。最終的に評価を公表する際、言葉で補っていただければよい。
有:国民に対して説明する際、全体の構造がわかりやすいかが疑問である。重点的に取り組む事業、戦略的目標、指標の対応関係が見えにくい。評価指標の達成状況を見て、目標ごとに達成度を測ることができるのか。
図:構造にはわかりにくさがあると思うが、指標が評価する対象は戦略的目標であって、重点的に取り組む事業を評価するわけではない。
有:すべての戦略的目標について評価指標や目標値を定めるのは無理がある。例えば予測調査業務が三つか四つの指標に分かれることを考えると、一目標に対して必ず一評価をつけるのは無理であり、ケースバイケースと思う。
有:すべての評価が恣意的になされるのではないかという懸念がある。
有:一つの戦略的目標を一つの指標で表すのは無理かもしれないと思う。複数の目標に対して一つの指標が、あるいは一つの目標に対して複数の指標が紐づくことはあろう。
有:一対多でも多対一でもよいので、対応関係は示すべきである。
有:重点的に取り組む事業とは手段であり、個々の手段が上手くいったかどうかは問わないのであって、評価は個々の事業とは結びつかない、と理解した。
有:重点的に取り組む事業が手段だとしても、その手段がどこまで進展したのかという状況は示すべきだ。重点的に取り組む事業のどれが評価指標のどれに対応する、ということがわかればよいのではないか。
有:重点的に取り組む事業が曖昧ということではないか。文章で簡潔に説明すべきである。なお、諸外国の憲法調査は指標としてあがっていないが、重要な事業だと思う。
図:指標「予測調査の総件数」の中には、諸外国の憲法調査も入っている。
有:調査の実施が有益であった等の事柄は、評価の際は文言で書くのが適切である。国会サービスにおける予測調査を「予測調査の総件数」として一本化したのは適切だと思うが、調査の成果が指標の中に埋もれてしまうのはもったいない。
有:指標「議員閲覧室・研究室の利用議員数」は、「延べ人数」であることを明記すべき。
有:戦略的目標2-1「国内出版物の網羅的収集」の指標「納本制度の認知度」について、目標値が前回より下がっているが、最低でも前回と同じ数値とすべきではないか。
図:アンケートには遠隔利用者アンケートと来館利用者アンケートの2種類があり、双方の結果は大きく異なる場合が多いため、目標値はこのように設定した。
有:母集団が違うのであれば別々に記すべきである。
有:指標「納本制度の認知度」が戦略的目標2-1の下に置かれていることに違和感がある。
有:戦略的目標2-1の指標「納入率」について、平成22年度の図書の実績値98%に対し、目標値が90%なのは低いという印象がある。算出方法が異なるので比べられないとの理由は理解できるが、わかりにくい。また納本制度の認知度には「(新)」が付いていないが、新指標ではないのか。
図:「納入率」の注は書き方を工夫する。また平成24年度の実績値が出た時点で目標値の再検討も可能かと考えている。なお「納本制度の認知度」は平成24年度に指標としており、「(新)」ではない。
有:すでに紙媒体で納本された資料で、新たにデジタル化されたものは納本対象となるか。
図:全く同じ内容であっても、デジタル化されたものは別物として収集する。
有:戦略的目標2-4「科学技術資料・情報の整備」の指標「科学技術関係資料の新規収集数」について、対象は紙媒体なのか。多くがインターネットを通じて無償で公開されている現状において、紙媒体を対象とする指標が参考指標となりえるか。
図:難しいところである。戦略的目標2-1に掲げた指標「欧文電子ジャーナルの提供タイトル数」を2-4に再掲することも含め、検討する。
有:戦略的目標2-3「電子的に流通する情報の収集」の指標「インターネット資料収集保存事業の新規データ数」について。ウェブサイト単位の目標値11,000件は「年度活動計画による」との注があるが、何を根拠としているのか。
図:この事業は平成22年度から実施しているが、事業開始当初の登録数はまだ少なく、平成22年度に収集した資料の多くは23年度に登録した。また今年度はウェブアーカイブシステムのリニューアルを実施し、一時登録を止めていたため、12月末時点では少ない。
有:実績値の振れ幅が大きく目標設定が難しい指標は、目標を「現行水準維持」といった文言で記載することも考えられる。目標値に対する結果の評価は、きちんと達成できたならできた、できないならできなかったと、明確にしていただきたい。
有:戦略的目標3-1「利用環境の整備」は来館・非来館両方の目標を掲げているが、「重点的に取り組む事業」はすべて来館サービスのみ、評価指標はすべて非来館サービスのみを対象としている。整合性はどうか。
図:重点的に取り組む事業は単年度、戦略的目標については数年となり、スパンが異なる。評価指標については、目標値が出せる適切な指標を選定した。
有:来館者数は利用を示す基本的な数字であり、評価指標として考えられないか。
図:社会状況等外部の状況に影響を受けるものであり、目標値を定めがたい。
有:仮に目標値より実績値が下がった時に説明をすればよいのではないか。リモートアクセスが増えれば直接来館が減るのは当然であり、双方を見て直接来館が減った場合、一方でリモートアクセスが増えているという説明は成り立つであろう。
有:館内で無制限にWi-Fiが利用できるようにならないか。
図:現在、試行として公衆無線LANを導入しており、来年度中に本運用とする予定である。閲覧ホールなど、通常利用者が利用する場所では使用可能となる。
有:デジタル化資料の利活用に関する実証実験については、平成25年度の重点的に取り組む事業に含まれているか。
図:目標3-2の重点的に取り組む事業「デジタル化資料の二次利用整備」がそれにあたり、当館のデジタル化資料を民間の方に電子書籍化して使っていただくための検討を行う。
有:図書館等への送信はいつから開始するのか。また音楽・映像資料を含むか。
図:平成26年1月に開始予定である。音楽・映像資料は含まない。現在は、HiRACがデジタル化したSP盤等の歴史的音源を、当館が公共図書館に配信する事業を実施している。
有:戦略的目標4-3の「本や図書館の魅力を伝える活動」は目標4「協力・連携」の目標の下に置かれているが妥当か。
図:目標4に収まりきるものではなく、別に項目立てすることも検討したが、位置づけるべき適切な目標が他になく、このようにした。
有:広報の一環なので目標6「運営管理」でもよいと思った。自覚しているのならよい。
有:外国の図書館と比べると国会図書館はPR事業が不足しているので、項目を別に設けてもよいのではないかと思う。
有:指標「利用者サービスの全般満足度」の頭に「(新)」とあるが、以前の重点目標評価指標「来館利用者サービスの満足度」「遠隔利用者サービスの満足度」とは別のものか。来館・遠隔とも、過去の実績値が違っているようである。
図:平成24年度評価において指標としていなかったものを「(新)」とした。アンケートは従来実施していたのと同じものである。数字は確認する。
有:満足度は「満足」「どちらかといえば満足」の合計とあるが、以前は「満足」「やや満足」の合計であった。調査票の表現を変えたということか。
図:以前は「やや満足」と記していたが、その後、館で実施するアンケートは「やや満足」との表現をなるべく避け、現在は「どちらかといえば満足」としている。
有:表現を変えたのであれば、その旨を明記すべきである。
有:評価を記す際、実績値が目標値を上回ったことあるいは下回ったことについてきちんと説明できるようにするためにも、目標値の根拠は明記したほうがよい。
有:指標には東京本館・関西館・国際子ども図書館の合計値と、東京本館だけの数値とが混在しているが、切り分けて説明がつくのか。説明できるのであればよい。
有:今日出た意見に基づいて枠組み案を検討し、最終的に国立国会図書館の方で自己評価に反映していただければと思う。
