平成17年度 重点目標と評価
当館では、「国立国会図書館ビジョン2004」で示した重点領域においてサービスの一層の向上を実現するため、重点領域ごとに1〜3年の間で達成するべき重点目標を掲げています。年度終了後には、目標の達成に向けて当館が実施した内容について評価し、公表します。
平成17年度の重点目標の評価結果は、以下のとおりです。
立法補佐機能の強化
デジタル・アーカイブの構築
情報資源へのアクセスの向上
- 当館施設内における電子情報の提供サービスの拡充を行う
- 電子情報環境に対応した科学技術情報の整備を図る
- 当館の利用がより便利になる登録利用者制度の周知に努め、インターネット経由の郵送複写サービスの利用を拡充する
- 書誌情報および所在情報の提供を拡大する
- 当館が所蔵する貴重な資料をテーマに即し、広く公開する企画展示会および電子展示会を積極的に実施する
- プランゲ文庫(米国メリーランド大学が所蔵する占領期日本のコレクション)のうち児童書について、マイクロフィルムの複製による収集と利用提供を実施する
- 国際子ども図書館のサービス機能および本のミュージアム機能を充実させるとともに、児童書専門図書館として新たな展開を図る
協力事業の推進
立法補佐機能の強化
国会の立法活動を補佐するため、調査サービスの高度化を図る。また、内外の情報資源を駆使し、的確な情報を一層効果的に提供する。
国政の重要課題への対応、特に憲法関連の課題への対応を強化する
<平成16年度までの経緯・実績>
当館では、国会議員等からの依頼に基づく調査に加えて、将来的に国政審議が予測される課題についてあらかじめ調査を行い、雑誌『レファレンス』等の当館刊行物に掲載するとともに、国会向けホームページ「調査の窓」でも提供しています。特に、国会の会期初めには、当該会期中の重要課題を予想し、それら重要課題については特に重点的な準備をしています。
平成12年に衆議院・参議院に憲法調査会が設置されたことに対応するため、政治議会課憲法室を新設し、憲法に関する調査を積極的に行ってきました。
なお、「調査の窓」で提供している当館刊行物の一部は、「国立国会図書館ホームページ」で一般国民の利用にも供しています。
<平成17年度の実績>
平成17年度の依頼に基づく調査の処理件数は4万1344件で、平成16年度と比べ20%強増加しました。あわせて、国政の重要課題についての記事を合計364本、発表しました。中でも『調査と情報 -Issue Brief-』の刊行本数は、これまでの最多の52本となりました。
憲法に関する論文としては、「シリーズ憲法の論点」を4点刊行しました。また、憲法に関する依頼調査866件に対し回答を行いました。
国会サービスの改善に資するため、初の試みとして、国会議員の要望調査を行いました。そこでは、当館の調査について、高度な分析力、中立性・客観性、時宜を得た資料の刊行等の好意的な評価を得ています。平成18年2月には、要望調査の結果を踏まえ、これからの国会サービスの方向性を示す「国会サービスの指針」を策定しました。
また、従来年度ごとに策定していた調査業務に関する計画を、平成18年1月から、国会の会期に合わせて暦年計画に改め、国政課題により即したものとしました。
| 指標 | 平成16年度 | 平成17年度 | |
|---|---|---|---|
| 依頼調査の実績 (件) |
処理件数 うち、憲法関係 | 34,014 887 | 41,344 866 |
| 予測調査の実績 (記事数) |
『レファレンス』 | 52 | 58 |
| 『調査と情報 -Issue Brief-』 | 28 | 52 | |
| 『外国の立法』 | 186 | 184 | |
| 『国政の論点』 | 30 | 40 | |
| 『調査資料』 うち、『憲法の論点』 | 24 8 | 20 4 | |
| その他調査報告 | 9 | 10 | |
| 合計 | 329 | 364 | |
<今後の取組み>
今後は、「国会サービスの指針」の実現に向けて、高度な専門性に基づいた付加価値の高い調査サービスの提供と、当館の基本的な機能である資料・情報提供のより一層の強化を目指します。
特定テーマを多角的に分析する「総合調査」を積極的に推進する
<平成16年度までの経緯・実績>
当館では、長期的・分野横断的な国政課題について、毎年特定のテーマを設定し、複数の調査室課からなるプロジェクトチームを編成して「総合調査」を実施しています。総合調査では、おおむね2年の期間をかけて、国内外における調査をまじえ、多角的・総合的に分析を行います。
平成13年度以降、毎年1テーマのペースで成果を公表してきました。平成16年度には、調査報告書『少子化・高齢化とその対策』を発表しました。
<平成17年度の実績>
平成16〜17年度は、「地方再生」をテーマに取り上げ、平成18年2月に調査報告書『地方再生−分権と自律による個性豊かな社会の創造−』を刊行しました。この調査では、地方分権の強化と規制緩和の視点から、地方の現状、その自律的な発展を阻んでいる様々な要因、国と地方が抱える諸問題等を分析しています。
<今後の取組み>
平成17〜18年度には、「拡大EUの現状と今後の課題」をテーマとし、平成19年2月の刊行を目指して文献調査、現地調査等を進めています。平成18年のテーマ「平和の定着」、平成18〜19年のテーマ「人口減少社会の外国人問題」についても、調査体制を整備します。
国会に対する電子的な情報発信を強化する
<平成16年度までの経緯・実績>
当館では、平成10年度より国会向けのホームページ「調査の窓」を開設しています。平成16年度からは、国会WAN(衆議院、参議院、国立国会図書館の各施設間を結ぶ広域ネットワーク)経由に加え、国会議員が国会外からアクセスできるようインターネットによる提供を開始しました。
「調査の窓」では、国会議員の立法活動を支援するため、立法関連情報の整備・提供を進めています。「国会会議録検索システム」は、第1回国会から現在までの会議録(議事部分)を検索し、全文を閲覧できるシステムです。「日本法令索引データベース」は、明治19年公文式施行以降の法令に関する索引情報および第1回国会以降の法案に関する索引情報を検索できるシステムで、法案(法律案・条約承認案件)については、「国会会議録検索システム」にリンクしており、審議段階での国会会議録(本会議録・委員会会議録)を直接表示させることができます。両者とも、「調査の窓」に加え、「国立国会図書館ホームページ」でも提供しています。
<平成17年度の実績>
「調査の窓」に、合計364本の論文・記事を新規に掲載しました。「調査の窓」のコンテンツへのアクセス数は約2万3000件となり、平成16年度に比べ24%増加しました。
「国会会議録検索システム」の累積データ数は約285万ページとなりました。アクセス数は約67万件で、当館が提供するデータベースの中でも利用の多いものの一つです。「日本法令索引データベース」は、約5800件の新規データを入力しました。アクセス数は、約10万件となっています。
平成17年度には、新たに「帝国議会会議録検索システム」を公開し、戦後分(第88回〜第92回帝国議会)のすべてを利用可能としました。
これらに加え、議事堂内にある国会分館が作成・提供するホームページを拡充し、同館所蔵資料の検索等を利用しやすくしました。
| 指標 | 平成16年度 | 平成17年度 | |
|---|---|---|---|
| 調査の窓 | 新規コンテンツ(ファイル数) | 329 | 364 |
| コンテンツへのアクセス数(件) | 18,425 | 22,862 | |
| 国会会議録 | 新規データ数(ページ) | 48,698 | 57,390 |
| データへのアクセス数(件) (国会WAN) (一般インターネット) |
149,832 442,506 | 176,277 496,533 | |
| 日本法令索引 | 新規データ数(件) | 5,548 | 5,773 |
| トップページのアクセス数(件) (国会WAN・一般インターネット) |
− | 101,663 | |
| 帝国議会会議録 | 新規データ数(ページ) | − | 29,143 |
| データへのアクセス数(件) (国会WAN) (一般インターネット) |
− − | 2,113 11,871 |
|
<今後の取組み>
国会議員の要望調査では、「調査の窓」が必ずしも十分に知られていないことが明らかとなり、利用を一層高めることが今後の課題となっています。このため、「調査の窓」の機能およびコンテンツの拡充を行います。
「国会会議録検索システム」については、議事部分以外のテキスト情報を搭載するなどの充実を図ります。「日本法令索引データベース」は、明治前期編の提供を平成18年度中に開始します。「帝国議会会議録検索シスム」は、平成21年度までにデータ入力を完了する予定です。
デジタル・アーカイブの構築
国民共有の情報資源として、電子情報を蓄積・提供するデジタル・アーカイブを構築する。
「近代デジタルライブラリー」のコンテンツとして、明治期刊行図書の大部分の電子化を平成17年度中に完了し、提供を行う
<平成16年度までの経緯・実績>
近代デジタルライブラリーとは、明治期に刊行された図書について、書誌情報や目次情報から検索して本文画像を閲覧できるシステムです。当館では、これを実現するため、平成12年度から明治期刊行図書の著作権調査を開始し、平成13年度からは電子化作業を開始しました。平成14年度には近代デジタルライブラリー・システムを構築し、著作権保護期間の満了したもの、または著作権者の許諾を得たものを順次、インターネットを通じて提供してきました。
<平成17年度の実績>
著作権の保護期間が満了しておらず、著作権者と連絡を取ることができない資料の利用にあたっては、文化庁長官の裁定を受けるという制度があります。この制度にのっとり、資料の電子化と電子化した資料のインターネット提供について、平成17年2月、11月に文化庁長官に裁定申請を行いました。この結果、文化庁長官の裁定が得られ、平成17年度中に電子化作業を終了し、重点目標を達成することができました。平成18年度早々に、新たに約5万タイトル、約6万 7000冊の明治期刊行図書のデータを公開します。これにより、近代デジタルライブラリーの合計収録数は、約8万9000タイトル、約12万7000冊となり、当館所蔵の明治期刊行図書の75%がインターネット上で検索・閲覧可能となります。
| 指標 | 平成16年度末現在 | 平成18年4月末見込み |
|---|---|---|
| 提供タイトル数(タイトル) | 35,000 | 89,000 |
| 提供冊数(冊) | 55,000 | 127,000 |
| 提供画像コマ数(コマ) | 6,600,000 | 12,910,000 |
<今後の取組み>
著作権処理が完了していない約1万6500タイトルの明治期刊行図書については、引き続き処理方法の検討を行います。平成18年度からは、大正期刊行図書の大部分を平成21年度までに公開することを重点目標に掲げ、著作権処理および電子化を進めていきます。
日本国内で発信されたインターネット情報について収集・保存・提供の基準を設け、平成17年から制度的収集を開始する
<平成16年度までの経緯・実績>
当館は、文化的資産 として電子情報、特に頻繁に更新・削除され、日々失われていくインターネット情報の収集・保存を図るため、平成14年度から、インターネット資源選択的蓄積実験事業(Web Archiving Project:略称WARP)を開始し、国内のウェブ情報をサイト単位で選択的に収集・保存する実験を行ってきました。
平成16年2月には、今後5年程度を目途として達成すべき電子図書館サービスの方向性を示した「国立国会図書館電子図書館中期計画2004」(以下「中期計画2004」という)を策定し、その実現に向けて作業を進めてきました。「中期計画2004」の一つの柱であるウェブ・アーカイブ事業(インターネット情報の収集・保存・提供を行う事業)については、平成16年12月に納本制度審議会から「ネットワーク系電子出版物の収集制度に関する答申」を受け、当館としてインターネット情報の制度的収集に向けた検討を行ってきました。
さらに、インターネット情報をサイト単位で包括的に収集し、収集時の時間的順序で蓄積・保存・提供するためのシステム構築作業も進めてきました。
<平成17年度の実績>
ウェブ・アーカイブ事業に関しては、ウェブ・アーカイブ・システム基本設計、収集ロボット(リンクをたどりながら自動的にインターネット上の情報を収集するためのソフトウェアの一種)の機能および性能の調査、包括的収集に必要なシステム構築について、予定どおり進めました。一方、インターネット情報等を収集し利用に供するために必要な新たな法制度の整備については、平成17年度中に、法案化に必要な各種調査、関係機関等への説明、国民からの意見募集、関係省庁との調整等の作業を進め、法律案の作成準備を行いました。当初は、平成17年の第162回通常国会での成立を目指していましたが、制度設計に時間を要したために上程できず、平成17年から制度的収集を開始するという重点目標は達成できませんでした。
サイト単位のインターネット情報の選択的収集に関しては、実験事業WARPを継続し、総ファイル数が約4800万となりました。
なお、サイト単位ではなく、著作物単位で電子情報を収集するデジタル・デポジット事業のシステム開発については、平成17年度中にシステム概要設計を終了しました。
<今後の取組み>
ウェブ・アーカイブにかかる法制度については、引き続き情報収集に努め、取組みを継続します。サイト単位の選択的収集については、引き続きWARPの拡充に努めていきます。
e-JAPAN重点計画に対応して、デジタル・コンテンツを作成・提供する機関と広く協力・連携し、わが国のデジタル情報全体へのナビゲーション・サイトとして、総合的なポータル・サイトを構築する
<平成16年度までの経緯・実績>
当館では、「国立国会図書館電子図書館中期計画2004」 に基づき、多様なデジタル情報を一箇所(ワンストップ)で利用可能とするポータル・サイトの構築を目指しています。平成16年度には、本格システム構築に必要な技術面、機能面での検証を目的に、実験システムの構築を行いました。
<平成17年度の実績>
平成17年7月には、ポータル・サイトの実験システム の初版を公開し、以降、必要な機能強化と連携コンテンツの拡充を行いました。
実験システムで提供される当館コンテンツとしては、近代デジタルライブラリー、貴重書画像データベース、和図書・和雑誌の蔵書目録、雑誌記事索引、レファレンス協同データベースなど9種類、外部機関のコンテンツとしては、青空文庫、デジタル岡山大百科、新書マップ、国立公文書館デジタル・アーカイブ、行政府省が所管するデジタル・アーカイブ・サイト情報を検索対象としました。
各種デジタル・アーカイブ等との連携には、標準的なインターフェースとしてOAI-PMH1)、SRW2)、RSS3)等を用い、統合検索を可能としました。
検索機能としては、入力した文章から連想されるような、文章と関連性の高いと思われるコンテンツを検索する連想検索を導入し、そのほかに、件名典拠および著者名典拠を辞書として利用する検索支援機能、検索ごとにデータプロバイダに対して問い合わせる横断検索の機能も加えました。
本格システム構築に向けては、この実験システム開発で確認した各種の共通インターフェース仕様、メタデータ仕様等に関する知見を反映し、基盤部分についての概要設計を行いました。
注1) OAI-PMH(Open Archives Initiative Protocol for Metadata Harvesting)は、ウェブ上のメタデータを収集する通信規約。ISO等の規格とはなっていないが、事実上の標準。
注2) SRW(Search/Retrieve Web Service)は、情報検索のための通信規約であるZ39.50を改善して、XML仕様で情報内容を検索する通信規約。ウェブ・サービスによる横断検索の際に利用される。
注3) RSS(RDF(Resource Description Framework) Site Summary)は、ウェブ情報の見出しや要約などのメタデータを構造化して記述するXML仕様の書式。主にウェブ情報の更新情報を公開するのに使われている。
<今後の取組み>
平成18年度には、この成果を踏まえ、実験システムの検証を行うとともに、本格システムの設計・構築を行います。また、館内外のデジタル・アーカイブ・システムが共通仕様に従ったデータプロバイダとして機能し、ポータル・サイトと連携することができるよう、当館のポータル・サイト構築事業の有用性・連携方法について普及啓発を図ります。本格システムによる提供は、平成19年度に開始することを重点目標とし、実現を目指します。
情報資源へのアクセスの向上
情報資源への自由で平等なアクセスを保障するため、利用機会の拡充及びサービスの質的向上を図る。
当館施設内における電子情報の提供サービスの拡充を行う
<平成16年度までの経緯・実績>
当館は、図書館資料の電子化に対応するため、電子ジャーナル、CD-ROM、DVDなどの電子情報を収集し、主として東京本館の電子資料室および関西館の総合閲覧室において提供してきました。特に電子ジャーナルの提供 は全分野にわたり、ProQuest 5000 International、OCLC Electronic Collections Online、Science Direct などがあります。
提供する電子情報の範囲を拡大するとともに、利用できる資料室を増やし、プリントアウト・サービスを拡充するため、平成16年度から、東京本館において館内統一メニュー管理システムの開発とネットワーク整備に係る作業を計画的に進めてきました。
<平成17年度の実績>
東京本館および関西館における電子ジャーナルの利用は定着し、平成17年度の論文利用数は約6万7000件となりました。これは、平成16年度利用数の1.2倍に当たります。電子情報全体のプリントアウト枚数は、約15万8000枚となりました。
平成17年8月には、平成18年度以降、東京本館において拡充する電子情報提供サービスについての実施方針を策定しました。また、平成16年度に引き続き、システム構築とネットワーク機器の整備を進めました。
<今後の取組み>
平成18年10月以降、新しいサービス体制で利用者がより簡便に電子情報を利用できるよう、整備を進めていきます。
電子情報環境に対応した科学技術情報の整備を図る
<平成16年度までの経緯・実績>
当館は、国の科学技術の振興に資するため、科学技術関係の資料整備に特に力を入れてきました。毎年開催される科学技術関係資料整備審議会(当館における科学技術関係資料の整備計画について、館長の諮問に答え調査審議をするために設けられたもの)の意見や答申を踏まえ、計画を立てて効率のよい資料収集を進めています。
平成16年1月には、「科学技術関係情報整備計画」を策定し、同年12月の第45回科学技術関係資料整備審議会においては、「電子情報環境下における国立国会図書館の科学技術情報整備の在り方に関する提言」が了承されました。平成16年度には、科学技術系の外国雑誌を大幅に拡充しました。
科学技術関係資料へのアクセス向上にも努めています。このために、従来から、国内で刊行された科学技術関係の学術雑誌等の書誌・編集機関データを収録した「日本科学技術関係逐次刊行物総覧データベース」を冊子体で刊行していましたが、平成13年10月からはインターネットでの提供を行っています。NDL-OPAC(国立国会図書館蔵書検索・申込システム) については、平成16年度に規格・テクニカルリポート類176万件分のデータを新規に搭載しました。
<平成17年度の実績>
「科学技術関係情報整備計画」に基づいて、資料の整備を進めました。平成16年度に拡充した外国雑誌タイトル数を維持するとともに、欧文電子ジャーナル(科学技術分野のタイトルを多く含む)を約1000タイトル追加し、論文利用数は平成16年度から1.2倍に増加しました。「雑誌記事索引 科学技術編」については、昭和47〜49年分の約18万件の遡及入力を行いました。
また、科学技術に関するレファレンス情報の拡充のため、当館ホームページで提供する「テーマ別調べ方案内」において、科学技術関連の調べ方案内90テーマを新規に作成しました。「テーマ別調べ方案内」の科学技術関連分野へのアクセス数は、平成17年3月の約1万3000件から、平成18年3月の2万8000件に大幅に増加しました。
| 指標 | 平成16年度 | 平成17年度 | |
|---|---|---|---|
| 科学技術系の外国雑誌 | 累積(タイトル) | 約3,500 | 約3,500 |
| 欧文電子ジャーナル | 新規(タイトル) | 223 | 957 |
| テーマ別調べ方案内 (科学技術関連分野) |
新規テーマ数(件) | 29 | 90 |
| データへのアクセス数(件) | 150,691 | 261,032 | |
<今後の取組み>
平成18年3月に閣議決定された国の「第3期科学技術基本計画」(文部科学省ホームページへのリンク)では、研究情報基盤の整備の一環として、当館の機能強化を求めています。平成18年度には、「電子情報環境下における国立国会図書館の科学技術情報整備の在り方に関する提言」も踏まえたうえで、「第二期科学技術情報整備基本計画」を策定し、実施に移します。
当館の利用がより便利になる登録利用者制度の周知に努め、インターネット経由の郵送複写サービスの利用を拡充する
<平成16年度までの経緯・実績>
当館では、利用者の利便性向上のため、平成14年度に登録利用者制度を導入し、東京本館・関西館の館内利用サービスにおいて、館内利用カード発行の簡略化、各施設間の資料取寄せサービスの利用等を可能としました。
また、遠隔利用サービスにおいては、同じく平成14年度に、当館ホームページのNDL-OPAC(国立国会図書館蔵書検索・申込システム)を通じた複写の申込みを開始しました。
<平成17年度の実績>
平成16年10月の東京本館新装開館に伴う登録利用者制度の拡充・周知徹底に引き続き、平成17年度もその周知に努めました。その結果、3万3000人以上が新たに登録し、平成17年度末現在における個人の登録利用者数は約9万7000人となりました。平成17年度に実施した利用者アンケート調査によると、東京本館、関西館ともに、月1回以上来館する利用者の60%以上が登録利用者でした。来館利用者には、相当程度、制度が浸透したことがうかがえます。
インターネットのNDL-OPAC経由の複写申込みは、平成16年度と比較すると約2万件増加し、21万6000件を上回りました。サービス開始以来の3か年で、遠隔申込み複写全体の77%まで拡大しました。
| 指標 | 平成16年度 | 平成17年度 | |
|---|---|---|---|
| 登録利用者数(個人) | 新規(人) | 30,479 | 33,364 |
| 累積(人) | 64,085 | 97,425 | |
| 遠隔申込み複写(東京本館・関西館) | 全申込み数(件) うち、NDL-OPAC経由の申込み数(件) |
約270,000 約197,000 (73%) |
約280,000 約216,000 (77%) |
<今後の取組み>
平成16〜17年度の2年間の取組みにより、重点目標が一定程度、達成できたことから、平成18年度以降は重点目標とせず、日常業務の中で一層の利用拡大に努めます。特に、郵送やFAXによる遠隔申込み複写の利用者に対し、積極的に登録利用者制度およびNDL-OPAC経由申込みの周知を図っていきます。
書誌情報および所在情報の提供を拡大する
<平成16年度までの経緯・実績>
当館では、国内外の利用者の利便性を高めるため、平成14年10月から、当館ホームページにNDL-OPAC(国立国会図書館蔵書検索・申込みシステム)とアジア言語OPAC(当館所蔵の中国語・朝鮮語雑誌および1986年以降に整理したアジア言語図書の検索システム)を公開し、その後、順次、検索できる対象資料の範囲を拡大してきました。過去に受け入れた資料で、まだアクセス手段が整備されていない資料群については、平成14年度に策定した遡及計画に基づき遡及入力を進めてきました。
また、NDL-OPACでは、書誌情報に加え、資料1点1点について所在や利用状況が把握できる情報(個体情報)を表示しており、利用者が資料を申し込む際の利便性を高めています。
<平成17年度の実績>
平成17年度には、提供データの大幅な拡大を行い、NDL-OPACで検索可能な書誌データおよび雑誌記事索引データを、平成16年度末の1394万件から1490万件としました。アジア言語OPACについては、モンゴル語、インドネシア語およびマレーシア語の図書、ならびに上海新華書店旧蔵書の計5万 6000冊分を搭載しました。これにより、アジア言語図書のアジア言語OPACへの搭載率は、平成16年度末の51%から拡大し、70%を上回りました。
書誌データの作成・更新については、遡及計画に基づき、学習参考書、漢籍、国内官庁小冊子、洋古書などの遡及入力を行い、約19万件の書誌データを入力・更新しました。「雑誌記事索引」については、約18万件の遡及入力を完了したほか、約45万件の遡及入力に着手しました。
また、個体情報の整備については、昭和23年以前の和図書73万9000件および関西館で所蔵している文部科学省科学研究費補助金研究成果報告書12万573件等の遡及入力を資料1冊ごとに行いました。
| 指標 | 平成16年度 | 平成17年度 | ||
|---|---|---|---|---|
| 提供データ (年度末現在の累積) |
NDL-OPAC | 書誌データ(件)* | 7,463,624 | 7,860,657 |
| 雑誌記事索引データ(件) | 6,477,302 | 7,037,440 | ||
| 小計 | 13,940,926 | 14,898,097 | ||
| 典拠データ(件) | 882,367 | 923,514 | ||
| 合計 | 14,823,293 | 15,821,611 | ||
| アジア言語OPAC | 書誌データ(件) | 140,952 | 194,881 | |
| 作成・更新データ | 書誌データ | 総数(件) うち、遡及計画に基づく作成・更新 |
681,025 約130,000 | 484,194 約190,000 |
| 雑誌記事索引データ | 総数(件) うち、遡及計画に基づく作成・更新 |
477,042 − | 596,095 約180,000 | |
*日本占領関係資料(平成16年度/259,252件、平成17年度/277,490件)およびプランゲ文庫(平成16・17年度/32,227件)は館内提供のみ。
<今後の取組み>
平成18年度には、NDL-OPACでより多くの資料の検索・申込みを可能とするため、引き続き学習参考書、地図、国内博士論文等の遡及入力を行う予定です。アジア言語OPACに搭載予定の資料群としては、アラビア語およびペルシア語図書等があります。また、個体情報の整備も引き続き実施します。
このほか、書誌情報検索の利便性を向上させるため、国立国会図書館件名標目表(NDLSH)の改訂作業を進めています。平成17年度の改訂作業分については、平成18年6月に当館ホームページで公開する予定です。
当館が所蔵する貴重な資料をテーマに即し、広く公開する企画展示会および電子展示会を積極的に実施する
<平成16年度までの経緯・実績>
当館が所蔵する貴重な資料を利用者に紹介するため、東京本館では、「常設展示」として、様々なテーマのもとに所蔵資料の一部を紹介してきました。平成16年度末までの開催回数は136回を数えます。国際子ども図書館では、所蔵資料の紹介を通して子どもの本のもつ魅力を伝え、子どもと本の出会いの場を提供するために、展示会・催し物を積極的に開催してきました。
また、国内外の利用者が、時や場所に制約されることなく当館資料にアクセスできるよう、電子展示会を拡充してきました。国立国会図書館ホームページの「ギャラリー」(電子展示会)と、国際子ども図書館ホームページの「絵本ギャラリー」では、特徴的な所蔵資料をテーマごとに取り上げ、デジタル・コンテンツで紹介しています。
<平成17年度の実績>
東京本館では、平成10年度の開館50周年記念展示以来となる大規模な特別展示会を開催しました。テーマは「描かれた動物・植物−江戸時代の博物誌−」とし、当館所蔵の多様な博物誌資料を展示しました。東京本館のほか、関西館でも開催し、合計3879人の入場者がありました。入場者に対して行ったアンケート調査では、展示内容について80%以上の人が「とても良い」または「良い」と回答し、好評を得ました。
この特別展示会の資料は、国立国会図書館ホームページの電子展示会「ギャラリー」でも公開しています。「ギャラリー」で公開しているテーマ数は、平成17年度末現在で10となり、年間アクセス数は約47万件でした。
国際子ども図書館では、「ロシア児童文学の世界−昔話から現代の作品まで」、「もじゃもじゃペーターとドイツの子どもの本」など5回の展示会を開催し、平成18年3月末までで合計8万8388人の入場者がありました。
国際子ども図書館ホームページの「絵本ギャラリー」には、新たに「ユーゲントシュティルと絵本画家たち」を追加しました。「絵本ギャラリー」へのアクセス数は、年間約4万9000件となっています。
| 指標 | 平成16年度 | 平成17年度 | |
|---|---|---|---|
| 東京本館・関西館 特別展示会 | 入場者数(人) (東京会場) (関西館) 合計 |
− − − − |
− 2,165 1,714 3,879 |
| 国際子ども図書館 展示会 | 入場者数(人) | 60,823 | 88,388 |
| 国立国会図書館ホームページ 「ギャラリー」 |
各コンテンツ・トップページのアクセス数(件) | − | 467,550 |
| 画像へのアクセス数(件) | 6,086,326 | 9,488,822 | |
| 国際子ども図書館ホームページ 「絵本ギャラリー」 |
トップページ アクセス数(件) | 39,108 | 48,832 |
<今後の取組み>
電子展示会および国際子ども図書館の展示会については、利用者に満足してもらえる展示会の開催に努めていきます。また、東京本館では、平成20年度に当館開館60周年記念展示会を実施する予定です。
プランゲ文庫(米国メリーランド大学が所蔵する占領期日本のコレクション)のうち児童書について、マイクロフィルムの複製による収集と利用提供を実施する
<平成16年度までの経緯・実績>
プランゲ文庫は、戦後、連合国最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)が検閲のために納入させた資料で、GHQ主任歴史課長・戦史室長を務めていた米国メリーランド大学教授プランゲ博士によって同大学図書館に移送され、所蔵・公開されてきたものです。当館では、資料的価値の高いプランゲ文庫の国内での利用の便を図るため、平成4年以降、メリーランド大学と協力しながら、雑誌、新聞、通信をマイクロフィルム化して収集しており、当館の憲政資料室で利用に供しています。
<平成17年度の実績>
平成17年度からは、新たに図書のマイクロフィルム化事業をメリーランド大学と共同で実施することとし、平成17年5月に同大学との間で覚書を締結しました。第一段階として児童書を対象とすることとし、メリーランド大学と協議しつつ、収集のための具体的な手続きに入りました。
<今後の取組み>
国際子ども図書館において、平成18年度中にカラー・マイクロフィルムによる利用を開始することを重点目標とします。
国際子ども図書館のサービス機能および本のミュージアム機能を充実させるとともに、児童書専門図書館として新たな展開を図る
<平成16年度までの経緯・実績>
国際子ども図書館 は、平成12年に国立国会図書館の支部図書館として設立された、わが国初の国立の児童書専門図書館です。子どもへのサービスの第一線にある国内外の図書館を支援し、子どもの本と出版文化に関する広範な調査・研究を支援するナショナルセンターとして機能すること、子どもたちに読書の楽しさを伝え、図書館や本の世界に親しむきっかけを与えることを基本的な役割としています。
<平成17年度の実績>
平成17年度の入館者数は13万人を超え、前年度を約14%上回りました。資料室の利用者数や出納数も増加しています。所蔵資料の充実のための取組みとしては、国内の未収児童書・児童雑誌の収集に努めるとともに、外国語資料としては、中国語資料を中心としたアジア地域の新刊児童書を重点的に収集しました。学校図書館へのサービスとしては、児童書等約40冊から60冊をセットで貸し出す「学校図書館セット貸出し」で、アジアセット(中国・東南アジア諸国)を新たに構築しました。「学校図書館セット貸出し」の件数は、200件を超えました。土曜日・日曜日に開く「子どものためのおはなし会」は年間207回を数え、参加するたびにスタンプを押していく「おはなし会カード」を開始しました。(展示会については、「当館が所蔵する貴重な資料をテーマに即し、広く公開する企画展示会および電子展示会を積極的に実施する」を参照)
平成17年3月の「国際子ども図書館の図書館奉仕の拡充に関する調査会」の答申を受け、児童書専門図書館としての新たなサービス展開のため、中長期的に発展させるべき図書館サービスの方向性について検討を行い、「国際子ども図書館拡充基本計画」を取りまとめました。同計画では、(1)児童書の包括的コレクションの構築と提供の充実、(2)子どもの読書活動推進の支援、(3)内外の関係機関との連携・協力と国際活動の推進、の三つを柱として掲げています。
| 指標 | 平成16年度 | 平成17年度 |
|---|---|---|
| 入館者数(人) | 115,119 | 130,877 |
| 出納数(冊) | 32,407 | 39,905 |
| 複写処理(件) | 3,429 | 9,553 |
| 学校図書館セット貸出し(件) | 182 | 210 |
| おはなし会開催(回) | 190 | 207 |
<今後の取組み>
平成18年度には、「国際子ども図書館拡充基本計画」を早期に確定し、所蔵資料の充実、効果的な利用提供、「児童書総合目録」等の情報提供機能の拡充を図ることを重点目標に掲げます。また、サービス拡充に必要な建物整備のための建築調査等を行う予定です。
協力事業の推進
内外の図書館及び関係機関との連携を強化して、情報資源の共有化と流通を促進する。また、図書館人の育成のために協力し、図書館・情報サービスの発展に寄与する。
国際図書館連盟(IFLA)との連携およびアジアの図書館との交流を中心として、国際的な図書館連携を強化する
<平成16年度までの経緯・実績>
当館は、各国の図書館との協力・連携を行うため、国際図書館連盟(IFLA)、国立図書館長会議(CDNL)等に加盟し、国際会議・交流会に積極的に参加してきました。アジアの図書館との交流では、中国国家図書館、韓国国立中央図書館および韓国国会図書館との業務交流を継続的に実施しています。
当館は、IFLAの資料保存コア活動(IFLA/PAC)アジア地域センターとして、資料保存に関する情報の収集・提供、教育・広報等の活動を行っています。また、アジア・オセアニア地域国立図書館長会議(CDNLAO)のニューズレター『CDNLAO Newsletter』 の編集を担当しています。
<平成17年度の実績>
IFLAについては、これまで18の分科会に登録していましたが、新規に大学図書館、レファレンス情報サービス、新聞の3分科会に登録したほか、目録分科会連絡委員を新たに務めることになりました。アジアの図書館との連携・協力としては、韓国および中国の国立図書館と引き続き業務交流を行うとともに、 CDNLAOを含むアジア地域開催の国際会議5つに参加、うち4つの会議で発表を行いました。平成18年3月のCDNLAO会議では、平成20年の同会議を当館で開催することを提案し、受諾されました。また、『CDNLAO Newsletter』については、年度内に第53号から55号までを当館ホームページ上で刊行しました。
IFLA/PACについては、12月にアジアIFLA/PACセンター長等会議を開催しました。同時に、スマトラ沖地震・津波の被災に関する公開セミナーを開催し、168名の参加を得て、好評を博しました。
アジア以外の国々については、オランダ王立図書館との間で、電子情報の保存等の共通の関心分野で協力を進めるため、協定を締結しました。また、英国図書館長等を招へいし、「デジタル時代における図書館の変革 −課題と展望−」と題した公開シンポジウムや講演会等を行いました。
<今後の取組み>
当館では、今後の協力活動の基本方針を策定中です。平成18年度前半の確定を目指しており、その後ホームページ等で公表する予定です。また、韓国で開催される平成18年8月のIFLAソウル大会の関連事業として、資料保存プレコンファレンスを当館で実施することを新たな重点目標に掲げます。
国内の図書館職員を対象として、Web技術を用いた遠隔研修事業を平成17年度から実施する
<平成16年度までの経緯・実績>
当館ではこれまで、図書館職員を対象に、資料電子化研修、アジア情報研修、科学技術資料研修、レファレンス研修といった様々な集合型研修に取り組んできました。さらに、全国の図書館職員が遠隔地から研修を受けることを可能とするために、平成15年度から、新たにインターネットを利用した遠隔研修システムの開発に着手しました。平成16年度には、一つめの教材テーマを「資料保存」とし、教材作成および遠隔研修システムの構築を行いました。
<平成17年度の実績>
資料保存をテーマとする教材の作成を完了し、平成18年3月から試験運用を実施しました。平成17年度後半からの遠隔研修開始を目標としていましたが、コンテンツの開発が予定より遅れたため、重点目標を達成できませんでした。本格実施は、平成18年6月からとなる予定です。
<今後の取組み>
平成18年度には、150人規模で2回の研修実施を計画しています。また、新たに2件の教材作成を開始します。
国内外の図書館と協力して、レファレンス協同データベースの事例の収集・蓄積を拡充するとともに、平成17年度中にインターネットでそれらを公開する
<平成16年度までの経緯・実績>
レファレンス協同データベース事業は、公共図書館、大学図書館、専門図書館等におけるレファレンス事例、調べ方マニュアル、参加館情報等のデータを蓄積し、インターネットを通じて提供するものです。これにより、図書館等におけるレファレンス・サービスおよび一般国民の調査研究活動を支援することを目的としています。
平成14年度から3か年計画で実験事業を実施し、平成16年4月から、参加館に対してデータの公開を始めました。
<平成17年度の実績>
平成17年度は、事業の本格実施の初年度にあたります。7月から9月には、参加館の追加募集を行い、新たに107館の参加を得ました。参加館は合計で 390館となり、都道府県立図書館54館、大学図書館93館などが含まれています。新規のデータ登録は約7000件で、平成17年度末の累積データ数は約 2万1000件となりました。
平成17年12月には、当館ホームページでの一般公開を開始し、重点目標を達成しました。データへのアクセス数は15万件を超え、事業は着実に浸透しつつあります。
| 指標 | 平成16年度 | 平成17年度 | |
|---|---|---|---|
| 参加館(館) | 新規 | 135 | 107 |
| 累積 | 283 | 390 | |
| 累積データ数(件) | 「レファレンス事例」 | 13,620 | 20,177 |
| 「調べ方マニュアル」 | 167 | 357 | |
| 「特別コレクション」 | 158 | 231 | |
| 合計 | 13,945 | 20,765 | |
| データへのアクセス数(件)* | 29,516 | 151,761 | |
*平成16年度は参加館からのアクセス件数、平成17年12月以降は一般からのアクセス件数も含む。
<今後の取組み>
平成18年度からは、事例登録数の増加と利用の促進を新たな重点目標に掲げます。目標実現のため、参加館に対しては、各種研修の実施により日常レファレンス業務での活用方法の案内を行います。また、広く図書館・国民に周知して、利用の促進を図ります。
