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カビが発生した資料をクリーニングする

カビが発生した資料をクリーニングする

資料に付着したカビ状の物質を消毒用エタノールで拭き取り、汚れを掃除機や刷毛で取り除く。

  1. 作業の前に
    • (1)人体への安全を確保する

      カビの吸入や付着を防ぐため、作業者は必ずマスク(防塵マスクとして市販されているもの)・手袋(使い捨てタイプの薄手ビニール製)・作業着・靴カバーなどを着用する。
      カビは人体にアレルギー反応やその他の健康被害を引き起こす危険性があるため、体調のすぐれない人はこの作業に従事しないようにする。

      人体への安全を確保する1 人体への安全を確保する2

    • (2)資料を隔離し、作業場所を用意する

      カビが発生した資料は他の資料や書庫から隔離して、汚染を広げないようにする。
      作業は、換気がよく、周囲に他の資料や人がいない場所で行う。エタノールは揮発性が高いので、屋内で行う場合は換気には特に気をつける必要がある。可能であれば、HEPAフィルター付きのクリーニング用の吸引装置や掃除機、空気清浄機を設置する。
      天気の良い日に屋外で行ってもよい。

      屋内で作業場所を確保する 屋外で作業する場所を確保する
      HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルター:カビの胞子を捕集する効果を持つ目の細かいフィルター

  2. カビ状の物質を拭き取る

    カビ状の物質が付着した部分を、消毒用エタノール(濃度70~80%程度)を含ませたペーパータオルで清拭する。
    汚れを広げないように、こすらず、一方向に拭き取るようにする。ペーパータオルは使用した面を折り込み、汚れのない面を常に使用する。

    カビ状の物質を拭き取る1 カビ状の物質を拭き取る2
    注意:エタノールによる表紙やインクの変色が起こらないか、資料の目立たない部分で確認してから作業する。

  3. 資料をクリーニングする
    HEPAフィルター付き掃除機を使う場合

    吸い込み口に目の粗い布をかぶせるか専用のブラシをつけ、資料の表面に残った汚れを吸引する。掃除機は、風量を調節できるタイプが便利でよい。

    掃除機でクリーニングする1 掃除機でクリーニングする2

    刷毛を使う場合

    掃除機が手元にない場合は、刷毛を使って汚れを払い落とす。片手で天小口をつかみ、中に汚れが入らないようにしっかりと閉じた状態で風上から風下(吸引口)に向けて刷毛を動かす。前小口、地小口の汚れも同様の手順で払い落す。

    刷毛でクリーニングする1 刷毛でクリーニングする2

  4. 書架を清掃する

    かたく絞った雑巾で書架のホコリを拭き取る。次に、換気に注意しながら消毒用エタノールを含ませたペーパータオルで拭く。
    書架周辺の床も、忘れずに清掃する。

    書架を清掃する 書架周辺の床を清掃する

  5. 作業の後に

    手袋・マスクは使った面を内側にして、付着したカビが飛び散らないようにそっと外す。
    外した手袋・マスクはゴミ袋に密閉して処分する。
    刷毛・掃除機のブラシは中性洗剤などを用いて洗い、よくすすぐ。消毒用エタノールに毛の部分をすべて浸し、30分置く。水気を切ってよく乾燥させる。

  6. 発生・再発の防止

    資料をクリーニングしても、周辺環境が良好な状態で維持されなければ、カビは再発する。資料周辺の相対湿度を60%未満に保てばカビの発生を抑制できるので、室内空間が高温多湿にならないよう除湿機を設置する、扇風機を使って空気を循環させるといった工夫を取り入れ、カビの発生しにくい環境づくりを心がけることがのぞましい。こまめに清掃を行ってカビの栄養源になるホコリや汚れを取り除くことや土足での立入りを避けて汚れを持ちこまないようにすること、定期点検による早期発見にもカビの発生を防ぐ効果がある。

参考資料

  • 木川りか「書籍・資料のカビとその対策」『アジア古籍保全講演会記録集』東京大学東洋文化研究所 2008.3 pp.227-247.
    <http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~library/kouenkai/report/2_kigawa.pdf>
    平成17年~平成19年に東京大学東洋文化研究所で開催された講演会の記録集。カビに関する基礎知識から発見時の観察ポイント、クリーニング作業時の注意点、再発防止の考え方までが具体的に解説してある。
  • 文部科学省カビ対策専門家会合報告書「カビの発生予防と早期発見のために」2007.3
    <http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/sonota/001/toushin/07051008.htm>
    平成18年度に文化財や学術資料等のカビ被害への予防対策を検討するために発足した専門家会合による調査研究結果および提言をまとめた報告書。提言を受けて平成19年度から、実用的な「カビ対策マニュアル」の作成に入っている。
  • 『防ぐ技術・治す技術−紙資料保存マニュアル』「2.5.2カビ害・虫害」日本図書館協会 2005.3 pp.47-48.
    小規模なカビが発生した場合のクリーニング方法を紹介。
  • 『IFLA図書館資料の予防的保存対策の原則』「3保存環境」日本図書館協会 2003.(PDF: 592KB)
    <http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_1001888_po_t3_preservation.pdf?contentNo=5&alternativeNo=>
    国際図書館連盟による、予防に重点をおいた図書館資料の保存に関する一般的指針。カビに関しても発見時の対応からクリーニング方法、防止対策、人体への影響等について記載がある。
  • 東京文化財研究所保存修復科学センター保存部門
    「文化財のカビ被害防止チャート」が紹介されている。

ここで紹介している方法は、数十冊程度の一般的な資料にカビが発生した場合の対応を当館での事例に基づきご紹介するものです。貴重な資料や劣化が著しい資料に対する方法ではありません。紹介している方法で作業した結果、資料に何らかの不都合、損害が生じたとしても国立国会図書館は一切責任を負うことはできません。
カビが発生した資料の処置は、一般的には専門業者に依頼するのが安全です。被害の規模が大きい場合は汚染が広範囲に及んでいる可能性があるので、専門家にご相談することをお勧めします。

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