館長挨拶

知識は我らを豊かにする

長尾真

長尾真写真

 国立国会図書館のホームページをご利用の皆様に一言ご挨拶を申し上げます。

 戦後、将来に新しい希望をもって出発した国立国会図書館は「真理がわれらを自由にする」という標語を掲げて、国会の立法活動を補佐する機関として、また、日本で唯一の国立図書館として、今日まで約60年間、多くのことを成しとげて参りました。ここで、当館の創立100周年までのこれからの40年間を展望しましたとき、当館の標語に倣って言いますと、私は日本の図書館界の標語として「知識は我らを豊かにする」という言葉を掲げたいと思います。

 日本は今日まで科学技術を基盤として、皆が営々と努力し、進歩発展という概念に支えられて進んで参りました。しかし21世紀に入って振り返ってみますと、豊かな文明を築いてきた一方で、地球環境問題、食糧・資源・エネルギー問題、人口問題など、多くの深刻な問題を引き起こして来ているのに気づきます。したがって、これからの40年間にこういった深刻な問題を解決するとともに、実現すべき真の豊かさとは何かを真剣に追求してゆかねばなりません。そしてそういった世界を実現するために、日本が世界のために何が出来るかについて考えねばなりません。

 私は、最も大切なことは、日本の文化、日本人の心の本質といったもの(すなわち、日本の知、知識)を我々がより良く自覚することであると考えます。そしてその価値が世界に広く認識されるよう努力することによって、持続可能で平和な地球、心豊かな社会の実現に貢献できるものと考えます。なぜなら、専門的知識は技術を創造し、社会経済を発展させますが、広い豊かな知識はより良い文化を創り出し、人々の心を豊かにし、平和な社会を実現するための原動力となるものだからであります。

 そういった意味で、知識の宝庫である図書館の活動はますます重要な役割を担うことになる訳です。そしてその活動には、ますます広い多様なものが求められてゆくでしょう。これからの国立国会図書館は全国のあらゆる種類の図書館と協力して、そういった流れの方向に対して最善の努力を払い、これを先導し、社会に貢献してゆきたいと考えております。

 皆様のご意見をいただきますとともに、私どもの活動に対してご支援をお願いいたします。

国立国会図書館長 長尾真

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