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平成22年度利用者アンケートの詳細な分析

 国立国会図書館では、サービスの利用動向や利用者の満足度・要望を把握するために、来館利用者を対象としたアンケートと、遠隔利用者(電子図書館サービスや遠隔複写サービスなど来館せずに利用できるサービスの利用者)を対象としたアンケートを、交互に隔年で行っています。
 アンケートの結果は、当館が導入している評価制度 「活動実績評価」の中で活用し、サービスの改善につなげています。

分析手法

 アンケートで得られたデータは、民間企業で活用されている顧客満足度(CS)調査を応用した手法で分析しています。まず、アンケートで当館ホームページの内容の充実度、遠隔複写サービスにかかる料金など、サービス項目ごとに満足の度合いと改善要望の有無を尋ねます。その結果から「満足度*1」「改善要望度*2」を算出し、両者の相関についてグラフを用いて分析します。すると、国立国会図書館のサービスのうち、利用者が改善を望んでいるものは何なのか、対応の優先順位を明らかにすることができます。
 具体的には、満足度を縦軸に、改善要望度を横軸にとった散布図を作成します(下図参照)。各軸を全サービス項目の満足度と改善要望度、それぞれの平均値で二分*3すると、グラフは四つの領域に分けられます。この中で、右下の領域に位置している項目が、満足度が低いとともに改善要望度が高く、対応の必要性が高いものになります。

図 満足度・改善要望度分析における四つの領域

  領域Ⅰ(右下)… 満足度が低く、改善要望度が高い(最も優先して対応する必要がある)
  領域Ⅱ(右上)… 満足度が高く、改善要望度が高い(利用者が強く期待している)
  領域Ⅲ(左上)… 満足度が高く、改善要望度が低い(当面、対応策は不要)
  領域Ⅳ(左下)… 満足度が低く、改善要望度が低い(利用者からそれほど期待されていないか、利用自体が少ない)

*1)満足度(点)は、回答者全体に対する各項目の回答割合に、「満足」=100点、「やや満足」=50点、「やや不満足」=−50点、「不満足」=−100点、「無回答」「利用していない」=0点を配点し、これに各項目の回答率を掛けたものを足しあわせて算出。
*2)改善要望度(%)は、回答者全体のうち、当該項目の改善希望を選択した割合。
*3)領域を区切る値は、アンケート全項目の満足度と改善要望度の平均値。

分析結果

 平成22年度の国立国会図書館ホームページアンケートと図書館アンケートについて、以下の図1、図2のとおり、満足度と改善要望度の相関分析を行いました。両アンケートとも、グラフの右下に位置する、満足度が低く、改善要望度が高い優先的対応事項は共通しています。それらは、当館ホームページの情報の探しやすさ、NDL-OPACでの新刊資料データ提供までの時間、遠隔複写サービスにかかる料金、複写物の提供までの日数、外国刊行資料の充実度でした。

図1 満足度・改善要望度分析(平成22年度国立国会図書館ホームページアンケート)

図2 満足度・改善要望度分析(平成22年度図書館アンケート)

 当館では、過去の利用者アンケートでグラフの右下に位置していた項目を対象に、サービス改善を行ってきました。図3は、平成20年度遠隔利用者アンケートと比較して、満足度・改善要望度に改善が見られた項目(グラフ上の項目の位置が左上方向に大きく移動した項目)を示したものです。

図3 満足度・改善要望度の経年変化

※ 国立国会図書館ホームページアンケートでの質問項目は(NDL-HP)と明記、それ以外は図書館アンケートでの質問項目。
※ [H22]は今回の遠隔利用者アンケート、[H20]は前回の遠隔利用者アンケート。
※ 「[H22]HP内容の充実度」という質問項目は、「[H20]HP情報の詳しさ」及び「[H20]HP情報の新しさ」という質問項目を統合し、わかりやすい表現に改めたもの。同一の質問項目ではないので単純に比較はできないため、点線の矢印で記載した。
※ 領域を区切る線は、H20図書館アンケート全項目の平均値。

 このうち、図書館アンケートにおいて、国内刊行資料の充実度についての満足度・改善要望度に改善がみられました。近年、力を入れている納本制度の周知・普及活動の成果と考えられます。また、図書館アンケートにおける外国刊行資料の充実度についての満足度・改善要望度にも改善の動きが見られましたが、依然としてグラフ上では右下の、満足度が低く、改善要望度が高い優先的対応事項に位置付けられています。このため、さらなる改善が求められていると認識しています。
 また、平成22年度の遠隔利用者アンケートにおける「HP内容の充実度」という質問項目は、平成20年度の遠隔利用者アンケートにおける「HP情報の詳しさ」と「HP情報の新しさ」という質問項目を統合し、わかりやすく改めたものです。質問項目が同一ではないので単純に比較はできませんが、国立国会図書館ホームページアンケートと図書館アンケートの両者において、グラフ上における項目の位置が左上方向に動いています。このことから、個人利用者においても図書館・関係機関においても、内容の充実度という観点からみたときの当館ホームページの満足度・改善要望度は改善したと考えられます。

 今後もアンケートの結果を参考に、利用者の皆様に一層満足していただけるようなサービスの提供に努めていきます。平成22年度アンケートにご協力くださった方々に深く御礼申し上げるとともに、今後ともご協力をお願いいたします。

 参考資料PDF(PDF file: 336KB)
 「『満足度』と『重要度』を用いた業務分析−国立国会図書館の利用者アンケートをもとに−」『現代の図書館』Vol.47,No.1(2009),pp.36-44.

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