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国立国会図書館電子図書館推進会議報告書

4. 電子図書館を実現するための制度

 図書館はこれまで印刷物をはじめ多様な形態の記録された知識や情報を収集・保管し、求めに応じて利用者に提供してきた。近年、情報処理技術の急速な発展によって、従来の印刷形態以外に、電子的な形態で情報が生産され、流通するようになってきた。これら電子形態の知識・情報も人間の思想や感情を表現した文化的所産であることは、これまでの印刷物と異なるものではない。電子図書館はこれまで印刷物や他の形態で記録された知識や情報に対して果たしてきた図書館の役割を、電子的な環境においても果たすことをめざすものである。
 図書館が利用者に提供する知識や情報の多くは著作権が存在する著作物である。これら著作物については、「著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与すること」を目的として著作権法(以後、「法」と言う)が定められている。第4章では電子図書館が取り扱うディジタル形式の著作物と従来の図書館が取り扱ってきた印刷物等の著作物との差違も考慮し、電子図書館を推進するに当たって関係する著作権等の制度的問題について論点の整理を行う。

4.1. 電子図書館推進に関わる著作権法上の問題点

4.1.1. 現行著作権法によって付与されている著作物等の権利

 著作権は特許権、意匠権、商標権などとともに、知的所有権の一つとして著作者の排他的・独占的な権利を認める権利である。図書館で取り扱う図書館資料には小説家が著述した小説、学者が執筆した論文、音楽家が作曲した楽譜、演奏家による音楽作品の演奏を複製したレコード等が含まれる。これらの小説、論文、音楽のような著作物は著作権法によって保護の対象となっており、原則として著作者の死後50年間は保護される。これらの著作物の利用に係る著作者の権利の内容は、以下のように人格権と財産権に大別され、さらに利用方法等に応じて細分される。

(1)著作者人格権
公表権、氏名表示権、同一性保持権

(2)著作権(財産権)
複製権、上演権・演奏権、放送権・公衆送信権等、口述権、展示権、上演権・頒布権(映画の著作物)、貸与権、翻訳権・翻案権等、二次的著作物の利用に関する権利

4.1.2. 現行著作権法によって許容されている著作権の制限

 上記のように著作者には広範な権利が与えられており、著作物を利用するときは著作者の許諾を得ることが原則となっており、その際使用料を支払うことも多い。しかし、いかなる場合でも著作物を利用するたびに著作権者の個々の許諾を得て、使用料の支払いを行わねばならないとすると、著作物の公正で円滑な利用が妨げられ、かえって文化の発展を阻害しかねない状況も生じうる。このために、著作権法においては、一定の場合には著作権を制限して著作物を自由に利用できることとしている。著作権法において著作権が制限される場合とその条件については法30条〜49条に定められている。私的使用のための複製(法30条)、図書館等における複製(法31条)、引用(法32条)、教科書への掲載(法33条)等がある。これらの中で、図書館の活動と特に関係の深いものは図書館等における複製を定めた法31条の規定である。

4.1.3. 法31条で許容されている図書館等における複製の範囲

 著作権法においては、今日の図書館等における業務の実態にかんがみ、図書館等の利用者の調査研究のため、あるいは図書館等の資料保存のため必要がある場合には、著作権を制限して著作権者の許諾を得ずに著作物を複製することができることとしている。この著作者の権利の制限については、次の要件を満たしていることが必要とされている。

(1)図書館等は公衆の利用に供しているものであること(法31条柱書)

(2)営利を目的としないこと(同上)

(3)図書館等の所蔵の資料を用いて複製すること(同上)を条件とした上で、次のいずれかに該当すること
<1>利用者の求めに応じる場合は、利用者の調査研究の用に供し、公表された著作物の一部分であり、利用者一人につき一部提供すること(同条1号)
<2>図書館資料の保存のため必要がある場合であること(同条2号)
<3>絶版等の理由で入手が困難な場合に、他の図書館の求めに応じて複製すること(同条3号)

4.1.4. 電子図書館が想定するサービスと著作権

 第1〜3章ですでに述べてきたように、電子図書館は、これからの情報社会における国民の情報アクセスの機会を広く保障するために、既存の印刷物等のアナログ出版物のデジタル変換、パッケージ系電子出版物の収集、ネットワーク系の電子出版物やデータベース等の収集等により、広く電子的な情報源を保存・蓄積し、ネットワークを通じて利用者に提供するものである。これらのサービスは、コンピュータや情報通信機器の発展に支えられ、今後の高度情報社会、ネットワーク社会における情報の新しい基盤として大きな可能性をもつものである。しかし、これは情報通信技術の進展が生み出した新たなサービス概念であるために、従来の著作権法では明確に想定されていない。そのため、著作権との関連で解決すべきいくつかの課題が存在する。

4.1.5. 電子図書館サービスに関わる著作者の権利

 これまで述べてきたように、電子図書館の中心的な機能は、図書館が収集もしくは電子的に変換した資料又は資料に関する書誌的データに関するデータベースを維持し、利用者にネットワークを通じて提供することにある。現行の著作権法に照らし、著作権の存在する著作物に関して電子図書館サービスを行う 場合には、以下のような著作者の権利と関係する。

(1(複製権(法21条)
 図書館が紙形態又はマイクロ形態等の印刷物を電子化し、サーバに蓄積する場合、また、ネットワーク系出版物やパッケージ系電子著作物をサーバに蓄積 する場合、複製権が関係する。さらに、利用者がそれらのプリントアウト、ダウンロードを行う場合も同様である。
 なお、現行法では、31条(図書館等における複製)において、第1号(利用 者の調査研究目的での複製)、第2号(図書館資料の保存のための複製)及び第3号(他の図書館からの依頼による複製)に掲げる場合には複製権が制限されている。

(2)公衆送信権等(法23条)
 サーバに蓄積した電子著作物を通信ネットワークを介して利用者に提供することについては著作者の公衆送信権等が関係する。ファクシミリで図書館資料を送信する場合も同様である。また、自動公衆送信に該当する場合は、サーバに蓄積する行為やサーバをネットワークへ接続する行為(送信可能化)自体が権利の対象となる。

(3)著作者人格権(同一性保持権)
 著作物の改変の可能性から、同一性保持権(法20条)が問題になりうる。電子図書館とどのように関わるかについて必ずしも明確ではないが、一部には電子化による用字の変更(旧字体から新字体)、閲覧ソフトにより異なって表示される画像の色、解像度による表示上の制約等が著作者人格権の侵害に当たりうるのかという懸念も出されている。

4.1.6. 電子図書館の推進に伴う著作権法上の問題点

 4.1.5で記述したように、複製権、公衆送信権等の著作者の権利は電子図書館が以下のサービスを推進する場合に問題点として指摘される。

4.1.6.1. 図書館所蔵資料の電子化(データベース化)に関する問題点

 電子図書館においては図書館の所蔵する資料を電子化した上でデータベース化することが必要である。法31条2号において図書館資料の保存のために必要がある場合については複製が認められているが、このようなデータベース化のための複製全般を、保存のための複製の規定で読むことには無理がある。

4.1.6.2. 図書館内における利用者へのサービスに関する問題点

 電子図書館が電子化した著作物を利用者に提供する場合、従来の複写サービスと同様に著作物の一部をプリントアウトして利用者に提供することについては法 31条1号の適用が考えられる。しかし、これはあくまでも図書館等の管理下で複製が行われることを前提としたものであり、図書館内の利用者が端末機で自由に著作物を呼び出し、必要に応じてプリントアウトを行うことや、さらに図書館でフロッピー・ディスク等の媒体にダウンロードして自宅や職場に持ち帰り、再利用する場合までは想定されていない。著作権のある著作物に関して、このような利用者サービスを電子図書館が実現するためには、図書館等が利用者の複製行為をどこまでコントロールできるかという問題と併せて、利用者のプリントアウト、ダウンロード等について、著作権法上の位置づけを明確にすることが必要である。

4.1.6.3. 図書館がネットワークを通じて行うサービスに関する問題点

 電子図書館のサービスの特色は、ネットワークを通じて、図書館に来館しな い利用者に対して、自宅や職場に、直接図書館の情報を提供することにある。この電子図書館のサービスを推進するに当たって、以下のような著作権法上の問題が発生する。

(1)国立国会図書館と一般利用者間の利用
 著作権のある著作物に関しては、電子図書館のサーバから利用者端末へのデータの伝送に関し公衆送信権等の問題が生じる。その際、利用者のプリントアウト、ダウンロード等の行為をどこまで認めるかについても公衆送信に係る許諾の条件として問題になりうる。来館利用者の場合については、プリントアウトやダウンロード等について、必要であれば一定の規制を図書館側で課すことは可能であるが、ネットワークを通じた一般利用者を想定した場合には、利用者のさまざまな形態での二次的利用を想定しておく必要がある。その際、利用者の私的複製(法30条1項)との関係に留意する必要がある。

(2)国立国会図書館を構成する施設相互間の利用
 国立国会図書館は現在、東京永田町の本館、国会分館、支部上野図書館、支部東洋文庫及び行政及び司法の各部門に置かれる支部図書館から構成される。これらの施設は一つの国立国会図書館として機能している。さらに、平成12年度には国際子ども図書館、また平成14年度には関西館の開館を予定している。国際子ども図書館及び関西館は電子図書館をその基本機能とする図書館であり、本館と有機的に一体となって電子図書館の事業を推進することとなる。国立国会図書館を構成する施設間における送信行為は、「同一構内」における送信には該当しないと考えられるところから、関西館で電子化した著作物を本館や国際子ども図書館でネットワークを通じて利用する場合などは、公衆送信に係る権利処理を必要とする。また、そのような送信を介して更にプリントアウト、ダウンロード等を行うことについても検討する必要がある。

(3)国立国会図書館と公共図書館その他の図書館との間の利用
 公立図書館等の公的な機関が国立国会図書館が電子化した資料を利用する場合についても同様である。
 国立国会図書館法では第21条に規定する館長の権能として、「国立国会図書館の奉仕及び蒐集資料は、直接に又は公立その他の図書館を経由して、両議院、委員会及び議員並びに行政及び司法の各部門からの要求を妨げない限り、日本国民にこれを最大限に利用させる。」と規定している。また、同21条1号には「図書館の蒐集資料を国立国会図書館建物内で若しくは図書館相互間の貸出で、または複写若しくは陳列によって、一般公衆の使用並びに研究の用に供する。」とあり、同21条2号に「あらゆる適切な方法により、…公務員又は図書館人を援助する。」と規定している。これらの規定は、国立国会図書館が行うさまざまな形態でのサービスを、国立国会図書館の建物の中だけで行うのではなく、公立図書館等に広く提供し、援助するという精神を示しているものである。
 このような背景から国立国会図書館と公共図書館その他の図書館との間において電子化された資料を相互に利用することが予想されるが、その場合にも公衆送信権等の問題があり、また、送信を介して更にプリントアウト、ダウンロードなどの行為を行うことについても検討が必要である。
 なお、現行の著作権法においては、利用者の求めに応じて、あるいは資料保存のために著作物を複製できることになっている図書館は、著作権法施行令第1条において地方公共団体が設置する図書館や大学の付属図書館、科学技術振興事業団など法令に規定を有する国、地方公共団体、公益法人の設置する図書館等で文化庁長官が指定するものと定められている。

4.1.6.4. 電子図書館推進のための著作権問題の克服

 すでに述べてきたように、電子図書館は新しい情報通信環境でのサービスであるため、現行の著作権法においては規定されていないさまざまな課題について検討し、望ましいあり方を探る必要がある。現行法31条の解釈によっては電子図書館を実現するのに限界があるため、ディジタル時代における国民の情報アクセスの権利を、著作者等の権利の保護との均衡を保ちつつ、どのように実現するかが課題であり、また、望ましい未来のために関係者間で課題克服の努力を行う必要がある。

4.2. 図書館サービスの充実と著作権保護

4.2.1. 知識・情報提供における図書館の役割

 知識や情報を収集・保管し、求めに応じて利用者に提供するという図書館の機能は、社会的コミュニケーションにおける、知識と情報の蓄積と再利用を保障するプロセスとして考えられる。近年発生している電子形態の知識・情報も人間の思想や感情を表現した文化的所産であるが、その保存や利用についてはある面では印刷形態等の伝統的出版物よりも立ち後れている面がある。書誌情報の整備、アクセスを保障するための制度、将来に伝えてゆく文化としての保存等についての社会的な仕組みを考える必要がある。電子情報についても、従来の印刷物同様に、保存し、アクセスを保障することは、電子的情報流通の時代の図書館が担うべき役割である。

4.2.2. 広汎なアクセス機会の提供

 図書館が果たす役割は、近代社会にあっては、すべての国民に知識・情報へのアクセスの平等な機会を提供することであり、開かれた社会、民主主義を支える基盤としての役割だと言うことができる。
 そもそも知識や情報は、他の人々に報知され、理解されることを目的として生産され、流通する。また、社会的コミュニケーションを介して文化は生まれ、発展する。図書館はある意味でそのような社会的コミュニケーションの基盤であり、市場で流通しなくなっている知識や情報を含め、人々にとって知識・情報の寡占や格差のない広汎なアクセスの機会を保障するものである。それは文化と民主主義にとってかけがえのない機構である。また、電子時代においては情報処理技術、ネットワーク技術を用いてさらに効果的にその役割を果たすことが可能になってきている。

4.2.3. 電子図書館がめざす文化と民主主義の発展への貢献

 電子図書館は、これまでさまざまな理由で図書館を十分に利用できなかった人々も、自宅あるいは職場から、いつでも知識や情報が必要とされる時に、必要とされる場所で、図書館のもっている膨大な知識と情報をネットワークを介して利用することのできる環境であり、基盤である。電子図書館は従来から図書館が担ってきた社会的役割を電子情報流通の時代にも継承するものであり、また、国民の知識・情報へのアクセスの機会を、現代の情報通信環境の中で向上させることによって、文化や民主主義の発展のための社会的基盤を形成するものである。しかし、このような電子図書館を実現するためには、知識や情報を生産した権利者の権利とこれらの公正な利用について、広く社会的な合意が形成される必要がある。

4.3. 著作権の保護と公正な利用のバランス

4.3.1. 電子図書館における社会的公平の実現

 このように、これからの高度情報社会の中で知識情報の基盤として電子図書館は重要な位置を占めることになることが期待できるが、このような電子図書館を実現するためには著作権の保護と利用において適切なバランスが保たれる 必要がある。  知識・情報の記録形態としては、ディジタル形態もアナログ形態も文化的所産として異なるものではない。しかし、その取扱いについては異なる側面があることは認識されるべきである。著作権法が目的とする「文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与する」との法の精神が、電子情報流通時代に図書館サービスを展開する場合にど のようにあるべきか、国民への電子情報の流通とアクセスを保障しつつ、権利への不当な侵害にならないように社会的公平の観点を考慮して検討を行う必要がある。

4.3.2. 電子環境下における著作物利用の特色

 知識・情報の記録形態としては、ディジタル形態もアナログ形態も文化的所産として異なるものではないが、電子図書館を実現するに当たって、電子著作物の特色を考慮する必要がある。電子著作物の特色と取扱い上の問題点のうちいくつかの点について以下に列挙する。

(1)複製物とオリジナルとの同一性
 電子著作物はオリジナルと複製物が全く同一である。電子図書館が電子著作物の複製をネットワークを介し、不特定多数に頒布することは、電子著作物のオリジナルを頒布する行為と同様であり、著作者の権利と大きく関係するものである。

(2)複製、再送信又は編集・加工の容易性
 利用者による複製や再送信、あるいは編集、加工が容易であることが電子著作物の特色でもあり、その特色を生かすことは、電子的情報流通の促進に役立つことである。しかし、電子著作物でも権利者の権利を侵害するような複製、再送信、編集、加工は認められない。電子図書館の利用者は、電子図書館から入手した著作物について法に基づいた範囲で自らの責任において利用を行うことになるが、著作者にとっては、電子図書館の利用者が電子図書館から入手した著作物をどのように利用するかが重大な関心事であり、また懸念を有する事柄であることを考慮し、電子図書館サービスの内容との関連で利用者にとってどの範囲まで自由に利用できるか、また利用に際してどのような技術的な制限を付すのかという点も、今後の検討の視野に含めておく必要がある。

(3)伝送と蓄積の差違の不明確性
 平成9年6月の著作権法改正によって、公衆からの求めに応じて自動的に送信が行われる状態でサーバへの蓄積が行われるものについては「公衆送信権」が設定されることとなった。コンピュータと通信が融合している現在、伝送と蓄積の区別の関係について明確にしておくことが必要である。なお、パスワード等を与えて特定利用者のみに利用を限定しているサーバについても、「公衆」に対する送信に当たると解されることに留意する必要がある。

(4)インターネット・リソースの権利
 歉来インターネットにおいては、サーバに公開されている著作物は自由利用を基調とし、権利主張を行わない例があり、ロボットによる自動収集、インデックス生成のための著作物の一部の自動収集が行われているが、近年は画面上で複製や商業的利用を禁止する旨の表示を行っている例も増加している。また、現在はインターネット上のリンク付けは自由に行われているが(エチケットとしての通知は別として)、許諾を得るべきであるとの意見もあり、今後の議論の動向に注目することが必要である。

(5)加工情報の著作権
 電子著作物のテキストや数値データ等をコンピュータ・プログラムで処理し、たとえば翻訳処理を行ったり、グラフ加工を行うような場合についてのオリジナルの著作物と加工された著作物との権利関係をどのように考えるべきなのかについても明確にする必要がある。

4.3.3. 電子図書館と著作権に関わる内外の動き

 電子図書館は我が国のみならず、新たな情報基盤として世界の多くの国々でプロジェクトが実施されている。また、世界の図書館界においても電子図書館での著作権の取扱いについて検討されている。一方、出版界も図書館とは別の立場で電子図書館と著作権についての問題に関心を寄せており、図書館界、出版界のそれぞれの国際団体が電子図書館における著作権の取扱いについて見解を公表している。国際図書館連盟(IFLA)、国際出版連合(IPA)、国際出版者著作権協議会(IPCC)等の動向を簡潔に紹介する。
 国際図書館連盟は、1996年8月に北京で開催された第62回総会において図書館の電子的環境における著作権の取扱いに関して見解書を公表している。同見解書では、電子形態の著作について、図書館は著作権者と利用者を結ぶ責任ある仲介者として、また社会のあらゆる分野における情報の流通を促進する上で、印刷媒体の著作と同様に、対価や許諾なしに利用、複製が簡便にできるように検討を行うべきだとしている。
 この見解に対して、国際出版連合、国際出版者著作権協議会は危惧の念を表明している。国際出版者著作権協議会の見解書によれば、図書館での無制限の文献の供給は不当に著者の著作権を侵害するとしている。また、国際出版連合は、 1996年4月にバルセロナで開催された第25回大会において、ディジタル形式を含む全ての形式の出版物は国の科学的・文化的活動の主たる記録媒体であり、国立図書館に対する納本がかかる活動と業績の保存を保障するものであることを認識した上で、「国立図書館の閲覧室は、納本された出版物を、オンラインかオフラインかを問わず…、無料で閲覧できる唯一の場所として認められるべき」 であるとしている。
 国際図書館連盟の見解にある、すべての著作物の利用について対価なしということが適切かどうか、また可能かどうか、一方、国際出版連合、国際出版者著作権協議会の見解にある図書館の役割と公共性についての評価が適切であるかどうかについて、両者の見解が隔たったものでもあり、電子図書館の推進のためには両者の見解を調整する必要があるだろう。
 なお、1998年1月末に東京で開催された国際出版連合第4回国際著作権シンポジュウムでは、「ディジタル環境が著作物の創作者と利用者との間に新しく、より効果的に作用し合う関係を創り出すことを認識し」、…「電子的に蓄積された著作物は、ディジタル技術により、複製が大幅に容易になるため、特に著作権侵害の危険にさらされやすいことに留意して」…「WIPO著作権条約の締約国に、条約に適合したディジタル利用のための効果的な著作権許諾システムを支 持するための法改正を行うことを要請する。」との決議を行っている。

4.4. 電子図書館推進のための新たなルールづくりに向けて

4.4.1. 新たなルールづくりの必要性

 電子図書館では膨大な文献を多数の利用者に迅速に提供することが求められる。現行法体系の下で電子図書館を推進することを想定した場合に発生する膨大な著作権の許諾事務については、実際に処理することが可能であるのかどうか、またその手続きを執ることが高い視点から見た場合に公益にかなうものかどうか検討する必要があろう。
 電子図書館を推進するために、文化的所産の公正な利用と著作者等の権利保護をどのように扱うのかというのは、新たなルールづくりという観点で考える必要がある。一方では、電子図書館において膨大に発生する著作権処理の困難性に照らして簡易なルールづくりが求められること、また他方においてディジタル形態の著作物の特徴を考慮し、通常の印刷物の利用とは異なった取扱いについて配慮し、不当に著作者等の権利を侵害しないための措置にも配慮する必要があろう。電子図書館においてディジタル形態の著作物を取り扱うに当たって、図書館側のサービスにおいて、これまでの図書館の「無料の原則」についても一定の見直しを行い、サービスの制限や利用者の負担(使用料・課金)も必要になる場合があると考えられる。
 電子図書館はこれまで著作権法体系が想定してきた著作物の利用とは別の、新しい環境での著作物の利用形式であるため、従来にない新たな視点からの取組み、ルール作りが求められる。

(1)許諾事務の膨大さ
 複数の権利者から構成される著作物について図書館が電子化を行う場合に、また多くの利用者に個々に電子的に提供を行う場合に、個別に権利者の許諾を得ることは相当な困難が想定できる。単行書のような単一の著作者による単一の刊行物は数多い著作物の中ではむしろ例外的な存在である。多くの著作物は多数の著作者等の権利の集合となっている。たとえば、1タイトルの1冊の雑誌のみを想定しても、それを電子化するには、広告やコラムを含めて数十人から百人以上の著作者の複製に関する許諾を求める必要があることが予想される。週刊誌、月刊誌においては、1年分でその数は数千人に達することも想定される。また、著作権法が著作者が創作した時点で自動的に著作権の発生する無方式主義を採用しているため、これらの著作者の権利の所在の把握は極めて困難である。さらに、利用者にネットワークを介して提供を行う場合については、利用者の数だけの公衆送信に関する著作者の許諾が必要である。
 現行法第31条の規定は、図書館での複製について、図書館の公共性を考量し一定の条件のもとに著作者の権利を制限することで、法的に図書館が複製を行うことを保障し、権利処理の煩雑さを回避させる効果を有しているということもできる。

(2)図書館サービスの公共性
 著作権は財産権の側面をもつものであるが、著作物には同時に公共財の側面もある。図書館が所蔵する膨大な著作物の中には著作権は存在しているが、市場に流通せず、図書館以外では入手できないものも多く含まれていることを考慮する必要がある。これら市場に流通していない著作物についても、国民の情報アクセスを保障するため、利用に供することも図書館の大きな役割である。
 なお、国立国会図書館が平成9年に実施した調査では、著作権は存在しているが市場に流通していない刊行後相当の年数が経過した著作物については、ほとんどの著作権者が、印刷物が図書館で利用されるのと同様に、電子図書館で提供されることを承諾するという結果が示されている。

4.4.2. 新たなルールづくりの手法

 現在、著作権審議会においてはマルチメディア小委員会を設置し、ディジタル・コンテンツの権利をめぐって、将来における法改正を想定し検討を行っている。電子図書館の推進に当たっても、著作権審議会の動向に注目しつつも、電子図書館を推進するための適切な制度のあり方について図書館側の考え方を明確にする必要がある。当然のことながら、法律改正には関係者間の円滑なコンセンサスが形成され、関係者間で納得のできるルールが形成されうる見込みがあることが必要である。また、著作権の国際的な性格から、ディジタル著作物や電子図書館をめぐる著作権の国際的な動向にも留意する必要がある。
 電子図書館の推進においても、著作者、出版者、図書館界、図書館利用者など、関係者との話合いによって適切なルールづくりをめざすことが必要であり、今後、国立国会図書館が継続して適切なルールづくりのための協議の場の設定が必要である。

4.4.3. 新たなルールづくりに関する論点

 電子図書館を推進する観点に立てば、従来のアナログ形態においては法で保障されてきた複製について、電子情報流通環境で簡易に実施できるようにするため、必要な法律改正を行い、国民の文化財についてのアクセスの機会を保障するための取組みを行うことが求められる。もちろん、この制度的な解決を実現するためには、関係団体と慎重に協議を重ねると同時に、広く権利者にその意義を理解してもらうことが肝要である。
 以下に新たなルールづくりにおいて検討すべき内容についての論点を明らかにする。

4.4.3.1. 所蔵資料の電子化

 先に述べた国際出版連合第25回大会において、国立図書館への納本がディジタルを含むすべての形式の出版物の保存を保障するものであると大会決議がなされたように、国立図書館は国の学術的・文化的な記録を保存し、文化財として将来に伝える責任を負っている。国立国会図書館は我が国の国立図書館として、国民の文化財の蓄積と保存を目的として、すべての所蔵資料について著作物の電子化を行うことを可能にする方策を検討する必要がある。

4.4.3.2. 所蔵資料の属性に基づく論点

 図書館が所蔵する資料は電子図書館としてサービスを行うコンテンツとなりうるものであるが、それらの資料はその目的、利用方法、著作権の点から見て、いくつかのカテゴリーに分けることができ、それらのカテゴリーの属性に応じて検討することも有益と思われる。以下、電子図書館における著作権の点から見た所蔵資料の属性及び想定可能な取扱い上の論点について述べる。

(1)著作権の消滅した著作物、著作権の対象とならない著作物
 著作権の保護期間は原則的に著作者の死後50年となっている。(無名・変名の著作物、団体名義の著作物等は公表後50年、また、著作者隣接権も実演等が行われてから50年)この保護期間を過ぎた著作物については人類共有の文化財として広く一般に開放されることとなっている。その点からすると、原則として著作者の死後50年を経過した著作物については電子図書館では自由にこれらのコンテンツを提供することが可能であるはずである。また、法令や裁判所の判決等、著作権の対象とはなっていない著作物についても同様である。

(2)政府刊行物
 政府刊行物は国民に広く利用されることを目的として刊行されるものである。また、国立国会図書館は国立国会図書館法第24条において国及び地方公共団体等の発行する出版物の納入を定めているが、公用のため並びに国際的交換の用に供するために、500部以上の発行部数のときは30部の納入を定めている。これは政府の刊行物について国立国会図書館がその提供のセンターの機能を果たすことを規定したものであると考えられる。国立国会図書館の政府情報提供に関する役割及び政府刊行物の刊行の趣旨を考慮すると、政府刊行物及び公的機関の刊行物については、国立国会図書館が電子的に複製した出版物を、ネットワークを介して、利用者に対して提供、ダウンロード、プリントアウトを行うことを認めることができるものとすることが望ましく、このため関係政府機関等との合意形成を積極的に進める必要がある。この点は国立国会図書館館法の精神及び国立国会図書館が国権の代表機関である国会に所属し、国会に対し、また国民に対し広く政府の情報を公開する責任を有する点からも導き出されるものである。
 ただし、政府刊行物であっても、出版を政府の関係法人や民間機関に委託している場合、独立採算を原則として出版している場合などがあることにも留意すべきである。

(3)民間出版物等
 電子図書館は著作権の存在する出版物、著作権のない出版物、政府刊行物、民間出版物、図書、雑誌、電子出版物等、出版物の属性、発行・流通経路等に関わりなく、広く国民の知的財産に対するアクセスを保障するものであることが望ましい。同時に、著作者の著作物を創作した精神的労力に対して報酬を請求する権利や出版者の利益を不当に侵害しないものでなければならない。ことに民間出版物については、市場原理に留意し、電子図書館によって通常の利用に悪影響を与えることのないよう配慮する必要がある。
 しかし、一方では、著作権は存在していても、絶版その他により市場では入手困難な資料が多く存在する。図書館はそれらについても国民の知的文化財として保存し、利用に供する必要がある。電子図書館ではそれらの資料について、適切なサービスを行うことが重要である。
 そのため、国立国会図書館が電子図書館を推進するための一つのアイデアとして、刊行後一定年限を経過し入手困難となった図書等の刊行物については著作者等の許諾権を前提としつつも、事前の許諾は不要とし、電子的に複製した著作物をネットワークを通じて、利用者に対して提供、ダウンロード、プリントアウトを行うことを認めることができるものとし、事後的に権利者からの差止めの申し出がある場合は提供を中止するというようなルールが形成できないかなど、簡便な権利処理方法が構築できないか検討する必要があるものと思われる。ただし、この場合にも著作者等に対して提供予定の著作物について周知させるための方策等を併せて講じることについても検討することが必要である。
 また、定期刊行物に関しては、次号がすでに発行されており、通常の入手経路では入手することができなくなった雑誌のバックナンバーのようなケースについて同様の扱いを行うことができるかどうか、検討する必要がある。
 なお、刊行後一定年限、入手困難となった図書等(つまり市販されていない状態)の定義及びバックナンバーの範囲の明確化については、今後さらに検討・協議を行う必要がある。

(4)市販の著作物に関するナビゲーション
 市販されている著作物(電子形態、印刷形態を問わない)について、国立国会図書館は書誌情報の提供、ロケーション・リンクによるナビゲーションを積極的に行うことで、利用者の著作物へのアクセスは保障するが、ネットワークを介した電子著作物自体の提供は行わないということも選択肢として考えられる。ただし、著作者及び出版者が希望する場合は、国立国会図書館の電子図書館のサービスの一つとして、著作者及び出版者の責任において課金を行い、ネットワークを介した提供を可能とすることについて協力することも考えられる。

4.4.3.3. 提供方法の差違に基づく論点

 電子図書館が著作物を提供するに当たって、想定される提供方法とその取扱いについての論点を述べる。

(1)閲覧(ディスプレイ)
 図書館での印刷物の閲覧に相当する。この場合、館内における閲覧については同一構内での利用となるため著作権の問題は生じないが、館外からのネットワークを介した閲覧については、図書館から利用者への送信について公衆送信権等の問題が生じる。また、対価については、従来、図書館での資料の閲覧については対価を徴収せずに行われてきた経緯から、電子著作物の閲覧に限っては対価を徴収しないということが考えられる。

(2)プリントアウト
 図書館での複製(コピー)サービスに相当する。この場合、館内におけるプリントアウトと館外からのネットワークを介した利用者によるプリントアウトの問題を分けて著作権法上の取扱いを明確にする必要がある。(4.1.6.2及び4.1.6.3参照)。また、従来、図書館での資料の複製については実費を徴収してきた経緯から、電子著作物のプリントアウトについて実費のみの徴収ということも考えられるが、一方、実費の徴収ということではなく、プリントアウトにおいて、廉価であることが望まれるものの、著作権料を含めた料金を徴収するのが適切であるとの考え方もありうる。

(3)ダウンロード
 これまでの図書館での利用にはなかった新たな提供形態である。プリントアウトと比べ、ダウンロードの場合には著作者等の利益に大きな影響を与える可能性が高いことに留意しなければならない。ディジタル情報の特色(複製物とオリジナルとの同一性、複製、再送信又は編集・加工の容易性等)を考慮した場合、著作者等の許諾を得ることを原則として、市販著作物については、対価を徴収することも含めて、適切なルールづくりを行う必要がある。

(4)ナビゲーション
 案内は行うが、著作者、出版者等からの申し出が特にある場合を除いて、著作物そのものの提供は行わないという場合である。この場合は特に著作権の問題は生じないものと考えられる。

4.4.3.4. 提供範囲の差違に基づく論点

 電子図書館が著作物を提供するに当たって、想定される提供範囲とその取扱いについての論点を述べる。

(1)国立国会図書館内における一般利用者による利用
電子図書館サービスの利用において、閲覧、プリントアウトについては現行と同様にできないかという問題がある。ただし、プリントアウトに係る対価の徴収については4.4.3.3 (2)にあるような異論もある。市販著作物のダウンロードについては対価を徴収することが適切であると考えられる。

(2)館外からの一般利用者による利用
 電子図書館サービスにおいて最も中心的な提供形態であり、新たなルールづくりが必要である。この場合、市販の著作物については、提供の許諾が得られない限り、閲覧、プリントアウト、ダウンロード・サービスを行わないか、ナビゲーションのみに止める、あるいは契約に基づく有料サービスとすることが考えられる。

(3)国立国会図書館構成施設間における利用
 国立国会図書館を構成する施設間は有機的に連携し、一体となったサービスを実施している。国立国会図書館法に定められたその公共性に鑑み、同一構内に準じた取扱いができないかという問題がある。

(4)国立国会図書館と公共図書館その他の図書館との間の利用
 電子図書館へのアクセスにおいて、公平を期するために、公共図書館等の国や地方公共団体、公益法人の設置する図書館の館内においては、国立国会図書館が電子化した著作物をネットワークを通じて利用できるようにすることが望まれる。
 ただし、この場合、ディジタル化された著作物は、いったんディジタル化されれば、ネットワークを通じてすべての図書館で利用できるようになる点に十分留意する必要がある。

4.4.3.5. 対価の徴収に係る論点

 電子図書館が著作物を提供するに当たって、想定される利用者からの対価の徴収方法とその取扱いについての論点を述べる。

(1)資料の電子化に関する対価の徴収
 電子図書館がサービスを提供するために行う著作物の電子化には多額の費用を必要とするが、電子図書館推進の趣旨が国民の知的基盤、民主主義の基盤、文化の発展の基盤である等の公共的な役割であることに鑑み、著作物の電子化に当たっての費用を利用の対価として利用者から徴収しないことが望まれる。

(2)館内利用に係る対価の徴収
 歉来の閲覧や複写と同様の取扱いが望まれる。ただし、市販著作物のダウンロードに関しては著作者等に与える影響に鑑み、適正な対価の徴収が必要であると考えられる。
 ただし、図書館がこれまで果たしてきている公共的な役割に鑑み、また諸外国において一部に実施されているように、館内利用に関しては、市販著作物についての著作権料の支払いを行うが、その費用は公共の資金によって負担するのが適切であるとの意見も存在する。

(3)ネットワーク利用に伴う対価の徴収
 市販著作物のネットワーク利用に関しては著作者等に与える影響に鑑み、ネットワーク利用に対する適正な対価の徴収が必要であると考えられる。

(4)対価徴収に関する関連法令との調整
 公立図書館における対価徴収については、図書館法第17条において「入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない。」と規定されており、電子図書館の利用について公立図書館において対価を徴収する場合、図書館法の規定との調整が必要となる。

4.4.3.6. 権利処理の方法に関する論点

 電子図書館の推進に当たって想定される膨大な権利処理の負担を軽減するため、4.4.3のここまでの各項に示した権利処理事務の省略の他に、包括的な権利処理のあり方についても検討するべきである。

(1)団体への権利の集中化による許諾システムの可能性
 デジタル形態での著作物等の複製及びそれらのネットワークを介した提供のための公衆送信に係る権利処理について、文化庁が中心となって調整している著作権者側の権利処理体制の整備の進捗状況を踏まえつつ、かつ権利情報提供機構の整備、著作権管理情報の標準化等を含めた、簡便な権利処理ルールを形成することにより、権利処理の煩雑さを大幅に軽減させることを目標として関係機関・団体に働きかけることが考えられる。

(2)権利処理の共同化
 上記(1)のような集中的権利処理機構が設立されるまでの間、関係権利者等の共同的な権利処理の一方策として特定の少数の団体に窓口になってもらい、包括的に権利を取りまとめ、使用料を管理してもらうことも想定できる。この場合も権利処理の対象者を大幅に少なくすることで権利処理の煩雑さを軽減させることができる。

4.5. 今後の取組みについて

4.5.1. 図書館界全体の取組みにおける国立国会図書館の役割

 これからの高度情報社会、ネットワーク社会において、知識情報の基盤である電子図書館の重要性についてはこれまで述べてきた通りである。しかし、電子図書館はこれまでの著作権法体系では想定してこなかった新しい環境のもとに実施される新たな機構であり、複数の権利が錯綜するため、新たなルールづくりが求められる。
 国立国会図書館は国の中央図書館として全国の図書館に対して協力、援助を行うことが望ましい。その点からも電子図書館構想実現のための新ルールづくりに向けて、国立国会図書館が図書館界全体を視野に入れ、他の図書館と連携しつつ、取り組むことが必要である。

4.5.2. 関係権利者との協議の場の設置

 国立国会図書館は、新たなルールづくりのための協議の場を設けて、具体的に協議を行う必要がある。著作権管理機関、著作者等の団体等との連携を密にし、合意形成を図ることが必要である。

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