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トップ > 国立国会図書館について > 納本制度審議会 > 第6回納本制度審議会議事録

第6回納本制度審議会議事録

日時:
平成14年3月1日(金)午後2時~4時
場所:
国立国会図書館 4階特別会議室
出席者:
委員、専門委員(敬称略)
合庭惇、内田晴康、衞藤瀋吉、公文俊平、塩野宏、清水勲、高橋真理子、富塚勇、村上重美、渡邊隆男、奥住啓介、白田秀彰、杉本重雄
要約:
 戸張正雄館長から「日本国内で発行されるネットワーク系電子出版物を納本制度に組み入れることについて」諮問がなされた。ここでいうネットワーク系電子出版物とは、インターネット等により送受信される電子出版物である。
 続いて、専門的事項を調査審議するため、「ネットワーク系電子出版物小委員会」が設置され、小委員長の公文俊平委員ほか7名の小委員会委員・専門委員が会長より指名された。その後、出席委員全員からネットワーク系電子出版物についての意見が述べられ、閉会した。
 今後は、上記小委員会を中心に調査審議を進め、答申の取りまとめを平成16年内に行うことを予定している。
会次第:
1. 会長あいさつ
2. 専門委員の紹介
3. 第5回納本制度審議会議事録について
4. 国立国会図書館長あいさつ
5. 諮問
6. 諮問に関する補足説明
7. 議題 ネットワーク系電子出版物小委員会(仮称)の設置について
8. 委員各位の意見
9. 今後の運営について
配布資料:
(資料1)納本制度審議会の構成図
(資料2)納本制度審議会委員・専門委員名簿
(資料3)第5回納本制度審議会議事録
(資料4)諮問書「日本国内で発行されるネットワーク系電子出版物を納本制度に組み入れることについて」
(資料5)補足説明資料(1) 納本制度調査会答申(平成11年2月22日)
(資料6)補足説明資料(2) 電子出版物に対する国立国会図書館のこれまでの対応について
(資料7)補足説明資料(3) 我が国におけるインターネット上の情報の動向について
(資料8)補足説明資料(4) ネットワーク系電子出版物収集の海外における先進的な取組みについて
(資料9)今後の納本制度審議会の進め方について
(資料10)納本制度審議会規程
(資料11)納本制度審議会議事運営規則

議事録:
1. 会長あいさつ:
会長:  定刻となりましたので、第6回納本制度審議会を開催いたします。本日は、欠席委員が7名ありますが、当審議会の定足数は満たしております。また、本日の議事に関連するため、新任の専門委員にも出席をお願いしております。
〔会次第の説明〕
 では、会次第の2、専門委員の紹介を事務局の方からお願いします。あわせて、配布資料の確認をお願いします。
2. 専門委員の紹介:
  〔事務局による専門委員(奥住啓介、白田秀彰、杉本重雄、戸田愼一)の紹介及び専門委員による自己紹介〕
 
3. 第5回納本制度審議会議事録について:
  〔確認〕
  (館長、副館長入室・着席)
会長:  館長、副館長がお見えになりましたので、ここで、国立国会図書館長から諮問を受けることとします。
 
4. 国立国会図書館長あいさつ:
館長:  館長の戸張でございます。本日は、委員の皆様には御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございました。諮問に先立ち、一言、ごあいさつ申し上げます。
 最初に、3年前、平成11年2月に頂きました答申の実施の状況を申し上げます。パッケージ系電子出版物につきましては、平成12年4月、国立国会図書館法の改正、10月から収集の開始、そして平成13年4月から利用に供しております。この間、関係各団体の御理解をいただき、当初、利用について技術的にやや苦心したこともございますが、現在円滑に推移しております。
 一方、ネットワーク系電子出版物につきましては、選択的収集という御提言をいただきましたが、現在、収集のための技術的検討を進めている状態であります。あらためて先の答申を頂きましてからの3年間を振り返ってみますと、その間のネットワーク系情報の増大は、質量ともに当時我々が想像していたところをはるかに越えるものとなっております。答申にお示しいただいた選択的収集では対応しきれない様相であり、何らかの社会的合意に基づく制度が必要かと思われます。これが技術的検討にとどまっている大きな理由であります。
 日々、更新・消失されるに任せているこれらの情報の中には、これまで当館が納本制度により収集してまいりました出版物の持つ情報に相当するものが多々含まれております。出版物を国の文化財として永久に保存し、現在そして後世の利用者の利用に供するという当館の役割に照らして、ネットワーク系情報の制度的な収集・保存・利用も、IT時代に当館が取り組むべき課題であろうかと思います。
 国の出版物に責任を持つ世界各国の国立図書館も、こうした事態に対応すべく、ネットワーク系電子出版物の収集を視野に、納本制度の見直しに着手している模様であります。
 こうした状況を総合的に判断いたしまして、3年前に一度お答えいただいた問題ではありますが、あらためて諮問をいたしたいと存じますので、よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。なお、当館が長年取り組んでまいりました国際子ども図書館が本年5月5日に全面開館すること、また、関西館は10月7日に開館することで現在計画を進めているところでございます。この際御報告申し上げます。以上ごあいさつといたします。
 
5. 諮問:
館長:  納本制度審議会規程第2条第1項の規定に基づき、次のとおり諮問いたします。
 諮問は、日本国内で発行されるネットワーク系電子出版物を納本制度に組み入れることについて。
 諮問理由を申し上げます。ネットワーク系電子出版物と納本制度の関係につきましては、本審議会の前身である納本制度調査会においても検討が加えられました。その結果、表現の自由を侵害する可能性、固定時期及び固定義務に係る問題点、網羅的納入の困難性、納入義務者特定の困難性から、現時点ではネットワーク系電子出版物は納入の対象とせず、選択により積極的に収集すること、及び状況の変化に応じて、改めて検討する必要があることが答申された。当館はこの答申を受けて、ネットワーク系電子出版物の選択的収集に向けて技術的検討を行っているところであります。
 しかし、その後の情報通信技術の急激な進展は、ネットワーク系電子出版物、特にコンピュータ・ネットワークを介したデジタル情報の流通を飛躍的に拡大させてまいりました。これらは現在、固定されることなく日々消失しつつあるが、貴重な情報の保存のため、国としての取組が必要となってまいりました。
 このため、当館に対して、従来の出版物において果たしてきた役割と同様に、日本国内のネットワーク系電子出版物を広く収集し、長期的な観点から蓄積・保存を図り、利用を可能とすることが求められております。加えて、当館が提供するサービスのために必要又は有用と認めるものを十全に収集するためにも、制度的枠組が不可欠と考えられます。
 以上のことから、ネットワーク系電子出版物を納本制度に組み入れることについて、また、組み入れられない場合に収集すべき範囲、及びその収集はいかなる方法によるべきかについて調査審議をお願いします。
会長:  諮問の件、承りました。時宜に応じた納本制度の改正のためには不可欠の課題ですから、当審議会として調査審議し、その結果を答申いたしたいと存じます。
  (館長、副館長退室)
会長:  ただいま、館長から当審議会に対する諮問を受けました。この諮問事項につきまして、事務局の方から補足説明を求めます。
 
6. 諮問に関する補足説明:
事務局: 〔以下の4点について、配布資料を基に補足説明〕
(1)納本制度調査会答申(平成11年2月)
 同答申でネットワーク系電子出版物を納入の対象とする際の問題点として指摘された点について説明。
(2)電子出版物に対する従来の対応について
 当館のネットワーク系電子出版物に対するこれまでの経緯と現在の取組について説明。
 当館は、「資料収集の指針」を改正し、ネットワーク系電子出版物を選択的に収集することを規定するとともに、納本制度によらない選択的収集を行うための技術的検討を行ってきた。現在想定されている収集対象は、行政情報や学術情報等である。
(3)我が国におけるインターネット上の情報発信の動向について
・我が国(JPドメイン)のWWWコンテンツ量の推移
・ファイル種類別情報量の推移
・官公庁、地方自治体のホームページ開設状況
・オンラインジャーナル、メールマガジンの動向
について説明。
(4)ネットワーク系電子出版物の海外における先進的な取組について
 ネットワーク系電子出版物の収集についての諸外国の取組について、米国、オーストラリア、フィンランド、デンマーク、スウェーデンの例を挙げて説明。
会長:  ありがとうございました。諮問事項と補足説明について、御質問、コメント等あれば、どうぞ。
 
<補足説明についての質疑応答>
-コピーレフトをめぐって-
委員:  インターネット上の情報が膨大な量となり、出版物又はそれに類するものが出てきていることで、コピーライトからコピーレフトに移る時代が来ているのではないか、という話を聞いたことがあります。それに関して、各国でコピーレフトという考え方を持つ国があるのかどうかを教えていただきたい。これだけの時代になると著作権はいちいち考えていられない、著作権を考えずに利用するという考え方がこれからの社会に必要ではないか、ということをどこかで聞いたことがあります。
事務局:  国立図書館の世界ではどこの国も、コピーライトに神経を使っており、コピーレフトの思想は出てきていないと認識しております。
 
-パンドラ・プロジェクトについて-
専門委員:  ギリシャ神話のパンドラにはあまり良いイメージはないが、なぜオーストラリアのプロジェクト名はパンドラとなったのか。
事務局:  パンドラ・プロジェクトは、オーストラリアで選択的収集に最初に取り組みはじめたプロジェクトであり、これから始めるという意味を込めてつけたのではないか。また、これは略語であり、正式な長い名前があります。
 
-「納本制度による収集」の意味する内容-
会長代理:  ここでの「納本制度による収集」という言葉の意味は、出版者に納入を義務付けるということでイコールと考えてよろしいのでしょうか。
事務局:  現行の納本制度は、網羅性、出版者が届ける、出版者が納入義務者である、という3つの条件がかぶさっております。それを、この納本制度という言葉で表しております。
委員:  選択的収集を選んだ場合には、納本制度から外れることになりますか。
事務局:  現在の納本制度を考えた場合には、外れることになります。ただ、納本制度というものを、私どもは固定したものとしては考えておらず、新しい形の納本制度というものが出てくることもあろうかと思います。
 
-国によるネットワーク系電子出版物収集の意味、民間事業者と各国立図書館の関係-
専門委員:  各国が行っているデータ収集は、Googleのようないわゆる検索エンジンとほとんど同一のものではないかと思いますが、国のお金を使って、民間事業者がやっている事とある意味では並列的なサービスをやって、なおかつ利用提供を行っていないというところについて、予算の位置付けをどうしているのか。次に、民間事業者と図書館の関係を、各国はどのように考えているかを伺いたく思いました。
事務局:  最初の御質問について、日々消失していく情報、これを国の単位でまず集めておくということが、非常に重要なことではないかと思います。集めたものをどう利用するかというのは、またもう一つ別の次元で考える問題ではないでしょうか。ネットワーク系については、今流通しているものは国立国会図書館が固定するということにした場合でも、即それを利用するということになれば、その利害関係たるや非常に難しいものが出てくると思います。ですから、まず取っておくということが、国のレベルでは非常に重要なことになってくるのではないか、利用は利用としてまた新たに考えるということではないかと思います。これらの国も、みな著作権の問題等で苦しんでいるわけでして、館内で、スタンドアロンでしか利用できないというのが今現在の状況です。
事務局:  少し補足させていただくと、確かに検索エンジンは、現在ロボットでインデキシングのために収集を行っておりますが、やはり保存という観点はまだ発生していないと思います。ただ、すでにやっているところと国が協力してやっていくことは、今後考えられていくのではないかと思います。例えば、フィンランドは、収集する時にある程度いろいろな機関と協力して収集の基点を何十箇所も設けているという話を聞いております。米国については、Way Back Machine というシステム名で1996年からウェブ情報を蓄積しているアレクサインターネット社という会社がありまして、そことの関係を持ってやっております。またそのような指摘は、館内外からございます。
 
-ネットワーク系電子出版物はなぜ重要か-
会長:  ネットワーク系はなぜ重要なんですか。
事務局:  ネットワーク上で流れている情報の中に、当館が今まで集めてきている情報と価値において変わらない情報が流れているというふうに判断しています。ですから、国の出版物をすべて集めて利用提供していくという当館の使命からすると、それらを集めることは非常に重要ということになります。
委員:  私、学生の時、先生に現代史の面白さを教えていただいたんですけれども、実は現代史、アメリカ現代史だけではなくグローバルな意味の現代史にとって、非常に重要な資料が去年一夜にして消えました。というのは、ブッシュが大統領に就任して、ホワイトハウスでクリントン-ゴア時代のウェブページを全部捨ててしまったんです。クリントン-ゴア政権が作っていたウェブページは、デジタルライブラリが政府によって非常にうまく構築されていた。検索性も非常に良いものでした。過去に遡及していろんなものをデジタル化していた。それをだれでもアクセスして見られるように、ということをやっていたわけです。ですから、これはある意味では第一級の現代史の資料というふうに考えることができます。ブッシュ政権ができ、クリントン-ゴア時代のホームページはなくなるであろう予測されると、それを救出しようという動きがあり、いろいろなところがかなりの数のデータを残したが、ばらばらにやったためリンクが全部飛んでしまったという発表もありました。
 別にクリントン-ゴアだけではなく、いろいろなところで、非常に重要な文書が発信され、それがなくなるという可能性は非常に大きく、やはりどこかできちんと保管する必要がある。また、紙で出さないでインターネットだけで出す場合も増えており、これらをどうやって保管していくかということは、非常に重要な意味があると私は思っております。
会長:  それと、スタンフォードのアメリカンフットボールのホームページを同列に扱うわけですか。
委員:  それは価値観の違いによるでしょう。
会長:  いずれにせよ、今の話はよく分かりました。
会長代理:  若干今の話に関係あると思うのですが、コンピュータに入れておくことのできるストラテジ、貯蔵量が莫大に増えており、もう数年すると普通の図書館1館分くらいのものが個人で簡単に集めて持ち歩くことが可能になります。そうなると、国の機関が国の観点から、又はある特定の観点から価値をつけて収集するもの以外に、違ったグループや個人が別の観点からやはり莫大な量の情報を収集して貯蔵することも可能になり、それは並列で走るのかなぁ、という感じがします。
会長:  それでは、ここで10分ほど休憩をさせていただき、その後また再開したいと思います。
 
7. ネットワーク系電子出版物小委員会の設置について:
会長:  では、再開します。本日の議題に入ります。
 諮問事項に関する調査審議の進め方について、私の方から委員の方にお諮りしたいと思います。
 日本国内で発行されるネットワーク系電子出版物を納本制度に組み入れることについての問題は、デジタル化された情報流通の実態や法的・技術的な面で、専門的事項にわたる課題として調査審議する必要があります。そこで、納本制度審議会議事運営規則第10条に、審議会に小委員会を置くことができる、とあります。これに基づき、小委員会を設け対応したいと存じますが、まず、皆様方の御意見を承りたいと存じます。
 さっきも法律の権利義務の話が出ましたが、こういうことはどこかで研究されているのでしょうか。
委員:  それは知らないですけれども、ついでということで発言してよろしゅうございますか。これだけの大人数でこういった非常に法律的あるいは技術的な問題を検討するのは無理だと思うので、小委員会設置に賛成でございます。
会長:  それでは、ネットワーク系電子出版物小委員会を審議会の中に設置することについて、御異議ございませんでしょうか。
全出席委員:  異議なし。
会長:  では、小委員会の名称を、ネットワーク系電子出版物小委員会として本審議会に設置します。この所属委員として、合庭委員、内田委員、小幡委員と公文委員にお願いします。専門委員からは奥住さん、白田さん、杉本さん、今日は欠席ですが戸田さんにお願いし、小委員長には公文委員を指名いたします。
 御異議ございませんか。
全出席委員:  異議なし。
会長:  ありがとうございました。公文小委員長をはじめ、小委員会に所属する委員・専門委員の方には、調査審議をよろしくお願いいたします。
 ここで、今後の審議の参考のため、出席されておられる各委員から、諮問にあります「ネットワーク系電子出版物」に関して、常日頃思っておられることを交えて、自由な御意見を頂きたいと思います。
 
8. 委員各位のネットワーク系電子出版物に関する意見: 
委員:  確かにインターネット上では、コピーレフト的な動きが非常に活発になってきており、非常に重要な運動だと思っていますが、この国立国会図書館の納本制度審議会で議論するのは、国立図書館という立場でのネットワーク系電子出版物の納本についての問題なので、現行著作権法の定める範囲内で議論せざるを得ないのではないかなという気がいたします。国立国会図書館の納本制度という既存の枠組みの中で、グローバルスタンダードになるような制度を作り上げることが大事ではないかと思っております。
委員:  我々がこれから検討すべきことは基本的に納本制度にネットワーク系出版物をいかに乗せるかということではないかと思っております。その意味で言うと、出版物に比べて数の無限性があって、それをいかに抽出するかということが、新しい問題ではないかと思います。
 それから、日々更新されて非常に動的なものであるため、これを納本制度というものに乗せるのにどのようにしていけば良いかということです。
 それからもう一つ、アクセスが非常に容易になるということで、いわゆる著作権者等の権利者の権利を侵害する可能性が非常に高くなるため、権利者との調整をいかにしていくか。現行著作権法の中で考えるとすると、今のような問題点についてクリアにしていかなくてはならないのではないかと何となく感じています。
委員:  ネットワーク系につきましては、平成11年2月22日の納本制度調査会の答申があり、先ほど諮問の中に挙げられている4つの点があるということを指摘して、慎重に扱うというのが、そこでの結論だったと思います。
 さらに答申では、ネットワーク系の進展には我々の予測を超えるものがあり、近い将来国民の意識が変化すること等により、そういう場合には改めて検討する、ということで、かなり限定的に書いているのです。そのこととの関係で、時間的なことはあまり言う必要はないかと思いますけれど、どうも国民の意識が変化しているようにはなかなか言えないのではないかという感じがします。
 その関係で小委員会の皆様にお願いを申します。一つは、この答申で非常に慎重に取り扱ったことの一つは、技術的な問題と同時に、表現の自由との関係あるいは萎縮効果をもたらすのではないかということに非常に懸念が述べられたことだというふうに思います。この点は今後も変わらない重要なポイントであると思いますので、小委員会におかれましても、答申のこの部分はやはり念頭において検討を進めていただけないかと思います。ここのところは日本国憲法がある限りはそう簡単に uberholenできないものだというふうに思いますので、その点よろしくお願いしたいと思います。
 それからもう一つは、諮問に「納本制度に組み入れること」というふうに書いてあるのですけれども、納本制度調査会でいろいろ検討したときも私が感じたことなのですが、納本制度というのは非常に固い制度なんです。ですから、今後検討されるときにもこの固い制度になんとか組み入れようなどということは思わないで、インターネットの出版物をどういうふうに利用するのがいろいろな意味での利益に奉仕するのかをお考えいただいて、表現の自由との関係はもちろんございますけれども、そう考えた上で納本制度にうまく乗っかるかということを考えて、乗っからなければ新しい制度を作ればいいだけの話でございます。ですから、諮問の納本制度の組み入れというのは、別に現在の固い納本制度に組み入れろという趣旨ではなくて、とにかく、みんなの利益になることを考えてみてくださいと、そういう趣旨に理解すべきだというふうに思います。無理に組み入れようとしますと無理がきますので、そこはどうか柔軟に考えていただきたいと思います。以上です。
委員:  インターネットだけに載せて、印刷物にならないことがかなりあるのではないかと思うので、学会等の学術情報の収集は非常に意味があると思います。
 お金や労力のバランスから、納本制度とはまた別のシステムでやるという考え方も、今お話があったように、あるのではないかという気がいたします。
委員:  ネットワーク系の情報を固定して保存すること、特に行政が出す情報をいつでもちゃんと見られるようにしておくことは、とても大事なことだと思います。答申とか報告とかの最終成果物だけではなく、議事録などもぜひ保存しておいていただきたいと思います。しかし、範囲をどこまで広げるかということをちょっと考えただけでも難しいと思います。そういう線引きを、専門の先生方にしていただけたらと思います。
 アメリカのサーバーを使っているホームページのように、jpドメインだけを考えると漏れ落ちてしまうものがあります。それから、有料サービスと国立国会図書館でただで見られることとの関係はどうなるのでしょうか。時代につれ、サービスのあり方も変わっていくかもしれませんが、有料サービスをしている情報の収集については、当事者の意見をよくお聞きいただいて、こちらだけでお決めにならないようにお願いしたいと思います。
委員:  ネット上に現れているいろいろな情報と出版物の区別をよく小委員会で検討していただきたい。また、今後出てくるであろうネット上だけで売られる音楽や動画の扱いなども含めて小委員会で検討していただきたいと思います。
委員:  小委員会で検討を進めていただく上で、先ほどお話がありましたが、表現の自由との関係を十分に御配慮いただきたい。
委員:  お亡くなりになった江藤淳さんに聞かれたことがあるんですが、「先ほどしゃべった私の話は、紙に書かないと、印刷しないと著作権は発生しないのですか。同じ内容でしゃべっても著作権が発生しないのはどこがどう違うんですか」と言われて、私返事ができませんでした。今そんなことをちょっと思い出しております。
 また、出版界では今年、出版社の版面権を獲得しないと、いろいろなコピーが利用されてすでに大きな影響が出ているということで、大騒ぎしております。もしこの問題を出版業界に諮問いただけることがありましたら、いつでも広く意見を集めてみたいと思います。
会長代理:  今の貴重な御意見をよく念頭において、小委員会の審議をさせていただきたいと思います。
 先ほどお話のあった情報一般と出版物の区別といっても、本当に区別しにくいようなものがたくさん増えてきています。まだウェブの上で公開されているのでしたら、まあ出版に近いかなと思いますけど、P2P型で自分のファイルに入れておくが、取りに来るのなら取ってもいいよということになると、これは一体出版なのか、どうなのか。それから最近の「2ちゃんねる」のようなものの中には、非常に情報価値の高いものも一部あって、これは置いておきたいと思っても、今度は表現の自由にかかわってログは取らないとか後日の証拠にされるのは嫌だということになると、ちょっと扱いは難しくなるだろうなということがございます。
 また、権利意識についても、ある意味では変わってきているというのか、やたらと強く著作権を主張する方も現れるようになってきて、私信の内容とか、公開されているメーリングリストの発言まで著作権と言われると非常にとまどってしまいますが、そういう言い方で権利を主張される方も一方では増えているような感じがします。コピーレフト論もありますが、同じ人が両方主張するということもないではない。そういったこともありまして、是非御助言いただければと思います。
会長:  どうもありがとうございました。十分に皆さんの御意見を参考にしながら、小委員会が進められることを、私も期待いたします。続いて、今後の進め方・日程について、事務局の方からお願いします。
 
9. 今後の運営について:
事務局: 〔今後の調査審議項目、進め方及び日程について説明。
 平成14年度は小委員会を中心とした調査審議を想定する。それを第7回納本制度審議会で論点整理した上で、平成15・16年度に、整理された個々の項目についての調査審議を想定。最終答申の提出は、平成16年12月を目途とする。〕
会長:  小委員会は今後6月に第1回が開催されますが、次回の当審議会については、小委員会での調査審議の状況報告と論点整理を議題として進めてまいりたいと考えますので、小委員会の推移を見て適当な時期に開催したいと思います。
 また、今回の議事録についても、これまでと同様、国立国会図書館のホームページ上で公開することとしますが、よろしゅうございますか。
  〔委員よりホームページの体裁について意見があり、事務局で考慮することとして了承。〕
委員:  審議に3年もかけるというのは、この時代にちょっと長すぎるのではないかという印象を受けたのですが、いかがなものでございましょうか。
事務局:  館内でも同様の意見があり、以前、委員の先生からもそのような御指摘をいただきました。
 しかし、先ほど御意見をいただきましたとおり、今回はなかなか着地点が見えません。そこで、一方においては、納本制度調査会答申に従った方法でネットワーク系電子出版物収集のシステムを作り、当館に必要な資料の収集を進めていく。しかし、制度面においては、やはり慎重を期す必要があるという考えです。
 ただ、平成14年に行われる小委員会で論点整理を行い、ここでかなり明快な方向性が見えてきた場合、そこだけを先に制度化・法律化してしまうということも十分考えられます。次回の第7回ではっきりしたスケジュールをお示しする予定です。
会長:  では、そのあたりを御了承いただいて、本日はこれで閉会いたします。ありがとうございました。
(閉会)

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