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トップ > 国立国会図書館について > 納本制度審議会 > ネットワーク系電子出版物の収集の課題に関する小委員会(第4回)議事録

ネットワーク系電子出版物の収集の課題に関する小委員会(第4回)議事録

日時:
平成16年7月16日(金)午後4時~同5時55分
場所:
国立国会図書館 特別会議室
出席者:
公文俊平小委員長、安念潤司委員、小幡純子委員、紋谷暢男委員、奥住啓介専門委員、杦本重雄専門委員、夏井高人専門委員、野末俊比古専門委員
会次第:
1. 第3回小委員会の議事録の確認
2. 調査審議
 (1)損失補償
 (2)義務履行確保
3. 第5回小委員会の調査審議の内容及び今後の日程等
配布資料:
(資料1)第3回小委員会議事録
(資料2)論点メモ-損失補償・義務履行確保
(資料3)納本制度調査会答申(平成11年2月22日)(抄)
(資料4)損失補償に関する立法例
(資料5)義務履行確保に関する立法例
(資料6)第5回小委員会の調査審議内容について
(資料7)修正:論点メモ-収集範囲・方法(2)
 付改:表現の自由に配慮したネットワーク系電子出版物の収集方法
(資料8)第11回納本制度審議会・小委員会の審議経過報告に対する意見
(資料9)第3回小委員会における懇談の要旨
(資料10)2004年6月15日 IT戦略本部 e-Japan重点計画2004決定 抜粋
(資料11)納本制度審議会 今後の日程(案)

議事録:
小委員長: それでは、時間となりましたので、第4回の小委員会を始めます。
 本日は、損失補償と義務履行確保について調査審議していただきます。
 
1 第3回小委員会の議事録の確認
小委員長: 会次第の1として、第3回小委員会の議事録の確認をいたします。
 事務局から、説明をお願いします。併せて配布資料の確認もお願いします。
事務局: 〔まず、配布資料(資料1から資料11まで)の確認。
 次に、資料1の第3回小委員会議事録の確認。
 資料1の13頁、上から7行目~8行目と9行目~10行目の委員の発言が重複しているので、9行目~10行目を削除していただきたい。議事録については、出席者に確認いただいた上で、既に国立国会図書館(以下「館」という。)のホームページに掲載されている。
 第3回小委員会の調査審議において、収集範囲を限定した上で通知義務及び送信義務を課するという収集方法については法的観点からみて採用が困難ということになったが、それに代わる収集方法については結論が出なかった。この点に関する議論は、議事録の12頁から13頁前半にかけて掲載されている。本日の議論にも密接に関わる問題なので、参照いただきたい。〕
 
2 調査審議
小委員長: それでは、会次第2の調査審議に入ります。
 事務局作成の論点メモ(資料2)に沿って、進めさせていただきます。
 
(1)損失補償
小委員長: まず、損失補償について、事務局から説明をお願いします。
事務局: 〔資料2の論点メモに基づき、損失補償について説明(以下、論点メモの構成を示すため、説明に対応する同メモの項目、見出し等も併せて議事録中に掲げる。)。
 まず、ここでの説明は、館が制度的収集、つまり法的強制力を伴う収集によりネットワーク系電子出版物(以下「ネットワーク系」という。)を収集及び利用することを前提としている。また、第3回小委員会において、収集範囲を限定せずに収集することが確認されており、この点も前提となっている。
1 損失補償の必要性と根拠
 館がネットワーク系の収集及び利用のために、私人の著作物を用いて複製等をする場合には、私人に損失が発生することがある。国等については、9で触れる。
 この場合において、まずどのような損失が認められるか、続いて、私有財産権の保障の下、その損失が憲法第29条第3項の規定により補償されるべき損失か、憲法上の要請ではないが政策的に補償をすべきものか、さらに、補償額の算定の考え方について検討が必要となる。
2 パッケージ系における損失補償・経済的不利益への対応の議論
 ネットワーク系の収集(複製)及び利用に関する損失補償の問題を考えるに当たって、資料3の納本制度調査会答申(平成11年2月22日。以下「パッケージ系答申」という。)の中のパッケージ系電子出版物(以下「パッケージ系」という。)に関する考え方を見ておく。
 資料3の29頁にあるように、パッケージ系を納入させることは財産権(動産)の収用にあたると解され、憲法第29条第3項に基づく正当な補償が必要とされている。
 パッケージ系の正当な補償としての代償金の額については、「生産費用」、すなわち、出版物の編集企画から印刷・製本、販売に至るまでの総経費を作成部数で除した金額と考えられている。利潤を補償の対象に含めるか否かについては、複数部数が作成され、代替性を有するパッケージ系の場合には、発行者があらかじめ当該納入分1部を含めて製作するものであるととらえれば、販売を予定しない当該納入分から利潤が生ずることはあり得ないので、利潤を除外した生産費用を損失として補償すればよいと解される。
 パッケージ系の利用については、著作権法の規定により権利が制限されている範囲内の態様で利用に供することが前提となっている。パッケージ系答申では、動産としてのパッケージ系の収用に対する発行者への損失補償が既に行われているので、利用によって生じる経済的不利益は憲法上の損失補償の対象ではないと解しているようである。しかし、館におけるパッケージ系の利用提供により著作者・発行者の売上減少等の経済的不利益が生ずれば、「納本制度の実効性」に影響が及ぶおそれがあることから、このような経済的不利益を回避するための方策を館が検討すべきであるとされており、著作権者と発行者とを区別して、各々に関し経済的不利益が生じるおそれについて述べられている。
 著作権者の経済的不利益については、著作権法上の権利を行使し得る範囲では意図しない経済的不利益が発生することはなく、また、同法の規定により権利が制限されている範囲内での利用が行われた場合(館内における閲覧など)には、その利用は限られたものであり、経済的不利益が生じるおそれは少ないと解される。しかし、著作権法上、権利が制限されている範囲内の利用であっても、例えば、デジタル方式による複製のように、全く同質の複製物が容易に作成し得る場合などには、従来の紙の出版物の複製の場合に比較して深刻な経済的不利益が生じるおそれがある。
 発行者は、著作物の利用に関して経済的利益を主張する法的根拠を有しないとされる。しかし、著作権者の許諾に基づく館外閲覧や権利制限規定に基づくデジタル方式の複製などが行われれば、納本制度の実効性という観点から看過できない経済的不利益が生ずる。
 なお、パッケージ系答申24頁では、館において最小限必要となるパッケージ系の利用を確保するため、「物」としてのパッケージ系の納入のみならず、その著作権及び著作者隣接権の一部について、著作権者等から著作物の利用権をも併せて納入させるという考え方も提示され、この場合には、代償金として生産に要する費用を補償した上で、著作物の利用権を納入させることに対しても、補償を行う必要があるとされた。だが、この場合にも、当該補償が憲法上の損失補償に当たるのかについて、明確な議論はなされなかった。
3 ネットワーク系の複製等による損失
(1)損失の態様
 ネットワーク系を館が複製し、利用に供する行為により私人に生じる損失として、次のものが考えられる。
 (a)複製に伴う費用
 複製自体は、館が複製する場合には、館の負担で行うので、複製作業による損失は発生しない。発行者等に出版物の複製ファイルを送信させる場合には、その費用が損失と考えられる。
 (b)館が著作物の複製物を利用に供することは、現行納本制度の下においても同様であり、利用態様により、著作権者・発行者に経済的不利益が発生し得る。
(2)経済的不利益・損失の内容
 ここでは、次のようにネットワーク系の複製(収集)及び利用に当たり対価を要するか否かにより、場合分けを行った。このような場合分けが妥当であるかは、議論をお願いしたい。
 ①対価を払わなければその複製物が入手できず、利用もできない場合であれば、得られたであろう対価(「得らるべき利益」)に相当する額は損失と評価できる。
 この場合には、利用の態様により、損失額は変動すると考えられる。例えば、館がインターネットにより著作物を公開することによって、発行者等が得られるであろう利益の減少と、館内において閲覧させる場合の利益の減少とでは、異なるであろう。また、複製物の提供を行う場合と行わない場合とでも、利益の減少は異なると考えられる。
 得られるべき利益の補償について、立法例(資料4参照)をみてみると、海外からの日本国民の集団的引揚輸送のための航海命令に関する法律(昭和27年法律第35号)の第2条第1項括弧書や港湾運送事業法(昭和26年法律第161号)第18条の3第1項括弧書があるがネットワーク系の収集及び利用に対する損失補償の参考となるか否かは明らかでない。
 ②対価なしに複製・利用できる場合には、経済的利益をあらかじめ放棄する意思が推定できるので、損失は生じていないと評価できる。しかし、この場合には、放棄の意思が推定できるにとどまるから、放棄しない意思が表示されているときは、損失があることになる。ただし、放棄しない意思が表示されている場合についてまで考えることが妥当かどうか、また、事実認定の問題として、具体的に何をもって放棄しない意思表示と認めるのか等については、議論をお願いしたい。
4 憲法上の損失補償
 理論上の問題として、ネットワーク系の収集及び利用から損失が生じた場合には、当該損失の補償が憲法上の損失補償を要するものか否かということがある。
(1)憲法上の損失補償かどうかを論じる実益
 (ア)憲法上の損失補償の場合には、法律に補償規定がなくても直接憲法に基づき補償を請求できる。
 (イ)憲法上の損失補償は「正当な補償」(憲法第29条第3項)であり、正当な補償とは、完全補償(収用等の行為の前後において、財産的価値に増減がないようにすること)と解されている。
(2)憲法上の損失補償に当たるか
 難しい問題であり、事前に委員の方々の御意見を伺った際も見解が分かれたので、以下の説明では、(A)憲法上の損失補償とする立場と(B)憲法上の損失補償でないとする立場の双方について述べ、最終的な結論は留保している。
 (A)憲法上の損失補償とする立場
 損失補償の対象となる財産(権)の種類・性格については憲法上の限定はないと解し、すべての財産的権利が憲法上の損失補償の対象となり得るとする立場であり、これが通説のようである。
 この立場を著作物についてあてはめれば、著作権法により保護された財産が公共のために使用され、財産権行使の機会が減少するので、憲法上の損失補償が必要となる場合があることになる。
 (B)憲法上の損失補償でないとする立場
 憲法の保障する財産権は、所有権のように「自然権」的性質を有するものに限定され、著作権法による保護は立法によるもので、著作権の内容は法律により定められるので、その範囲を法律で定めることとしても憲法上の補償は要しないと解する立場である。
 もっとも、(A)の立場においても、公共のための財産使用がすべて損失補償となるのではなく、「特別の犠牲」がある場合に損失補償を要するというのが通説である。
 「特別の犠牲」かどうかを判断する場合の重要な要素は、財産の本来の効用とは何かということであり、「本来的効用」が当該収用等により妨げられているかどうかが損失補償の要否の基準となるとされている。
(3)損失補償の要否の具体的基準
 著作物の「本来的効用」が妨げられている場合かどうかを判断することは、困難な問題である。本論点メモでは、現行の著作権法において権利制限に対する補償が規定されている場合を参考にするという考え方を挙げたが、補償に関する著作権法の規定は、主として私人間の利用に関して個別に制限の目的・趣旨と損失を受ける程度・範囲との関係を考慮して設けられたものであり、そのまま基準とすることはできない。結局は、館の利用目的と損失の程度・範囲を具体的に考慮して判断されるべきであると考えられるが、この点は、議論をお願いしたい。
(4)国立国会図書館における利用と損失補償の要否
 「本来的効用」も補償の要否のひとつの要素であるから、財産権を使用する目的とそれによって生ずる損失の程度・範囲を相関的に考慮すべきである。
 まず、公共的施設における利用であることから直ちに、ネットワーク系に生じる損失について補償を要しないとすることは困難と考えられる。なぜなら、従来の出版物が頒布後、図書館等の公共的施設において利用されることを予定しているのと全く同様な意味で、ネットワーク系が公共的に利用されるという想定をすることは、現状では困難であり、ネットワーク系の公共的施設における利用は、著作権者・発行者に看過し得ない損失をもたらすおそれがある。
 しかし、館は、国立国会図書館法(以下「館法」という。)に規定された国政審議の補佐という特別の目的のためにネットワーク系を利用するので、限定された利用においては、補償を要しないということができるのではないか。少なくとも従来の出版物について補償なしに認められる範囲の利用については、損失補償の必要はないと考えられる。
 以上から、ネットワーク系を館が固定し、利用に供する場合において、損失補償が必要となるのは、次の①及び②の要件に該当する場合ではないかと考えられる。
 ①対象となるネットワーク系が複製・利用に対価の必要な著作物であること(ただし、対価不要の著作物であっても経済的利益を放棄しない意思表示がある場合を含む。)。
 ②公衆への送信等の広範囲の伝達及びデジタル形態による複製物の提供という態様で利用に供されること。
5 政策的な補償の要否
 憲法上の損失補償に上乗せして補償する必要がある場合であり、例えば、従来の出版物の1部に相当する費用を支払うのと同様に、少なくとも1回分のアクセスの対価を補償するといった考え方もあり得る。
 また、著作権法によって保護されないデータベース等の無体財産について、補償を考えることもあり得る。
6 憲法上の損失補償額の算定
 憲法上の損失補償であるとすると憲法第29条第3項の「正当な補償」が必要であり、その内容が問題となる。
(1)完全な補償
 正当な補償の内容として、納本制度においては、完全補償を要すると解されてきており、媒体により特別な考え方をとる理由が見当たらないので、ネットワーク系の収集及び利用に対する損失補償の場合にも、完全補償の考え方を前提とする。
(2)利潤相当額
 完全補償の考え方を採る場合において、問題となるのが利潤相当額を損失補償の対象とする必要があるかという点である。パッケージ系においては、相当部数が作成されるので代替性があり、納入すべき1部を含めて作成し、その1部はもともと販売が予定されていないとみなされるので、利潤まで補償する必要はないとされた。しかし、ネットワーク系においては、このような代替性を考えることはできず、また納入分と販売分とを区別することはできないので、利潤も含めた対価が完全補償の内容となると考えられる。
 補償の内容は、具体的には、次のとおりである。
 ①送信費用
 送信義務の履行に要する費用は、その履行行為に要した人件費及び物件費である。
 ②利用により生じる損失
 館が利用に供さなければ、得られたであろうネットワーク系へのアクセスの対価であるが、利用の態様により損失額の算定は異なり、どこまで損失補償を認めるのかが問題になる。
 得られたであろう対価の算定は、将来のアクセス回数の推定を含むものとなり、事業全体への補償となりかねない。その場合には、このような態様で館が利用に供することの意義が問われる。
7 政策的補償額の算定
 ネットワーク系の収集に対する拒否・拒絶を和らげる必要があることから、できる限り、憲法上の損失補償に近づけて考える必要がある。
8 営利事業への補償・その他
(1)営利事業としてのネットワーク系に対する補償
 この種の出版物の典型と考えられるデータベース、「電子ジャーナル」及び「電子書籍」を館内で公衆に利用させることは、パッケージ系の有料データベース、雑誌及び書籍の館内利用と特段異なるところはないということもできる。
 ネットワーク系のデータベースについては、固定せずに提供することが事業者の通常の意思であり、国による固定がその意思に反することになるので、固定拒否を認める制度にあっては、多くの場合、固定拒否の申出が行われるものと考えられるが、固定拒否の申出を行わず、補償を求める事業者が現れないとも限らない。
 ネットワーク系を固定した上で、利用態様として、例えば、公衆への無償の送信を行おうとする場合には、正当な補償を行おうとすれば、当該事業を収用するに等しいこととなる。このような態様によりネットワーク系を館が利用に供し、正当な補償を行うことは、妥当とはいえない。
 したがって、営利事業としてのネットワーク系は収集対象から除外するか、又は館における利用を著作権法の権利制限規定に基づき行い得る範囲内にとどめるべきかを検討しなければならない。なお、収集範囲から除外する場合には、収集範囲の設定が館の裁量によるものではなく、一般的に「やむを得ない」とされるだけの事由が必要である。
(2)補償請求者
 補償を請求できるのは、館の収集及び利用によって損失が生じた者であるが、発行者と著作権者双方に補償する場合には、それぞれの補償額をどのように算定するかが困難な問題となる。
(3)補償額算定の手続
 ネットワーク系への補償が従来の出版物の代償金とは著しく異なること、代償金と同様に個別・具体的事情を考慮して公平かつ公正な補償額を決定する必要があることから、例えば、学識経験者等を構成員とする諮問委員会を館に設置することなどを検討する必要がある。
9 国、地方公共団体、独立行政法人等に対する損失補償
(1)国
 私人において補償が必要とされる範囲の館による収集及び利用も含めて、国の内部の財産使用の問題は生じるが、損失補償の問題を生じない。
(2)地方公共団体
 国とは別の法人であるので、損失補償を検討する余地がある。だが、次の理由により、補償を要しない場合に当たると考えられる。
 平成16年2月13日納本制度審議会答申によれば、現行納本制度において地方公共団体の納入に対する補償が不要とされているのは、地方公共団体が出版物を発行する目的と館に納入させる「公用」の目的との間に共通性があり、当該納入による損失が「特別の犠牲」に当たらないと解される。
 これまで検討したところから、地方公共団体のネットワーク系の著作物を国が利用することにより、「特別の犠牲」があるか、いいかえれば、その著作物の本来的効用を妨げているかという観点から考えることが適当であり、地方公共団体の著作物は公的目的で作成・管理されていることから、「特別の犠牲」に当たらないと考えることができる。
(3)独立行政法人等
 「独立行政法人等」とは、国、地方公共団体の周辺にある法人で、納本制度において国、地方公共団体と同等の納入義務を課することが適当とされた法人である。
 これらの法人については、地方公共団体と同様に損失補償の問題が生じると考えられるが、上掲答申において地方公共団体の著作物と同様な収集及び利用に供する限りで、「特別の犠牲」に当たらないと考えることができる。
(4)有償アクセスの場合
 国等のネットワーク系においてアクセスに対価が必要である場合には、有償アクセスとする趣旨が特定の目的のために経済的利益を確保すること、例えば、国からの財政補助を減少させて自律的経営を目指すことにあれば、その目的を阻害しないためには、補償を行うことでは不十分か本質的解決とならない。
 したがって、ここでの問題は補償の要否でなく、収集除外の理由とすべきかということである。このような有償アクセスのネットワーク系については、館の裁量でなく「やむを得ない外的な事由」により収集対象から除外すべき場合に当たると考えることができる。〕
小委員長:  ありがとうございました。ただいまの説明で、確認したいことなどありましたら、どうぞ発言をお願いします。
委員:  資料3のパッケージ系答申について、これ自体は過去の答申なので、現在の調査審議内容に直ちに関わってくるものではありませんが、問題点を指摘しておきます。発行者の経済的不利益に関して論じた箇所(同答申37頁)に、「我が国の著作権法では、現在のところ、発行者に特段の権利が認められていないため、発行者は、出版物の利用に関し経済的利益を主張する法的根拠を有していない」との記述がありますが、発行者が著作権者との間で著作権法第79条第1項の規定に基づく出版権設定契約を締結している場合には、出版権は物権的な排他的権利なので、たとえ著作権者が出版権の内容となる利用行為を第三者に許諾したとしても、出版者(発行者)は自らの権利を主張することができます。ですから、設定出版権まで考慮に入れれば、パッケージ系答申の当該箇所の記述は正確ではありません。出版者と著作権者との間の契約が出版許諾契約に過ぎないのであれば、パッケージ系答申の記述のとおりですが。
専門委員:  まず1点目として確認したいのですが、論点メモ冒頭に記された議論の前提については、事務局と私との間で認識が違うように思います。そこには、「収集範囲を限定した通知義務(又は送信義務)に基づく収集については、これを採ることができないという第3回小委員会での到達点に立っている。したがって、収集範囲を限定せずに『事前公告』及び『固定拒否』を踏まえて収集する方法を想定して損失補償等について検討している」とあります。しかし、第3回小委員会で収集範囲を学術情報に限定するのは難しいという結論には至りましたが、そのことをもって直ちに通知義務に基づく収集を行うことができないという結論にはならなかったのではないかと認識しています。第3回小委員会では、議事録13頁にあるように、通知又は送信義務に代わる収集方法のあり方について、結論に至らなかったはずです。
 また、2点目として、第11回審議会においても指摘しましたが、「ネットワーク系電子出版物」の定義が委員・専門委員や事務局の間で一致しているとはいえないように思います。「ネットワーク系電子出版物」といったとき、ネットワークに流れる情報すべてを指すと考えるのか、いわゆる電子雑誌や電子ブックのように、従来の出版物と同等の内容を有しながら、ネットワーク上で配信されているような一定の範囲のものに限定して考えるのか、あいまいなままです。前者であれば、「ネットワーク系電子出版物」を収集するという場合には、インターネット上の情報すべてを収集するということになってしまいます。それとも、後者のように、何らかの限定があるのでしょうか。
事務局:  1点目について、収集範囲の学術情報への限定と通知義務はセットとして考えられておりました。したがって、収集範囲を学術情報に限定しないと結論付けたことに伴い、通知義務に基づく収集方法も採らないこととなったと理解しております。ただ、それに代わる収集方法については、結論が出なかったのはそのとおりです。表現の自由に配慮した収集方法の案について小委員会では、法制度の導入に必要なコスト、運用コストを考慮すると、契約による収集とそれほど異ならないとの意見も出されました。
 2点目ですが、ネットワーク上で流通する出版物として館が収集しようとしているものは、かなり広い範囲のものと考えられます。館法第24条第1項第7号には「前各号に掲げるもののほか、印刷その他の方法により複製した文書又は図画」、第9号には「電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつては認識することができない方法により文字、映像、音又はプログラムを記録した物」とあります。ここから明らかなように、館法第24条の「出版物」とは、特定の形態に着目した定義ではなく、内容に着目した概念だと考えられます。広い範囲の情報を対象として、それが何らかの形で「物」に固定されたものが従来の紙媒体の出版物やパッケージ系であり、ここには、本来ならばチラシのようなものまで含まれるのではないかと考えられます。もっとも、同条は、チラシ等の簡易なものを納入対象から除いていますが。このような広い範囲の情報がネットワークで送受信されれば、ネットワーク系ということになり、極めて広い範囲のものを想定していると解されます。この定義自体を見直さなければならないということになると、これまで積み上げてきた議論のやり直しにもなりかねません。
専門委員:  「広い」という場合に、具体的にどのくらいの範囲を指しているのかが問題です。今の説明だと、従来の紙の出版物については、チラシ等の簡易なものは納入対象から除かれているということでした。それでは、ネットワーク上でチラシに相当するようなものを除こうとすると、具体的にどの範囲のものを除くことになるのですか。その辺りの議論はあいまいなままです。概念を広くとることは構いませんが、具体的にどこまで広くとるのでしょうか。例えば、掲示板の書き込みや個人のホームページは、「ネットワーク系電子出版物」に含まれるのでしょうか。我々委員・専門委員の中にも認識の違いがあると思います。「出版物」とは何を指すのかをきちんと定義した上でこれからの議論をすべきだと個人的には思います。抽象的な定義が難しければ、具体的な例を並べるのでもよいと思います。
専門委員:  以前、日弁連の会則により弁護士の業務広告が厳しく規制されていたころ、弁護士が自分のHPを開設して、氏名や事務所の住所・連絡先を掲載すると、広告とみなされ、会則違反として懲戒の対象とされるのではないかと考えられていたことがありました。そこで、HPを開設する弁護士の中には、インターネット上のHPは広告ではなく、出版物であり、当然ながら弁護士にも表現の自由、出版の自由等の人権があるのだから、それを規制するのは人権の侵害であるという論法でHP開設の正当性を主張していた者もいました。こうした弁護士は、現在でも、インターネット上のHPは出版物だと主張することと思います。このように、何をもって出版物とみなすかは各人によって異なるのではないでしょうか。
委員:  著作権法では、「出版物」の範囲は狭く定められています。著作権法第80条第1項では、出版権の内容について、著作物を「印刷その他の機械的又は化学的方法により文書又は図画として複製する権利」と規定されており、これらの規定から、人間が視覚により直接認識できない電磁的著作物は、出版権の対象にならない、つまり、「出版物」ではないと解されています。この著作権法上の概念にしたがえば、ここでいう「ネットワーク系電子出版物」は、「出版物」ではなく、「電子的情報」とでもいうべきものでしょう。
専門委員:  そうすると、「ネットワーク系電子出版物」について調査審議してきたこれまでの我々の議論は、著作権法からみれば、誤りということになってしまうのですか。
委員:  そんなことはありません。著作権法に関する議論は、対象が「電子的情報」であっても、あてはまる場合がほとんどです。電子的情報も従来の出版物も、著作物であるという観点からみれば、異なるところはないともいえます。この点については、同一の著作物が紙の出版物として発行される一方で、電子的情報としてネットワーク上を流通するということを考えれば、容易にお分かりいただけるでしょう。著作物であれば、紙の出版物であれ、電子的情報であれ、著作権法の議論があてはまります。しかし、現行の著作権法は、ネットワーク系の収集及び利用に係る問題などを想定していませんから、同法中の「出版」の概念は本小委員会の議論とはかみあわないところがあります。したがって、ネットワーク系の収集及び利用に係る問題を考えるに際し、何をもって「ネットワーク系電子出版物」に当たるとみるべきかについては、著作権法上の概念に依拠する必要はなく、本小委員会において決めればよいと思います。
委員:  本論点メモの説明は、厳密に著作権法の観点からみると、逸脱するようなところがあるのですか。
委員:  そういうことはありません。先ほども述べたように、電子的情報でも、著作物であれば、著作権法の議論があてはまります。例えば、先ほど出版権設定に関するパッケージ系答申の議論について指摘しましたが、だからといって、パッケージ系答申の議論がすべて間違っているわけではありません。パッケージ系答申の記述に基づくパッケージ系における経済的不利益に関する論点メモの説明は、大筋では正しいものです。論点メモ1頁の2(2)では、パッケージ系における経済的不利益への対応について、①著作権者と②発行者とを分けて説明を行っていますが、パッケージ系は、著作権法上の「出版物」ではないとしても、著作物であれば著作権者が保護されることに変わりはありませんから、この議論は妥当なものです。ただ、発行者については、出版権が設定されていれば、経済的利益を主張する法的根拠を有することがあり得るということです。
小委員長:  かつてWeb日記と呼ばれていたものが、今ではブログと呼ばれています。さらに、Wikiのように、複数のユーザーが書き込み・書き換えや編集を行って、共同で一つのウェブ・サイトを作るという形態が現れてきています。こういうものは、「出版物」に当たるのでしょうか。また、著作権法の観点からみると、どのように説明されるのでしょう。
専門委員:  ネットワーク系を論じる際、著作権法の「出版物」の定義にとらわれる必要はないでしょう。そもそも「出版物」の概念自体がどの分野でも明確になっていないのではないでしょうか。
委員:  ネットワーク系は、「デジタルの著作物」とほぼ同義という位にとらえて考えればよいのではないでしょうか。本論点メモも、そのような考え方に立って記述されているように見受けられます。もっとも、デジタルの著作物の中から広告等を除くのにどのような定義が必要かは考える必要がありますが。
委員:  「デジタルの著作物」というと少し狭いのではないでしょうか。館が収集する出版物は、必ずしも著作物に限りません。むしろ、館が収集するものを「出版物」と呼べばよいのだと思います。この点は、現行の納本制度における従来の出版物の取扱いについても同じことがいえるでしょう。現行納本制度でも、「出版物」について厳密な定義が行われているとは思えません。
委員:  確かに、factは著作物ではありません。それも館が収集するというのであれば、「デジタルの著作物」という概念では、対象をとらえきれないことになります。
委員:  例えば、著作権法上、法令は権利の目的にならないとされていますが、法令集は出版物といってよいと思います。
委員:  本小委員会の議論における「出版物」の定義として、著作権法の規定を引いてくる必要はないと思います。著作権法第80条第1項の出版に関する規定は、戦前の旧出版法における出版に関する規定の文言をほぼそのまま踏襲したものです。旧出版法では、「化学的」という文言でなく、オランダ語のchemieに「舎密(せいみ)」と当て字をした古い文言を用いていますが。ですから、およそ現代におけるネットワーク系をめぐる議論に適した定義とはいえないのではないでしょうか。
専門委員:  先ほどの議論からすると、紙の出版物についても、館が収集しているものを「出版物」と呼べばよいということになるのでしょうか。しかし、紙の出版物の場合には、発行されたものすべてを収集しているのではなく、例えば、チラシのような簡易なものは納入対象から除外されています。収集対象から除外するものを館が決めているのです。この点、ネットワーク系について、館はどうするのでしょうか。
委員:  その辺りの細部については、制度の施行後、当面は館が運用により実務的に対応していくということ位しか、ここではいえないのではないでしょうか。
委員:  紙の「出版物」についてさえ、現行納本制度において定義が尽くされているわけではないと思われます。収集対象となるネットワーク系を完全に定義することは難しいのではないでしょうか。
委員:  しばらくの間、例えば、本年度においては、こういうものを「出版物」として館が収集しますということを国民にきちんと説明し、理解を得ていくとか、実務上は、そういうことを積み重ねて対応していくしかないでしょう。
専門委員:  法的概念としての「出版物」の議論は分かりますが、具体的にどのようなことになるかが問題です。現在論じている制度では、固定拒否権と消去権を認めています。ネットワーク系の定義があいまいなままだと、電子ブックなどについては、従来の紙の出版物と実質は同じなのに、発行者が固定を拒否できることになってしまいます。これでは、資料の収集と保存という館の使命が果たせなくなってしまうのではないですか。
委員:  先にも申しましたように、ここでいう「ネットワーク系電子出版物」の範囲は本小委員会で著作権法上の出版物とは関係なく決められるべきですが、著作権者等の権利義務に関しては著作権法と関係せざるを得ません。他方、ネットワーク系に固有の問題は他にもあります。ネットワーク上で配信される出版物の中には、コピープロテクションが設定されているものも多いでしょう。こういうものは、集めようにも集められないのではないですか。
専門委員:  DRM(デジタル・ライツ・マネージメント)システムにより著作権が保護されているものは、収集しても、暗号解読鍵がなければ利用できないでしょう。館内の機器を用いて閲覧に供しようというのであれば、強制的に暗号解読鍵を館に提出させることのできる法律がないと無理です。
小委員長:  そのような場合について、すべて損失補償を行うとすれば、予算的に対応できませんし、事務局の説明のように、国がそのような事業の収用に等しいことを行うのが妥当なのかという疑問も出てくるでしょう。そうすると、収集対象から除外すべきかということになりますが、それも妥当でないと思います。収集した上で、利用態様を館内閲覧のみにとどめるなどして限定することにより、対応できれば、それが最も望ましいのではないでしょうか。
専門委員:  その場合には、ネットワーク系でも来館しないと閲覧できないということになるわけですね。
委員:  利用態様を限定しないと、納入する発行者がいなくなってしまうおそれがあります。
専門委員:  館内閲覧にとどめるとか、どこかで利用態様に縛りをかけないと、損失補償額の算定も不可能になってしまいます。発行者も、どの程度利用されるのかが把握できなければ、納入しても差し支えないかどうか判断がつかないのではないかと考えられます。
専門委員:  「収集」についてですが、複製物を所有することをいうのか、利用のライセンスを持つことをいうのか、あるいは、両方を含むのか、何をもって「収集」というのかという「収集」の概念自体も問題になります。保存するためには複製物の所有が必要になります。単に保存するだけなら、出版社が事業から撤退するときに複製物をもらえばいいということもいえます。一方、利用者にサービスするだけなら、ライセンスだけあればよいことになります。
専門委員:  館が考えているのは、複製なのですか、ライセンスなのですか。
委員:  館に固定しようというのですから、複製でしょう。
事務局:  そもそもネットワーク系の収集を検討することとなった背景には、ネットワーク上の情報が出版社等の発信者の倒産などにより掲載されなくなってしまう事態がしばしば起こっているということがあります。そういった日々消えゆくネットワーク上の情報を保存していく必要があるという問題意識がまずありますので、複製(固定)が必要だと思われます。出版者が掲載を止めるときに納入してもらうというのでは不安定なので、掲載時に納入してもらうという制度の創設を検討していただいているわけです。
小委員長:  例えば、ネットワーク系の中の情報がすべて暗号化されているとします。この場合には、固定はできますが利用することはできません。利用するためには暗号解読鍵が必要ですが、暗号解読鍵の中には、一回ごとに変更されるので、利用する度に発行者から提供を受けなければならないものがあります。この種の暗号解読鍵が必要なネットワーク系の場合には、発行者が倒産したり、当該のネットワーク系の配信の中止とともに暗号解読鍵の提供をやめてしまったりすれば、館に情報を固定してあっても利用できなくなってしまいます。
専門委員:  暗号解読鍵の中で、一回入手すれば何度でも使用できるのではなく、利用のたびに入手する必要があるタイプのものは、御指摘のような問題が生じます。情報が消えてしまうという点について補足しますと、原因は、倒産などの出版社の問題に限りません。プロバイダがクラックされたり、停電が起こったりしてサーバーがダウンしてしまい、そこにあった情報が消滅してしまうということも起こり得ます。消滅してしまった情報が誰からもアクセスされず、複製もされていなかったら、全く後に残らないことになります。こうしたことが起こり得ることを考えれば、出版者やプロバイダに不測の事態が生ずる前に、館がネットワーク系を収集・保存しておくことには意味があるといえます。
小委員長:  データを固定して保存していても、暗号化されていたりして利用できないのでは問題ではないですか。
専門委員:  法律の定め方の問題ではないですか。暗号化などされていないオリジナルの状態で納入させるとか、コピープロテクションが設定されているものは解除させるとか、そのような権限を館に付与するような法律を制定するしかないでしょう。
委員:  以前、パッケージ系について議論したときも、似たような問題がありました。媒体の規格等に変更があると、変更前の媒体に対応した閲覧用機器も生産されなくなってしまいますが、館が保存している規格変更前の媒体に固定されたパッケージ系は、それに対応した閲覧用機器がなければ利用できません。そのため、パッケージ系については、対応するハードウェアも併せて納入させる必要があるのかといったことが問題になりました。出版物の納入に当たり、様々な技術的問題が起こるという事態は、既にパッケージ系についても生じています。
委員:  この分野は技術の進歩が非常に早いですから、将来起こり得ることすべてに対応できるように細部まで制度設計を行うのは無理でしょう。今できる範囲のことを決めておくしかないのではないですか。
専門委員:  しかし、DRMや暗号化については既に現実的な問題です。既に分かっているものについては、利用を可能にするための解除等の権限が必要な限りにおいて館に付与されるように、きちんと範囲や要件を限定して法律中に規定しておく必要があるのではないですか。
委員:  間もなく退席しなければならないので、ほかに、いくつか論点メモの中で気になったことを指摘させていただきます。19頁に「複製・利用に対価が必要な著作物」と「対価不要の著作物」という記述がありますが、複製・利用に対価が不要な著作物というものはあり得ないと思います。この「対価不要の著作物」というのは、18頁の「著作権法上、権利制限に対して補償がなされるべきことが規定されている」規定についての記述を受けているように思われますが、ここに挙げられている諸規定は、利用が特殊な態様で行われるために、補償をしなさいと定めているものです。著作権法では、補償すべきかどうかは、あくまで利用の際の行為態様との関係で決まっています。補償規定がないからといって対価不要ということではありません。例えば、公衆送信権には補償規定がありませんが、権利が制限されている同一構内の送信を除き、著作物の公衆送信にはすべて対価が必要です。権利制限に対する補償を定める規定を挙げている*印の注を含めて考えてみると、これら論点メモの18頁~19頁の記述は誤解を生むのではないですか。
専門委員:  クリエイティヴ・コモンズのライセンスには、複製・利用を自由に無償でできるという設定があったと記憶しています。この論点メモにいう「対価不要」とはそういった趣旨なのではないですか。
委員:  それは、著作権者が複製・利用を許諾しているということでしょう。
専門委員:  そうです。著作権者が対価を徴収する権利を放棄しているといっても同じことです。
事務局:  論点メモ19頁で「対価不要の著作物」といっているのは、自由に無償でアクセスできる情報という意味で使っております。著作権者が対価不要としているということです。論点メモ19頁の「複製・利用に対価が必要な著作物」、「対価不要の著作物」という箇所は、16頁3(2)の「①対価を払わなければその複製物が入手できず、利用もできない場合であれば、得られたであろう対価に相当する額は損失と評価できる」、「②これに対して、対価なしに複製・利用できる場合には、経済的利益をあらかじめ放棄する意思が推定できるので、損失は生じていないと評価できる」という部分と対応していると考えていただきたいと思います。論点メモの記述をもう少し分かりやすくできるか検討してみます。
委員:  著作権者本人が権利を放棄しているということですか。それならば分かります。
〔紋谷委員退席〕
専門委員:  「複製・利用に対価が必要な著作物」とは、具体的には、電子ブックや電子ジャーナルをイメージすればよいのですか。
事務局:  そう考えていただいて結構だと思います。
専門委員:  利用開始後何日間かは対価不要だけれども、一定期間をすぎると有料になるという著作物はどうなるのでしょうか。「複製・利用に対価が必要な著作物」でも、「対価不要の著作物」でもない範疇の著作物も存在するということですか。
専門委員:  シェアウェアのようなものでしょう。
専門委員:  対価の徴収の仕方には様々なタイプのものがあります。
専門委員:  対価の支払いが任意というものもあります。これは、一種の“donation”になるのでしょうか。
委員:  ここでの問題は、任意の契約により収集するのではなく、法的強制力を伴う制度に基づいて収集する場合において、憲法上の損失補償が必要なのか、憲法上は損失補償の必要はないけれども、政策的に補償すべきなのかということです。憲法上の損失補償に関しては、もちろん館の利用態様にもよりますが、原則として私は不要だと思います。「特別の犠牲」がある場合に憲法上の損失補償を要するという通説からみても、薄く広く負担を求める場合には補償は不要というのが結論です。
専門委員:  現行の納本制度では代償金を支払っているのに、ネットワーク系については不要ということになるのですか。
委員:  現行の納本制度では、物を納入させたことに対して補償しているのだと考えられます。
専門委員:  現在の知的財産重視の流れからみれば、物に劣らず知的財産の価値も評価すべきなのではないですか。
委員:  すべての人に対する負担というのは、競争上平等であるといえます。製作段階で1部納入することが予め分かっているのですから、その損失は各製作者が出版物の価格に転嫁することができるのです。そうである以上、損失というのは考えられません。経済的観点からも損失補償が不要ということは十分説明できます。ここでの補償は納入を促すためのインセンティヴを与えるための政策的な補償であると考えればよいのではないですか。
専門委員:  納入すれば代償金が支払われる紙の出版物と同一の内容のものがネットワーク系として流通することになると、収集及び利用に対する損失補償が憲法上は不要になってしまうのですか。
委員:  私は、そう思います。
委員:  私は、むしろ、現行の納本制度の代償金も支払わなくてよいと考えます。補償をするにしても、憲法上の補償という必要はなく、政策的な補償であるとすればよいのではないでしょうか。代償金に関しては、現に支払われているのですから、その性質について憲法上の損失補償なのかどうかを論ずる必要はないと思います。
専門委員:  館の場合、予算の制約がありますから、代償金も支払える額には限度があると思います。仮に代償金が支払えない場合には、収集しないということもあり得るのですか。
事務局:  本来は、代償金の予算が不足しているから、納入しなくてよいということにはならないと考えられます。
 ところで、委員に確認したいのですが、ネットワーク系の収集及び利用に対して憲法上の損失補償は全く不要といってよいですか。
委員:  もちろん、利用態様には一定の限定が必要だと思います。館外への公衆送信やダウンロードまで無償で行うこととすれば、薄く広い負担とはいえなくなってきます。来館した利用者だけに利用させるということであれば、そこから生ずる損失は補償を要するほどのものではないといえます。館には、収集した資料を国民の利用に供するだけでなく、資料を保存するという使命がありますから、利用をある程度限定せざるを得ないとしても、ネットワーク系を収集する意義は十分あると考えられます。
小委員長:  ただいまの御意見では、館内に限定して利用に供するのなら、憲法上の損失補償は不要ということですね。
専門委員:  私もそのとおりだと思います。利用態様を限定しなければ、補償が必要になるでしょう。しかし、利用態様が限定されていなければ、補償額の算定も困難です。
小委員長:  ネットワーク系の利用を館内だけに制限するのであれば、収集の際の困難も減少するということですか。
事務局:  委員の先生方にもう1点質問があります。著作権法では、プログラムの著作物に関する限り、同一構内であっても、無許諾で送信を行えば公衆送信権の侵害となります。電子出版物については、プログラムの著作物としての性質を有すると評価される可能性が高いと考えられますので、館内でのLANを介した送信でも著作権侵害となるおそれがあります。そのため、館では、パッケージ系を利用に供するに当たり、スタンドアローンの機器を用いています。ネットワーク系についても、本小委員会において議論していただいた結果、プログラムの著作物に当たるとの結論が得られたと認識しておりますが、パッケージ系と異なり、利用態様を館内閲覧に限るとしても、館内LANを介した送信行為が必要な場面が予想されます。したがって、公衆送信権を侵害せずに館がネットワーク系を利用に供しようとすれば、必要な限りにおいて権利制限を検討する必要があると考えられます。そこでお伺いしたいのですが、立法措置により公衆送信権の一部を制限する場合には、損失補償の必要があるのでしょうか。
委員:  利用態様が限定的であって、プログラム著作物の市場価値を下げるようなものでなければ、補償は不要であると思います。著作権法上、様々な権利制限規定がありますが、だからといって、国が損失補償をすることにはなっていません。それと同様に考えておけばよいのではないですか。なぜ権利制限を行っても補償が不要かといえば、法律による権利制限は、「特別な犠牲」に当たらないからです。
専門委員:  東京本館と関西館との間でも権利制限規定に基づき無許諾で送信してよいということになれば、実質的に、館が同じ出版物を2部所蔵しているに等しいことになると思いますが、それでも補償不要といってよいのでしょうか。
委員:  それは立法政策の問題であって、法律でそのような権利制限を行うと規定するのであれば、補償は不要でしょう。
小委員長:  そうすると、各市町村に館が分館を作ったらどうなりますか。今の説明にしたがえば、それらの分館へのネットワーク系の送信は、すべて公衆送信権侵害に当たらず、補償も不要ということになりそうですが、それでよいのですか。
専門委員:  それは、ネットワークを通じて館外に送信したのと変わらない結果になりますから、さすがに補償が必要ということになるでしょう。予算的に支払える額かどうか問題です。
専門委員:  パッケージ系では、ユーザーがスタンドアローンの機器で利用するのか、それともLANを介して複数の端末で利用するのかにより、同じものでも、対価が相当異なります。電子出版物の発行者にとって、送信とは、そのくらい重大な経済的影響が及ぶものです。せっかく館がネットワーク系を収集するのであれば、きちんと補償を行った上で、利用者への十分なサービスを行うことが望ましいという考え方も、個人的には分からなくはないですが、やはり、発行者の立場を考えると、無償で館外送信されては困るだろうと申し上げざるを得ません。
専門委員:  ネットワーク系については、利用者による1回の利用ごとに館が料金を徴収し、発行者に支払うとでもいうのならともかく、そうでないのだったら利用を館内に限定するしかないでしょう。
委員:  利用を館内に限定すれば、それによる損失はおそらくわずかなもので済みます。ネットワーク系の収集・保存については現在インターネット上に存在している情報から行うことになるのでしょうが、それらの情報は、現在ならばどこからでもアクセスできるものなので、わざわざ館に来てまで見ようとする利用者はほとんどいないでしょう。もちろん10年位の時間が経てば話は変わってきますが。
小委員長:  そうすると、ネットワーク系の収集は、むしろ、保存することに意義があるということになりますか。
事務局:  もう1点、委員の先生方にお伺いしたいことがあります。先ほどの論点メモに基づく事務局の説明では、ネットワーク系の利用が限定された態様で行われるのであれば、補償を要しないと考えられる理由として、館法に規定された国政審議の補佐という館の特別の目的を挙げていましたが、利用態様が限定されていれば、このような特別な目的をあえて挙げなくても、補償を要しないと考えることは、可能でしょうか。
委員:  そうだと思います。
事務局:  逆に、例えば、館法を改正して、ネットワーク系の利用の目的として「公用」のような特別なものを掲げれば、利用態様を多少拡大することも可能となり得るのでしょうか。
委員:  特別の犠牲というのは、憲法の解釈の指針として論じられているものですから、そう簡単には変わりません。法律である館法を改正しても、憲法上の問題の結論が変わり、特別な犠牲に当たらなくなるとか、補償を要しないことになると解することは難しいと思います。
事務局:  御意見を参考にして、論点メモを再検討することといたします。
小委員長:  補償の問題については、この辺りでよろしいでしょうか。それでは、次の調査審議事項に移りたいと思います。
 
(2)義務履行確保
小委員長:  次に、義務履行の確保に関する論点に入ります。
 事務局から説明をお願いします。
事務局: 〔資料2に沿って説明。
 ネットワーク系の制度的収集は、私人に対して何らかの法的義務を課することを前提としているので、その義務履行確保のための何らかの制度を設ける必要があるかどうか検討の余地がある。館は立法府に属する機関ではあるが、国民に義務を課する作用を担う限りにおいて、行政上の権利義務関係が成立していると考えられる。行政上の義務履行確保の制度を設けるためには、私人の権利侵害を伴うことになるので、法律上の根拠が必要である。
 現行納本制度においては、納入義務の不履行に対して、館法第25条の2の規定により過料という行政罰(「秩序罰」)が置かれているものの、将来の義務履行確保の手段は設けられていない。このように、現行納本制度に秩序罰が設けられていることについては、納本制度が発行者の納入義務履行に依存しており、義務履行がなされない状態を放置すると納本制度の障害となる危険があるからと考えられる。
 しかし、ネットワーク系の場合には、発行者等の作為を待たずに自動収集により収集することが相当程度可能という特質があり、受忍される限りで制度目的は達成されるので、この受忍義務に関しては、義務履行の要素は極めて希薄である。
 自動収集では収集できない場合に課される送信義務については、履行されないことになれば制度の実効性を確保する上で問題であるが、もともと固定拒否の意思を尊重しつつ義務を課そうとするものであるから、秩序罰をもって、履行を間接的に強制することは、制度の根本に適合しないおそれがある。
 このように、ネットワーク系の収集制度においては、現行納本制度に相当する程度の秩序維持の必要性は認められない。
 なお、一般的な強制方法である代執行は、代替的作為義務の実現を図るものであり、ネットワーク系の収集制度における義務には、これに該当するものがない。
 結論としては、ネットワーク系の制度的収集においては、義務履行確保のために罰則等何らかの制度を設ける必要性はないものと考える。〕
小委員長:  ありがとうございました。ただいまの説明で、確認したいことも含めて、御意見をお願いします。
専門委員:  私は、この義務履行確保の制度について、事務局による説明の結論に大筋では賛成なのですが、細かい点で難しい問題があると思いますので、今の段階で結論を出さず、少し考えてみる必要があるのではないかと考えます。その理由としては、館による収集を妨害し、義務を回避するために、例えば、自動収集を妨害するロボットを稼動させたり、無意味なファイアウォールやトラップを設定するような者が現れるのではないかということを危惧しているからです。こういう者に対する罰則等については、どう考えるべきなのでしょう。業務妨害として対応すればよいのでしょうか。
委員:  義務がないというのであればともかく、法律上の義務に基づき行われていることに対して、そのような妨害行為をすることは刑法上の偽計業務妨害(第233条)に当たると解されます。
 ネットワーク系の制度的収集における私人の義務履行確保の手段については、義務に代替性がなく、行政代執行法の要件に該当しませんので、仮に何らかの制度を設けるとしても、過去の義務違反に対して過料を課するぐらいしかできないのではないでしょうか。
委員:  あえて何か制度を設けるにしても、制度を担保するために、名目的というか、象徴的な意味で過料を設けることぐらいしか考えられないのではないかと思います。
専門委員:  先ほどの事務局の説明では、代執行については、代替的作為義務の実現を図るものであるところ、ネットワーク系の収集制度における義務にはこれに該当するものがないので、代執行を検討する余地がないということでした。しかし、発行者がファイアウォールの設定等により収集を妨害しようとする場合には、プロバイダからルート・アカウントのパスワードを提供させ、ファイルをコピーしてしまえば、用は足りてしまいます。つまり、実は、プロバイダを通じて代執行を行うことは可能なのではないかと思うのです。
委員:  なるほど、その場合には、プロバイダは名誉毀損の謝罪広告における新聞社のようなものです。相手方に謝罪広告を出す義務があるにもかかわらず、履行しない場合において、相手方に代わって自分で新聞社に謝罪広告を掲載し、費用を相手方から徴収するのと同じような仕組みとなります。しかし、そうだとしても、現行の行政代執行法の手続は、ネットワーク系の収集という目的のためには、あまりに時間と費用と手間がかかり過ぎます。別の制度を作る必要があります。
委員:  別の制度を作る場合には、義務を課されている者からの金銭徴収により最終的な解決を図れるような仕組みが妥当だと思います。
専門委員:  このような問題があるということを指摘しておきたかったので、申し上げましたが、私自身は、代執行を行うべきだなどというつもりは全くありません。事務局による説明の結論自体は承認できるものだと思います。
専門委員:  23頁の表に「自動収集では固定できない場合に限り送信義務を課する」とありますが、対価を支払わないとパスワードが付与されないような有料サイトは自動収集の対象なのですか。
事務局:  自動収集では、そのような有料サイトは収集できませんから、対象外です。固定拒否の申出がなければ、送信義務を課して送信してもらうことになります。
委員:  発行者等の固定の意思を尊重して固定拒否の申出を受け付けるというのですから、この仕組みは、そもそも義務を課していることになるのか疑問です。
専門委員:  このように固定拒否を認めてよいのでしょうか。ネットワーク系の収集は、保存に意義があるのではないですか。これでは、保存のための収集はできないと思います。
専門委員:  現状では、組織的なネットワーク系の収集を行っているところはないのですから、このような仕組みを設ければ、固定拒否する者がいたとしても、現状よりは前進であるとも考えられます。
専門委員:  私もそう思います。このような仕組みを設けることには、保存、バックアップという点で意味があると考えます。
専門委員:  仮に、すべての出版社が固定拒否の申出をしてくるようなことになったら、どうするのですか。
専門委員:  むしろ、出版社は、自らの出版物のバックアップのデータを保存するのに苦労をしていますから、このような仕組みが整えられれば、バックアップのために納入するところは少なくないのではないかと思います。
委員:  ところで、ネットワーク系の収集のために法的義務を課する場合には、館には保存の義務が生じるのでしょうか。そうだとすれば、館は、ネットワーク系の保存に当たり、例えば、民法上の善管注意義務のような管理責任を負うことも考えられます。紙媒体の出版物については、保存技術の蓄積があるので、相当程度の責任をもって管理するということがいえるのではないかと思いますが、デジタルデータの保存技術というのは、どの位確立されているのですか。
専門委員:  デジタルデータの保存技術はまだ固まっていない状態です。したがって、どこまで責任をもって管理するということができるのか明確ではありません。
専門委員:  現段階では、日々消え行くネットワーク系を収集することが急務であって、その保存については、収集した後に考えるしかないということでしょう。
委員:  収集後のネットワーク系の管理について技術的に不確定な要因が多いという現状では、義務履行確保のための強制手段を論じるだけの機が熟していないというべきではないですか。
専門委員:  保存や利用のために特別の設備・機器を要するようなネットワーク系については、館の環境が直ちに受け入れることができない状態にあるかもしれません。
小委員長:  それでは、この問題については、論点メモにあるように、過料も含めて強制履行手段は設けないことが妥当という御意見が多いようですので、その方向で了承されたものとします。
 
3 第5回小委員会の調査審議の内容及び今後の日程等
小委員長:  次、会次第3の第5回小委員会の調査審議内容と今後の日程に移ります。まず事務局から、第5回の調査審議内容について、説明をお願いします。
事務局: 〔資料6に基づいて説明。
 第5回小委員会の調査審議内容として、収集方法と小委員会報告のまとめの2点が挙げられる。
(1)収集方法について、
 第3回小委員会では、資料1の議事録12頁~13頁にあるように、結論が出なかった。この点について小委員会としての結論を確定する必要がある。配布した資料に基づき説明する。
 まず、第3回小委員会開催当時からこれまでの間に館をめぐる状況に変化があった。政府の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部、いわゆるIT戦略本部が本年6月15日に「e-JAPAN重点計画2004」を決定した。同本部は、高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(平成12年法律第144号)第25条の規定に基づき設置されたものだが、この重点計画の中で館の役割について言及があった。資料10の同計画抜粋のⅡ.〔1〕2005年の目標達成への施策の重点化の〔1-1〕加速化5分野の一つとして、「3.コンテンツ政策の推進」が揚げられ、その具体的施策の中の「政府コンテンツのデジタルアーカイブ構想と一般利用の拡大」において、「国立国会図書館における政府刊行物アーカイブ構築及び同図書館のウェブページ・アーカイブを活用した政府各機関ホームページの長期的保存」等の館の役割が記述された。このように、同計画においては、館によるウェブページ・アーカイブ構築が期待されており、館としても、立法府の機関ではあるが、こうした行政の動きに協調していく方向で、私人のものも含めたネットワーク系の制度的収集を考えざるを得なくなっている。
 第3回小委員会では、収集範囲を限定した上で通知義務(又は送信義務)に基づき収集する方法は、館の設置目的などの法的観点からみて採用困難ということになったものの、それに代わって示された収集方法については、任意的収集(契約)とのコスト比較等の観点から、委員の間に異論があり、小委員会としての結論に至らなかった。しかし、「e-JAPAN重点計画2004」が決定されたことにより、制度的収集の方法を再検討する必要があるということである。
 次に、6月2日の第11回審議会において、第3回までの小委員会における調査審議経過の報告に対する意見として、資料8の50頁にあるように、第3回小委員会で示された収集方法に対して、人格権に配慮して固定されたネットワーク系の消去を求める権利(消去権)を一定期間認めるべきであるという意見をいただいた。その際の議論を参考にして、第3回小委員会の論点メモに修正を施したものが資料7である。「表現の自由に配慮したネットワーク系電子出版物の収集方法」を附属の図のとおり改め、固定拒否の申出期間経過後一定期間、固定されたネットワーク系の消去を求める権利を認めることとし、その代わり仮固定・再度の公告は行わないこととした。これは、比較的短い期間内に申出の機会を二度設けても実質的な権利保護に資するところが少なく、また、仮固定されたかどうかを発行者等が確認することに困難があり、それよりも、一定期間の消去権を認めたほうが実質的な権利保護につながるという理由による。また、収集のためのコストがかかり過ぎないという点も考慮している。
 第5回小委員会では、この図に示した方法が制度的収集の方法として妥当かということについて、議論をお願いし、結論を出していただきたい。
(2)小委員会報告のまとめについて
 諮問事項本体については、ネットワーク系を納本制度に組み入れないことが適当という結論が旧小委員会の報告を受けて第7回審議会において既に了承されている。本小委員会は、この結論を前提とし、組み入れない場合の制度的収集の範囲・方法等についての法制度的検討を任務としているので、小委員会報告は、諮問の理由中の収集範囲・方法に関する部分を取り扱うこととなる。
 本日の議論も踏まえて事務局で案を作成し、第5回小委員会の前にあらかじめお示しして御意見を伺いたいと考えている。また、本日の調査審議内容である損失補償及び義務履行確保についても、確認させていただくことがあるかもしれないので、よろしくお願いしたい。〕
小委員長:  以上の説明にもありましたように、第3回小委員会では収集方法について結論に至らなかったわけですが、事務局から、再検討用の資料が用意されています。本日は、欠席されている委員がおりますので、ここで結論を出すというのではなく、まず、次回までに、後日送付するという事務局からのまとめ案も含めて資料を読んでいただいて、次回の審議に臨んでいただくことにしたいと思います。
小委員長:  最後に、今後の日程について、事務局の説明をお願いします。
事務局: 〔資料11に基づいて説明。
 この日程表は第11回納本制度審議会のときに配布したものと同じものである。第5回小委員会の開催日時については、本日の議論を踏まえて事務局が資料を整えた上で、委員・専門委員の都合を伺い、決定することとしたい。その後、第12回審議会において小委員会報告を承認していただくという予定である。第12回審議会において答申まで行うか、第13回審議会を開催するかについては、審議会における今後の調査審議の進捗状況を見ながら今後検討するということになり、現時点では未定である。〕
小委員長:  欠席の委員がいらっしゃいますので、次回小委員会の日程は、ここでは決められませんが、おおよその日取りとして9月終わりから10月を想定しておくということでいかがでしょうか。事務局は、資料の準備等の目途がついたところで、委員・専門委員の御都合を伺って日程を決めてください。
小委員長:  本日は、これで終了いたします。次回は最終回となりますので、御出席よろしくお願いいたします。皆様お疲れ様でした。
〔閉会〕

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