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トップ > 国立国会図書館について > 納本制度審議会 > 第22回納本制度審議会議事録

第22回納本制度審議会議事録

日時:
平成24年3月6日(火)午後2時~3時
場所:
国立国会図書館 本館4階特別会議室
出席者:
中山信弘会長、濵野保樹会長代理、石﨑孟委員、遠藤薫委員、角川歴彦委員、岸本佐知子委員、北川直樹委員、福井健策委員、藤本由香里委員、山﨑厚男委員、山本隆司委員、湯浅俊彦委員、大久保徹也専門委員、三瓶徹専門委員
会次第:
1. 開会の挨拶
2. オンライン資料収集制度化の検討状況について
3. オンライン資料の補償に関する小委員会における調査審議の経過及び中間報告書に関する報告
4. 納本制度審議会中間答申「オンライン資料の制度的収集を行うに当たって補償すべき費用の内容について」(案)について
5. 事務局からの報告(代行手数料の改定及び資料納入の現状について)
6. 今後の日程について
7. その他
8. 閉会
配布資料:
(資料1)第21回納本制度審議会議事録
(資料2)納本制度審議会委員・専門委員名簿
(資料3)オンライン資料収集制度化の検討状況について
(資料4)オンライン資料収集運用想定資料(平成23年12月7日説明会資料)
(資料5)納本制度審議会オンライン資料の補償に関する小委員会中間報告書要旨
(資料6)納本制度審議会オンライン資料の補償に関する小委員会中間報告書
(資料7)中間答申「オンライン資料の制度的収集を行うに当たって補償すべき費用の内容について」(案)
(資料8)今後の日程(案)
(資料9)国立国会図書館法(昭和23年法律第5号)(抄)
(資料10)納本制度審議会規程(平成9年国立国会図書館規程第1号)
(資料11)納本制度審議会議事運営規則(平成11年6月7日納本制度審議会決定)
(資料12)国立国会図書館法第二十五条の規定により納入する出版物の代償金額に関する件(昭和50年国立国会図書館告示第1号)
(別冊)平成16年12月9日付け納本制度審議会答申(写し)
 ネットワーク系電子出版物の収集に関する制度の在り方について
 平成22年6月7日付け納本制度審議会答申(写し)
 オンライン資料の収集に関する制度の在り方について

議事録:
(会次第1)開会の挨拶
会長:  定刻を若干過ぎましたので、第22回納本制度審議会を開催いたします。委員の皆様にはお忙しいところ御出席くださいまして、ありがとうございます。
 本日は、15名の委員中12名の委員に御出席をいただいておりますので、定足数は満たされております。また、本日は専門委員の方2名にも御出席いただいております。
 会次第にはございませんけれども、ここで、昨年9月の第21回納本制度審議会の議事録の取扱いにつきまして、事務局から説明をお願いいたします。
収集書誌部長:  着席のままで失礼いたします。当該議事録につきましては、納本制度審議会議事運営規則第16条に基づき、前回出席された委員の皆様方の御確認、御了解を得まして、当館ホームページ上において既に公開させていただいております。以上でございます。
会長:  ありがとうございました。それでは初めに、事務局から、配布資料の説明をお願いします。
事務局: 〔配布資料について説明。〕
会長:  ありがとうございました。お手元の資料に不足はないでしょうか。それでは、お手元の会次第に従いまして、審議会を進めて参ります。
 
(会次第2)オンライン資料収集制度化の検討状況について
会長:  それでは、会次第の2「オンライン資料収集制度化の検討状況について」に入ります。事務局から報告をお願いいたします。
総務部副部長:  それでは御報告いたします。13ページの資料3「オンライン資料収集制度化の検討状況」をご覧ください。
 前回(第21回)の納本制度審議会でも申し上げましたとおり、オンライン資料の収集に関する制度の在り方については、平成22年6月7日付で納本制度審議会から答申をいただいております。当館ではこの答申に基づいて、平成22年秋以降、この制度の具体的な在り方について検討し、関係者への説明を行ってきたところでございます。
 昨年(平成23年)の12月7日に、電子書籍関連の業界団体を対象として、オンライン資料の収集制度化に関する説明会を開催し、制度案及び具体的な運用想定について説明するとともに、業界団体の皆様に、制度案等に対するご意見をお寄せいただくようお願いしました。説明会には20団体58名の方の参加があり、うち4団体から御意見をいただきました。
 頂いた御意見や説明会での質疑応答等を踏まえて、館内で検討を行いました結果、一部に反対意見はあり、また制度の細部については様々な御意見があるものの、国立国会図書館法の改正により、当館がオンライン資料を制度的に収集することを大枠で規定することについては、概ね関係各団体の御理解が得られていると考えられました。
 このため、当館としては、オンライン資料の収集制度化に関する国立国会図書館法改正案について、平成24年通常国会、即ち現在開会中の国会で御審議いただきたいという結論に達し、現在、これに向けた準備を行っているところでございます。仮に、改正案が今国会で成立した場合には、一定の周知期間を置いた上で、平成25年中に施行していただきたいと考えております。
 次に、前回の審議会での説明と重複する部分もございますが、現時点の具体的な制度案の内容について簡潔に御説明いたします。資料3の1ページ目中ほどにございます「制度的収集の内容」の項目を御覧ください。
 オンライン資料の収集制度化は、平成22年6月の納本制度審議会答申を受けて、納本制度を出版物のオンライン化に対応させる必要から行うものです。収集対象は、インターネット等の送信手段により発行される民間の電子情報のうち、図書又は逐次刊行物に相当するもので、主に発行者からの送信又は送付により収集いたしますが、発行者との合意があれば、自動収集によることもあります。
 収集したオンライン資料の利用については、専ら館内利用、具体的には館内閲覧及び紙へのプリントアウト、これは複写でございますが、に限って提供することとし、オンライン資料自体を複製して利用者に提供すること、或いはオンライン資料をデジタルの形式で他の機関に配信すること等は行わない想定です。
 オンライン資料を送信・送付等により提供した者に対しては、そのオンライン資料の提供に通常要すべき費用に相当する金額、これを当館側からいえば、資料3のように、収集のために通常要すべき費用に相当する金額ということになりますが、これを交付することとしております。この補償の対象、補償額の具体的な水準及びその適正な算定方法については、当審議会において現在、御審議いただいているところでございます。
 次に、資料3の2ページ目の「2.主な論点」の項目をご覧ください。関係者への主な説明の過程では、具体的な収集対象の特定、収集時のフォーマットの取扱い、収集時のDRMの取扱い、補償のあり方等が主要な論点となりました。特に収集時のフォーマット、DRMの取扱い等については、現時点でもなお、協議を継続すべき問題として残されております。こうしたオンライン資料の収集範囲、収集方法等に関する細部の実務的な事項につきましては、当審議会からの答申を踏まえて関係者間で協議の上、決定していくことを予定しております。現在、協議の開始に向けて準備を進めているところでございます。
 収集制度案及び運用想定の詳細につきましては、資料4を御覧ください。
 以上でございます。
会長:  ありがとうございました。ただいまの事務局からの報告について、何か御質問・御意見ございましたら、お願いいたします。
 よろしいでしょうか。それでは、次に進みます。
 
(会次第3)オンライン資料の補償に関する小委員会における調査審議の経過及び中間報告書に関する報告
会長:  次は、会次第の3でございます。昨年9月20日の第21回納本制度審議会におきまして、当審議会は、国立国会図書館がオンライン資料の制度的な収集を行うに当たって補償すべき費用の内容について長尾館長から諮問を受け、これに関して審議会が必要とする専門的事項を調査審議するために、「オンライン資料の補償に関する小委員会」を設置いたしました。本日は、小委員会における調査審議の経過及び結果につきまして、福井小委員長から中間報告をお願いいたします。
小委員長:  それでは御報告させていただきます。
 ただいま中山会長からお話がありましたとおり、第21回の納本制度審議会において、「オンライン資料の補償に関する小委員会」が設置されました。この小委員会は3名の委員、そして3名の専門委員の計6名で構成され、私が小委員長を仰せつかりました。小委員会ですが、平成23年10月20日、11月22日の2回にわたって会議を開催し、オンライン資料の制度的収集を行うに当たっての補償に関する論点を整理し、検討を行いました。お手元では、資料の5をお広げいただくのがよろしいかと思います。限られた検討時間の中で、全ての論点について議論を尽くし、検討を完了するには至りませんでした。未解決の問題があまりに多かったものですから。しかし、その根本的な部分については、所属委員そして専門委員の皆様の御尽力を得て、十分議論を行い、方向性を得ることができたように思います。その検討結果を取りまとめたのが、この中間報告書ということになります。
 以下、私からは、21ページの資料5の「中間報告書要旨」に基づきまして、そのあとの資料6の中間報告の骨格について説明いたします。より詳細な内容については、事務局から後ほど補足をいただければと思っております。
 オンライン資料の制度的収集に伴う補償ですが、大別いたしまして、複製費用、利用による経済的な損失、そして納入に係る手続費用という三つのものが考えられます。ここでいう複製費用というのは、オンライン資料を国立国会図書館のほうで固定するための費用のことです。そして二番目の利用による経済的損失というのは、納入者側が、国立国会図書館がオンライン資料を利用に供する行為によって生じる経済的不利益をいいます。最後に、納入に係る手続費用というのは、やはり納入者側での、フォーマット変換、DRMの解除、メタデータの作成作業、送信のための手続等に要する費用等が挙げられます。要旨では、第1項で簡単に概略のみ挙げさせていただいております。
 これらの費用の中には、オンライン資料の具体的な納入方法が今後確立されていかないと、或いは、より詳細な情報を収集していかないと、正しく算定することができないものが含まれています。その一方では、今まで紙媒体で出版されていた民間出版物、ジャーナルとかですね、こういうものがオンライン化されたことによって、内容的には紙媒体から継続しているにもかかわらず、国立国会図書館では現時点では制度的に収集できないという状態が発生・継続しております。国立国会図書館には、こうした出版物の散逸を防止する観点から、オンライン資料の収集制度を早急に確立することが求められているところです。
 以上の点、未解決の問題そして事柄の緊急性に鑑みて、小委員会では、現時点までに得られる情報で、補償について一定の方向性を得られるオンライン資料については、検討の上結論を出すこととし、他方で、なお検討に時間を要するオンライン資料については、問題点や課題を整理した上で、今後の検討に委ねることにいたしました。このため、今回の報告書の表題も「中間報告書」というふうにさせていただいております。
 汎用のPCにダウンロードして閲覧することができる、いわゆる「ダウンロード型」のオンライン資料は、大きく分けると4種類に分類することができます。これが要旨でいうと2項であります。分け方の基準は、有償であるか無償であるか、そして、DRM等が付与されているかいないかであります。この中間報告書では、DRM等の付与されていない無償出版物、表でいうと左上になりますが、これを「A群資料」というふうに呼びます。このA群資料について、まずは網羅的に検討を行い、結論を出しております。ついで、有償出版物、これはDRM等の有無に応じて「B群」と「C群」に分類しました。それから、無償出版物にもDRM等が付与されているものがございますので、これを「D群」としました。時計回りのようにA、B、C、Dとなっておりますが、このような分類です。このB、C、D群資料については、現時点までの検討結果を記すという形をとっております。
 A群資料ですが、先程申しました館による複製費用及び利用による納入者の経済的損失に対する補償は不要と考えております。他方、納入者による手続費用として、識別情報、いわゆるメタデータを付与する行為、それから送信作業にかかる費用、送料の三者を考えております。メタデータの付与については必要最小限の項目に関する限り、項目数が少ない限りは無償、送信作業に要する費用も作業が比較的小規模ということで無償としております。送料については、記録媒体(メディア)と郵送に要する最小限度の実費を補償するのが妥当であるというふうに考えております。
 ついで有償出版物、B群・C群資料については、館における複製費用についてはA群資料と同様に考えております。国立国会図書館内での閲覧とプリントアウトの提供という利用形態に限れば、利用に係る経済的損失の補償も不要であることが、平成16年12月及び平成22年6月の当審議会答申によって指摘されているところです。したがって、これらの資料についても、複製費用及び利用による経済的損失に対する補償は不要とするのが妥当であるように考えられます。
 ただし、現行の、紙の方の代償金制度の下では、仮に同一のコンテンツがパッケージ系電子出版物としても納入された場合、パッケージ系の電子出版物については代償金がありますので、小売価格の4割以上6割以下の金額が代償金として支払われます。これに対して、国立国会図書館での利用形態が同一であるにもかかわらず、それがオンライン資料であると無償ということになりますと、これはパッケージ系に対して均衡がとれた取り扱いではないという批判があるとも考えられます。
 また、有償出版物であるB群資料及びC群資料は、かなり膨大な数があるわけですが、これらが全て補償を不要とした場合、資料が十分に収集できない可能性があり、その結果、国立国会図書館が「文化財の蓄積及びその利用」という、国立国会図書館法に定める目的を達成することが困難になる可能性が考えられるところです。
 以上の点を勘案すると、有償出版物であるB群資料及びC群資料については、政策的な補償、その他のインセンティブの付与を行う余地があると考えられますので、その点を含めて更に検討を継続する必要があります。制度的補償については不要と考えられるものの、政策的補償、その他のインセンティブの付与についての継続検討ということです。
 他方、納入に係る手続の費用については、DRM等の付与されていない有償出版物、つまりB群資料は、その納入に要する手続がA群資料と同様でと想定されるため、A群資料と同様に考えられますが、DRMの付与されている有償出版物であるC群資料については、一発行者当たりの発行点数が多く、作業の負荷も異なるとも考えられるため、手間の部分につきましても更に検討を継続する必要があると考えております。
 また、今申しあげたのは送料とかメタデータの付与についての部分ですが、DRM等の付与されているC群資料については、このDRM等が付与された状態の解消を行うための費用を考慮する必要があります。これについては、なお作業工程及び費用水準に関する情報が不足しているため、情報を収集した上で、更に検討を継続することにしたいと考えております。
 最後ですが、DRMの付与されている無償出版物、この中間報告書でいうD群資料についても、DRM等が付与された状態の解消を行うための作業がやはり必要となります。これは、C群資料同様、情報が不足しているため、情報を収集した上で、更に検討を継続する必要があるように思います。
 非ダウンロード型の資料もあります。あるいは専用端末型の資料もあります。こういうものに関する補償、代行納入の方法をとる場合の補償についても検討する必要は理解しておりますが、具体的な収集方法や代行納入手続等が確定してから、改めて検討を行うこととしております。
 中間報告書の概要は、以上でございます。
会長:  ありがとうございました。それでは、事務局から補足の説明をお願いいたします。
収集書誌部長:  事務局から若干補足いたします。中間報告書の内容につきましては、ただいま福井小委員長から御説明いただいたとおりでございますので、その背景となる状況につきまして、若干補足いたします。
小委員長からも御説明がありましたとおり、紙媒体で出版されていた民間出版物がオンライン化されたことにより、内容的には紙媒体から継続している出版物であるにもかかわらず、当館ではそれを収集できない、そういう状態が発生し継続しております。厳密な統計とも言い難いですが、当館が収集している国内刊行の逐次刊行物、これは雑誌・新聞等でございますが、このうち、オンラインジャーナルに移行しております国内刊行の和雑誌が、平成24年2月現在で1,153件ございます。当館では、平成22年4月からインターネット資料収集保存事業というのを開始しておりますので、公的機関についてはウェブサイトの網羅的な収集を行っております。したがって、この1,153件の全部が収集されていないわけではありませんが、少なくとも民間出版物の相当部分につきましては、制度的に収集できていない状況です。更に、今後は紙媒体では刊行されてない、いわゆるボーンデジタルの出版物が増えていくと思われますけれども、こうしたボーンデジタルの民間出版物に対しても、当館は現在、制度的に収集する手段というものを持っておりません。
したがいまして、このような状態が継続した場合、文化的創造活動の成果でありますオンライン資料の多くを、当館が収集保存し利用に供することができなくなって、「文化財の蓄積及びその利用」というのが国立国会図書館法に定められている使命でございますが、これを、当館が十分に果たせなくなることが懸念されます。
先ほども御報告いたしましたとおり、収集時のフォーマット、DRMの取扱い、これらに関しましては、現時点でも、関係団体との間で協議を継続すべき課題として残されております。したがって、小委員会の委員・専門委員の皆様に、全てのオンライン資料についての適正な補償金額を御審議いただくためには、そういったフォーマットやDRMの取扱い等を含め、具体的なオンライン資料の収集範囲や収集方針、収集方法を確定した上で、所要の経費に関する情報を入手することが検討の前提となります。ただ、現時点ではこうした状況には未だ到達しておりません。その一方で、繰り返しとなりますが、当館が国立国会図書館法に定める目的を達成するためには、オンライン資料制度的収集の仕組みを一刻も早く構築することが求められているという状況でございます。
オンライン資料の収集制度化については、具体的な細部については様々な御意見があるものの、国立国会図書館法の改正によりまして、当館がオンライン資料を制度的に収集することを大枠で規定すること、これにつきましては、概ね関係各団体の御理解が得られているものと考えております。このため、小委員会では、当館がこの収集制度を確立する上で、最小限必要で、かつ、根本的な内容の部分について先行して御検討いただき、ただいま福井小委員長から御報告のありました中間報告書としてとりまとめていただいたところでございます。何卒十分に御審議くださいますと共に、今回の中間報告書で結論に至らなかった事項につきましては、引き続き審議会及び小委員会において御検討を継続してくださいますようお願いいたします。
補足説明は以上でございます。
会長:  ありがとうございました。それでは、福井小委員長からの中間報告書及び事務局からの補足説明について、何か御質問、御意見等はありましたらお願いいたします。
委員:  最初は無償で、後から有償で出版するというものが電子出版ではあります。これは無償出版物となりますか。
小委員長:  小委員会で個別にそのことについて議論したことは、記憶する限りございません。まさにフリーミアムモデル(freemium model)ということになりましょうが、論理的に考えれば、無償の巻はA群資料として扱い、有償に移行した後の巻はB群あるいはC群資料として扱うということにならざるを得ないと思います。
委員:  最近私は、この方法でアメリカの映画会社のために黒澤明監督が書いた脚本を電子出版しました。権利関係が不明なため、まずは無償で出版し、問題がないようなら有料化を考えており、同じ方法で数冊の脚本の出版を計画しています。
小委員長:  ああ、巻によってではなく、時期によってということですか。
委員:  個別の問題で申し訳ない。
会長:  角川委員のところでも、このような形での出版もあると思いますが。
委員:  ありますね。私が、長尾館長にもお手伝いしていただいて作っている、『グーグル、アップルに負けない著作権法』という本は、1章ごとに公開していますが、それは無償で公開しています。しかし、まとまると有償になります。そういう出版形態は電子書籍にはよくあります。本当によくあります。
会長:  私が理事長をしているクリエイティブ・コモンズでも、無償で出すのが原則ですが、有名になると有償にする例ももちろんあります。情報というのは露出することが大事で、最初広く無償で配って、それから有償にもっていく、というビジネスモデルは当然あり得るわけです。そういうのをどうするか、という話ですね。クレームがつくか否かという理由はむしろ稀有な例だと思います。むしろ、情報を露出させて、知名度をあげて、裾野を広げて、有償にするという例が多いと思います。少し異なる例になりますが、例えば、グリーなどもそのようなビジネスモデルでやっています。そのようなことは大いにあり得ると思います。
小委員長:  御指摘は非常にごもっともだと思います。電子書籍のビジネスは、まさに日進月歩で、こういうバリエーションというのは、今後も様々に変化していくだろうと思います。それを事前に全て予測して、キャッチオールの規定を作るのはおそらく難しい。だからといって、制度を動かさないというわけにはいかない。そうすると、有償・無償の認定という作業は、ある程度は事務局にゆだねざるを得ないのではないかと思います。個人的には、ある同じ出版物について、一定の期間は無償であるが、その後は有償に移行するという場合には、それは、最初はキャンペーンをやっているのに過ぎないので、有償出版物かなと思います。これは私見です。他方において、個別には無償だが、まとめると有償という場合には、これは認定上、かなり難しい問題だなという感じがいたしました。
委員:  ボーンデジタルの出版物をどうするかという話がありました。長尾館長は、御存じのとおり、マルチメディア著作物だとかボーンデジタルに非常に熱心な方ですから、国立国会図書館もボーンデジタルの著作物を早急に手掛けるべきだと思います。私も、この間慶応大学で行われたデジタル絵本の表彰式に審査員の一人として参加しましたが、デジタル絵本の可能性というのは素晴らしいと思いました。3割くらいは原作があってそれがデジタル化されていますが、7割くらいはボーンデジタルで生み出されていて、本当にiPadの機能をうまく使った絵本がどんどん出てきており、出版社として、商業出版として扱いながら広めていくという責務を感じたほどです。そういうものを国立国会図書館が積極的に取り組んでいくというのが、任務であると感じました。
会長:  ありがとうございます。他に何かございますか。
委員:  メタデータの付与を義務付けるということについて、そのメタデータの中身についてはこれから決めることになるのだと思います。今、ボーンデジタルの話がありましたが、いわゆる底本があるボーンアナログのものについては、やはり、メタデータの中にアナログの底本となる出版物とのリンケージのデータが、メタデータとして入っていることが大事ではないかと思います。紙本とデジタルコンテンツがしばらく並走して走っていく状況になると思いますので、そのリンケージがスムーズにできるような形、これは今回の中間答申とは違う内容かもしれませんが、デジタルコンテンツの、紙本で言えばジャパンマークのようなものをもし作るということであれば、非常に重要ではないか思います。
会長:  メタデータの内容ということですね。それについては、また別途検討していくことになるかと思います。確かに、青空文庫などでも、底本は何であるということがちゃんと書いてありますね。
委員:  お互いが分断されてしまう、利用する際にインターフェイスとして見えてこない形になるのは、ちょっと良くないように思います。
会長:  貴重な御意見として承っておきたいと思います。他に何かございますか。よろしいでしょうか。濵野委員も、字句の修正はなくてもよろしいですね。
委員:  結構です。
会長:  それでは、当審議会として、ただいまの小委員会の中間報告を了承いたしまして、この内容を踏まえた答申案を、中間答申案として審議いたしたいと思いますが、それで御異議ございませんか。
 ありがとうございました。それでは、そのように取り扱いたいと思います。小委員会所属の委員、専門委員の皆様には、短い間に充実した検討を行っていただき、誠にありがとうございました。
 
(会次第4)納本制度審議会中間答申「オンライン資料の制度的収集を行うに当たって補償すべき費用の内容について」(案)について
会長:  それでは、次に、会次第の4に入ります。国立国会図書館長からの諮問「オンライン資料の制度的収集を行うに当たって補償すべき費用の内容について」に対する審議会の中間答申を、ここで審議したいと思います。
 先ほど、オンライン資料の補償に関する小委員会の中間報告を審議会として了承しましたので、これを踏まえまして、事務局に中間答申(案)を作成していただいております。事務局から説明をお願いいたします。
事務局:  それではご説明いたします。39ページの資料7をご覧ください。
 中間答申(案)の内容は、小委員会の中間報告書とほぼ同一であり、変更点は次のとおりです。
 第1に、小委員会の中間報告書で「報告書」又は「中間報告書」となっている箇所は、全て「中間答申」と置き換えております。
 第2に、中間報告書で「小委員会」となっている箇所は、1ページの小委員会の設置・審議について述べた部分を除き、全て「審議会」と置き換えております。
 第3に、1ページの「はじめに 1 中間答申の目的」の箇所に、第22回納本制度審議会における審議の経緯についての記述を加えたほか、答申本文、諮問書、納本制度審議会委員・専門委員名簿、調査審議の経過についての記述を加え、体裁を答申の形式に整えております。
 その他の本文の記述については、中間報告書と変更はございません。
 中間答申(案)についての説明は、以上でございます。
会長:  ありがとうございました。何か御意見・質問等はございますか。よろしいでしょうか。それでは、お手元の案のとおり、納本制度審議会答申を決定することでよろしゅうございますね。
〔異議の声なし〕
会長:  ありがとうございました。御異議がないようですので、本案を納本制度審議会の中間答申として決定をいたしました。
[中間答申の手交]
会長:  これより、会次第を一時中断して、ただいま決定した納本制度審議会の中間答申を長尾館長にお渡ししたいと存じます。
 事務局から国立国会図書館長に連絡しておりますので、しばらくお待ちください。
[館長入室]
会長:  中間答申を決定いたしましたので、館長にお渡しします。
 中間答申-オンライン資料の制度的収集を行うに当たって補償すべき費用の内容について-
 本審議会は、平成23年9月20日付け国図収1109072号により諮問のあった「平成22年6月7日付納本制度審議会答申「オンライン資料の収集に関する制度の在り方について」におけるオンライン資料の制度的収集を行うに当たって補償すべき費用の内容について」を受けて調査審議した結果、一定の結論を得たので、納本制度審議会規程(平成9年国立国会図書館規程第1号)第2条第1項の規定に基づき答申する。
館長:  ありがとうございました。この機会に、一言御礼を申し上げたいと思います。
 中山会長、福井小委員長をはじめ、納本制度審議会の委員、専門委員の皆様には、日頃、当館のために御尽力いただきまして、誠にありがとうございます。
 昨年9月の第21回納本制度審議会におきまして諮問させていただきました「平成22年6月7日付け納本制度審議会答申『オンライン資料の収集に関する制度の在り方について』におけるオンライン資料の制度的収集を行うに当たって補償すべき費用の内容について」につきまして、ただいま、会長の中山先生から中間答申を頂戴いたしました。
 ここに至るまでの、会長はじめ委員の皆様の御努力に深く感謝いたします。
 特に、この諮問の調査・審議のために設置された「オンライン資料の補償に関する小委員会」では、福井小委員長はじめ委員、専門委員の皆様には、たいへんお忙しい中を熱心に御審議いただきました。厚く御礼申し上げます。
 一昨年、平成22年は「電子書籍元年」と言われ、昨年、平成23年は「電子書籍を読むための各種のポータブル端末の開発と普及の年」と言われました。今年はこの両者がマッチして、電子書籍が真に普及する年になると考えられます。このような状況の中で、当館は、我が国の文化的創造活動の成果であるオンライン資料の収集制度を早急に確立し、オンライン資料を収集し、保存し、利用に供するという使命を実現することが求められております。
 このような時期に、収集制度の中で重要な地位を占める補償について中間答申をいただきましたことは、当館がその使命を実現する上で、大きな力になると存じております。
 今後、当館は、この中間答申の内容に沿って、オンライン資料の収集制度の構築に向けて、全力を尽くす所存でございます。オンライン資料の収集制度化に関する国立国会図書館法の改正につきましては、現在開会中の平成24年通常国会で御審議いただくよう準備を行っているところでありまして、平成25年中には、オンライン資料の制度的収集を開始したいと考えております。納本制度審議会委員・専門委員の皆様には、今後とも、引き続き御指導御鞭撻賜りますよう、よろしくお願いいたします。
 誠にどうもありがとうございました。
 
(会次第5)事務局からの報告-代行手数料の改定及び資料納入の現状について
会長:  それでは、会次第の5に入ります。代行手数料の改定及び資料納入の現状につきまして、事務局から報告があるそうです。よろしくお願いします。
収集書誌部長:  それでは、事務局から御報告させていただきます。
 納入の一括代行事務に要する金額、いわゆる代行手数料につきましては、平成23年7月29日付の納本制度審議会答申により、出版物の納入事務を一括して代行する者として国立国会図書館長が指定する者、いわゆる納入代行者が納入漏れの防止に効果的な措置を採ることを前提として、納入資料1点につき150円とすることが適当であるとされております。また、納入代行者が、さらに進んで組織的・系統的な納入漏れ防止措置を講じ、その実施を当館において確認することができた場合には、代償金部会に報告し、その承認を得た上で、納入資料1点につき170円とすることが適当であるとされております。
 この答申を受領した後、当館は各納入代行者に対しまして、納入漏れ防止に効果的な措置をとるよう要請し、その後、各納入代行者が納入漏れ防止に効果的な措置を講じていることが確認できましたため、既に委員の皆様にご報告いたしましたとおり、平成23年10月12日付で国立国会図書館告示を改正し、同日から代行手数料を納入資料1点につき150円に改定いたしました。
 なお、代行手数料を170円に改定するにあたりましては、先ほど述べましたとおり、各納入代行者が組織的・系統的な納入漏れ防止措置を講じていることを当館が確認し、代償金部会において承認を得ることが必要とされております。この措置が取られていることを当館が確認する指標の一つといたしましては、督促前の納入率、すなわち、当館が改めて督促することなく納入される資料の比率でございますけれども、これが極めて高い水準で継続していることが挙げられます。
 ただし、当館では昨年末から本年初めにかけて図書館システムの切り替えを行っており、この影響で、督促作業の実施、言い換えれば督促前の納入率の集計が、通常よりもやや遅れている状況にございます。このため、各納入代行者が納入漏れ対策を本格的に実施した平成23年9月以降の督促前の納入率のデータは、現在の時点では得られておりません。従いまして、現時点で、代行手数料改定、これに関する資料の納入状況を御報告することはできませんが、今後、督促前の納入率が極めて高い水準で継続している等、納入代行者が組織的・系統的な納入漏れ防止措置を講じていることが明らかになった場合には、速やかに代償金部会にお諮りしたいと考えております。
 以上でございます。
会長:  ありがとうございました。ただ今の報告について、何か御質問ございましたら、お願いいたします。
委員:  今、納入率があがっているかどうかの確認ができないとのことでしたが、組織的・系統的に納入を行っていただくためには、入り口ではなく出口で、つまり、基本的に、取次には全ての出版物が納入されるわけですので、それを1冊ずつおさえるということを制度化してもらえないだろうか、ということが基本的な要望であったと思います。ですから、結果がまだ確認できていなくても、そういうシステムに移行したということが確認できれば、それは一つの指標になると思います。そういうシステムの変更・移行は行われたのでしょうか。それに関して何か情報があれば伺いたいと思います。
収集書誌部長:  具体的に納入取次業者と取引のある各出版者の間で、例えば具体的に契約の中に1項入れるというようなことですが、これに関して完全な形で実行されているとは捉えておりません。
委員:  今、藤本委員のおっしゃったことはまさしくその通りであり、前回の審議会でも角川委員からその趣旨のお話がありました。そういう形で系統だって収集をしていくということについては、取次会社は前向きに考えておりますので、是非、国立国会図書館からも強く、取次協会が窓口になっておりますので、おっしゃっていただければ、いろいろいい知恵が出て、納本率のアップにつながると思います。ぜひそういう形で進めさせていただければと思います。
会長:  取次の方も大いに賛成していらっしゃるとのことですので、図書館の方で強く言っていただければ、うまくいくのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
収集書誌部長:  はい。
会長:  他に何かございませんでしょうか。
委員:  取次協会に申し入れたのであれば、問題の点について記録を取られたらいかがか。どういう形で要請して、どういう形で返事が来たかということをですね。
委員:  まだ具体的に国会図書館からこういうふうにやってくれという要請はきていません。
委員:  出ていないのですね。
委員:  まだ来ていませんが、是非そういうふうにお寄せいただければ、取協としてはもちろん前向きに対処いたします。我々だけの話ではないので、書協とも話をしなければならないことです。
委員:  記録として残すべきだと思います。
会長:  はい。他に何かございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 
(会次第6)今後の日程について
会長:  それでは、会次第の6に入ります。今後の日程案につきまして事務局から説明をお願いいたします。
収集書誌部長:  それでは、今後の日程案につきまして御説明申し上げます。65ページの資料8をご覧ください。
 3つほど欄がございます。本日中間答申をいただきました「オンライン資料の制度的収集を行うに当たって補償すべき費用の内容について」に関しては、審議会の御了解が得られましたならば、中間答申で「更に審議を継続する必要がある」とされた事項について、引き続き小委員会で御検討いただいた上で、その検討結果を審議会でご審議いただき、結論に至りました場合には、最終答申を御決定いただきたいと考えております。
 ただし、先程も申し上げましたが、「更に審議を継続する必要がある」とされた事項につきましては、その補償対象や補償水準等を算出するためには、当該資料の具体的な収集方法や納入形態等についてある程度確定した上で、それに基づいて、より詳細な情報を取得することが前提となります。収集方法等の細部に関する事項は、最初に当館側から説明いたしましたが、当館と関係団体との間で協議することとしておりますので、その関係者間の協議の進展を待って、小委員会及び審議会での御検討をお願いすることになると思います。
 本件に関する具体的な検討の再開でございますが、現時点では、平成24年夏以降を予定しております。ただし、関係者間協議が早く進捗した場合には、これより早い時期に審議会、小委員会の開催をお願いする場合もございます。
 また、代行手数料につきましては、先ほど報告いたしましたとおり、納入代行者が組織的・系統的な納入漏れ防止措置を講じていることが明らかになった場合には[-こちらから申し入れるということもあるかもしれませんが-]、速やかに代償金部会にお諮りしたいと考えております。
 なお、審議会にお諮りすべき別の案件が生じた場合には、これより早い時期に審議会の開催をお願いする場合もございます。いずれの場合も、具体的な日程につきましては、事務局から改めて御相談させていただきます。
 今後の日程案についての説明は以上でございます。
会長:  ただ今の事務局の説明について、何か御質問ございましたら、お願いたします。このような日程でよろしいでしょうか。それでは、平成23年9月20日付で国立国会図書館長から諮問いただいた「平成22年6月7日付け納本制度審議会答申『オンライン資料の収集に関する制度の在り方について』におけるオンライン資料の制度的収集を行うに当たって補償すべき費用の内容について」につきましては、事務局からのお申し越しのとおり、当審議会及びオンライン資料の補償に関する小委員会で、引き続き検討を継続することでよろしゅうございますね。では、引き続き検討をするということにしたいと思います。
 
(会次第7)その他
会長:  それでは、次に進みたいと思います。予定されております議題や報告は以上で終了いたしましたが、最後に何か御意見・御質問等がございましたらお受けしたいと思います。何かございませんでしょうか。
委員:  つい最近、日経新聞に、昔は書店に行くのが楽しみだったが、最近は一切行かなくなり、それは、デジタル化の問題ではなく、書店が書籍のストックの場ではなくなり、フロー中心になってしまったということを、評論家の方が書かれていました。私も同感ですが、地域の図書館もフローの方にシフトしているので、国立国会図書館のストックの役割が極めて大きくなってきており、ますます重要度を増していると思いました。
委員:  それに関連して、ちょうど日経で報道されました、絶版書籍の配信サービスの件、私は報道で追いかけているだけですが、非常に大きな一歩だと感じています。事務局始め、各業界団体の皆様の御努力には敬意を表したいと思いました。
会長:  この次改正される予定の、国立国会図書館の本を地方の公共図書館で見られるようにするという話ですね。おそらくこれから国会に出されると思いますが。文化審議会のほうでは、審議は終わっておりますけれども。
委員:  210万冊と報道されていて、そんなにデジタル化されているのかと驚きました。ずいぶんと多いですね。
館長:  1968年までのものなのですね。それ以降の分については電子化されておりませんので、何とかしたいと思っているのですが、予算の見込みがつかないものですから残念なんです。
会長:  濵野委員のおっしゃる通り、確かに、古典的な並んでいる本を眺める楽しみというのは私も感じます。私のような年代ですとそのような郷愁を覚えますが、最近の子どもは、3歳からiPadを使っていますから、そういう人間が大人になると変わるのかもしれません。他に何かありますか。よろしいでしょうか。最後に事務局からは何かございますか。
収集書誌部長:  中間答申及び議事録等の取扱いにつきまして御説明いたします。本日御議決いただきました中間答申につきましては準備ができ次第、また今回の審議会の議事録につきましては、御確認、御了解をいただいた上で、当館ホームページ上において公開させていただく予定です。
 また、オンライン資料の補償に関する小委員会の議事要録につきましては、小委員会の決定により、公正な審議を行う観点からこれまで公開を猶予して参りましたが、本日、納本制度審議会が開催され中間答申を御議決いただきましたので、こちらも準備ができ次第、当館ホームページ上で公開させていただきます。
 以上でございます。
会長:  ありがとうございました。
 
(会次第8)閉会
会長:  それでは、以上をもちまして、第22回納本制度審議会の会次第は全て終了いたしました。
 本日はこれにて散会といたします。ありがとうございました。
(午後3時終了)

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