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トップ > 国立国会図書館について > 納本制度審議会 > 納本制度審議会ネットワーク系電子出版物の収集の課題に関する小委員会(第1回)議事録

納本制度審議会ネットワーク系電子出版物の収集の課題に関する小委員会(第1回)議事録

日時:
平成15年9月25日(木)午後2時~4時15分
場所:
国立国会図書館館議室
出席者:
公文俊平小委員長、内田晴康委員、小幡純子委員、奥住啓介専門委員、杦本重雄専門委員、夏井高人専門委員、野末俊比古専門委員
要約:
(1)国・地方公共団体の定義として、独立行政法人等を国等と同等に取り扱うべきかについては、従来の出版物と同じ基準により扱うことが適当とされ、納本制度審議会における調査審議の結果を受けて、小委員会としての結論を出すこととした。
(2)国等のために民間から発行されたネットワーク系電子出版物の収集については、独立行政法人等の扱いに関する調査審議を踏まえて、検討することとした。
(3)国等の発行する出版物の収集方法としては、送信義務を課すか、または、館が自動的収集を行うことも可能であるとの結論に達した。
(4)収集すべき範囲に属する出版物のうち留意が必要とされたデータベースに関しては、広義の技術的理由から収集しないこととした。
(5)収集対象から除外すべき出版物として、放送番組及びイントラネット上の出版物が確認された。
会次第:
1. 小委員長あいさつと小委員会所属の委員及び専門委員の紹介
2. 調査審議
 収集範囲及び方法について(1)国及び地方公共団体の発行するネットワーク系電子出版物の収集等
 (1)国及び地方公共団体の定義
 (2)国等の発行する出版物の収集方法
 (3)データベースの収集
 (4)収集の範囲から除外すべき出版物
3. 第2回小委員会の調査審議の内容及び日程等
配布資料:
(資料1)検討資料
(資料2)参考条文
(資料3)ネットワーク系電子出版物小委員会における調査審議について
(資料4)第2回の調査審議内容
(資料5)小委員会の日程の変更案

議事録:
1. 小委員長あいさつと小委員会所属の委員及び専門委員の紹介
小委員長:  それでは第1回ネットワーク系電子出版物の収集の課題に関する小委員会を始めます。今日は、この小委員会の初めての会合となります。委員・専門委員の方に自己紹介をお願いします。
〔委員・専門委員自己紹介〕
 
2. 調査審議
小委員長:  今日、調査審議を予定しているのは、6月の第8回納本制度審議会において再確認され、当小委員会の審議事項とされたもののうち、会次第にありますような事項です。これらの事項について検討用資料を作成してもらいましたので、説明していただきます。
 
―国及び地方公共団体の定義―
事務局: 〔配布資料を確認のうえ、配布資料に基づき、国及び地方公共団体の定義・範囲について説明。
 独立行政法人は、ネットワーク系においても現行納本制度における扱いと同じように扱う方が混乱が少ないと思われる。現行納本制度においてどうするかについて結論が出た後、同じ基準を当てはめるのが妥当であろう。現行納本制度については当小委員会の所掌を超えるので、納本制度審議会で議論する。
 「国の諸機関のため」に発行されたネットワーク系電子出版物は収集対象としないのが適当である。〕
事務局:  本日御欠席の委員から口頭で御意見をいただいております。委員は、結論に反対でないが、検討資料が挙げている「ネットワーク系では買い上げがなされない等紙媒体の出版物と異なる」というのは本質的な理由ではないとの御意見です。これは委員のおっしゃるとおりであろうと思います。
 また、国のホームページにも掲載されているが、民間ページでも分かりやすく掲載されているケースがあり、こうしたページをどうするのかとお尋ねでした。民間のページを見たほうがよいことがあるのでしょうが、この場合、内容は国のページに載っているので、民間から出ているページを探し出して収集する必要があるのかどうかとも考えられ、なかなか難しいと申し上げました。
専門委員:  明確に定義しないと議論が混乱すると思いますので、最初にはっきりさせておきたいと思います。
 ネットワーク系電子出版物は「物」といっても、有体物でないと理解してよいですね。そうなると、国立国会図書館法第24条第1項第9号の解釈になりますが、ここには「電子的方法、磁気的方法(中略)により文字、映像、音又はプログラムを記録した物」とありますが、ここでいう「物」は有体物を指していると思います。条文通りに納入させようとするとサーバを納入させるのが正しい解決であることになります。ここが、ひらがなの「もの」なら構わないのですが、この条文を根拠規定としてネットワーク系電子出版物を集めようとしても集められません。PDFで出ている政府刊行物をフロッピーディスクで納本させることは理論的には可能ですが。
事務局:  ネットワーク系電子出版物小委員会報告と第7回納本制度審議会において、納本制度にネットワーク系電子出版物を組み入れるかについては方向が出ており、ここでは納本制度には組み入れないことになりました。今の「物」というところでは読めないことは当然としまして、さらに準用と申しますか、便宜的にここに含めて制度を考えることもできないと結論されています。納本制度の網羅性をはじめ、専門委員がいわれたことなどの様々な理由から組み入れは否定されました。ネットワーク系の今後の方向については、国立国会図書館法の別の規定として制度を設けるか、別法にすることが第7回納本制度審議会では確認されました。
専門委員:  分かりました。現行法には根拠規定がないけれども、法律で集めるということですね。
小委員長:  今回の課題は、そこで国の諸機関の定義や「ために」の解釈をどうするかが議論されていなかったので、そこをどうするかです。
専門委員:  まったく別の条文をつくるのであればよいと思います。
委員:  誤解を招くおそれがあるのは、この資料では、今の納本制度の定義で、国、国に準ずる諸機関、国の諸機関のためにという議論をしていますが、ネットワーク系電子出版物を収集する場合、この納本制度とは別の制度でしないといけないという結論が出ているわけです。今の納本制度における「国」の定義と定義を変える必要があるのかどうかを議論するのですね。この資料では、現行納本制度における議論とネットワーク系の議論が一緒に出てきていて、誤解されやすいと思います。
 この資料は話が細かいところから始まっていますね。前提としては、出発点として国・地方公共団体が納本制度では私人とは別扱いにされているが、ネットワーク系ではそれをどうするかということでしょう。
専門委員:  提案ですが、国は問題ないということを確認した上で、次に都道府県など、順番に細かいところへ進んでいただいたほうが分かりやすいと思います。問題がないということであればそのまま進めていただきたいと思います。
小委員長:  国については問題ない、学術については問題ないという結論は第7回納本制度審議会で出ています。
 そこで議論されていなかったものとして、独立行政法人はどうするのかがあります。ネットワーク系電子出版物の収集に際しては現行納本制度とは違う制度を作るのだけれども、現行納本制度とあまりに違うと納本する側が困るだろうということですね。さはさりながら違うところもあるので、違う扱いが必要だというのが「国の諸機関のために」の箇所の議論ですね。それが一緒になると難しいかもしれません。
委員:  情報公開法に関しても、独立行政法人をどうするかという議論があって、法人格が違いますから別に法律を作るということになります。
 これは、納本制度審議会の話だと思いますので、本小委員会だけでは議論が成り立ちにくいでしょう。納本制度審議会で独立行政法人をどうするのかが決まらないと、こちらで先走りにくいですね。
 「国の諸機関のために」については、資料にある結論が割り切っていてよいような気がします。ただし、公益法人の中には行政と一体化しているものが多くあります。そうした公益法人は、新しい法律ができたときに、そこでどういう問題が出てくるかを知らせるものを出版したりしています。つまり、実質的には国の仕事のようなものがほとんどという公益法人があります。今ではそうした公益法人がホームページを立ち上げているので、それが難しいところです。公益法人等は山ほどありますから、どこかで割り切らざるをえず、やむをえない結論だとは思いますが。
専門委員:  この他にも認可法人などいろいろあり、独立行政法人から普通の民間企業に今後変わっていくものもあって、切れ目が分かりにくいと思います。そういうことを考えると、法人格や存在形式に着目するよりも違う発想でいくべきかもしれません。たとえばISBNとは別に、公的な目的で出版されるものには特別のコードを与えてコードを付したものは収集するといったことが考えられます。この場合、法人格と関係なしに収集できると思われます。
 ただし、どうするにしても、本小委員会の議題としてはふさわしくないという結論には賛成です。
小委員長:  独立行政法人の扱いについてはそのとおりですが、「国の諸機関のため」について検討するのはこの小委員会の議題ですね。
専門委員:  基本的に国の仕事が確かにあり、他方で民間の資金でやる仕事があります。要は国の予算を使っているのなら公開しなさいというのが分かりやすいでしょう。
 そこは別のところで議論しないといけません。ここでこれを議論しても仕方がないと思います。納本制度審議会でやればよいでしょう。
事務局:  「国の諸機関のため」に発行された出版物については、従来の出版物に関してはすべて集めているわけです。ネットワーク系電子出版物についてはどうするかを、この小委員会で議論をしていただかないと納本制度審議会では扱いかねるでしょう。
 専門委員の御意見にあった予算の出所についてですが、報告書が出た時に、一つ一つ資金が国から出たかどうかはフォローできません。独立行政法人をどう区分けするかについてはこれから御検討いただくことですが、国の予算が全面的に入っているものは国とみなし、そうでないものは民間とみなすという切り分けができると思っています。もし、こうした切り分けではいけないということになると、ひとつのところで国の仕事と民間の仕事を両方やっている場合、コード等で分かればよいのですが、一つ一つに対応するのは費用対効果の問題で非常に難しいと思います。
委員:  それは政策論が入っていると思います。「国の諸機関のため」に出版された場合、現在従来の出版物では集めているけれども、ネットワーク系電子出版物の場合では集めないというのをここで決めないといけないわけです。制度に基づいて収集する対象が国・地方公共団体の出版物と学術出版物になり、これだけでも大変というのは分かりますけれども、国等をさらに狭めるのは政策論でしょう。それでよいかどうかという議論でしょうね。確かに難しいことは分かるのですが。
委員:  国等・学術出版物に絞ったのは、それ以外の範囲では著作権処理の問題が非常に難しいという理由だったと思います。もし、国の諸機関のために民間が発行したものは、国そのものが発行したものと違って著作権処理が大変であるなら収集対象に含めるのは望ましくないですが、問題がないのであれば国と同様に対象にしてもいいかもしれません。
 過去の審議において、なぜ収集対象を国等に絞ったのかの理由付けとの整合性が必要でしょう。
専門委員:  ネットワーク系電子出版物では「国の諸機関のため」に発行されたものかどうかの判断が難しいという議論がありましたが、現行納本制度でもその判断は難しいのではないかと思います。現在は、どのようにして個別の判断をしているのですか。現在判断できているのかを御参考までに伺いたいと思います。
事務局:  実際には判断がとても難しいものです。一点一点判断するのは無理ですが、実際にはいろいろなパターンがあって、政府の出資金額なりで判断しています。
専門委員:  私は大学やシンクタンクなどの事情しか分かりませんが、実質は国からの委託のようなものがあって、100パーセント国からの出資なのだけれども、形式的には公募で採用されて自主的に見えるものがあります。国のためにやっているようには見えないけれども、実質的には100パーセント税金で賄われているのです。
 また、私は私立の大学にいますが、文部科学省から半額助成を受けているほか、それ以外にも助成を受けているので、実際には税金で研究していている部分が50パーセント以上あります。しかし、主観的には国のためにやっているわけではありません。
 つまり、「国の諸機関のために」というのは文字の解釈だけからは解決できません。実質的に国の予算で作成された資料、記録には国民は自由にアクセスできるという政治哲学で説明するしかないでしょう。
 どうやってそれを確認するかについては、100パーセント確認する方法はないと思います。ただ、国から50パーセント支出する場合はこういうコードをつけなさいというのは、法律を改正しなくても訓令、通達のレベルでできるでしょう。コードのような目印のついたものは収集するという方法しかないと思います。
専門委員:  私も同じ感覚です。科研費による研究報告書は、今は紙で出版しているので自動的に国立国会図書館に納められますが、今後とも報告書が紙媒体のままであるという保証はないと思います。おそらく電子的に出るようになるでしょう。今ここでこういうものを収集対象にしないと決めてしまったら、将来また法律を変えないといけなくなるという危惧を覚えます。
専門委員:  私どもも、国の仕事を受け、成果を報告書にして国に提出することになりますが、一部いわゆる受託者にも権利があるものがあって、それは契約の時に決めています。
 以前、報告書の部数は、100部や200部だったのですが、最近はだいたい3部プラス電子媒体になってきました。なお、情報処理関係の団体ですと紙の報告書はいらないとのことで、CD-ROMに焼き付けて提出しています。そうしたところでは自分でサーバにあげて情報公開しているのが実態です。今ここで収集しないことにすると未来永劫に国立国会図書館には来ない可能性があります。
 もうひとつ国の金が流れているかについては、総務省のページに、財団法人に国の金がどのくらい行っているかという情報があります。何百何千とあります。
事務局:  なかなか難しい問題です。納本制度審議会において、国の範ちゅうに独立行政法人を含むかどうかを検討していただき、その結論が出れば「国の諸機関」の範囲が明確となりますので、「国の諸機関のため」に発行されたネットワーク系電子出版物を収集すべきかについても改めて審議していただくことではいかがでしょうか。
 ネットワーク系電子出版物の世界では、民間のページに乗せるということはなく国のページに載せるのが当然だと思っていたものですから、検討資料のような結論を書いたのですが、国の範ちゅうがはっきりしてから「国の諸機関のため」に発行されたものが存在するか、それを含めるべきかどうかを決めたいと思います。いかがでしょうか。
委員:  その場合、現行法第24条・第25条をどう解釈されるのかが固まってから、ネットワーク系電子出版物の議論をするほうが混乱しないと思います。
 また、「国の諸機関のために」は限定的に解釈すべきという感じもします。
小委員長:  現状でも解釈が難しいということであればそう書いて、ネットワーク系電子出版物の場合には国の機関に載せるのが当たり前だろうといえるならそのようにはっきり書いてください。その上で、もう一回「国の諸機関のために」を新たに考え、専門委員もいわれたように、制度的変更も考慮してよいかもしれないですね。
事務局:  「国の諸機関のために」の解釈を研究していた委員会が館内にあり、12、13年前にこの「国のために」が分かりにくいという結論を出しています。さきほど委員が[「国の諸機関のために」は限定的に解釈すべきと]おっしゃったように、単純に「ために」では説明できないということで、国がイニシアティブを持った場合とか、国が買い上げている場合といった厳しい要件が考えられています。
 他の国の納本制度にはこのような規定はないだろうと思います。アメリカでも存在しません。この規定は特殊日本的といえるかもしれません。立法論的にはもう少し明確に書くなどしないといけないと指摘されていました。
小委員長:  ここは再検討していただきたい。
 
―国等の発行する出版物の収集方法―
小委員長:  2番目の検討事項である国等の発行する出版物の収集方法について、事務局から説明をしていただきます。
事務局: 〔国等の発行する出版物の収集方法について配布資料に基づき説明。
 第7回納本制度審議会においては通知又は送信という方向が承認されたが、国等については、個人の場合と異なり、人格権については考慮する必要がなく、通知は必ずしも要求されない。自動的収集は集める側にも集められる側にも負担が少ない。
 収集の頻度について。現行納本制度では再版も発行とみなすという規定がある。これを準用すると過重な義務を課すことになり、収集する側の労力もかかるため、難しい。
 なお、第2回小委員会においても民間の学術情報に関して通知義務を扱う。〕
専門委員:  送信義務があるとすると、新しい版が出た時に出版した側から自動的に送る仕掛けも技術的には考えられます。いわゆるプッシュです。
 ここでの話は、制度的な問題と技術的な問題が両方あると思います。今の頻度に関する件は技術面の話もあったと思います。今技術的に収集できないからといって範囲などを絞ってしまうと技術が進歩した後でつらくなると思います。
専門委員:  2点ございます。通知の必要性のところですが、ここには個人情報を誤って掲載した例だけが挙げられていますが、他にも著作権侵害の例が実際にあるということを知っています。資料では個人情報だけを強調していますが、それだけではないとしたほうがよいでしょう。
 第2点は、さきほど専門委員から御意見があったのと同じですが、物理的な紙媒体と違って、デジタル・コンテンツの場合はコンピュータによる計算が容易であって、あるコンテンツについて、暗号化したときのハッシュ値を比較することで、改訂があったかどうかがすぐに分かります。大きなファイルであっても判別できます。ブロードバンドの時代で回線が太くなって、コンピュータの演算も早くなると、ますます容易になります。ですから、もう少し積極的でもよいというのが個人的な意見です。
専門委員:  整理するためのコストも大きなファクターだろうと思います。デジタル・コンテンツの場合は、ものにもよりますが、ヘビーな書誌データを作る必要はないと思います。デジタルコンテンツではコンピュータに頼って、人手はあまりかけずに省力化すると、頻度の問題も考え方が変わると思います。
専門委員:  2点あります。頻度については、以前の委員会で議論があったのかもしれませんが、ウェブ情報を収集する事例が海外にあると思いますので、頻度がどのように扱われているか情報提供していただいたら参考になります。
 送信義務による方法についても、こういうケースは海外にどのくらいあるのかという情報を提供していただけたらと思います。
事務局:  これから申し上げるのは不確かな情報なので、後で詳しく調査しますが、頻度については、バルク収集の場合には何か月に一度といった頻度で収集するのが一般的のようです。集める頻度は外国でも難しい問題のようでして、オーストラリア国立図書館でも集める頻度はどうするかを課題としています。どこの国でも共通の問題だと思います。
 送信義務による収集の例は海外にはあまりないと思います。我々が考えていることが特殊なのかもしれません。デンマークは通知に基づいてロボットで収集するもので、送信義務を課す例はあまりないようです。これについても調査が不十分で申し訳ございません。
専門委員:  ロボットで収集する場合はドラフトでも収集してしまいます。そういうものを収集されては困るということもかなりあるでしょう。間に通知を設け、これがファイナル・バージョンなので国立国会図書館が収集してよいとする手続にしておいたほうがトラブルが少ないと思います。
小委員長:  いつの時点をもってファイナル・バージョンとするのかも厄介です。いったんファイナル・バージョンとしたのに改定したくなることや間違っていたので直すということもありえます。
 最近聞いた話ですと、学術会議を開催し、リアルタイムでその内容を公開したが、あとでクレームがついたので削除したということがあります。しかし、もし自動収集や送信義務があると、それについてはどうするのかが問題になります。ペーパーを出すだけならいいけれども、ディスカッションまで含めるケースは多い。思い切って後まで出さないでおくという選択をするのかどうか。私が答えられるわけではないが、非常に面倒な問題が絡んで難しいと思います。
専門委員:  デジタルでない従来の出版物の場合、完全に剽窃したもので、著作権侵害があっても、国立国会図書館では廃棄していないですよね。弁護士の立場でいうと、完璧に廃棄されると証拠がなくなって訴訟が起こせなくなるので問題です。消してもらっては困るという意味でアーカイブの存在意義があると思います。
事務局:  当館では違法な出版物も保存しております。ただし、そうした資料の利用については、館長の判断によって閲覧や複写を制限することがあります。原則として廃棄や返却は行っておりません。
専門委員:  ネットワーク系電子出版物でも同じような仕組みが必要かもしれません。そのためにも通知が必要で、前のバージョンは発行を禁止したのか、ウェブ上から撤回したのかを通知の段階で確認できるだろうと思います。それに基づいて委員会等で決定し、利用の段階で制限するといったアーカイビングの方法もありうると思います。
委員:  検討用資料の結論は送信義務のみが最適であるという話でしょうか。国等の出版物だから送信義務のみでよく、通知なしに送信しなさいという義務を課すということですか。発行者から送信するわけだから、通知しないでいきなり送信させるということですね。
専門委員:  実際にはロボットで収集することになるのでしょう。
専門委員:  霞ヶ関WANではロボットで毎日収集にいっています。通知させて出すのは実効性に欠けると思います。通知させた後全部ロボットを使って収集するとしても、収集の一分後に掲載されたものは翌日に通知されるか、あるいは5年後、10年後かという話になります。館のロボットが取りにいくほうが実効性が上がると思います。それに行政は自分から納入するのは好きじゃないでしょう。行政の方は納本する意識が低いのではないかと思います。
専門委員:  通知は単に何時何分何秒に収集したと告知するだけですから、承諾を事前に採るということではないと思っていました。通知を受ける側の負担はないと思います。ただし、改訂版を出してからロボットが来るまでに時間がある場合でも、国立国会図書館に問い合わせは普通できないでしょう。
委員:  ここでいっている通知はそういう意味ですか。
事務局:  ここでいう通知は、出版物が発行されたということを国立国会図書館に通知することです。
委員:  送信義務を課しても送信しないだろうということで、国の場合は自動収集を受忍しろ、収集されることを我慢しなさいということですね。
専門委員:  制度を作るときにはどちらが原則なのかを決めておいて、通知ありが原則で国の場合は例外的に自動収集を行うのか、自動収集が原則で例外的に通知させるのかをはっきりさせたほうがよいでしょう。トラブルを減らすことを考えると、通知を間に入れるのを原則にしておき、国の場合は公開するのが当然ということで、通知なしでも収集できるようにするのがよいと思います。
事務局:  専門委員がおっしゃったとおりの進め方をしてきました。前小委員会では通知・送信を基本としましたが、今回、国については通知・送信はいらないだろう、自動的収集でよいと考えています。
専門委員:  私が省庁のウェブ担当者であれば、自動的に収集されるのは気持ち悪いと思うでしょうね。
 しかし、最低限の押えとして、公式のウェブ・ページに掲載したら国民全員に対して通知しているのだから、国会図書館に対しても通知したことになるというようにしたほうがよいと思います。国には完全に通知・送信を免除するということではなく、公開を通知と考えることができるというのがよいでしょう。
専門委員:  実際の運用からいきますと、国立国会図書館には支部図書館がありますね。専門委員がおっしゃったように、メール一本出すとかインフォームしろということですね。
専門委員:  これまでの小委員会の流れと違うかもしれませんが、両方から通知するのを原則にするのが正しいだろうと思います。書誌情報を集めただけでも個人情報保護法にいう個人情報取扱事業者にあたります。国の場合は民間用の法律は適用されませんが、もし国立国会図書館が民間企業に仕事の一部を受託させると抵触することもあるかもしれません。
 両方から通知するのをデフォルトの値として持っておいて、実際には国の場合にはウェブに公開した場合、国立国会図書館に対しても通知したことになるとしたほうがよいと思います。
事務局:  両方から通知といいますと、通知の意味合いがこれまでと違ってきますが、運用では必要になってくるかもしれません。法律レベルより下の運用基準で対処できると考えますが、いかがでしょうか。
専門委員:  私も、法律に書くことでなく、通達レベルに落としたほうがよいと思います。技術的な環境は5年後、10年後に変わってくるので、承諾、通知、承認の意味合いが変わってくる可能性があります。その度に法改正はできないので、例えば規程でやることにしたほうがよいと思います。法律には基本方針だけを定めることがベターでしょう。
事務局:  通知の問題ですが、法律に国のネットワーク系電子出版物は集めると書かれれば、自動収集を行っても問題ないだろうということです。次回の小委員会で学術出版について扱う際にも改めてやらないといけないので、そのときにも御議論いただきたいと思います。
小委員長:  ウェブに公開しただけでは通知したことにならないが、それに加えてロボットが自動的に回っていると通知したことに等しいということになりますか。
専門委員:  法律上、競売手続や破産等、国民に知らせないといけないものがありますが、実際には国民全員が読んでいるわけでもない官報に載せると、国民に周知したことになります。そういう考え方でいいと思います。
 
―データベースの収集―
小委員長:  3番目の検討事項であるデータベースについて、事務局から説明をお願いします。
事務局: 〔データベースの収集について配布資料をもとに説明
 データベースについては収集しない。制度では、技術的に収集が困難な場合には複製しないとしておき、データベースはその中に含めるのが適当。〕
専門委員:  一点確認したいのですが、データベースについて、国以外の主体の場合、学術に限定しているのですか。
事務局:  そのとおりです。
専門委員:  データベースの定義を確認したいのですが、前小委員会報告の定義によるとリンク集のようなものもデータベースに含まれるように思われます。何をデータベースとするかという判断が難しいでしょう。それによって集めるか集めないかが変わります。
事務局:  前の小委員会ではそのような定義があったのですが、今回はリンク集のようなものは、想定しておりません。これについては専門委員にお聞きできればと思います。
専門委員:  データベースの定義は著作権法にあります。この定義はあちこちで使われているもので、著作権法が1986年に改正されたときに入りました。当時はリンクという言葉がなかったけれども、今ではリンクがついているのもあるし、また、部分だけを取れるものもあるし、昔は電子計算機といっていたが、PDAでもよいだろうということで、私どもはデータベースの定義を著作権法の定義とは異なるものにしました。
 しかし、国立国会図書館の新たな制度と著作権法とで、データベースの定義が違うとなると問題だろうと思います。
専門委員:  例えばHTMLだけを使っているデータベースもあります。以前はそのような方法がなく、独立したシステムでしかデータベースができなかっただけです。事情が著作権法を改正して「データベースの著作物」が入った頃とは全く違います。保護の対象とすべきデータベースは何かという問題は置き去りにされています。どうやって解決したらよいかという問題ですが、ハイパーリンクだけで構成されているものもデータベースに含まれると決めれば含まれるし、含めないと決まれば含まれません。
 しかし、ここは法律解釈の場所ではないので、法解釈論は踏まえないといけないが、我々で決めればよいと思います。
専門委員:  なぜこれを確認したかったといいますと、データベース自体の収集は行わないということなので、収集対象かそうでないかの振り分けをどうやって行うのかが問題になるからです。人手でやるとかなりの作業量が発生して難しく、何らかの機械的な形で判断していかないと運用上苦しいと思います。データベースは収集しないと切り分けるならば、運用上可能かどうかがポイントになります。
小委員長:  ダイナミックな出版物としてのデータベースをリアルタイムに収集することはしないということですね。
専門委員:  リンクについては決めればいいということを前提とした上で、データベースといっても見方を変えれば単なるウェブ・コンテンツであるというものが普通です。データベースを収集しないと決める場合であっても、国の場合は特にそうですが、電子文書の塊として収集することは禁じられていないと解釈して収集すべきだと思います。データベースにも該当するから収集しないとは解釈しないほうがよいと思います。それははっきりさせたほうがよいでしょう。
 例えば経済産業省に所管法令集のページがあります。これには目次があって、検索もできます。検索プログラムを収集するかは別として、これはデータベースではあるけれども、政府の発行した法令集として収集するのは妨げないという解釈が必要だろうということです。
事務局:  データベースをそのまますべて収集対象から除くということではなく、データベースであっても集められる可能性のあるものは集めるということです。データベースをすべて除くということは考えていません。
専門委員:  動的な出版物というところで気になったのですが、動的な出版物にはデータベースとは違うものが多く含まれます。動的な出版物はここで考えられているのか、別のところで考えられているのかを伺いたいと思います。
事務局:  動的電子出版物については第2回小委員会でもう一度扱うと考えています。
 
-収集の範囲から除外すべき出版物-
小委員長:  検討事項の4番目の収集対象から除外すべき出版物に入ります。
事務局: 〔放送番組を収集するかについて配布資料に基づき説明。放送番組は収集対象としない。
 なお、イントラネット等は収集対象から除外することが適当である。〕
専門委員:  資料で放送番組とありますが、番組というのは、オンデマンドでないということを前提としたスキームです。しかし、放送事業者は今後コンテンツをオンデマンドにしていくと、インターネットとどこが違うのかが明らかでなくなります。放送とインターネットは通信媒体が電波なのか電波でないのかという違いくらいしかなくなっていかもしれません。実態はデジタル・ファイルになるでしょう。
 例えば、NHKから放送大学のコンテンツを文部科学省に移管して文部科学省のサイトで公開した場合、これは放送事業者のコンテンツの一部ですが、どう扱うのでしょうか。
事務局:  放送番組については、放送法の第2条第4号において、放送をする事項の種類・内容・分量及び配列をいうと定義されています。まさに配列が問題で、バラバラにすると放送番組なのかどうかという話になると思うのですが、現行の放送法にとっかかかりがあるので、それを利用したということです。
 2番目の御質問は複雑で理解が十分でないのですが、放送番組が二次的利用でどんどん流れている場合、ここでの基準によれば集めないことになるけれども、やはり集めるべきだとお考えということでしょうか。
専門委員:  そういうコンテンツについて、初中等教育のための特別のサイトに集めることがないとはいえません。そうなった場合、放送事業者の編集にかかる放送番組であることがポイントではないかもしれません。収集の時点においてこういう属性を持っているもののだったらよいですが、属性自体が変わっていく可能性があります。基準時を定める工夫が必要だと思います。
委員:  放送とそれ以外を切り分けるのはあまり現実性がないように思います。多数の権利者が関わるのは放送以外で流しても同じで、むしろ放送のほうがいろいろ規定があって整備されています。放送コンテンツ的なものを放送以外で集めようとするともっと大変です。
 整理の仕方を考えていただいたほうがいいと思います。
専門委員:  多数の権利者が関わり、権利の調整が容易にできないもので、収集の時点でという限定がつくという感じでしょうか。
小委員長:  除外すべき放送番組の定義ですが、何をいっているのでしょうか。放送番組以外に、放送に似たインターネットも全部除外するということですか。
事務局:  放送法に基づき、放送番組はかなり集められています。ですので、それに相当するものは収集対象から除きたいという趣旨です。
小委員長:  そうであれば、「放送法によって収集されているものを除く」などと書けば済むことになりますね。
事務局:  実際には収集基準を定めていて、こういうものは集めないなど除外があって狭くなっています。一番広いのは放送事業者が編集した放送番組ということで、こういう表現にしました。
小委員長:  お二人の議論は、それに対して、定義を別の言葉できちんとやり直すということですか。
専門委員:  私どもは専門家なので説明を受ければ分かりますが、国民に新たな法律やルールを示す時には条文などを読むだけで原理原則が見えてくるようなものが望ましいと思います。実質的な理由はこうで、代表例は放送番組であるという構造がよいと思います。その方が裁判官も間違えないでしょう。
 ドラフトに基本的に賛成ですが、放送法の定義が変わる可能性があります。地上派デジタルでは時報をやめると聞いています。放送法にあるとおりの放送は今後消滅するかもしれません。そういう前提で考えたほうがいいでしょう。
小委員長:  ハードディスクに入れると放送時刻という概念がなくなるといわれますね。
専門委員:  番組という概念が消滅する可能性があります。同期の取れた時間に何かが流れてくることがなくなることもありえます。
専門委員:  言葉の問題ですが、資料にWANとありますが、インターネットもWANですので、WANを削り、イントラネットだけ残すほうがよいと思います。
 
3. 第2回小委員会の調査審議の内容及び日程等
小委員長:  それでは第2回小委員会の調査審議予定について御説明いただきたい。
事務局: 〔第2回小委員会の調査審議内容予定について説明〕
小委員長:  それでは、注文がついたので、次回の小委員会になるべく反映させてください。また、個別にも委員・専門委員に確認してください。今後の日程ですけれども、変更があるそうです。
事務局: 〔第2回小委員会の日程について説明〕
小委員長:  次回は来年1月の終わりということで、皆さんにとって一番都合のいい時期を選んでください。今日は予定をオーバーしてしまい、お詫びします。熱心に議論していただいたと思います。どうもありがとうございました。
(閉会)

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