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トップ > 国立国会図書館について > 納本制度審議会 > 第18回納本制度審議会議事録

第18回納本制度審議会議事録

日時:
平成22年3月16日(火)午後2時~3時55分
場所:
国立国会図書館 本館4階特別会議室
出席者:
中山信弘会長、合庭惇委員、石坂敬一委員、上野徹委員、角川歴彦委員、小峰紀雄委員、関口和一委員、濵野保樹委員、福井健策委員、藤本由香里委員、山本隆司委員、湯浅俊彦委員、植村八潮専門委員、大久保徹也専門委員、三瓶徹専門委員、常世田良専門委員、深見拓史専門委員
会次第:
1. 開会のあいさつ
2. オンライン資料の収集に関する小委員会における調査審議の経過及び結果に関する報告
3. 今後の予定について
4. その他
5. 閉会
配布資料:
(資料1)第17回納本制度審議会議事録
(資料2)納本制度審議会委員・専門委員名簿
(資料3)オンライン資料の収集に関する中間報告
(資料4)納本制度審議会小委員会「オンライン資料の収集に関する中間報告」の骨子
(資料5)納本制度審議会小委員会「オンライン資料の収集に関する中間報告」の概要
(資料6)中間報告に対する山本委員からの修正案
(資料7)オンライン出版物の概念整理(参考イメージ図)
(資料8)今後の日程(案)
(資料9)国立国会図書館法(抄)
(資料10)納本制度審議会規程(平成9年国立国会図書館規程第1号)
(資料11)納本制度審議会議事運営規則(平成11年6月7日納本制度審議会決定)
(資料12)中間報告関係法規抜粋

議事録:
1 開会のあいさつ
会長:  定刻となりましたので、第18回納本制度審議会を開催いたします。本日は、15名の委員中12名の委員の方々に御出席を賜る予定ですので、定足数は満たされております。なお、山本委員は遅れて御出席される予定です。また、前回に引き続き専門委員の方々にも御出席いただいております。
 それでは、お手元の会次第に従いまして、会を進めてまいります。まず、配布資料の説明を事務局からお願いします。
事務局: 〔配布資料について説明。〕
 なお、前回審議会の議事録につきましては、出席された委員及び専門委員に御確認いただき御了承を得た上で、既に当館のホームページに掲載されています。お手元の資料1はそれと同じものです。万一誤植その他問題がございましたら、事務局まで御指摘ください。
会長:  ありがとうございました。資料に過不足はございませんでしょうか。
 
2 オンライン資料の収集に関する小委員会における調査審議の経過及び結果に関する報告
会長:  引き続きまして、会次第の2に入ります。昨年10月17日の第17回納本制度審議会において長尾館長より諮問を受け、その専門的事項を調査審議するための小委員会を設置しました。本日は、オンライン資料の収集に関する小委員会における調査審議の経過及び結果に関する報告を、合庭小委員長からお願いしたいと思います。
小委員長:  それでは、オンライン資料の収集に関する小委員会の中間報告について説明いたします。この中間報告は中山会長からお話のあったとおり、国立国会図書館長からなされた諮問に対して小委員会での検討結果を取りまとめたものです。小委員会は、平成21年11月19日、12月15日、平成22年2月16日に3回の会議を開催しました。オンライン資料の制度的収集に係る論点を整理し、各論点について検討を行い、その結果をこの報告書に取りまとめた次第です。当初は、もう一回小委員会を開催する予定でしたが、うまく議事が運び3回で取りまとめることができました。先ほどの資料の説明にもありましたとおり、中間報告は通しページで19ページから52ページと分量がありますので、私からは中間報告の骨格について53ページの資料4に基づいて説明いたします。より具体的な内容については事務局から説明をお願いしたいと思います。
〔納本制度審議会小委員会「オンライン資料の収集に関する中間報告」の骨子に基づき説明。〕
会長:  ありがとうございました。それでは、事務局から概要の報告をお願いいたします。
収集書誌部長:  今回のオンライン資料の収集に当たって設けるべき制度の在り方については、合庭小委員長から御報告していただいた制度に依るところとなりますが、より具体的な点について事務局から説明いたします。報告書本文と54ページからの概要を併せて御参照ください。
〔納本制度審議会小委員会「オンライン資料の収集に関する中間報告」の概要に基づき説明。〕
会長:  内容についての議論に入る前に、山本委員から前もって修正案が提出されております。この点も含めて検討したいと思いますが、山本委員は所用により遅れていらっしゃるとのことですので、山本委員に代わりまして事務局から修正案の説明をお願いします。
収集書誌部長:  山本委員は小委員会所属の委員でもいらっしゃいますが、修正案をいただいたのが時間的に少し遅くなってしまいましたので、審議会の場で検討することになりました。
〔「中間報告に対する山本委員からの修正案」に基づき説明。〕
会長:  山本委員の修正案も含めまして、報告について御質問や御意見はございますか。
委員:  山本委員の23ページの修正案について、表現を少し変えてはいかがでしょうか。「罰則規定は設けないことが考えられる」というのは、「設けないことが妥当と考えられる」の方が適切ではないかと思いました。修正の趣旨には賛成いたします。
収集書誌部長:  藤本委員が御提案された「妥当と考えられる」の方が収まりがよいという印象を持ちました。審議会での了承が得られれば、表現を変更することは可能ではないかと思います。
会長:  「設けないことが考えられる」というのは、「設けることも考えられる」という含みも持つことになるかもしれません。それでは、藤本委員の修正でよろしいでしょうか。他に何かございますか。
委員:  報告書の「はじめに」の部分では、「電子的に作成される創作的な著作は重要な文化財であるとの認識」から、これらを国立国会図書館で収集・保存することは重要な課題であると述べられています。一方、第3章の「オンライン資料と他の資料との区別」では、ネットワーク系電子出版物は、「広く放送番組、ウェブ情報、動画、音楽配信等を含むもの」と定義されていますが、オンライン資料は「主にテキスト・図などであって、かつ何らかの編集過程を経たものであることを意味する」と記述されており、編集ということに重きを置いた形になっています。しかし、放送番組や動画、音楽配信なども創作的な著作物であることを考えると、「創作的な著作」と「何らかの編集過程を経た」という二つの表現を、文脈に応じて都合よく使っている印象があります。本来はデジタル著作もオンライン資料も創作的な著作ということであれば、そのような記述でよいと思いますし、あるいは著作物について編集過程を経ることに意味があると考えるならば、一貫してきちんと表現すべきではないでしょうか。
小委員長:  「編集過程」については、小委員会でもかなり議論になったところでした。しかし、小委員会の仕事は館長からの諮問にこたえることですので、諮問中にも使われている「編集過程」という表現については、特に議論を反映せず諮問にこたえる形で考えて文章をまとめました。もう一つの「ネットワーク」については、放送と通信の関係がなかなか難しいと思います。かつては放送法と通信法で法体系がはっきり分かれていました。しかし、放送と通信の融合ということが言われるようになり、放送番組まで含めて、いわゆる放送局が使う「ネットワーク」という言葉を使うのがよいのかという問題がありますが、その点は少し曖昧になっています。
委員:  なぜこのようなことを質問するのかと申しますと、報告書の「おわりに」では、デジタル資料の特徴として内容の変更や改ざん等が容易であるため、「公的な機関が収集保存することによる真正性の確保も求められる」と述べられています。著作権法では旧来、著作物は同一性保持権や人格権など、著作物が固定されていることに意味がありました。デジタル著作物を国会図書館が集めるにあたって、もう少しきちんとした定義付けを行っておくことはできないでしょうか。デジタル著作物の考え方において、国会図書館に模範となるような存在になってもらいたいと思います。おそらくこの報告書に書かれていることは、今後の著作権法の在り方にも影響を与えるのではないかと感じましたので、定義をもっと厳密にしていただきたいと思いました。
委員:  角川委員の御意見には二つの側面があると思います。一つは、収集するものをテキストに限るかどうか、動画との区別の問題について、もう一つは編集過程の問題だと思います。テキストについては、報告書29ページと54ページの定義の違いについて御指摘がありましたが、これは文脈が違うと考えてよいのではないでしょうか。54ページの記述は、現実にインターネット上にあるすべてのもの、編集過程を経ていない著作物も含む定義であり、同人誌など個人がブログ等に掲載している創作物も含むのではないでしょうか。それに対し29ページの記述は、「オンライン資料と他の資料との区別」の部分なので、様々な創作物がインターネット上にある中で、創作物すべてを収集するわけではなく、国会図書館が収集対象とする「オンライン資料」とは「編集過程を経たもの」であると、とりあえず定義しているという理解でよいのではないでしょうか。
小委員長:  「オンライン資料」というのは、あくまでも国会図書館がオンライン出版物を収集して図書館資料として取り扱う際の呼び方です。
委員:  オンライン資料というのは収集したもので、収集するにあたってのガイドラインとして「編集過程を経たもの」という定義が入っているということでよろしいでしょうか。
小委員長:  とりあえず今回の報告書における定義はおっしゃるとおりだと思います。
委員:  ですので、そういった定義が入る前の定義が54ページの定義になるので矛盾ではないと思います。むしろ、今回の定義としては「創作的な著作物」ではなく「編集過程を経た」創作物であるという理解でよいのではないでしょうか。
小委員長:  藤本委員が例として挙げられた個人がブログ等に掲載した創作物については、それを国会図書館に送信してきた場合には、印刷媒体でいうところの自費出版物を国会図書館に送付してくる行為と同様と思われますので、オンライン資料という形で収集することになると思います。
委員:  そういったものの納本義務はどうなるのでしょうか。
小委員長:  運用上の問題は国会図書館に答えてもらいたいと思います。
委員:  個人がブログに掲載したようなものは今回の収集対象とはしないが、同人誌など自費出版の紙媒体が送付されてきた場合と同様に、向こうから送信されてきた場合には収集するということでしょうか。
収集書誌部長:  報告書における書き分けについては、藤本委員のおっしゃるとおりだと理解しております。諮問書において「従来の出版と同様の編集過程を経つつ」とありますが、ここで言う「編集過程」というのは動画や映像の「編集過程」とは別の意味であり、動画や映像といった情報が編集過程を含んでいないと言っているわけではありません。あくまでも「従来の出版と同様の編集過程」を経ている出版物ということを、ここで申し述べているということです。
委員:  国会図書館としては、編集過程に創作的な価値があることを認めているからこそ、著作物として収集しようとしているのだと思います。ですから、創作物であってかつ編集物でもあるような存在を大事にするということを、この報告書の中で強く言っていただけると個人的には非常に納得できるのですが…。
委員:  それは少し違うと思います。例えば自費出版でもある種の編集過程を経ていると判断すべきであり、ここでは編集過程の度合いを問題にしているわけではありません。表現内容について優れているかどうか、創作的であるかないかということは問題にされていません。むしろ、外形的な定義によって収集しようとしているのが小委員会の中間報告の中身だろうと思います。
委員:  ということは、創作物はすべて編集過程を経ていると認識するのでしょうか。
委員:  小委員会における調査審議において、今回収集の対象とするものを、そもそも著作物に限るとは意識しておりませんでした。世の中に図書あるいは定期刊行物として出るものはほとんどが著作物であろうと思いますが、中には著作物にあたらないものもあるわけであり、そういうものにも収集の必要性はあると思います。よって、オンライン資料についても、それが著作物であり創作性が高いものだけが収集対象になるということではなく、ある外形的な定義で収集すべきものを区別するということだと思います。そうでなければ、内容審査になってしまうおそれがあり制度として無理だろうという気がします。ただし、実際に収集するオンライン資料の大半は著作物であると思われます。それは編集過程で著作性があるもの、執筆過程で著作性があるものの両方がありますが、ほとんどが著作物であるので著作権法の手当てが必要になります。しかし、収集するかどうかについて、著作物であるかどうかということを意識して議論はしなかったと理解しています。
会長:  確かに事実を羅列したものがあった場合にも、収集しないわけにはいかないと思います。
委員:  時代の記録としては重要なものがあるのではないかと思います。
小委員長:  データベースについても、データベースそのものを収集の対象とはしませんが、構成している個々のコンテンツは対象としています。
委員:  そうすると、収集の対象に関しては、本来ならネット上にあるすべてのものを集めたいと思っているが、とりあえずは編集過程を経ているものに限っているという理解でよろしいでしょうか。
小委員長:  今回はそのとおりです。たくさんある中で、今回は紙媒体でいえば図書・逐次刊行物に相当するオンライン出版物を対象とするということです。すべてを収集対象とするならば、この数か月間の検討で結論を出すというのは無理がありまして…。
委員:  ということは、積極的に収集するのは編集過程を経たものであるが、同人誌など個人が出したインターネット上の作品を国会図書館においてデータとして保存してもらいたいという申出があって送られてきた場合には、受け入れるのでしょうか。
小委員長:  私はそう理解しています。
収集書誌部長:  そうです。
小委員長:  もう一つ、角川委員のお話にあったデータの真正性の問題は、小委員会では最良版の問題として議論をしました。報告書36ページの「オンライン資料における最良版」という部分でして、現行の納本制度では最良版を納めるということになっているので、オンライン資料においても最良版を集めることが可能かどうかという議論はしています。
委員:  本格的な電子書籍時代に突入すると、例えば紙のオリジナル版があって電子版が出た場合に、電子版は内容の変更や改ざん等が非常に容易であることが問題になってくると思います。そうなってくると、今後国会図書館に真正性の確保が求められるようになる可能性は高いのではないでしょうか。アメリカは議会図書館に登録されると著作権が確定すると聞きましたが…。
会長:  今は少し制度が変わっています。確かに昔は寄託によって権利が発生しました。現在も一部は複雑な点が残っておりますが、基本的には創作すれば権利が発生するという点では日本と同じです。
委員:  これが進んでいくと、著作権者が自らの正当性を主張するような事件が起こった際に、国会図書館に納められている電子書籍の在り様が真正性の判断材料となる、というようなことを求められるのではないでしょうか。そこまで考えた上で、国会図書館が制度設計を行っていくことに意味があると思います。
会長:  それは、国会図書館が一番真正なものを持っていて、それが改ざんされないという趣旨なのでしょうか。それとも、誰かが改ざんしたものを間違って国会図書館が持っていてはいけないということなのでしょうか。
委員:  そういうことも含め考えることだと思います。
会長:  後者であるならば、量の問題はありますが、現在でも著作権侵害の書籍を国会図書館が受け入れてしまったということがあるかと思います。そういったことが大量に起こる可能性があるということでしょうか。
委員:  これからその可能性はあると思います。納本ということだけを考えるならば、そこまで言う必要はないかもしれませんが、せっかく納本制度を唱えるならば、もう一歩ふみこんだ意味付けを国会図書館に持ってもらいたいということです。
委員:  角川委員のお話にあった編集過程の有無というのは、デジタル書籍について考える時に大きな問題ではないでしょうか。今は本を出す際に出版社によるそれなりの投資が必要です。専門の出版社が投資をして本を作成したということが、その本にある種の信頼性を与えているのだと思います。しかし、インターネット上では出版社が編集過程を経て作成したものも個人がブログ等で発表したものも、実は区別がなくなってきています。おそらく、この点が電子書籍化・デジタル化における最も大きな問題ではないかと考えています。
会長:  一億総クリエーター時代になれば、必然的にそういった事態になるかとは思いますが、それを納本とどう関連づけて考えるのかというのは、なかなか難しい問題が出てくるかと思います。
 議論が白熱しましたが、ここで10分間の休憩をはさみたいと思います。3時25分に再開したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
〔10分間休憩〕
会長:  それでは、再開いたします。先ほどの続きで、小委員会の中間報告に御意見、御質問を頂戴したいと思います。
委員:  報告書22ページで使われている「私人」という言葉について諮問を読めば意味は分かりますが、諮問を読まないで中間報告を読むと「私人」の反対が「公人」なので誤解を招くおそれはないでしょうか。「私人」という言葉を定義した上で使った方がいいのではないかと思います。
会長:  趣旨としては諮問と同じような表現にした方がよいということなので、文章は後で修正していいただきたいと思います。
委員:  もう一点質問があります。国会図書館の利用は18歳以上と限定しているので、成人資料についても大半を自由に閲覧できるようになっていますが、オンライン資料に関して、仮にインターネットを通じて都道府県立図書館や子ども図書館での閲覧が可能になった場合、過激な性表現や暴力表現が含まれているものをどのように扱っていくのでしょうか。
会長:  その点について、事務局はいかがでしょうか。
収集書誌部長:  報告書に記載されているのは、基本的には図書館資料と同等の利用ということであり、オンライン資料について都道府県立図書館で自由に利用できると述べているわけではありません。都道府県立図書館で18歳未満の方々がオンライン資料だからということで閲読できるということではなく、東京本館あるいは関西館での通常の図書館資料と同様の利用ができるということです。18歳未満を対象にした資料であれば国際子ども図書館に行くことになるので、おおむね18歳未満の方々が子どもに関するオンライン資料を見るということになると思います。
委員:  そうすると、メタデータで成人向けかどうかを表示するのでしょうか。
収集書誌部長:  オンライン資料についても、成人向けであろうとなかろうと現行の図書館資料と同等の利用が可能ということになります。
委員:  子ども図書館は利用の対象に入らないのでしょうか。
収集書誌部長:  子ども図書館も利用の対象になります。おおむね18歳未満の方を対象にしていると思われるオンライン資料については、子ども図書館での利用が考えられるかと思います。
委員:  そのあたりの線引きはしてあるのでしょうか。
委員:  この報告書からは読み取れないと思います。保護者の方が読むと不安に思うのではないでしょうか。
委員:  図書の場合には、現在でも国会図書館にある資料はすべて子ども図書館でも利用できる状況にあるのでしょうか。
収集書誌部長:  子ども図書館は児童のために作った施設ではありますが、児童だけが利用するわけではなく児童文学を研究する研究者の方なども利用できます。そこで通常の図書館資料を利用するという想定はありません。
小委員長:  別件ですが、目次から諮問書のページ数が脱落しているので追加した方がよいと思います。
委員:  先ほどのお話ですが、紙の資料であれば対面で本を利用者に渡すことができるので、子どもがどんな本を読んでいるのかを判断することができます。一方、オンライン資料については、仮にオンラインで自由に読むことができるとすると、子どもが何を見ているのかチェックできません。だから、子ども図書館におけるオンライン資料の利用は18歳以上に限るというようなことが必要ではないかというのが、濵野委員の御提案だと思います。
委員:  主旨はそのとおりです。
委員:  私も今の問題意識はもっともであると思いました。報告書の該当部分は、現在想定している利用を超えた場合について新たな契約による処置が必要だというのが眼目ですので、あまり長い項目ではありませんが、例えば第一段落の最後に「その際に対象年齢層に配慮したゾーニング等の検討を行うべきである」といった文言を追加することで、保護者の方の不安にもこたえられるのではないかと思いました。
会長:  実際にそれをやろうと思ったら大変だと思います。
委員:  それができないようですと、利用の仕方にも影響を与えることが出てくるかもしれません。
会長:  なかなか大きな問題ですので、これは将来の課題とした方がよろしいでしょうか。事務局の御意見はいかがでしょうか。
収集書誌部長:  この部分は「図書館資料としての利用形態を超える利用」とありますが、すべての利用形態を列挙できているわけではありません。利用については実際に制度化する段階で考えるべきことが多くありますが、子ども図書館の資料についてのみ対象年齢を配慮した利用とするのは、全体のコンテキストから見ると少し細かすぎることのような気がします。同様に考慮しなければいけないことを列挙するとなると、かなりたくさんの事柄があるので、今の段階で記述を追加することは少し難しいかもしれません。他に例外的なところをもう少し読み込むようなジェネリックな表現を入れるかどうかということで考えることはできるかもしれません。
事務局:  2つのことが混同されて論議されているように思います。福井委員から御指摘があったのは公共図書館での利用の件ですが、それと同時に、国際子ども図書館での利用についても議論の中で混同されているように感じましたので、少し補足いたします。国際子ども図書館では、児童書及びその関連資料としてそこに所蔵されている資料のみを閲覧することができます。当館に納本された永久保存の資料すべてを18歳未満の方が利用できるわけではありません。また、国際子ども図書館では、子ども向けに永久保存用ではない資料を別にセレクトして購入し閲覧に供しています。おそらくオンライン資料の場合も、これから運用を検討していく段階ではありますが、図書館資料についての考え方を準用すると、児童書に相当する資料を区別して利用に供する運用になる可能性が高いのではないかと思います。
委員:  非常によく分かりました。
会長:  細かい点はこれからつめなければいけないと思いますが、今の事務局からの説明でよろしいでしょうか。他に何かございますか。
委員:  利用に関しては、著作権の問題も含めて今後膨大な問題が生じてくると思います。ですから、デジタル資料の納本に関しては今の紙媒体の図書・逐次刊行物のやり方を援用するという大枠を決めておいて、後は実際の現場において運用でやっていけばよいのではないでしょうか。利用の問題に入っていくと、大きな問題が次々と出てくる気がいたします。
会長:  おっしゃるとおりだと思います。今すぐこの場でつめていくのは難しいのではないかという気がします。他に何かございますか。
委員:  一つだけよろしいでしょうか。オンライン書籍にISBNコードを付与することが定まったというニュースを、最近読んだような記憶があります。もしこれが実現されるのであれば、「ISBNコードが付いているオンライン書籍」という比較的判断を必要としないはっきりとした定義にすることができるのではないでしょうか。
収集書誌部長:  ISBNは日本では日本図書コード管理センターが付与しているのですが、国際的にはISBN国際センターがISBNを管理しています。ISBNコードをオンライン書籍に付与することは、すでに国際的なガイドラインでは決まっています。日本のガイドラインについても、現在新しいものを準備しているところですが、その中ではオンライン書籍のISBNについて国際ガイドラインに倣って付与することができるとされているのですが、強制力がないため、実際は付いているケースというのはほとんどありません。諸外国ではかなり付与されているのが実情でして、今後付与していく必要があるのではないかと考えています。もう一つ、雑誌のISBNに相当するものとしてISSNというものがありますが、これは国会図書館が付与しております。これについては、できるだけオンライン資料にも付与するように心がけて取り組みを行っているところです。
委員:  報告書の「はじめに」と「おわりに」の部分では、オンライン出版物について形容がなされていますが、その中でオンライン出版物について、紙と比較して「脆弱」であるという記述がされています。これは紙という固定物に対して形のないオンラインという点に着目した表現だと思いますが、出版物の機能としてはネットワークの伝播性、つまり多数の人に見てもらうことが可能であるという点では、必ずしも「脆弱」という言葉はあたらないのではないでしょうか。着目点の違いによるものであると思いますが、一読した際に「脆弱」という表現に違和感を覚えました。むしろ、これからの出版形態としてはオンラインが主流となっていくことを考えると、その裏の発想として紙で発行されたものは正しいがデジタルは疑わしいというような印象を受けました。
収集書誌部長:  ここでいう「脆弱」とは英語で言う「fragile」であり、2003年に作成されたユネスコの「デジタル文化遺産保存憲章」の中で使われている表現です。この憲章の中で、デジタル情報は様々な技術革新の中で消え去っていくもの、非常に脆弱なものなので、公的機関が積極的に保存に向けた取り組みを行うべきであるということが述べられています。これを受けて各国は色々な取組みを行っており、憲章の中で広く使われていることもあって、電子情報について定義する際に「脆弱」という表現は比較的よく用いられています。全体的な文脈ではユネスコの憲章を引用するところではありませんが、背景的なところではかなり根拠があると考えています。
会長:  「はじめに」の部分では「その存在は極めて脆弱」と書かれているので、ビジネスとしてこれから発展していくかどうかということではなく、確かに存在は脆弱であるかと思います。
委員:  「脆弱」というのはネガティブなイメージのある言葉なので少し気になりました。
会長:  他に御意見はございませんか。それでは、これで議論は終了したいと思いますが、山本委員がお見えになったので、修正案について再度事務局から説明していただきたいと思います。
収集書誌部長: 〔山本委員の修正案に対する意見を紹介。〕
 山本委員、いかがでしょうか。
委員:  それで結構だと思います。
会長:  それでは、山本委員の修正案については了承されたこととします。その他に色々と御意見が出ましたが、文章についてはお任せいただければと思います。最終の答申とする際に反映させていただきたいと思います。当審議会といたしまして小委員会の中間報告を承りました。小委員会所属の委員・専門委員の方々には御礼申し上げます。
 
3 今後の予定について
会長:  続いて、会次第の3に入ります。今後の日程について事務局から説明していただきます。
収集書誌部長:  平成21年度は、第16回、第17回、第18回と3回の審議会を開催し、その間に3回の小委員会を開催して中間報告をとりまとめることができました。次の段階としては「オンライン資料の収集に関する答申」ということで、当審議会でオーソライズしていただければと思います。答申の時期については、平成22年4月以降に、文言の調整等の所定の手続きを経て、あらためて審議会の開催について御連絡したいと考えております。また、答申をいただいた上で、関係機関・団体の方々に内容の御説明や今後の実施に向けた調整等も行わなければならないと考えております。そのタイミングも考慮した上で、次回の審議会の日程を考えていきたいと思います。
会長:  ただ今の説明について、何か御質問はございますか。日程に関してはよろしいでしょうか。
 
4 その他
会長:  それでは、次に会次第の4「その他」とありますが、事務局からは特にないようです。皆様から他に何か御意見等はございますか。
委員:  この報告書に述べられているのは日本のオンライン出版物についてのみですが、海外文献のデジタル出版についてはどのような扱いになるのでしょうか。今後の予定や見通しがあれば教えていただきたいのですが。
収集書誌部長:  海外のものについては、国内法で制度的に収集することは無理ですので、国会図書館としては契約や購入という形で積極的に集めていきたいと考えております。しかし、この点について納本制度審議会で御議論いただくのは多少土俵が違うような気もいたしますが、御意見等がございましたら収集書誌部の方で承りたいと思います。
会長:  紙媒体についても、海外の資料は納本ではなく購入しているのでしょうか。
収集書誌部長:  そうです。外国資料の収集もしております。
会長:  オンライン出版物についても、それと同じような形になるのではないでしょうか。
収集書誌部長:  そのとおりだと思います。
委員:  最近は国際的にもオンライン上での発言について記録の有無が問題になることが多く、都合が悪くなると削除されてしまう場合もあります。そういった際に何か制度がないものかと前から思っておりまして…。
会長:  紙媒体でもそうですが、やはり外国の個人・団体に国内法で納本を義務づけるのは難しいのではないでしょうか。自ら収集するということはできると思いますが。他に御意見はございますか。
委員:  先日、ドイツのハノーバーで開催されたセビットという国際情報通信技術見本市に参加しましたが、アジア勢が電子ブックを相当出していました。キンドルよりもっと機能がよいものを出していて、情報の配信インフラも自分達でやろうとしている中で、日本も民間がもっと大きな形で頑張らないと負けてしまうのではないかということを一言申し上げたいと思います。
委員:  電子書籍リーダーを出すか出さないかということも大事ですが、作家や出版社を守るようなビジネスモデルを早く作ることが大事だと考えています。音楽業界では、ビジネスモデルができないままに独占状態が生まれてしまい、アーティストや音楽出版社が疲弊するという状況に陥りました。
委員:  競業してやっている部分もありますが、音楽業界はある意味でビジネスモデルを取り損なったということがあると思います。出版業界はもっと弱小のところが多いので、二の舞にならないように早くやっていただきたいと思います。
委員:  そういうことを考えるのは、出版経営者の責任であると思います。
会長:  他に何かございますか。よろしいでしょうか。それでは、以上をもちまして、第18回納本制度審議会の会次第はすべて終了いたしました。本日はこれにて散会いたします。
(午後3時55分終了)

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