書庫環境
環境管理は、資料の劣化を防いだり遅らせたりする、予防のための資料保存対策です。環境管理の一環として、ここでは東京本館、関西館、国際子ども図書館でとられている書庫環境への配慮を紹介します。
東京本館
関西館
国際子ども図書館
温湿度管理
本館には地下5層、地上12層から成る書庫と新館には地下8階に及ぶ地下書庫があります。いずれの書庫も年間を通じて温湿度が大きく変動しないように調整しています。

国立国会図書館新館断面図(地下部分が書庫)
照明
書庫内の照明は、通路を除いて通常は消灯しています。書架通路天井の熱線センサーが人の体温を感じ取り、進入すると点灯、退去すると一定時間後に消灯します。これは劣化の原因となる蛍光灯の紫外線を必要以上に資料に当てない工夫のひとつで、エネルギーの節約にも貢献しています。集密書架では、書架の移動と連動して照明が点滅します。
防災対策
火災が発生した場合、本館書庫では二酸化炭素を、新館書庫ではハロゲン化物を使って消火します。天井に配置されている煙感知機が中央制御室及び防災センターに自動的に通報し、更に、消防署へ連絡するシステムがあります。また、同時に書庫内にいる人に避難命令を伝達する非常放送の設備があります。
また地上で何らかのトラブルがあって、万が一消防注水されても地下に漏水しないように、一階の床にも十分な防水措置が講じられており、書庫内に湿気が入り込むことを極力避ける工夫がなされています。
書架配置
貴重書、準貴重書をのぞき、資料は全てスチール製書架に配架されています。書架の最下段と床の間をできるかぎり空けて床からの温度・湿度の変化を直接受けないようにし、さらに、書庫内の通気を一様にするために資料の配置に工夫をしています。
資料の性質に配慮した環境作り
貴重書及び古典籍資料

書庫内書庫(貴重書庫と木製書架)
貴重書及び古典籍資料には独立の書庫内書庫が設けられています。貴重書、準貴重書に指定された資料やそれに相当する資料は、楢の合板を使った木製書架に配置され、書籍に急激な温湿度変化が無いように配慮されています。その他キャビネット・ブックトラックも木製です。蛍光灯は紫外線の発生を通常の 99.7%までカットするものを使用、そして書庫内の空気圧を高めに設定して、塵埃の進入を防止しています。
資料の排架は横置きが原則で、損傷を最大限に抑える配慮をするほか、和書は帙や桐箱に、洋書は保存箱に収納しています。その他の古典籍資料も、スチール製の棚にベニヤ板を敷いた上に排架し、安定した温湿度になるよう配慮しています。人が出入りすることで書庫内の温度・湿度が変化するので、空気をできるだけ乱さないことが肝要です。立ち入りを担当者に限定し、その際に専用スリッパの着用を義務付けています。
マイクロ資料

マイクロフィルム(ネガ)保存庫
原資料の代替物として作られたマイクロフィッシュ、マイクロフィルム。書庫の1区画にはそのネガフィルムを収蔵する保存庫を設けています。温度18℃、湿度25%前後で常に保たれ、また、マスター用カラーフィルムは保存庫内の自動防湿保管庫に収められています。
国際子ども図書館 書庫
国際子ども図書館の書庫は、1層から6層まで(2層と3層の間のM3層を含む)の7層構造になっています。少ない床面積で多くの書架を設けるため、すべて集密書架を使用しています。集密書架は手動で、ハンドルを回して通路ができると書架についている蛍光灯が自動的に点灯するようになっています。

書庫内の空調
窓部分は外からは窓の形状をしていますが、内部はふさいであり、内側に内壁を形成し、日射や外気の温度変化が書庫内に伝わりにくい構造となっています。空調は書庫専用で蒸気加湿器を設置、温度に加え湿度も制御できる空調機を使用しています。
消火設備
消火設備は窒素ガス。消火性の向上と人体への悪影響の回避、地球環境を配慮し採用しました。
