IFLA-PAC各地域センターの動向(「PAC NEWS」IPN No.25 2001年8月より)
修復・美術材料用語辞典
修復・美術材料用語辞典が現在米国ボストン美術館のウェブサイト上で利用と評価のためにオンライン提供されている。
この辞典は、美術・建築・考古学の分野において修復、保存、製作の際に、過去に使われた、あるいは現在使われている材料の技術情報を集めた電子データベースである。
美術または修復分野で出会う多種多様な天然材料や商業製品に関する情報を集約し、記録し、普及させることを目的に作成された。
これまでに、約1万語が登録されており、現在も拡充中である。訂正や追加、新規採録など、すべての指摘を歓迎している。同辞書はインターネット上から誰でも無料で利用できる。
電子資料の法定納本
ノルウェーでは電子出版物が法定納本の対象となっている。電子情報の保存と利用のためのシステム構築が検討されており、協力分野を検討するための作業部会がノルウェー国立図書館と新聞出版協会により設立される予定。また出版社側は電子化する新聞の収集・整理等を手がける会社を設立することにしている。
インド・ポンディシェリーにおけるパーマネントペーパー生産事業
ポンディシェリーのシュリ・オーロビンド・アシュラム研究図書館(the Archives and Research Library of Sri Aurobindo Ashram)の手漉き紙部門は、同館の写真コレクション及びシュリ・オーロビンドとその母親(両者は19世紀生まれのインドの極めて位の高い宗教家)の写本を収蔵するためにパーマネントペーパーの生産を計画している。
これまで工場では酸性紙が作られてきた。しかし2000年からアルカリサイズ剤と無酸のバッファーを使用したサンプル紙が作られ始めた。
この事業は国際規格に適合した紙を生産するために、パルプ化をはじめとする製紙技術において、最新技術を導入することを目指している。また同部門はインド国内の他機関にも、高価な輸入紙のかわりとして国際規格に適合した“国産紙”を提供したいと考えている。
NEDLIB: ヨーロッパ寄託図書館ネットワークプロジェクト
現在ヨーロッパの国立納本図書館は、法的納本制度によるかよらないかは別として、その納本対象を電子資料にまで広げようとしており、流通している電子出版物へのアクセスを現在だけでなく、将来にわたって保証していかなければならないという状況にある。
ヨーロッパ寄託図書館ネットワーク(NEDLIB:Networked European Deposit Library)プロジェクトでは、各国の国立納本図書館がこうした状況のもとで直面する主要な技術課題を取り上げている。
同プロジェクトは、電子出版物のための納本システム構築に必要な、基本設計の枠組と基本ツールの開発を目的としており、欧州委員会の情報通信技術の応用についての研究開発プログラムから財政支援を受け、1998年1月開始し、2001年1月31日に終了した。7つの報告書が作成され、電子出版物納本システムの紹介とともにNEDLIBプロジェクトのサイト上で読むことができる。
村上靖子, ヨーロッパの国立図書館における電子出版物納本への取り組み, カレント アウェアネス, No.263, CA1401, 2001年7月
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JICPAによる講習会の開催
「アフリカの文書遺産を守るために」という講習会が、2001年2月南アフリカ共和国のケープタウンで開かれた。講習会は、JICPA(アフリカにおける資料保存のためのICAとIFLAによる共同委員会)の活動として開催された。
参加者の1人であるアンゴラ国立図書館のマリア・ホセ・ラモス部長による感想:
「講習会は資料保存の重要性を知る上で大変有意義なものであった。また、資料保存における職員研修に関する限り、図書館と文書館の違いを問わず、アフリカ諸国は共通の問題を抱えていることがわかった。資料保存の原則や基準はいつでも重視されるべきなのに、アフリカでは必要な専門家が不足している。その結果現時点では、各地域の人々が旅費と宿泊費を使うことなく、自国で、地域の環境にあった研修を受けるということが不可能である。今回はアフリカ諸国におけるさらなる研修にむけた第1歩であるが、講習会では高レベルの知識を得ることができたことを強調しておきたい。また参加者を快く受け入れてくれた南アフリカ共和国の国立図書館職員の人々に感謝している。」
