稲田正次と憲法懇談会の憲法改正案 | 日本国憲法の誕生

資料と解説

2-17 稲田正次と憲法懇談会の憲法改正案

終戦前から憲法改正の必要性を痛感していた憲法学者の稲田正次は、各条項の改廃に関する私案を作成し、1945(昭和20)年12月24日に宮沢俊義を通じて松本(烝治)国務相に提出した。その内容は、英国憲法に範を取った君民同治主義を基本とし、米国憲法も参照して人権の保障を拡充したものである。

その後稲田は私案の条文化を進め、尾崎行雄、岩波茂雄、渡辺幾治郎、石田秀人、海野普吉らと憲法懇談会を設けた。稲田は主に、弁護士で社会党の憲法起草委員でもあった海野と推敲を重ね、前文および本文9章90条から成る草案を3月5日に石黒(武重)国務相に手交した。この草案は、立法権を天皇と議会に認めること、地方議会議員、職能代表、学識経験者からなる参議院の設置、司法裁判所に違憲審査権を付与すること等が特徴としてあげられる。

資料名 憲法改正私案 東京文理科大學助敎授 稻田正次
年月日 [1945年12月28日発表]
資料番号 入江俊郎文書 11(「憲法改正参考書類(憲法問題調査委員会資料)」の内)
所蔵 国立国会図書館
原所蔵  
注記  
資料名 憲法懇談曾の日本國憲法草案
年月日 [昭和21年3月5日発表]
資料番号 入江俊郎文書 29(憲法資料「新聞等に表はれた各政黨その他の憲法改正案」の内)
所蔵 国立国会図書館
原所蔵  
注記 幣原平和文庫 1「幣原喜重郎氏日本国憲法制定関係資料(第二)」に、幣原首相・松本国務相に提出された3月4日付けの草案あり。
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