日本病院開院

Inauguração do Hospital Japonês

Inauguration of the Japanese Hospital

“明るい病院”へ
 輝かしき新生のスタート
  日本病院開院式終る


『聖州新報』1940年9月26日

 我等の「日本病院」開院式は折柄日伯文化協定締結さるの朗報伝はる廿四日、予定の如く午後二時より病院五階講堂に於いて盛大に挙行され、午後三時半シヤンパンの乾杯を以て無事終了、医学を通じての日伯親善と在伯廿万同胞保健の殿堂として「正しい治療、優しい看護、明るい病院」のモツトーの下に輝く新生のスタートを切つた

此の日五階講堂正面には日伯両国旗が一入燦と輝き、医学界は素より官界、実業界、言論界、宗教界の諸名士を網羅する伯人側来賓、邦人側は総領事代理成瀬領事を始め在聖市有力者、宮腰同仁会理事長以下の病院関係者多数後援者など場内を埋め風邪のため臨席出来なかつたバーロス州執ママ官も特に代理を派して祝意を表した、

式はモンテ・ネグロ院長の開会の辞に始まり次いで同院長の病院建設経緯報告並に病院の組織説明、病院監督局長の祝辞、松岡外相の祝辞披露(成瀬領事)、桑島大使の祝辞代読(斎藤副領事)、院長の閉会の辞によつて目出度く開院式の幕を閉じ、シヤンパンの乾盃にて「我等の日本病院」の前途を祝し和やかな日伯親善風景を展開した、次いで来賓一同は院内をくまなく参観したが各種新式設備には一同讃嘆の声を惜しまなかつた

松岡外相祝電
松岡外相は病院開院式に当り左の祝電を寄せ母国同胞の熱意を披瀝した
祝電
日本病院ノ開院ヲ祝シ伯国官民ノ支援ト在伯同胞ノ協力一致ニ依リ病院カ堅実ニ運営セラレ輝ヤカシキ将来アランコトヲ祈ル
昭和十五年九月二十四日
外務大臣     松岡洋右

桑島大使祝電
桑島大使は日本病院開院式に当り宮腰同仁会理事宛左の祝電を寄せ病院使命達成への邁進を望むところあつた
祝辞
同仁会サンタクルツス病院開院式ニ際シ深甚ナル祝意ヲ表スルト共ニ貴下竝ニ関係各位ノ御努力ニ依リ病院本来ノ目的ノ達成セラレン事ヲ衷心ヨリ祈ル
在伯特命全権大使
桑島 主計