帝国経済会議での議論

Assembléia Econômica do Império

Debates in the Imperial Economic Council

大正十三年五月二十六日
   帝国経済会議社会部拓殖部聯合部会議事速記録 (第二回)

                                                 速記担当者
                                                      水野為三郎
                                                      水野春之助

○帝国経済会議社会部拓殖部聯合部会議事速記録(第二回)
  大正十三年五月二十六日午後二時十五分開議

○添田議長 それでは是より此前の会議の続きを開きます、実は皆さんの御選定になりました特別委員会に於かれましては、委員長各委員並に幹事各位の非常なる御努力に依りまして一の成案が得られましたのであります、それは去る二十四日に特別委員長石塚君より私の手許迄御提出になりましてございますから、取敢ず本日此会を開いた次第であります、此旨皆様に申上げます、それで如何でございませうが、案を朗読致すことに致しますが――それではちと長うございますけれども一応案を朗読することと致します
(書記朗読)

○添田議長 此場合に於きまして石塚特別委員長の経過の御報告並に要点の説明を煩はしたいと思ひます

○石塚議員 只今議題になつて居ります此答申案に付て大体の説明を致します、此答申案の趣旨は書類に依つて大体御了承下さることと考へますが、尚ほ之に漏れてありあす点、其他之と重複しない範囲に於て一応の説明を加へたいと思ひます、其説明に這入る前に、特別委員会の経過を極く簡単に御報告致します、

 特別委員会は本日二十四日始めて此聯合部会に於て選挙されたのであります、それから五月一日に此特別委員会を開いて、更に之を国内の移民の小委員会と国外の移民の小委員会と、二つの小さな委員会に分つて、審議上の便宜を図りました訳であります、国内の分は、内地――北海道を除いた所の内地、台湾、朝鮮、樺太、関東洲、南洋群島、委任統治の南洋等としまして、それに隣接して居る所の地方、例へば満洲方面の如きは便宜上矢張此委員会の方で分担をしてやる、斯う云ふことに致しました、国外の方は其他の南洋なり南米なり各方面に亘つての事を研究した次第であります、

 それで特別委員会は前後三回開きました、それから国内の小委員会が五回、国外が七回、それから国内と国外と聯合の小委員会が一回、それで去る二十四日此特別委員会で、只今茲に提出になりました通りの議案を作製致すことに致しましたのであります、以上が委員会の経過であります、

 是より大体の説明に移ります、申す迄もなく此書類にも書いてあります通り此日本の本土の広さと人口の比例の得て居らぬと云ふことは当然明かな事であります、而も其狭い土地すら農耕の目的に利用されて居る所の部分と云ふものは割合に少いのであります、それで食糧も欠乏して居る、生活の必需品も大に乏しいと云ふ実況である、

 そこでどうにかして此人口問題の解決をしなければならぬ、其一案として内外の移民を図ると云ふことが適当であらう、斯う云ふ主意でありますが、之に付きまして直に起る所の難問は年々我国の人口は六十万乃至七十万、多い時には八十万の増加をして居ると云ふ訳であります、大正元年より大正十年の平均は六十九万幾らと云ふことになつて居ります、是だけの増加率の人口を全部若くは大部分を移植民として送出すと云ふことは到底出来ないのであります、

 内に在つては商工業の発達、農業の改良、未墾地の開墾等をやつて、さうして人口の稀薄な部分に分配をして、其平均を図り、外は又適当な部分を探して此所に出来るだけの人を送出すことを図つた所で、到底全部を送出すと云ふことは、出来ないのであります、して見ると此移植民と云ふ事も、人口問題の解決として大した事ではないやうに当りますけれども、併ながら今日の有様を以てして之に勝るの方策は先づ無いやうであります、或は此拓殖方面以外の方面に務て何等かの方法があるかも知れませぬけれども、此聯合部に附記された範囲に付て考へて見ますると、先づ是がどうしても今日に在つては最善の方策と考へられるのであります、

 それから次にどれ位実際に移民と云ふものを外に向つて送ることが出来るものであらうか、又農村の振興等の問題に関連して考へて、どれ位迄出しても差支ないだらうかと云ふやうな所へ疑問が起るのであります、どれ位送出し得るかと云ふことに付ては、前にも述べました通り余り多くを望む訳に行かぬのであります、

 而して又此送出す所の移住先の土地の状態に応じて、尚更之に慎重な注意を払はなければならぬと云ふことになるのであります、どしどし移民を送出すと云ふことになると、其行つた所の移民が、先に行つて必ず成功しないと云ふことになる、是は是迄の経験に依つても明からな事であるのであります、それでどうしても之を送出す前に十分に選択をしなければならぬ、其選択に付ても段々他の方面の事に関係しますが、社会教育其他学校の教育等にも関係を持つて居るやうな訳で、平生から移民たるの気風を養成すると云ふこと、それから又其民となる、今茲に希望者が現れて来た者に対しての選択を十分すると云ふやうなことになりますと、さう余計の者を望む訳に行かなくなるのであります、

 尚ほ其他に経費の関係もあり、殊に遠くに送出す所の移民に付ては相当の補助をしなければならぬ、其経費と云ふものも遠い程尚ほ益々余計にかかると云ふよやうな関係から、経費を出してやらぬでも旁々そう余計の移民を送出すと云ふことは出来ないのであります、

 次に農村の関係に於てどれだけ余計送つて宜いか、農村の振興に対して差支ないか、是は一見すると不思議な問題のやうに思ひますが、併し此議論に度々出ます、是は甚だ又むずかしい問題で、此問に対する御答を数字的に果すと云ふことは到底出来ないやうに思ふのであります、

 併ながら日本の人口は土地の面積に対して非常に多い、随つて農民も亦非常に多いのであります、近年段々と農村から都会に集中すると云ふやうな風にありますけれども、それでも尚ほまだ農村の人口と云ふものは決して少くないのであります、まだ矢張遥に総人口の半ば以上を占めて居ると考へます、

 それに段々と米なり其他の穀物の生産費を節約すると、安く生産すると云ふことも段々攻究しなければなりませぬし、随つて農村の電化問題と云ふやうな事も起つて来て居るのであります、斯う云ふやうな暁には農民は遥に節約しても差支ない、農村の為には差支ないと云ふ結果を得ました訳であります、是は農業部の方の所管の事柄でありますけれども、此部会の方の関係の接触した点は移民の方で攻究を致しました訳であります、

 それから此内地、詰り此北海道を除いた内地、台湾、朝鮮、満洲其他の方面に付て移民と云ふものはどれ位可能的のものであるかと云ふやうなことも調べました、是も茲に大要を申上げます、

  内地に付ては、詰り北海道を除いた所の内地に付きましては、農商務省の調査に依りますと、尚ほ拡張の見込地が百数十万町歩あるのであります、其中で実地に開墾されて居る面積が年々四万三千町歩、其中年々荒廃に帰するものが四万町歩ある、さうすると拡張されて行く土地は年々三千町歩しかないと云ふことになる、

 殊に宮崎県の如きは大分まだ適地もあるさうであります、人口も稀薄である、気候も良し、副業の事も十分である、大変に人を分配するに適当な場所であるやうであります、斯う云ふやうな訳でありますから、内地に於ても尚ほ此開墾方面に努力すれど、まだ幾分人口を収容することが確に出来るやうに思はれるのであります、

 先年設置された所の中央開墾会社と云ふものがありますが、あの成績も調べて見ましたが、まだ設立日浅くして見るべき成績もないやうでありますが、要するに内地に於ては開墾の費用が大分余計かかる、朝鮮等に比較すればどうも費用が余計かかると云ふやうな所から、余程是はむづかしい事ではありませうが、併ながらやつて出来ぬ事ではないのでありますから、此方面にも出来るだけの力を注がなければならぬと考へて居ります、

  次は台湾であります、台湾は大正十年の調で農耕地が七十七万六千甲余ある、農民は矢張総人口の六割五分を占めて居る、一戸当りが二甲弱の土地を持つて居る訳であります、何れ此河川を整理するとか、或は干沢を、干潟地の開墾をするとか其他に依つて農耕地は或程度迄は拡張が出来ると云ふことは勿論でありますが、御承知の通り労力の点に於ては最も勤勉なる、非常に安い賃銀で能く働く所の支那人もあるし、人口調節の見地から台湾に多くの移民を送ると云ふことは先づむづかしいやうに考へるのであります、

 勿論色々な企業を起して、それに伴ふ移民と云ふものは、無論可能でありますけれども、対外的人口調節の意味からして移民を送ると云ふことは先づむづかしい、現に総督府が大分多額の費用を費やして、東海岸に五六百戸を移植したことがありますが、まだ其成績は分りませぬが、随分費用の点から見ると余計の金がかかつて居ります、今急に此方面に力を尽して人を送ると云ふこともどうであらうかと考へるのであります、

   それから満洲でありますが、満洲は御承知のやうに非常に面積があつて、日本の内地の約三倍もあるのであります、而して人口は僅に二千五百万足らずであるのであります、耕地も現在では一千三百三十万町歩出来て居ります、只年々三四十万町歩開墾されて居ると云ふ状態である、既に日本人の彼の方面に移住して居る者が十六万七千人ありますが、其中約八万人は満鉄の社員である、さうすれば普通の者は先づ残り八万人以上に過ぐないのであります、

 そこで満洲では農業移民は果して可能であるかどうであるかと云ふ事に付て大体の調査を申上げますが、関東庁なり満鉄で以て大正三年及大正六年に守備隊満期兵の移住をされたことがあるのでありますが、是等は何れも成績が好くなかつたのであります、

 それで大体が御承知の様に彼所には支那人が居ります、それから朝鮮より移住した所の者が西伯利方面にかけて八十万乃至百万もあると云ふことであります、それに持つて来て山東直隷江蘇淅江あたりから続々移住するものがありますから、将来日本人が此所に来て農業を営むと云ふことになれば、支那人と相並んで仕事をして、而も利廻は割合に安い所の仕事に満足しなければならぬと云ふことになるのでありますから、是も余程望みの少いことになるのであります、

 况んや今日は御承知の通り商租権と云ふ問題がまだ解決されて居ないのであります、是は大正四年の日支協約で商租と云ふものの原則は極まつたのであるが、其細則がまだ極まつて居らぬのであります、実際に於て其商租権を利用することが出来ない状態になつて居る、目下奉天の総領事に於て東山省の官憲と交渉して居るのでありますがまだ解決に至つて居ないのであります、商租の実行が出来ないが屡々已むを得ず日本人は支那人の名儀を借りて此土地を利用して居ると云ふやうな状態である、

 要するに此満洲方面は我が資本と技術を入れて、さうして支那人の低廉なる労力を利用して、生産を盛にして、さうして安く出来た所の品物を我国に移して、其品物を此方に持つて来て、日本の人口過剰と物価騰貴に苦んで居る所の疲弊は之を匡救すると云ふ所の途が適当であるやうに考へるのであります、

  次は朝鮮であります、朝鮮は御承知の如くに自然的にあちらに流込んで、さうして農業を経営して居る所の者が約三万人あります、それから東洋拓殖会社の手を経て移つた所の農業移民は二万人、合せて先づ五万人、此東洋拓殖会社の移民の方法は、先づ既墾地に農民を収容する方針を採つたのであります、

 所が既墾地と云ふことになると、そこに小作人が必ず居ると云ふので、詰り朝鮮農民の耕作人に異動を来す訳になりますから、此方法を避けて今日では小作人――自作農を移すと云ふ所の方針を採つて居ります、それで数も之を制限して年々百戸内外の所位に致して居るのであります、是も余計の移民を移すと云ふことにすれば、朝鮮の小作人との関係を起しますから、統治の上から見て是は面白くないと云ふ所から、斯う云ふ方針に出でて居るのであります、

 既墾地外に未墾地も相応あるのであります、山手の傾斜地の如き、又海岸の干潟地の如き可なりあるのであります、実際之を経済的に利用し得るものは総てで先づ二十万町歩内外であらうと思ひます、さうして見れば此所へ農民を移した所でさう非常に多くの者を移す訳に行かぬ、大体矢張二万内外に過ぎないのであります、それで果して然らば朝鮮も人口調節と云ふ所の見地からの移民は先づむづかしいと云ふことに帰着するのであります、

  それから樺太でありますが、樺太は既に十万人余の移住者が居るのであります、此外に将来二十年間を期して農民五万戸、即ち二十五万人、漁民が一万戸五万人、インダストリー、鉱山の方の工業従業者其他が六万人、合計三十何万人を移殖せしめやうと云ふ計画を立てて着々其歩を進めて居る訳であります、

 それで樺太庁の土地の処分がどうも宜しきを得て居るやうに思はれないのでありまして、矢張自作農を保護して行くと云ふ方針でやつて居る、此方針で歩を進めて行つたならば、果して予定だけの農民を収容することが出来るかどうか分りませぬが、可なりの成績を得られるとしましても、是も矢張人口調節と云ふ方の上から申しますれば大した問題でない、

  其他南洋群島でありますが、是は御承知の通り小さい島でありまして、何程も面積がないのでありますから、是は多くを期待する訳に行かないのであります、既に日本人で移住して居る者が三千七百人居ります、是は多くは沖縄県の者である、此上に砂糖工業を起すとか、棉作業を起すと云ふやうな事々依つて多少は送ることは出来ますが、是も多くを期待することはむづかしいのであります、

  其他外国の領土に係る方面に付ても調査を致して見ましたが、先づ今の所ではどうも「ブラジル」が最も適当である、南米、殊に「ブラジル」が適当である、其他は色々な障害がある、そこで先づ比較的障害の少い方面に而して移民を薦めると云ふことが一番の上策であらう、斯う云ふ所から国外移民の――

  一寸順序が違ひましたが、国内の北海道であります、国内並に隣接地に於て以上申述べたが如くに、人口調節の意味からする所の移民と云ふものは余り面白くないと云ふ所の結論に達した訳であります、北海道は比較的に適当である、斯う云ふ結論を得ました訳であります、

 北海道は御承知の如くに将来の水田の面積が三十万町歩、其中で大正十一年迄に出来た所の既成の水田の面積が十万五千町歩余あります、それから将来水田を造る面積が十九万四千町歩余あります、それから外の方でも将来畑地利用し得べきものが四十万町歩余あります、面積の点に於ては可なりなものがあるのであります、

 而して人口は御承知の如くにまだ極めて稀薄であるのであります、まだ僅に二百四十万人にしかなつて居ない、此上尚ほ三四百万人は収容することが出来やうと云ふ見込が立つのであります、而して今日迄の過去の成績を見ますと、努力した所の年月は可なり長いのでありますが、どうも成績は余り見るべきものがないのであります、

 今の開墾された所の土地もまだ未墾地の半分位の所であります、又人口の増加率から見ても年に七万五千人増加しますが、其三分の一は帰へる、何所か脇に行つてしまふ、其帰へる者の中には、移民も勿論中には行方不明の者もあると云ふ位のことであります、さう云ふうやうな次第であるから実際に増して居る所の人口は年々四五万人に過ぎないのであります、

 而も大正十年後は財界不况の為に非常に増加率が低下したと云ふことで、年に三万余しか増加して居らぬのであります、殊に又斯の如くに成績の挙らないのは、是は色々な原因に依るのでありませうが、此移民を誘致する所の方法が宜しきを得なかつた、或は宣伝が足りなかつた、色々な移民は供給する所の設備が不十分であると云ふやうなことに帰するのであります、

 現に此北海道の土地処分の事であります、土地の分配等も宜しきを得て居らぬやうであります、大きな面積の貸付地が沢山ある、而もそれが耕やしてない、休耕して居る、さう云ふものが沢山間に挟まつて居るものであるから、其奥の方の土地は開かうとしても開けないと云ふやうなこともある、其他交通の系統なども十分に正されて出来て居らぬやうであります、それは此案の中に書いてあります通りの次第であります、至つて今日迄の成績は宜しくないのであります、

 併ながら今後此方針を改めて、以上の此案の中に掲げたやうな趣意に依つて進んだならば、是は相当の成績を挙げられると考へるのであります、国内の移民に於ては第一に北海道は有望である、斯う云ふ結論を得る訳であります、

  それから次は国外の方でありますが、国外の各方面段々見渡して見るのに、南米殊に「ブラジル」が最も宜いのであります、申す迄もなく何れの方面でも多少の故障はあるのであります、「ブラジル」と雖も将来どう云ふ故障が生ずるが、是はどうも分らぬのでありますが、現在の状態を以てして、先づ一番に日本人として行き易い所の地方であるのであります、成べく速に此方面に歩を進めて、着々と実行致すと云すことにしたい、斯う云ふ考であるのであります、

 それで此附帯決議の事を一つ申上げて置きますが、附帯決議として特に別冊に致しました訳は、どうも移植民に関する原則なり議論が甚だ囂[注 かまび]くあるのであります、併ながら其割合にまだ実行方面は進んで居らぬのであります、甚だ日本の立場として不利な地位に居る訳であります、

 斯う云ふ問題を議論する場合に於て、事が極まる前から声が響くと云ふことは、百害ありて一利なしと考へるのでありますから、成べく是は愈々此計算なり目論見が確定して、実行に着手すると云ふことになる迄は、厳重に秘密の中に納めて置きたい、斯う云ふ考から是は附帯決議と致して別冊に致した次第であります、どうか此点は御諒承を願ひたい、

 それから次は此れ「ブラジル」方面に土地を購入する事であります、此事業を起すに付きましては、先づ先立つ所の、最先の急勢は土地を買入れると云ふ事である、会社が成立以前に土地を買ふ方法があるなら至極宜しいのでありますが、どうも是は色々研究致しましたがむづかしいのでありますから、茲に会社の設立と共にやる外ありますまい、随つて会社其物の成立を急ぐと云ふことになるのであります、どうか政府に於て是非とも此会社を組織すると言ふことに付て、速に着手あらんことを望むと云ふ希望を持つて居りますから、此場合に之を声明致して置きます、

 それから南米に於て御承知の海外興業会社と云ふものが働いて居る、移民取扱其他植民の仕事の方面もやつて居る、此既設会社と此新設会社とはどう云ふものになるであらうかと云ふ所の疑問も出るであらうかと思ひます、此点も色々研究致しました、

 委員会に於ては、此海外興業株式会社と云ふものが過去に於ては成績が挙がらないと云ふこともあるのでありますが、其最も主なる原因は資力の乏しいと云ふ事に在るやうであります、兎に角成績は余り思はしくないのであります、併ながら政府に於ても年々多少の補助を与へて之を助成しなければならぬと云ふ関係もあるのであります、又此会社が出来る当初、政府の慫慂に依つて出来たと云ふ関係もあります、本特別委員会に於ては此点も十分考慮の中に加へました、

 併ながら此新設会社は海外興業会社と云ふものと別段何等の交渉がなく出来て居るのである、唯だ移民取扱の仕事と云ふものを海外興業がやる場合は新設会社と併立して成立つて行くことは妨げないのであります、又必要ならば或は合同をすると云ふか、合併をすると云ふか、是も差支なからう、其点に於て余地を存して置いた積りであります、以上を以て大体の説明を終りますが、尚ほ御質問がありますれば其の点に付て御説明致します

(以下 略)